岩石の種類と成因について
岩石の種類と成因についてまとめてみました。
名 称 | 成 因 | 区分 | |
---|---|---|---|
1 | 花崗岩 | 深成岩で、珪酸分の多いマグマ(以下「酸性のマグマ」という」が地下の深所で徐々に冷却・固結してできた岩石で、石英・雲母・長石などから成り、完晶質・等粒状で、色は純白ないし淡灰色で磨くと光沢が出ます 石材としては御影石とも呼ばれています | 火成岩 |
2 | 閃緑岩 | 深成岩で、成因は花崗岩と同様ですが、珪酸分が一般的には53~65%程度のマグマ(以下「中性のマグマ」という。)であるとき生じた岩石で、有色鉱物が多くやや黒っぽいのが特徴です 斜長石・角閃石が主で、輝石や黒雲母を含むものもあります | |
3 | 斑糲岩 | 深成岩で成因は花崗岩と同様ですが、珪酸分の少ないマグマ(以下「塩基性のないマグマ」という。)であるとき生じた岩石で、斜長石・輝石・橄欖石が主で、角閃石を含むものもあります 完晶質で粗粒の黒っぽい岩石で、磁鉄鉱なども含んでいることがあります | |
4 | 橄欖岩 | 深成岩で、成因は花崗岩と同様ですが、珪酸分が極めて少ない超塩基性のマグマが地下深部で固結して生じた岩石で、橄欖石が主成分ですが、変質すると蛇紋岩になります | |
5 | 斑岩 | 酸性のマグマが深成岩の周りや、岩脈、岩床として産出し、冷却・固結が、深成岩よりやや急激に行われて生じた半深成岩です 斑状組織をしていますが、火山岩に比べて石基部分の結晶が大きく、普通は珪長質のものを指します | |
6 | 玢岩 | 半深成岩で、成因は、斑岩と同様であるが、中性のマグマであるとき生じた岩石で、斑状組織をしていますが、火山岩に比べて石基部分の結晶が大きく、普通は安山岩質のものを指すが、現在では使われない岩石名です 岩脈として産することが多いのが特徴です | |
7 | 輝緑岩 | 半深成岩で、成因は、斑岩と同様であるが、塩基性のマグマであるとき生じた岩石で、玄武岩とほぼ同じ化学組成で、斜長石と輝石が主で、橄欖石を含むものもあります 一般に、やや変質して緑色がかっており、粗粒玄武岩と呼ぶこともあります | |
8 | 粗面岩 | 火山岩(噴出岩)に属し、酸性のマグマが、地表に噴出又は地下浅所に貫入して急激に冷却・固結して生じた岩石で、優白質ですが石英をほとんど含まず、アルカリ長石を主成分とする火山岩です | |
9 | 安山岩 | 中性のマグマが表上、地下浅所等で急激に冷却・固結して生じた岩石で、斜長石・輝石・角閃石などから成り、黒雲母を含むこともあります 灰色ないし暗色を呈し、硬くて耐火力が強いため建築用石材や墓石に用いられています | |
10 | 玄武岩 | 火山岩で、塩基性のマグマが地表、地下浅所等で急激に冷却・固結して生じた岩石で塩基性の火山岩です 斜長石・輝石・橄欖石を含み、緻密で、暗灰色ないし黒色です 火山岩のうち最も多く、世界各地に産し、特に海底はこの岩です | |
11 | 礫岩 | 礫が続成作用により、砂質・泥質・石灰質などの基質によってくっつき、固められてできた岩石で、円味を帯びた、あるいはかなり円くなった破片からなる粗粒の砕屑岩です | 堆積岩 |
12 | 砂岩 | 砂が続成作用により、珪酸、炭酸カルシウム粘土等で膠結されて生じた岩石で、構成鉱物は石英と長石が主で、これらに既存の堆積岩や変成岩などに由来する岩片(これは鉱物の集合体である)が加わっています | |
13 | 泥岩・頁岩 | 海底や湖沼底などに堆積した泥(シルト・粘土)が、脱水固結して岩石となったもので、主に粘土鉱物からなり、有機物を含むことも多く見られます 層理面に沿う割れ目の少ないものが泥岩で、層理面に沿う割れ目がやや多く剥げやすいものを頁岩と分けられていますが、本質的な違いはありません | |
14 | 粘板岩 | 泥岩や頁岩が非常に弱い変成作用を受けた粘土質岩石で、割れ目や劈開初期の葉状構造を示すものです 薄板状に剥がれやすくなった岩石で、黒色緻密で、スレート・石盤・硯石などに利用しています | |
15 | 凝灰岩 | 火山噴出物の火山灰、火山砂、岩片等が水中又は陸上に堆積凝固して生じた岩石で、白色・灰色から暗緑色・暗青色・赤色までさまざまな色があります 塊状で割れ方に方向性はありません | |
16 | 片麻岩 | 火成岩又は堆積岩が地殻の変動等の広域変成作用により高度に変成された岩石で、変成温度は結晶片岩の場合よりも高温であるとされています 粗粒または中粒で完晶質なのが特徴で、長石・石英からなる明色層と黒雲母・角閃石などからなる暗色層とが交互に重なる縞状構造を示します | 変成岩 |
17 | 蛇紋岩 | 超塩基性深成岩(橄欖岩等)が変成作用を受けて生じた岩石で、暗緑色~黄緑色の、蛇の皮のような模様をしています 変成岩ないし、火成岩中の超塩基性岩のどちらかに分類されます | |
18 | 結晶片岩 | 火成岩又は堆積岩が、地殻の変動等の広域変成作用により変成して生じた岩石で、薄くはがれやすい構造(片状組織,片理)をもつ結晶質の変成岩の総称です 四国では、緑色片岩、黒色片岩など、多種類が分布しています | |
19 | ベントナイト | 酸性凝灰岩が続成作用でモンモリロナイト化したもの、又は石英粗面岩等が熱水作用・風化作用を受けて生成されたものです | その他 |
20 | 酸性白土 | ベントナイトと同様の成因で生成され、ベントナイトとは懸濁液のPH及び膨潤性のないことで区別されています | |
21 | 珪藻土 | ダイアトマイトとも言い、主として珪藻の遺殻が堆積して生成されたものであり、堆積岩として扱っていることもあります | |
22 | 陶石 | 石英粗面岩、安山岩、凝灰岩等が熱水作用を受け生成されたもので、単一で陶磁器の原料となる白色軟質の岩石です 微粒の石英,絹雲母(セリサイト)およびカオリナイトが主成分です | |
23 | 絹雲母 | 絹雲母は、凝灰岩、安山岩、石英粗面岩等の浅熱水性変質作用により生成されたもので、絹糸状もしくは粉末状の塊として産出するのが特徴です | |
24 | 蛭石 | マグネシアに富む超塩基性岩を原岩とし、これが熱水作用でバーミキュライトを生成したもの及び花こう岩中の黒雲母が風化を受けて加水雲母を生成したもので、熱するとヒルが伸びるように膨張します |
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