メタンハイドレートの将来

日本の周辺海域に埋蔵されている「メタンハイドレート」ですが、3月12日、愛知県沖約80kmの海底地層から試験採取に成功したと発表しました。

「メタンハイドレートの採取に成功」のブログ
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「メタンハイドレート」は、天然ガスの主成分である「メタン」を含む氷状の水和物で、「燃える氷」とも称されています。
日本政府は、太平洋側で世界初の試験生産に成功したことから、国産の次世代エネルギー資源として一段と期待が高まり、その実用化に向けて、資源エネルギー庁は2013年度から日本海側でメタンハイドレートの分布調査を本格的に実施することになり、政府予算では約10億円を投じる予定だそうです。

(1)メタンハイドレートとは
「メタンハイドレート」は、メタンなどの天然ガスが水と結合してできた、固体の結晶のことで、天然ガスの一種です。
見た目は氷に似ていて、火を近づけると燃える性質があり、先に述べたように、「燃える氷」とも言われています。
そして、燃えた後には水しか残らないという、とても不思議な物質です。
この「メタンハイドレート」が、現在火力発電などで使用している化石燃料に変わり、未来のエネルギーとして期待できると言われ、盛んに研究され注目されているのが現状です。
「メタンハイドレート」を化学的に説明すると、水分子とメタンガス分子とから成る氷状の固体結晶です。
ドライアイスや氷ほど冷たくはなく、常温ではメタンガスと水に分解されてしまいます。
手にすると、みるみるうちにメタンガスを放出しながら溶けていき、あとに水が少し残るだけです。
そして、「メタンハイドレート」の最大の特徴ともいえるのが、その分子構造から、ガスを固体状態で大量に貯留できることです。
氷分子の「かご」のような結晶構造をしていて、メタンやCO2、硫化水素などの小さなガス分子を、その中に閉じ込めることができるそうです。
メタンは、現在は油田やガス田から採掘され、エネルギー源として有用な天然ガスの主成分で都市ガス、発電燃料、天然ガス車、燃料電池などにも利用できます。

(2)メタンハイドレートが注目される理由
今でこそ、21世紀の夢の資源として注目されている「メタンハイドレート」ですが、資源として重要であることがわかってきたのはここ20年ほどだそうです。
以前は、石油・天然ガスのパイプラインを詰まらせる厄介ものと考えられていたくらいです。
限りある、石油や天然ガスの燃料資源の問題と、地球環境破壊を食い止めることからも、新しいクリーンエネルギーが求められています。
この「メタンハイドレート」ですが、石油や石炭に比べ燃焼時の二酸化炭素(CO2)の排出量がおよそ半分と、クリーンエネルギーです。
海洋資源がいっぱい眠っていながら活用されてなく、したがって資源が乏しい日本は、現在、燃料資源のほとんどを海外からの輸入に頼っています。
「メタンハイドレート」は、そんな日本の救世主になるかもしれない新エネルギーです。

(3)メタンハイドレートと地球温暖化
深海底にある「メタンハイドレート」を不用意に掘削すると、その下層や周辺のハイドレート層にかかる圧力が減少して分解し、大量のメタンガスが噴出します。
万一それが一帯の「メタンハイドレート」層に連鎖的に広がれば、貴重な資源を大量に失うだけではなく、そのまま大気中に放出してしまうと大量のメタンガスが排出されることになるため、地球温暖化に影響を与える懸念があると言われています。
一方で、「メタンハイドレート」は海底の温度が数度上昇するだけで溶け出し、海底内で放出されたメタンガスは、海中を経由して大気中に放出されるとも言われているのです。
このような危惧があって、放置したままでも「メタンハイドレート」は海中から大気中に少しづつ放出されてしまうのなら、慎重に採取して燃料として使用したほうが温暖化防止に繋がるという考え方もあります。

(4)メタンハイドレートと地盤沈下
「メタンハイドレート」を採掘することにより、地層が変形して地盤沈下や海底地すべりのような現象が生じるのではないかと懸念されています。
政府の見解によると、地盤沈下の大きさは、水深500m以深の海底面で数10cm程度と考えられています。
海底地すべりに関しても、平たんな場所を選んで開発すれば問題ないと考えられています。
ただし、「メタンハイドレート」開発に伴う環境へのさまざまな影響については、まだわからない点も多くあり、開発研究調査を進める一方で、環境への影響についても引き続き調査が必要と言われています。
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