東京都で人工降雨の試験

暑い日が続いています。
松山でも、8月は真夏日はもちろんのこと、ほとんどの日が猛暑日になっています。
そして、記録として残る降水量は0です。
石手川ダムの貯水量も、降水量が46mm確認された7月28日以降は落ち始め、今日は81.6%になっています。
渇水は、四国だけではありません。
ゲリラ豪雨とかで騒がれている東京都でも、雨が少ない影響で、多摩川の上流にある小河内ダムの貯水率が69%となり、平年を大きく下回っています。
このため、小河内ダムの周辺に設けた人工的に雨を降らせる装置を平成13年以来、12年ぶりに動かす方向で検討に入り、21日、試験的な運転を行ったそうです。

(1)人工降雨の方法
人工降雨の方法として、
①ヨウ化銀法
ヨウ化銀を高温炉で蒸発させて発生する粒子を地上または上空から高層の雲に送り込んで氷の結晶を形成させる方法です。
地上からの打ち上げが一般的ですが、氷点下の所に高層の雲があることが少なく、費用や労力の割には効果が期待できないことが多いと思われます。
またヨウ化銀は弱い毒性を持っているため環境面からも問題があると思います。
②ドライアイス法
数cmの大きさに砕いたドライアイスを雲より上空から散布する方法です。
ただしこの方法は多くの実験結果ではなかなか降雨にならないことが多いようです。
③散水法
上空から水を散布する方法です。
単純なようですが、氷点下の雲があり、その内部で直径30ミクロン以上の比較的大きい雲粒が不足している場合にのみ適用可能です。
④液体炭酸法
氷点下の雲の上空に液体炭素を水平直線状に散布する方法です。
ヨウ化銀のように燃焼させる必要は無く、車で移動しながら地上からの散布も可能となります。

(2)東京都での試験結果
上記ようにいろいろな方法があります。
東京都の装置は、ヨウ化銀法です。
現在では、人工的に雨を降らせようとする装置は、多摩川水系上流の都内と山梨県内の合わせて4か所に設置されています。
このような装置を都道府県で現在動かしているのは東京都だけだそうです。
この装置は、水蒸気と結びつきやすい性質を持つ「ヨウ化銀」を入れた溶液を燃やし、細かい粒子を含んだ気体にします。
そのうえで、大型の扇風機で風を起こして装置の煙突から空気中に放出します。
気体が上昇気流に乗り雲に到達した場合には、「ヨウ化銀」が雲の中の水蒸気と結びつき、地上に落ちてくると雨が降る可能性があるということになります。
この装置は、昭和30年代にたびたび起きた渇水の経験を踏まえて、東京都が47年前の昭和41年に設置し、雨が少ない状態が続くと頻繁に使われてきたそうです。
東京都が昭和52年までの10年間にこの装置を動かした日と動かさなかった日の降雨量を調べたところ、装置を動かした際には降雨量が5%増えていたそうです。
装置はその後、東京の水源になる利根川水系や荒川水系のダムの整備が進むなか、使われる機会は減っていきました。
この装置が最近使われたのは、先に述べたように、ダムの貯水量が大きく減った12年前の平成13年の8月でした。
装置を稼働させた10日間で、観測された雨量はダムの上流で最高42mmの降雨があったそうです。
但し、貯水率を大幅に引き上げるには至りませんでした。
今回も、試験運転が終わってから雨が降り始め、ダムの上流に東京都が設置した2か所の雨量計で午後6時までの1時間に10mmから11mmの雨量を観測したそうです。

(3)専門家の見解
東京都の人工降雨装置について、人工降雨の研究を行っている防衛大学校の教授である遠峰菊郎さんは、「ヨウ化銀は、マイナス5度からマイナス10度くらいになると水蒸気を凍らせ、雨を降らせるが、そのためには今の時期なら高度5000mほどの高さまで到達させなくてはならない。東京都の装置で発生させたヨウ化銀が自然の上昇気流に乗ってその高さまで確実に上がっていくかどうかに疑問があり、信頼性に乏しい方法だ」と指摘しています。
そのうえで、「現在、人工降雨の主流は、航空機を雲の中に飛ばしドライアイスなどを直接まく方法なので、東京都もより信頼できる方法に見直したほうがいいと思う」と話していました。
また、化学物質の影響については、「安全性が確認された範囲の分量でヨウ化銀を使っているとは思うが、人体に影響を及ぼす重金属だから使わないに越したことはない。人工降雨に使える薬剤はヨウ化銀だけでないので、検討し直したほうがいいように思う」と話していました。

(4)松山市でも対策を
東京都もそうですが、松山市も渇水は深刻です。
ヨウ化銀法よりも、ドライアイス法の方が信頼性が高いとは意外でしたが、いずれにしても、松山市も渇水対策には神経質になるべきだと思います。
これだけ雨が降らなくても現在の石手川ダムの貯水量が81.6%もあるのが不思議ですが、これは、松山市民が日ごろからの節水に注意をしているからだと思います。
あとは、行政による対策として、人工降雨装置でも、淡水化施設でもなんでもいいのですが、前向きに検討してもらいたいと思います。
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