石英を含む岩石

岩石の中で、石英を含むものは多く見られ、おそらく単一の鉱物しては地表で最多だと思います。

(1)石英とは
石英(せきえい、quartz、クォーツ)は、二酸化ケイ素 (SiO2) が結晶してできた鉱物です。
六角柱状や錐状のきれいな自形結晶をなすことが多く、無色ないし白色で、ガラス光沢があります。
中でも特に無色透明なものを水晶(すいしょう、rock crystal、ロッククリスタル)と呼び、古くは玻璃(はり)と呼ばれて珍重されたそうです。
石英は地殻を構成する非常に一般的な造岩鉱物で、火成岩・変成岩・堆積岩のいずれにも含まれ、流紋岩・花崗岩など多くの岩石の造岩鉱物、また砂や礫などに多量に存在しています。
砂は岩石が風化することにより生じますが、石英は風化に強いため、砂は石英主体となることも多くみられ、一般的には砂浜の砂粒の多くや、砂漠・砂丘の砂も石英が主成分となっています。
したがって、砂埃(すなぼこり)にも石英が含まれています。
石英はモース硬度7なので、プラスティック・金属・車の塗装などは砂埃で容易に傷ついてしまいます。
石英は本来は無色透明ですが、不純物の混入や放射線の影響などにより、さまざまな色がついています。
水晶としては、花崗岩質ペグマタイト・熱水鉱床などに産出しています。
ガラス、金属ケイ素、シリコーンなどの主原料として、あるいは精錬の際の添加剤として広く用いられています。

(2)砂や石に含まれる石英
①珪砂
珪砂(けいしゃ・けいさ、quartz sand)は、石英砂とも言い、主に石英を主体とした珪化物(石英粒)からなる砂のことです。
花崗岩(かこうがん)などの風化で生じ、珪石を粉砕した人工珪砂もあります。
ガラスの原料、鋳物砂、研磨材に使用します。
②珪石
珪石(けいせき、silica stone)は、ケイ酸質の鉱物や岩石を資源として扱うときの鉱石名です。
鉱物としては石英を主体とした珪化物、岩石としてはチャート、珪質砂岩、珪岩、石英片岩(珪質片岩)などがあります。
珪石類は、鉱山の性質と用途の面から、白珪石・炉材珪石・軟珪石の3種類に分類されています。
同じ鉱石でも、純度によって、それぞれ違う用途に利用され、主な用途としては、 コンクリートやタイルなど建設資材の原料で、農薬用キャリア(農薬をコーティングする芯材)にも利用されています。
外観は白っぽいものが多く見られます。
③石英岩
石英岩(せきえいがん、quartzite)は、堆積岩の一種で、成分中に石英を多く含む石を総称した呼び名だそうです。
石英岩は岩と名はついていますが、鉱石、石材の名前で、とても硬くて丈夫な石材なので、ガーデニングやエクステリアでもよく使われています。

(3)堆積岩に含まれる石英
①石英砂質岩
石英砂質岩(せきえいさしつがん、quartz arenite)は、石英質砂岩とも言い、85%以上が岩屑状石英からなる砂岩のことです。
②硬砂岩
硬砂岩(こうさがん)は、グレーワッケ(greywacke)とも言い、砂岩の一種で、角ばった石英・長石、そして小さな岩石の断片または圧縮された細かい粘土からなる岩石片が主成分です。
③石英質礫岩
石英質礫岩(せきえいしつれきがん、quartz conglomerate)は、礫の大部分が石英から構成されている礫岩のことです。
④チャート
チャート(chert)は、主成分は二酸化ケイ素(SiO2、石英)で、この成分を持つ放散虫・海綿動物などの動物の殻や骨片(微化石)が海底に堆積してできた岩石です。

(4)火成岩に含まれる石英
1)火山岩
①流紋岩
流紋岩(りゅうもんがん、rhyolite)は、非顕晶質酸性の火成岩で、花崗岩に対応する噴出岩です。
一般に石英とアルカリに富む長石の斑晶を含み、石英は細粒の結晶質またはガラス質です。
火山岩の一種。花崗岩に対応する成分の火山岩である。
流紋岩の名称は、マグマの流動時に形成される斑晶の配列などによる流れ模様(流理構造)がしばしば見られることによるもので、以前は、流理構造の見られないものを、石英粗面岩(せきえいそめんがん、liparite)と呼んでいましたが、現在では流紋岩に統一され、石英粗面岩の名称は用いられていません。
②流紋石英安山岩
流紋石英安山岩(rhyolite quartz andesite)は、花崗閃緑岩に相当する組成の火山岩で, 一般に斑状で班晶には石英、斜長石、正長石(含まれないこともある)、黒雲母などが含まれています。
③石英安山岩
石英安山岩(せきえいあんざんがん、quartz andesite)は、石英、ナトリウムに富む斜長石、角閃石、黒雲母または輝石から成り、流紋岩と安山岩との中間の組織・組成を示す火山岩です。
 
