北朝鮮の掘削技術と今後の技術革新

2013年2月12日に、北朝鮮で地下核実験が行われました。
これは2006年、2009年に続き3度目の核実験だそうです。
日本でも地震波動が確認されたみたいですが、地下核実験の波動は、明らかに地震とは違うみたいです。
地震の規模としては、マグニチュード5.2で、震源の深さは、0Km(ごく浅い)とされています。
私が注目したのは、それより4年前の2009年5月25日の地下核実験です。
北朝鮮は、その日の朝9時54分に地下核実験を行い、日本での観測では、マグニチュード5.3と推計され、震源の深さは10kmとされていました。
この震源の深さからわかることは、地下10kmまでトンネルを作る掘削技術を北朝鮮が持っているかも知れないということです。
温泉ボーリングでは、8000mクラスは珍しくもありませんが、パイプの径はせいぜい10~20cm程度です。
地下核実験は斜掘りか垂直かは解りませんが、1m近い径のトンネルだろうと想像できます。
30度の傾斜角で掘れば10kmの深さに達した時には、トンネルの長さは20kmにもなります。

世界最長の掘削は、地球の地殻深部を調べる科学的掘削計画として、ロシア北西部のコラ半島で1970年から約20年かけて掘られた12.261kmだと言われていました。
1970年5月24日に掘削を開始し、本坑から何本もの支坑が掘られたそうです。
当初計画は深度15kmだったそうですが、予想を超えた地温(180℃)に遭遇し、1992年に断念しました。
現在での世界最長の掘削は、2011年の1月、エクソン・モービル社がロシアの海底ガス油田開発「サハリン1」オドプツ鉱区で掘削した12.345kmだそうです。
これから考えると、北朝鮮の10kmの掘削はにわかには信じがたいと思います。
アメリカの地質調査所(US Geological Survey)が発表したものですが、震源の深さのデータが間違っていた可能性もあるかも知れません。
日本では、石油や天然ガス採掘の基礎調査として新潟県で掘った6.31kmが最深記録だそうで、震源の深さが本当なら、北朝鮮の技術以下ということになります。

掘削方法としては、鉄のパイプをつないだ先端にドリルの刃を取り付け、1分間に100~200回転させて穴を掘っていくのが基本的なやり方です。
岩石の掘りくずは、パイプを通して注入する泥水で洗い流します。
この方法で深く掘り下げると、1km当たり20~30℃の割合で温度が上昇してきます。
これに対して、真っ直ぐに掘るためパイプの先端につけている電子部品は、275度くらいまでし耐えられません。
また、1km掘るたびに、周囲の岩盤からかかる圧力も300気圧ずつ大きくなるので、穴が崩れやすくなってきます。
現在の技術では、地下10kmあたりが掘削の限界と考えられています。
先ほど紹介したコラ半島の場合は、たまたま12kmまで掘れましたが、すぐに崩れてしまい、今は8kmほどの深さしかないそうです。

但し、次世代のエネルギー資源として期待が高い「メタンハイドレート」を確認してから、掘削技術は格段に進化しています。
海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球深部探査船「ちきゅう」のドリルが2012年4月25日、海面下7,740mに到達し、海底科学掘削の世界最深記録を更新したそうです。
水深6,883.5mの海底までドリルを下ろし、その下856.5mまで掘削し、海面からの深さが合計7,740mとなり、1978年マリアナ海溝のチャレンジャー海淵で米国の探査船が達成した7,049.5mを上回りました。
この調査掘削は東北地方太平洋沖地震の発生メカニズムを解明することが目的だそうですが、大変な技術です。
あまりにも深いために、スパット台船みたいに固定できないので、船のコントロールが大変だと思います。
穴を掘っているときに船が流されないか心配ですが、船をスカーリングの如くに操って定位置に保つそうです。
時化のときなどはどうするのでしょうか?
いずれにしても、高等技術を駆使して掘削していることは間違いありません。
それにしても、世界最長と言えども、掘ったのは地球の中心までの距離のわずか5,000分の1です。
今後、掘削技術が進んでも、地殻の下にあるマントルに届くのさえ不可能なのでしょうか?
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