大切な地下水

井戸を掘ることや、地質を調べること、地下水を調べることをずいぶんやってきました。
特に、松山市やその周辺の市町は、当然その機会が多く、「このあたりでは地下水位はこれくらい」とか、「支持地盤はこれくらい」とかの推定は可能になりました。

松山市周辺の町で、井戸の依頼を受けて現場を見に行きました。
松山市企業局の掘井戸や湧泉などが至る所にあり、地下水が豊富な地区です。
「地下水位は5mくらいだろう」とは現地で推定でき、ボーリング機械で掘削したところ、やはり5m付近で地下水位が確認できました。
渇水の時期なので8mくらいまで掘れば十分だろうと思い、ここで堀り止めにしました。
洗浄時も、ポンプを設置してからもしばらくは水が出ていました。
その後、「水がでなくなった」との依頼人の連絡で、配管の点検やポンプの点検を行いました。
でも水は出ません。
まさかとは思っていたのですが、水位も測ってみようと水位計を入れたのですが反応がありませんでした。
つまり、井戸の中に地下水がありませんでした。

近くの家で、井戸を掘っている人に聞いた所、8mより浅い井戸は水が出てなくて、深いところは水が出ているとのことでした。
この地区は、急に暑くなったので一日中水を出しっぱなしにしている家が多いとの事で、渇水の時期だけでなく、このことが地下水低下の原因でした。
依頼人の井戸は15mまで掘り足しました。
そして、地下水は8.5mの所にいました。

井戸水から水が出ると、水が豊富にあると勘違いして、無駄に垂れ流す家庭もよく見かけます。
例えば、10m掘っている場合には、地下水位が8.5mだと、あと1.5mしかありません。
この深さは、昔のヒューガルポンプでは揚水しない深さです。
無駄に垂れ流していると、その地区全体の地下水の低下を招き、最悪の場合は井戸枯れをおこし、地下水位が元に戻らないことだってあります。

「安全な飲料水」は、日本では人口の100%利用でき、先進国全体では99%が利用できていますが、発展途上国では16%が利用できていません。
そして、サハラ砂漠以南のアフリカでは42%も利用できていないと言われています。
これは、世界中で8億8400万人が、「安全な飲料水」を利用できていないことになります。
つまり、世界の人々の8人に1人(13%)は、井戸、河川や湖沼など、汚染のおそれのある水源を利用しているのが世界の現状です。
また、日本人のように住居まで届く水道を利用できるのは2人に1人(54%)程度にすぎません。
発展途上国では、井戸があり、周囲からの汚染を防ぐためのフタなどがあれば、「安全」とみなされています。
地下水は、雨水がしみ込んでなりますが、日本での地下水と、発展途上国での地下水とでは地下にしみ込む時の汚染度もずいぶん違います。
これにと密接な関係があるのが、トイレです。
世界では5人に1人(18%)、南アジアでは半分近く(48%)の人が、トイレがなく野外で用を足しています。
これが水を汚染し、「安全な地下水」ではなくなってしまいます。

井戸水には限界があります。
そして、井戸には、井戸に応じた適正揚水量があります。
渇水期での地下水位と、揚水量の関係を調べれば適正揚水量は出ます。
井戸水を無駄に使わないためにも、各家庭で把握しておくことが必要だと思います。
貴重な地下水です。
大切に使いましょう。
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