地下水盆について

地下水盆という言葉があります。
この言葉は、地下水に携わっている人たちは使っていますが、一般には使わないので専門用語だと思います。

(1)地下水盆とは
この地下水盆(Groundwater Basin)ですが、とは、簡単に言うと、地下水が入っている「お盆」、すなわち地下水の「容れ物」のことです。
この「容れ物」ですが、バケツなどのように単純なものではありません。
地下水は、地層や岩盤の中の「飽和帯」と呼ばれる水で満たされた空間に存在する水のことですから、地下水の「容れ物」は、地層や岩盤からできています。
そして、大規模な「帯水層」もしくはいくつか「帯水層」を包括したものです。
一般的に、「帯水層」とは、地下水を含む地層のことを呼んでいますが、厳密に言うと、「地層や岩盤を構成する粒子間の空隙・間隙が大きく、地下水によって飽和されており、我々人類が利用できる水を産出することができる地層や岩盤」のことだそうです。
松山平野を考えてみると、扇状地の平野ですが、基盤岩と呼ばれている岩盤とその上の地層との境界は鍋底のような形をしています。
基盤岩を構成している岩盤はおおむね緻密で硬く、割れ目も少ないので地下水が浸透しにくい状態になっています。
そこで、深くしみこんだ地下水は、上の地層のなかにどんどん溜まっていくようになります。
このような地下水を大量に貯留するような地下構造を「地下水盆」といい、松山平野のみならず、平野と呼ばれているところの地下は大きな「地下水盆」になっていると考えられています。
但し、地下水は「地下水盆」がどんなに大きくても、渇水が長く続いたり、過剰揚水などの人的要素などで、地下水の急激な低下を招いたり、枯渇したりもします。
したがって、今後は「地下水盆」の管理が大切になってきます。

(2)地下水盆の管理
「地下水盆」の管理は、まずは既存井戸資料を収集するところから始めますが、場合によっては既存井戸での観測や試験が必要なこともあります。
そして、水収支として、シュミレーションを行いますが、
①帯水層における各係数
②過去の水位変動状況
③過去の揚水量実績
④地下水盆の形状や領域区分
⑤帯水層単元の区分
⑥境界条件
などに基づいて試算を行います。
「地下水盆」の管理は、地盤沈下の対策にも役立っています。
地下水は、一般的には、広い「帯水層」の中を非常にゆっくりとした速度で流れています。
これらの地下水は「帯水層」でつながっており、一つの「地下水盆」を形成していると考えられています。
したがって、ある場所で地下水を汲み上げると、その地域だけでなく広い地域にわたって地盤沈下が起きます。
これは、下図の地盤沈下のイメージ図の通りです。
地盤沈下は、主に粘土層が厚く軟弱な地盤の地域に起こりますが、これは地下水を過剰に汲み上げることによって、粘土層が収縮するために起こるというのが一般的です。
そのしくみは、地下水を過剰に汲み上げることにより地下水位が下がると、地下水のとおり道である「帯水層」の水圧が下がります。
そのため、その上にある粘土層の中に含まれていた水が水圧の低い「帯水層」にしぼり出され、粘土層が収縮し地面全体が下がり地盤沈下として私たちにいろいろな影響を与えることになります。
こうして起こった地盤沈下は、たとえ地下水の汲み上げを止め地下水位が元に回復したとしても、ほとんど元に戻ることはありません。

図.1 地盤沈下のイメージ図
地盤沈下イメージ図
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