高レベル廃棄物の処分

原発問題を語るときに、どうしても考えなくてはいけない問題があります。
それは、怖ろしい毒物である高レベル廃棄物のことです。
以前にも、当ブログ[原発の「核のゴミ」の最終処分]でも、とりあげました。
http://ntooffice.blog21.fc2.com/blog-entry-586.html   

(1)高レベル廃棄物とは
核燃料を燃やすと、
①燃え残りのウラン238
②燃えカス235
③中性子を吸収してできるプルトニウム239
などができます。
これら燃え残りのそのまま放射能毒性の強い高レベル廃棄物となります。
再処理するとこの高レベル廃棄物は硝酸にとけた液体になり、この硝酸を蒸発させて耐熱ガラスに混ぜ、さらにステンレス容器に固め込みます。
この高レベル廃棄物のガラス固化体には1つ当たり、広島原爆の100倍の放射能が含まれています。
このそばに30秒立っているだけでショック死するという怖い値だそうです。
100万キロワットの原発を1年間動かすと、このガラス固化体は30本ほどできます。
日本には5000万キロワットもの原発がありますから、全部稼働するとしたら50倍、1年間に1500本となります。
しかし実際には東海村の再処理工場などに数百本分が液体として溜まっており、ガラス固化体になっているのは2003年では130本だけでした。
       
(2)ごり押し地層処分法律制定
高レベル廃棄物は、30年から50年の間貯蔵して、放射能の量が少し減り、熱も半分ほどになるのを待って地下の深いところへ埋め捨てようというのが政府や電力会社の考えです。
深い地層に処分したあとは、何もしなくてよいというのが地層処分の推進論です。
海洋深く投棄する意見もありましたが、原子力委員会の方針は地層処理となりました。
しかし地表管理が安全との意見も出されています。
政府や電力会社などはあくまでも地層処分に固執し、その安全性は確保できると主張しています。
これは、1999年11月に核燃料開発事業団が原子力委員会に提出した「高レベル廃棄物の地層処理の技術的信頼性の報告書」が根拠になっています。
この報告書によれば、「地質環境」・「工学技術」・「安全評価」の各章を通して、そうした心配はなく、過去数十万年の地質活動を参考にすれば、地震や火山の影響を、この先10万年は無視できる処分場所が広く選べるとしています。
でも、この結論に相当な問題があるのは誰の目にも明らかです。
原子力全般に見られる問題ですが、当時の報告書は「安全」ばかり強調して、危険かもしれないという謙虚さがありません。
また、報告書には、処分場や埋設作業の青写真は描かれていますが、
①埋設作業などの施工の可能性
②ガラス固化体輸送時の事故の危険性
③埋設前に50年貯蔵したガラス固化体が運べる状態にあるのか
など、現場で起こり得る多くの問題が取り上げられていません。

(3)報告書の信頼性のなさを示す矛盾
この報告書には信頼性のなさを示す致命的な矛盾があります。
報告書の安全評価の焦点は、放射性物質が地下水でどれだけ運ばれるかですが、鍵となる地下水の流れる速さは簡単には測れません。
透水係数という土や岩の水の通しやすさを表す量は測定が可能で、地下水はこれに比例して速くなります。
報告書はこの透水係数の測定値から地下水の速さを推定して、放射性物質の移動を計算しています。
透水係数の測定結果は、総論レポートの「わが国の地質環境」の章にあります(図2参照)。
測定値は非常に大きく散らばっていて、水の通しやすさは場所によって6桁(100万倍)以上も違っています。
高レベル廃棄物の最終処分場は、当然地中深くの岩盤の中なので、透水係数は、「ミズミチ」に近づくほど高くなり、新鮮な岩盤では、ほとんど水を透さなくなります。
このことからも、地下水の動きを把握するなど、とても容易ではないことがわかります。
でも、報告書では、透水係数の散らばり具合は、地表付近から地下1キロまでどの深さでも似たようなもので、「深さによる違いは認められない」と結論されています。
図からもわかる通り、深いところでも透水係数が著しく大きい場合があります。
ところが「地層処分システムの安全評価」の章では、透水係数は地下深くで小さくなるとしていて、「地質環境」の章と矛盾しています。
高レベル廃棄物の最終処分場は新鮮な岩盤で、透水係数は小さいのが前程です。
また、そういった場所を選んでいたとしても、
①掘削時に、岩盤の風化帯や破砕帯に当たる
②掘削時に、大量の地下水が出る

ことがあり、施工が困難になることがあります。
高レベル廃棄物の最終処分場が完成してからでも、先に述べたような、
①地震や火山活動による影響
②土地の隆起
③地下水
④岩盤の風化

等を通じて放射性物質が人間環境に達する危険性があります。
つまりは、永久に安全な最終処分場なんてあり得ないという事なのですが、不確実なデータから、安全ありきの恣意的な作文報告書をもとに、2000年5月「廃棄物最終処分に関する法律」が成立してしまいました。
そして、原子力発電環境整備機構が設立され廃棄の運営にあたっています。
そして、2002年より処分場候補地の公募が始まりました。
処分場調査といわず、精密調査地区といったり、応募しただけで2億円、調査地区になると20億円の交付金が支払われるようになったりで、反対運動を回避すべく算段されています。
でも、未だに処分地は決まっていません。
どこもかしこも反対したらどうするのでしょうか?
放射性廃棄物を増やしてでも原発を続ける方がよいのでしょうか?
私はもともと原発には反対ですが、こんな状態での再稼動なんてまず有り得ないと思います。
だから、プルサーマルなんていう発想が生まれてくるのだと思います。
目先の利益だけを考えないで、原発に頼らない生活をもっと真剣に考えるべきです。
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