2)半深成岩
①花崗斑岩
花崗斑岩(granite-porphyry)は、花崗岩と同じ組成を持っていますが、石英・正長石などが斑晶を成す岩石です。
石英斑岩よりも石基部分の結晶が大きく、長石・石英・雲母などが比較的大きな斑晶を示します。
②石英斑岩
石英斑岩(quartz porphyry)は、石英とアルカリ長石の斑晶をもつ岩石で、斑晶は一般に正長石で、雲母を含む場合もあります。
斑晶の量が非常に多くなると花崗斑岩に移行し、斑晶が少なくなると石英珪長岩または微花崗岩となります。
③文象斑岩
文象斑岩(granophyre、グラノファイアー)は、石英とアルカリ長石が文象構造を示すようになった斑岩です。
④石英閃緑岩
石英閃緑岩(せきえいせんりょくがん、quartz diorite)は、完晶質・粗粒の岩石で、斜長石・石英・角閃石が主成分です。

3)深成岩
①花崗岩
花崗岩(かこうがん、granite)の主要構成鉱物は、石英、長石、雲母なので、石英は必ずといっていいほど含んでいます。
石英の他らは、カリ長石、斜長石、アルカリ長石、黒雲母、白雲母、角閃石をよく含んでおり、磁鉄鉱、柘榴石、ジルコン、燐灰石、輝石のような副成分鉱物を含むこともあります。
石英を含む花崗岩は次のような岩石です。
②閃緑岩
閃緑岩(せんりょくがん、diorite)は、深成岩のうち、主成分である無色鉱物が斜長石で、輝石、角閃石などの有色鉱物を比較的多く含む(約30%)ものを指します。
閃緑岩は、石英閃緑岩と比較して、石英を含んでないと思われていますが、ほとんどの閃緑岩は石英を含んでいます。
③閃雲花崗岩
閃雲花崗岩 (hornblende biotite granite)は、角閃石・黒雲母・石英・カリ長石(正長石または微斜石)・灰曹長石が主成分です。
④黒雲母花崗岩
黒雲母花崗岩(くろうんもかこうがん、biotite granite)黒雲母・石英・カリ長石(正長石または微斜石)・灰曹長石が主成分です。
カリ長石が分解してカオリナイト化し桃色を呈するものを桃色花崗岩と呼んでいます。
⑤両雲母花崗岩
両雲母花崗岩 (りょううんもかこうがん、two mica granite)は、黒雲母・白雲母・石英・カリ長石(正長石または微斜長石)・灰曹長石が主成分です。
⑥角閃花崗岩 (かくせんかこうがん、Hornblende granite)
⑦普通輝石花崗岩(ふつうきせきかこうがん、 augite granite)
⑧エジリン花崗岩 (Aegirin granite)
⑨アルカリ花崗岩(alkali granite)
⑩球状花崗岩 (きゅうじょうかこうがん、ball granite)
⑪球状閃緑岩(きゅうじょうせんりょくがん、ball diorite)
⑫石英閃長岩
石英閃長岩(quartz syenite)は、ブレガーが重量比で60~66%のSiO2を含む閃長花崗岩に命名したもので、シャントが10%以上の石英を含むとした岩石です。
⑬石英モンゾニ岩
石英モンゾニ岩(Quartz monzonite)は、ブレガーが命名した岩石名で、石英に富むモンゾニ岩のことです。
⑭モンゾニ岩
モンゾニ岩(もんぞにがん、monzonite、モンゾナイト)は、石英をほとんど含まず、 アルカリ長石と斜長石の割合がほぼ同じ岩石です。
ブレガーはモンゾニ岩を閃長岩と閃緑岩の中間の岩石として、SiO2は62~49%の間で、輝石、角閃石、雲母、橄欖石,石英は同量含まれています。
⑮石英斑糲岩
石英斑糲岩(せきえいはんれいがん、quartz gabbro)は、少量の石英を含む斑糲岩のことです。

