大理石について

建物の装飾品として、「大理石」は誰もが知っている名前です。

(1)大理石の由来
でも、この「大理石」(だいりせき)は岩石名ではありません。
「大理石」は、商業的な名称で、石材としての石灰岩の一般的な呼び名です。
「大理石」という名称は、かつての大理国(現在の中華人民共和国雲南省大理ペー族自治州大理市を中心とする地域)でこれが産出されたことに由来しているそうです。
英語ではマーブル (marble) と呼んでおり、「マーブル模様」は大理石の模様や色ムラに由来するそうです。

(2)大理石の岩石名
「大理石」の正式な岩石名は「結晶質石灰岩」です。
「結晶質石灰岩」(けっしょうしつせっかいがん、crystalline limestone)は、石灰岩が地下で熱変成作用を受けて炭酸カルシウムが再結晶し、方解石の結晶構造を成長させた岩石で、変成岩の一種です。
主な構成鉱物は方解石で、個々の結晶が肉眼で見える大きさになっていることも多いのが特徴です。
化石や層状構造など、元の石灰岩ができた時の内部構造はほとんど残っていないのが普通です。
カルシウムは40%含まれ、スカルンと呼ばれる金属鉱床を伴うこともあります。
接触変成作用の作用で、もとの石灰岩に含まれていた不純物が取り除かれ、純白色に近い色をしているものが多く見られます。
方解石の粒子なので、割れ口はその粒子がキラキラと反射します。
もとの石灰岩と同様に、軟らかいのでハンマーでこすると簡単に傷がつきます。
先に述べたように、成分が炭酸カルシウムであるため塩酸などの強酸と反応して二酸化炭素を放出します。
また、塩酸が含まれる酸性洗剤を使ったり、誤ってこぼしたりすると光沢が無くなったり、痩せたりすることがあります。
硬度が無いために、構造を支える建築資材には不向きですが、有機化学工業,製鉄,セメントなどの原料として用いられ、きれいな模様があるものは「大理石」と称し、装飾石材としても利用され、加工が楽なため、古代より彫刻に使われたり、磨いて艶を出し建築の表面化粧に使われたりしています。

(3)大理石の産地と建造物
石材として「大理石」と呼ばれるものには、岩石学上の「大理石」(結晶質石灰岩)のほか、模様や色合いの美しい非変成の石灰岩、トラバーチン(層状の縞状構造を持つ化学沈殿結晶質石灰岩)、鍾乳石、ケーブオニックスなどが含まれています。
この中でも、 トルコ・イタリア・トスカーナ州のカラーラビアンコ 、ギリシャのペンテリコンなどの白大理石が有名です。
「大理石」でできた建造物は数多いのですが、
①古代ギリシアのパルテノン神殿
②ローマのコロッセオ
③インドのタージ・マハル
などがよく知られています。
また、ルネサンス期の彫刻家ミケランジェロは「大理石」から数多くの彫刻(人像や棺桶)を制作しています。
「大理石板」はのし台、マウスパッド、オーディオボード、クラフトテーブル、画家のパレットなどにも使われています。
建築材料としてビル内装に、特に上等な仕上げ材として、イタリア産の「大理石」がよく使われていましたが、最近では価格の安いアジア産のものもよく使われています。
愛媛県でも佐田岬などで産出され、装飾品として出荷されたこともあるそうですが、四国では高知県や徳島県の方が多く産出されています。
日本全国での産地は、山口県、岐阜県、福島県、福岡県、埼玉県、茨城県、静岡県、岩手県などです。
特に山口県美祢市で産出される物は建築材料としても利用可能だそうです。
「大理石」は全世界で市場に出回っているものだけで300種類を超えるそうです。
世界での主要産地はトルコ、イタリア、エジプト、イラン、スペイン、ギリシャ、ポルトガル等西欧や中欧、中近東を中心とした国です。
そして、世界最大の石材加工集積地である中国が大理石を最も多く輸入する国になっています。

(4)天然大理石、人造大理石、人工大理石の違い
「大理石」は、先に述べたようにいろいろな用途がありますが、「天然大理石」だけではありません。
「人造大理石」もあれば、「人工大理石」もあります。
「天然大理石」は、マーブル模様が何ともいえない高級感を醸し、その美しさから、今まで様々な建物や装飾品に用いられてきましたが、取り扱う上で考慮しなければならない点があります。
それは酸に弱いという特性です。
酸性雨などに対する耐候性が低く、長期間風雨にさらされると、大理石の魅力である光沢を失ってしまいます。
つまり、酸性の洗剤を使ってしまうと、光沢を失う恐れがあります。
「人造大理石」(じんぞうだいりせき、テラゾー terrazzo)は、天然の大理石などを粉砕し、セメントや樹脂で固めた半人工素材です。
「人工大理石」(じんこうだいりせき)は、アクリル樹脂やポリエステル樹脂を主成分とした人工素材で、大理石や天然石は全く入っていません。
つまり、「大理石」=「結晶質石灰岩」とは別物ですが、寸法調整や穴開けが非常に簡単で、設計の自由度が高いのでよく使われているそうです。
ポリエステル系とアクリル系の比較は次のようです。
①ポリエステル系人工大理石
・ポリエステル系の樹脂に無機物を混ぜてつくった素材
・深みのある美観に欠ける
・一般的に紫外線等によって黄変してしまう
・汚れ落ちがアクリル系人工大理石に比べて良くない
・アクリル系人工大理石に比べて安い
②アクリル系人工大理石
・アクリル系の樹脂がベースでつくられている素材
・ポリエステル系人工大理石に比べて加工しやすい
・耐候性・耐衝撃性に優れる

日本で産出された大理石です


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