千枚岩について

千枚岩について調べてみました。

(1)千枚岩とは
千枚岩(せんまいがん、フィライト、phyllite)は、変成岩の一つです。
外観は黒茶色で、片理面は絹雲母の微細粒子により光沢を持ち、水分を吸収すると黒色を帯びています。
割れ目や片理が発達し、灰緑または灰褐色の絹糸光沢を有し、葉片状に剝がれやすい特徴をもっています。
再結晶作用はあまり受けておらず、緑泥石や絹雲母などの細かい鱗片(りんぺん)状結晶が片理に沿ってわずかに生じています。
変成度が粘板岩と結晶片岩(片岩)との中間の広域変成岩ですが、広域変成作用における変化度の最も低い変成岩ですが、微粒な再結晶は認められています。
千枚岩は、粘土質の堆積層が変成、風化、腐食などの過程を経て生成された天然鉱石で、スレートに類似していますが多少粗粒であり、雲母片岩よりは細粒です。
細かい白雲母が形成されていることが千枚岩の特徴で、微細な結晶質の白雲母が平行配列することで、先に述べたように葉状構造が形成され、剥げやすく、また絹糸状の光沢を持っています。
普通は白雲母(セリサイト)、緑泥石などのフィロ珪酸塩鉱物が全体の50%以上を含んでいます。
主成分としては、石英・長石(黒雲母、白雲母、絹雲母、緑泥石、方解石など)などです。
フランス語ではphylladeで、ギリシャ語のphyllonは葉の意味です。
日本語では小藤文次郎が磷石と訳し、燐の字の火偏を石偏にした漢字(磷)を当てたのですが、後に地質調査所において千枚岩とされています。
泥質のものは泥質千枚岩(pelitic phyllite)、砂質ものは砂質千枚岩(psammitic phyllite)と呼ばれています。
千枚岩は、劈開がよく発達し、裂けやすい組織をもっています。
細かい鱗片状鉱物が発達し、劈開面は原岩の堆積面に斜行する場合と平行の場合とがあります。
先に述べたように、スレートと片岩の中間のもので、変成した泥質な岩石となっています。
微晶質の雲母の配列により千枚岩組織が形成され、千枚岩には白雲母が存在し、その平行配列のため剥げる面には光沢があります。
このため白雲母の存在によって、千枚岩を一般の片岩から区別する考え方もあります。

(2)千枚岩の役割
千枚岩は、大きく3つの役割で注目され始めています。
①有機農業における役割
すでに千枚岩を使用した肥料が10年以上前から有機農業による米作に使用されています。
千枚岩はまた、肥料の三要素である「窒素(N)」「リン酸(P)」「カリウム(K)」を含み、また「カルシウム」や「マグネシウム」、「ミネラル」など植物の育成に必須の10元素をすべて含有しており、健全な花や野菜などの成長を補完してくれます。
②除染における役割
これだけでなく、汚染地域の農地に放射能除染効果及び肥沃効果が優れていることが研究結果で実証されています。
千枚岩は、すぐれた吸着力を有していると言われています。
そもそもセシウム粒子と粘土粒子は微粒系(1ミリの10億分の1)のため科学的固着力が強く、本来作物への影響は低いと考えられていました。
しかし、セシウムが粘土層ではなく、水分や養分中の浮遊物などに吸着した場合、植物がその根を通して養分を吸収する際、作物が内部被ばくを起こしてしまいます。
そんな中で、作物の汚染対策として注目を集めているのが千枚岩です。
千枚岩は、内部に気孔と呼ばれるナノサイズの微細な空間を多く形成しており、物理的な吸着力と化学的な陽イオン置換作用に優れています。
特に千枚岩の場合は、他の物質より気孔の容積と面積が大きく、そして吸着力もまた大きくなっております。
また気孔の並び方がスクランブル状に入り組んでおり、セシウムを一度吸着すると排出しにくい構造となっています。
セシウム吸着という観点から、千枚岩以外に田畑に蒔かれている土壌改良剤としてゼオライトがあります。
ゼオライトは沸石類と呼ばれるアルミノケイ酸塩鉱物の総称で、土壌改良のほかに、水質浄化やガス吸着などの分野で使用されています。
③難燃剤(三酸化アンチモンの代替品) としての役割
プラスチック、ゴム、木材、繊維等の高分子有機材料を難燃化するために広く使用され、火災による人的・経済的損失を防止するのに大きく貢献する難燃剤として広く使用されている物質は三酸化アンチモンですが、今後は難燃効果が確認された千枚岩の需要が高まると考えられています。
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