(5)変成岩に含まれる石英
変成岩の中でも、結晶片岩(けっしょうへんがん、crystalline schist)にはいろいろな種類がありますが、ほとんどの片岩は石英を含んでいます。
また、石英脈という状態で見られることもよくあります。
結晶片岩は、主として高い圧力と差応力のために変成鉱物が平行配列しながら再結晶し、片状構造を形成したものです。
源岩の違いによって分類されています。
①泥質片岩
泥質片岩(でいしつへんがん、pelitic schist)は、泥岩起源で、黒色片岩(こくしょくへんがん、black schist)または石墨片岩(せきぼくへんがん、graphite schist)と呼ばれる事もあります。
黒色片岩は、グラファイト(石墨)を含み色が黒いので一般にこのように呼ばれています。
正規の岩石名ではなく,緑色片岩と同じく通称です。
石墨片岩は、多量の石墨を含む黒色の結晶片岩で、石英・長石・絹雲母なども含み、薄くはがれやすいのが特徴です。
②石英石墨片岩
石英石墨片岩(せきえいせきぼくへんがん、Quartz graphite schist)は、石英と石墨が発達した結晶片岩のことです。
③砂質片岩
砂質片岩(さしつへんがん、pssamitic schist)は、砂岩起源の片岩です。
④礫質片岩
礫質片岩(れきしつへんがん、conglomerate schist)は、礫岩起源の片岩です。
⑤珪質片岩
珪質片岩(けいしつへんがん、siliceous schist)は、石英片岩(せきえいへんがんquartz schist)とも言い、チャートなどの珪質岩起源の片岩です。
超高圧(10,000気圧)で超高熱(5000℃)下で生成されたシリカ(SiO2)を主成分とする岩石です。
⑥石灰質片岩
石灰質片岩(せっかいしつへんがん、calcareoous schist)は、石灰岩起源の片岩です。
⑦石英・長石質片岩
石英・長石質片岩(せきえい・ちょうせきしつへんがん、quartzo-feldspathic schist)は、主として石英と長石から成り、多くは酸性凝灰岩起源と考えられています。
⑧緑色片岩
緑色片岩(りょくしょくへんがん、greenschist)は、苦鉄質片岩(くてつしつへんがん、mafic schist)または、塩基性片岩(えんぎせいへんがん、basic schist)とも言い、これらはいずれも苦鉄質火成岩(多くは玄武岩)を起源としたものです。
低温で変成作用を受けてできる緑色の結晶片岩で、緑泥石・白雲母・緑簾石・斜長石・石英などが主成分です。
緑色片岩相のものでなくても緑色片岩と呼ぶのが一般的です。
⑨緑泥石片岩
緑泥石片岩(りょくでいせきへんがん、chlorite schist)は、緑泥片岩とも言い、緑泥石を主成分とする結晶片岩で、暗緑色でつやがあり、片理が発達しています。
⑩緑簾石片岩
緑簾石片岩(りょくでいせきへんがん、epidote schist)は、緑簾石特有の黄緑色をおびる片状岩で、緑色の濃い部分は緑泥石を含んでいます。
⑪青色片岩
青色片岩(せいしょくへんがん、blueschist)は、藍閃石片岩(らんせんせきへんがん、glaucophane schist)とも言い、多量の藍閃石がを主成分とする岩石です。
⑫雲母片岩
雲母片岩(うんもへんがん、ica schist)は、白雲母や黒雲母と石英を主成分とする結晶片岩で、泥岩などが広域変成作用を受けて形成されます。
同じような岩石に黒雲母片岩(biotite schist)、絹雲母片岩(sericite schist)などがあります。
⑬紅簾石片岩
紅簾石片岩(こうれんせきへんがん、piemontite schist)は、源岩は赤色チャートです。
石英片岩の一種で、石英・長石以外に紅簾石を多く含むので紅色を呈する結晶片岩のことです。
白い石英片岩が筋状に入っているものを紅簾石石英片岩(piemontite quartz schist)とも言います。
⑭アクチノ閃石片岩
アクチノ閃石片岩(あくちのせんせきへんがん、actinolite schist)は、緑閃石片岩とも言い、やや低い温度でできた緑色片岩類で、アクチノ閃石の結晶ができています。
アクチノ閃石の結晶は長い柱状で、成長した結晶がとても多く含まれています。
⑮点紋片岩
点紋片岩(spotted schist)は、日本では肉眼で認められる大きさの斜長石の斑状変晶をもつ結晶片岩の総称で、点紋緑色片岩(spotted green schist)などがあります。

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