津波石について

津波石という日本独特の言葉があります。

(1)津波石とは
津波石(つなみいし)は、津波によって岸に打ち上げられた大岩のことです。
津波は大きなエネルギーを有していることは、東北での大震災で目の当たりにしてしまいました。
そして、その押し波は、高い水圧で海中の巨石などを運び、高い波によって陸地の内部にまで打ち上げます。
①岩手県宮古市の津波石
実際に、東北での大震災での津波でも、「津波石」が発見されています。
岩手県宮古市田老地区の摂待川河口からずいぶん離れた畑に、幅約6.5m、奥行き及び高さ各約4.0mで、重さは推定すると140tにもなるそうです。
航空写真の判読や住民の証言では、約470m離れた海岸の防波堤近くから運ばれてきたことが判明したそうです。
②宮城県気仙沼市の津波石
宮城県気仙沼市唐桑町の御崎野営場より遊歩道を歩いて徒歩20分ほどの神の倉尻浜で、やはり大津波によって、海中から浜(磯辺)に打ち上げられたと見られる大きな「津波石」を地元の漁師さんが発見しています。
石の大きさは、大きいもので高さ約5.0m、幅5.0mだそうで、やはり100t級の「津波石」です。
周囲の岩場と比べ白っぽくなっているそうでまた、高さ3.0m以上の岩も3個確認致したそうです。
③岩手県大船渡市の津波石
そればかりではなく、岩手県大船渡市三陸町の吉浜川河口付近では、昭和三陸津波(1933年)の猛威を伝える当時の「津波石」が見つかったそうです。
この「津波石」は、1970年代の道路工事で埋められたそうですが、大震災の津波で道路が崩れ、地表に現れたのを住民が発見しました。
「津波石」の規模は、縦3.7m、横3.1m、高さ2.1mだそうです。

(2)過去の津波石
①世界の津波石
津波によって数10t以上の石が動くのは、東北での大震災以前は信じられなかったのですが、建物の上に船が乗っかっている状況を見ると、水圧の威力は想像以上だと思われます。
2004年インド洋大津波によって,タイのカオラックという場所で重さ約20t以上で、直径4.0mの「津波石」が数百m内陸に運搬されたことが明らかになっています。
世界中の津波リスクが高い国である、アメリカ,ポルトガル,オーストラリア,プエルトリコなどの沿岸域には、同様の「津波石」が存在することが報告されています。
②沖縄の津波石
特に、亜熱帯・熱帯地方の沿岸部では、サンゴ礁が石化してサンゴ石灰岩が形成され、潮汐による浸食を受けてキノコ状の岩礁になったり、岩塊となって海中に点在しているものが多数あります。
これらは、比較的もろく比重も小さいため、津波によって一部が分離し、陸に打ち上げられやすいと言われています。
沖縄県の先島諸島の海岸や内陸には津波石が多く残っており、1771年に起きた八重山地震の津波によって海岸に運ばれたり、陸に打ち上げられたと伝えられているものも多く見られます。
②-1 帯岩
宮古諸島の下地島には、「帯岩」と呼ばれる巨岩が残り、信仰の対象となっています。
帯岩(おぴいわ)は、高さ約12.5m、周囲約59.9mの巨岩で、通り池の南側約800mに位置しています。
付着したサンゴの分析や文献から、先に述べたように、1771年4月24日(明和8年3月10日)に起きた八重山地震の津波(明和の大津波)で打ち上げられた「津波石」であると考えられており、世界最大の「津波石」であるとも言われています。
1979年(昭和54年)6月1日に旧伊良部町の史跡に指定されています。
②-2 津波大石
石垣島大浜の崎原公園にも、「津波大石」(つなみうふいし)と呼ばれる長径12.8m、短径10.4m、高さ5.9mの大石があります。
周囲38.0m、体積推定350㎥、重量推定74tと巨大な石で、海中から打ち上げられた珊瑚礁の大塊で、貝、枝サンゴ、テーブルサンゴ、みどり石などの石物が歴然と残っています。
特に堆積砂岩の上に置かれていて、根つきの石でないことが明らかだそうです。
この「津波石」は、研究の結果、八重山地震ではなく、約2000年前の津波によって打ち上げられたものと考えられています。
この例のように、先島諸島の「津波石」は、実際には明和の大津波ではなく、それ以前の津波によって打ち上げられたものも多いと見られています。
③東北地方の津波石
但し、「津波石」が打ち上げられるのは亜熱帯や熱帯ばかりではありません。
先ほど紹介した東北地方の大震災時の「津波石」の他にも、岩手県田野畑村の羅賀地区の海岸から約360mの地点には、1896年の明治三陸地震の津波で運ばれた2つの津波石があります。
また、岩手県大船渡市三陸町吉浜の海岸から約200mの地点には、1933年の昭和三陸地震の津波で運ばれた幅3.7m、奥行き3.1m、高さ2.1m、重さ約30tの石があり、「津波記念石」になっています。

宮古島 写真
西岸にある巨岩で高さ約12.5m、周囲約60mの「津波石」です。
1771年に起きた八重山地震の津波で打ち上げられたとされています。
現在は島の信仰の中心のひとつで、大漁、航海安全、家内安全の祈願が行われています。



石垣島・大浜の崎原公園にある津波大石で、大石と書いて「うふいし」と読みます。
左に写ってい軽自動車で大きさと比べると、津波大石の大きさがわかります。

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