地下水の流向流速測定

地下水の流向流速測定にもいろいろな方法があります。

大きく分けると、
①単孔式
一つの測定孔で観測を行う方法で、熱中性子検出法、電位差法、熱量法、テレビ法、レーザー法などがあります。
②多孔式
複数の測定孔を用いて観測を行う方法で、トレーサー法、水位測定法などがあります。
それぞれの方法の特徴について、以下の表にまとめました。

測定方法測定原理長所短所










ホウ素を測定区間内に注入し、指向性を持たせた中性子検出器にて各方向のホウ素濃度を観測します。ホウ素濃度の希釈状況の変化から流速と流向を求めます。
ホウ素は熱中性子を好んで取り込む性質があり、トレーサーとして利用できます。
幅広い流速範囲で測定可能です。(3×10-5~1×10-1cm/s)装置が複雑です。

大きい孔径が必要です。(観測孔径φ80mm)

地下水の水質を変化させてしまいます。




地下水と比抵抗の異なる溶液(蒸留水、食塩水等)を測定区間内に注入し、測定器の円周上に設置された電気抵抗検出器にて電気抵抗を観測します。
注入溶液の希釈状況の変化から流速と流向を求めます。
 幅広い流速範囲で測定可能です。(1×10-5~1×10-2cm/s)

流向の精度が高いです。(±7.5°)

装置が複雑です。
地下水の電気伝導率により測定できない場合があります。
最大測定時間が大きく、 やや大きい孔径が必要です。(φ75mm~φ100mm)



測定器に内蔵したヒーターにより地下水をあたため、測定器の円周上に設置された温度センサにて地下水の温度を観測します。
地下水の温度変化から流速と流向を求めます。
現在では最もよく用いられている方法です。
地下水が懸濁していても測定ができます。

比較的小さい孔径で測定できます。(φ50mm以上で測定可能)

短時間で測定ができます。(1箇所あたり約2時間)
適用できる流速範囲が狭いです。(0.01~1cm/分
=1.6×10-4~1.6×10-2cm/s)



測定器に赤外線カメラを内蔵し、地下水中を移動する微粒子を観測します。
微粒子の移動速度、方向から流速と流向を求めます。
小さい孔径から測定できます。(φ40mmより測定可能)
機材にも依るが、速い流れでも測定できます。
映像をビデオなどに記録でき、後で再測定することができます。
地下水が懸濁していると測定できません。






レーザー光により干渉縞を発生させ、粒子が干渉縞を横切る周期から流速と流向を求めます。深い深度(200m)まで測定可能です。

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食塩水などのトレーサーをある孔に投入し、その周辺に設置された複数の観測孔でトレーサーの到達時間を測定することによって、流速と流向を求めます。測定孔間の実際の地盤状況を反映した測定値が得られます。水位変動による影響が大きいのが特徴です。
流速が遅いと非常に時間がかかります。
観測孔の配置が粗い場合、測定値が得られません。
地下水の水質を変化させてしまいます。





複数の観測孔で同時に水位を測定し、その水位差から流速と流向を求めます。一度観測孔を設けてしまえば、測定は簡便で、何回でも測定可能です。対象帯水層の透水係数がわからなければ流速が求められません。
できるだけ同時に水位を測る必要があります。
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