三波川帯の結晶片岩

四国では、三波川帯などで片岩がよく見られます。

(1)片岩とは
片岩は、結晶片岩とも言い、片理の発達した広域変成岩の総称です。
再結晶が進まないと
①千枚岩....変成度が粘板岩と結晶片岩との中間の変成岩で、広域変成作用における変化度は最も低いのですが、微粒な再結晶は認められます。
②スレート....細粒の緻密な粘土質の低度の変成岩です。
再結晶が十分進むと
③片麻岩....片麻岩(へんまがん、gneiss)は、変成岩の一種で、片麻状組織を持つ岩石の総称です。
へ漸移します。
つまり、堆積岩が変成作用を受ける過程として、例えば泥からの作用として、泥→泥岩→頁岩→粘板岩→千枚岩→結晶片岩→片麻岩→花こう岩と岩石が変化します。
この時に、粘板岩から弱い変成作用を受けていると考えられていますが、粘板岩や千枚岩を堆積岩に入れるか変成岩に入れるかは地質屋さんによっても判断が分かれています。
私は、粘板岩は堆積岩、千枚岩は変成岩に分類しています。

(2)片岩の種類
1)原岩の化学組成による分類
片岩は、原岩の化学組成によって次の4種類に分けられます。
①泥質堆積岩が起源のもの....泥質片岩、黒色片岩または雲母片岩など
②石英長石質岩石に由来するもの....砂質片岩、珪質片岩または石英片岩など
③石灰質岩石に由来するもの....石灰質片岩など
④苦鉄質火成岩が起源のもの....緑色片岩、藍閃石片岩など

2)泥質堆積岩が起源のもの
①泥質片岩
泥質片岩(でいしつへんがん、pelitic schist)は、泥岩起源で、黒色片岩(こくしょくへんがん、black schist)または石墨片岩(せきぼくへんがん、graphite schist)と呼ばれる事もあります。
黒色片岩は、グラファイト(石墨)を含み色が黒いので一般にこのように呼ばれています。
正規の岩石名ではなく,緑色片岩と同じく通称です。
一般に片理が著しく、リニエ-ション・褶曲構造もよく発達しています。
構成鉱物は白雲母・緑泥石・石墨・斜長石・石英で、高変成度になると黒雲母片岩になります。
鱗片状、薄板状に割れやすく、風化すれば必ずしも黒色でなく、灰~銀白色となっている事もあります。
石墨片岩は、多量の石墨を含む黒色の結晶片岩で、石英・長石・絹雲母なども含み、薄くはがれやすいのが特徴です。
②石英石墨片岩
石英石墨片岩(せきえいせきぼくへんがん、Quartz graphite schist)は、石英と石墨が発達した結晶片岩のことです。
③雲母片岩
雲母片岩(うんもへんがん、ica schist)は、白雲母や黒雲母と石英を主成分とする結晶片岩で、泥岩などが広域変成作用を受けて形成されます。
偽雲母片岩、粘土雲母片岩、成層雲母片岩、榴輝雲母片岩、カルク雲母片岩、片麻状雲母片岩、黒雲母交差片岩、縞状黒雲母ホルン片岩などの種類があります。

3)石英長石質岩石に由来するもの
①砂質片岩
砂質片岩(さしつへんがん、pssamitic schist) は、砂岩起源です。
グレーワッケ質の砂岩が、広域変成作用を受けて出来たもので、石英・長石類を残存鉱物として含有していることが多く見られます。
泥質片岩に比べるとより淡色の灰色で、片理の発達も弱いのが特徴です。
②礫質片岩
礫質片岩(れきしつへんがん、conglomerate schist) は、礫岩起源です。
礫岩片岩とも呼ばれます。
礫岩の鉱物粒が粗粒であるほど再結晶しにくく、礫は保存され扁平になっていることも多く見られます。
③珪質片岩
珪質片岩(けいしつへんがん、siliceous schist)≒石英片岩(quartz schist) は、チャートなどの珪質岩起源です。
④石英・長石質片岩
石英・長石質片岩(せきえい・ちょうせきしつへんがん、quartzo-feldspathic schist) は、主として石英と長石から成り、多くは酸性凝灰岩起源と考えられています。
⑤紅簾石片岩
紅簾石片岩(こうれんせきへんがん、piemontite schist)は、源岩は赤色チャートです。
石英片岩の一種で、石英・長石以外には、マンガンを多く含む緑簾石族の鉱物である紅簾石を多く含むので紅色を呈する結晶片岩のことで、石英片岩の一種です。
白い石英片岩が筋状に入っているものを紅簾石石英片岩(piemontite quartz schist)とも言います。
⑥点紋片岩
点紋片岩(てんもんへんがん、spotted schist)は、日本では肉眼で認められる大きさの斜長石の斑状変晶をもつ結晶片岩の総称で、点紋緑色片岩(てんもんりょくしょくへんがん、spotted green schist)などがあります。

4)石灰質岩石に由来するもの
①石灰質片岩
石灰質片岩(せっかいしつへんがん、calcareoous schist) は、石灰岩起源です。
石灰質片岩は、変成した泥質石灰岩で、通常は粒状である方解石が伸びた形または平らな形に再結晶したもので、このため片状構造を持つ岩石となります。

5)苦鉄質火成岩が起源のもの
①緑色片岩
緑色片岩(りょくしょくへんがん、greenschist)は、苦鉄質片岩(くてつしつへんがん、mafic schist)または、塩基性片岩(えんぎせいへんがん、basic schist)とも言い、これらはいずれも苦鉄質火成岩(多くは玄武岩)を起源としたものです。
低温で変成作用を受けてできる緑色の結晶片岩で、緑泥石・白雲母・緑簾石・斜長石・石英などが主成分です。
緑色片岩相のものでなくても緑色片岩と呼ぶのが一般的です。
緑泥石、緑簾石、緑閃石(アクチノ閃石)などを含み緑色の外観を呈するものですが、変成相の一つである緑色片岩相付近で変成された塩基性火成岩を源岩とする結晶片岩をさす言葉としてもよく用いられます。
②緑泥石片岩
緑泥石片岩(りょくでいせきへんがん、chlorite schist)は、緑泥片岩とも言い、緑泥石を主成分とする結晶片岩で、暗緑色でつやがあり、片理が発達しています。
③緑簾石片岩
緑簾石片岩(りょくでいせきへんがん、epidote schist)は、緑簾石特有の黄緑色をおびる片状岩で、緑色の濃い部分は緑泥石を含んでいます。
④青色片岩
青色片岩(せいしょくへんがん、blueschist)は、藍閃石片岩(らんせんせきへんがん、glaucophane schist)とも言い、多量の藍閃石がを主成分とする岩石で、しばしば緑簾石が含まれています。
⑤アクチノ閃石片岩
アクチノ閃石片岩(あくちのせんせきへんがん、actinolite schist)は、緑閃石片岩とも言い、やや低い温度でできた緑色片岩類で、アクチノ閃石の結晶ができています。
アクチノ閃石の結晶は長い柱状で、成長した結晶がとても多く含まれています。
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