世界の地形⑩

世界には自然が作り上げた奇妙で不思議な地形がたくさん存在しています。
そんな驚くべき地形の中から、今回は、ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群を紹介します。

(1)複合遺産のギョレメ国立公園と岩石遺跡群
ギョレメ国立公園(トルコ語:Göreme Milli Parklar)は、トルコのカッパドキア地方ネヴシェヒル県にある国立公園です。
カッパドキア地方は、ペルシャ語で「美しい馬の国」という意味です。
ここには、奇岩群と古代ローマ時代にギリシア人のキリスト教徒によって建設された地下都市があります。
カッパドキア観光の中心地であり、1985年、ユネスコの世界遺産に「ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩石遺跡群」として登録されました。
この世界遺産は、「複合遺産」です。
「複合遺産」は、「文化遺産」と「自然遺産」の両方を兼ね備えた遺産です。
一帯の自然環境と、そこでの人間の文化的営為が、ともに顕著に普遍的な価値を有するものと認定されることが必要と言われ、「複合遺産」の数は、900を越えている世界遺産のなかで20件台と、非常に少ない登録数です。
ちなみに、日本には1件もありません。
「複合遺産」として登録可能なところは、最近「文化遺産」として登録された富士山くらいです。
富士山は、「自然遺産」としての素晴らしさは世界が認めるところです。
ごみなどが回収されてきれいになれば、十分「複合遺産」として登録される価値はあると思います。

(2)カッパドキア地方の地形の変化と地質
タウロス山脈が隆起した6000万年前の新生代古第三紀暁新世の頃には、カッパドキア地方を取り巻く三つの山(エルジイェス、ハッサン、ギュルル)は、活発な活火山だったそうです。
火山から流れ出した溶岩は、新生代新第三紀に生じた湖に沈んだり、火山性噴出物で生じた凝灰岩台地は小規模な噴火を繰り返しました。
こうした火山活動の噴出物で凝灰岩や玄武岩の地層が生まれました。
そして、300万年前のエルジイェス山 (3916m)と ハッサン山 (3268m)の巨大な噴火により、広範囲に火山灰で覆われ、やがて100mにも達する分厚い凝灰岩層となりました。
凝灰岩層は、先に述べたように、火山噴火による火山灰が堆積し、変成して生じた岩石です。
硬い玄武岩に対して、凝灰岩は岩石としては柔らかくて、風雨などで風化浸食を受けて、随所に谷ができ、凸凹の地形が形成されやすいのが特徴です。
これが、クズルウルマック川や風雨の浸食を受けて、柔らかい部分だけが削られ、奇岩が並び立つ奇妙な地形となりました。

(3)キリスト教徒たちと岩窟生活
ギョレメ国立公園は、トルコの中部、ネヴシェヒール地方にあるアナトリア高原にあり、カッパドキアの岩窟群は、先に述べた火山の噴火によって、凝灰石が風化と浸食を繰り返して出来上がったもので、キノコ状、あるいは、タケノコ状の奇岩怪石が林立しています。
アナトリア中央南部では、紀元前4000年もの昔から柔らかい凝灰岩をくり貫いた住居で生活をしたそうです。
しかも、周辺の自然を損なうことなく人間の手が入った世界でも珍しい地域ともいわれます。
ローマ時代、ビザンチン(東ローマ帝国)時代、セルジュークトルコ時代と変遷するにつれ、単純な岩穴住居は地下の細い回廊で繋がり幾層にもなって多くの人口を抱える大規模な地下都市に変化した場所も多くありました。
カイマクル、マズ、デリンクユ、オズコナック の地下都市は、ビザンチン帝国の偶像破壊運動の迫害を逃れた7世紀のキリスト教徒が安全な隠れ家として逃げ込んだのです。地下都市には教会、穀物の貯蔵庫、作業所、家畜小屋、寝室、台所、通気口などが完備されていました。
4世紀前後には、ローマ帝国の迫害から逃れたキリスト教徒たちにとって修道に最適の場所と写ったたのか、横穴式に掘り抜いて約360の岩窟修道院や教会などを造りました。
この中でも、ギョレメ峡谷一帯のギョレメ国立公園は、周辺の自然を損なうことなく人間の手の入った世界でも珍しい地域で、カッパドキアの奇観を代表するチャウシン岩窟教会などの岩窟教会、トカル・キリッセ、エルマル・キリッセ、バルバラ・キリッセなどの聖堂が集まっており、内部には彩色鮮やかなビザンチン様式のフレスコ画が残っています。
また、カッパドキアには、オオカミ、アカギツネなどの動物、100種を超える植物など、貴重な動植物が生息しています。
カッパドキアの洞窟教会とか地下都市の存在が世に知られたのは比較的新しいそうです。
1907年から始まり40年間も継続した調査と研究により明らかになったと言われています。
洞窟での生活は1950年以降は、特別な許可が無い限り禁止されているそうです。


海外旅行世界遺産 奇岩の風景 ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群の絶景写真画像ランキング  トルコ 
写真にあるような、岩をくり貫いた住居は紀元前4,000年に作られたものだそうです。
ビザンティン時代には、教会や修道院が岩に穴を掘って作られ、その金色のフレスコが周辺の風景の色を反射しています。今日でも、円錐岩の洞窟住居と火山のトゥファでできた家は、周りの風景に違和感なくとけ込んでいます。
凝灰岩って、こんなにも掘りやすいものかと思うほど、芸術的に仕上がっています。
愛媛県でも、三坂峠への登り道には、比高差10m以上の直壁の露頭がありますが、なかなか簡単には住める家は掘れないと思います。

海外旅行世界遺産 ウチヒサルの住居 ギョレメ国立公園とカッパドキアの岩窟群の絶景写真画像ランキング  トルコ  
このアナトリア高原では、紀元前4000年もの昔から人間が柔らかい凝灰岩をくり貫いた住居で生活をしたそうです。
しかも、周辺の自然を損なうことなく人間の手が入った世界でも珍しい地域ともいわれます。
写真は、ウチヒサルの住居です。

カッパドキア岩窟群
キノコ状、あるいは、タケノコ状の奇岩怪石が林立しています。
写真の、きのこ岩の上のボウシのような部分は硬い質の異なる凝灰岩が侵食されずに残ったものだそうですが今にも落ちそうです。

 
笠をかぶった奇岩柱もよく見かけます。
これは、硬い玄武岩が、直下の柔らかい凝灰岩を風化浸食から守ることで、周囲の凝灰岩層の風化浸食から取り残されて、次第に柱状となったものだそうです。
2種類の岩石の硬度の違いが、浸食速度の違いとして観察される一つの現象ですが、こんなにも林立しているのは驚きです。

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