玢岩について

地質の専門家と呼ばれている人たちとの話の中で、時々「玢岩」という言葉を耳にします。
では、玢岩 (ひんがん、porphyrite)とはどういった岩石なのでしょうか?

(1)玢岩の特徴
「玢岩」は、半深成岩に分類され、完晶質で斑状組織をもつ細粒の岩石です。
安山岩とほぼ同じ組成ですが、火山岩に比べて石基部分の結晶が大きい火成岩です。
普通は安山岩質のものを指しますが、現在では使われない岩石名だそうです。
岩脈として産することが多いのが特徴です。
「玢岩」は、斜長石,輝石,角閃石を主としており、安山岩とほぼ同じ鉱物成分から成っています。
先に述べたように、多くの場合には斑状組織が著しく、石基は結晶質なのが特徴です。
斑晶としては斜長石を含みカリ長石を含まない岩石を指し、カリ長石を含むものは斑岩(porphyry)と呼ばれています。

(2)玢岩の由来
「玢岩」(porphyrite)という岩石名は、古代ローマの博物学者のプリニウスが、西暦77年に記載したporphyritesに由来しています。
プリニウスのporphyritesはエジプトで得られた赤い岩石でしたが、1546年にはドイツの鉱山学者だったアグリコラは、porphyritesという名称をまだら色の岩石に使用したそうです。
後にプリニウスのporphyritesとアグリコラのporphyritesに分けて解釈されるようになりました。
この二つの岩石名は、19世紀中頃までは同義でした。
もともとは、18世紀頃から大きな結晶が細粒の石基に埋まっている岩石に使われていましたが、後に深成岩と火山岩の中間的な岩石で斑晶があってもなくてもよいと拡張して使用されたそうです。
「玢岩」は、1787年頃は緑色岩に属していたそうですが、ドイツの鉱物学者で地質学者のウェルナーやデラメテリーなどにより注目されるようになりました。
「玢岩」は、玄武岩質の岩石(Trapporhyr)と同義として用いられていましたが、1813年にフランスの古生物学者のブロニアールが玄武岩質の岩石を独立させてから「玢岩」も独立した岩石となりました。
1854年に、ドイツの地質学者のナウマンは「玢岩」を石英のない岩石に限定し、1877年に、ドイツの岩石学者のローゼンブッシュは閃緑岩に相当する斜長石を含む、中生代以前の安山岩に対して用いていました。
ドイツでは、「玢岩」を、斑状の有無にかかわらず中粒で閃緑岩に相当する古生代の岩石に用いる場合がありました。
1888年に、イギリスの地質学者のティールは、地質時代は重要な要素とはせずに「玢岩」を安山岩が多少変質したものと定義しました。
そして、1891年に、アメリカの岩石学者のイディングスは、斑状組織を持ち閃緑岩組成の半深成岩として使用し、現在ではイディングスの定義が一般に使われています。
日本語の「玢岩」は1886年に、国立天文台の研究員だった西山正吾さんが用いたのが最初と言われています。
王偏に分と書く玢(ひん)の漢字は、玉のあやがあるさま、つまり玉石の表面にいろいろの形や色彩模様,特に線が斜めに交わった模様のある様子を言うとされています。

(3)いろいろな玢岩
ひん岩 
①玢岩 Porphyrite ( ひんがん )
一般的な玢岩です。

 
②閃緑玢岩 Diorite Porphyrite ( せんりょくひんがん )
閃緑岩と同じような鉱物組成ですが、斜長石の斑晶が大きく
目立つものです。
石英を含むものは石英閃緑玢岩と呼んでいます。

中文名稱:輝綠玢岩英文名稱:Diabase Porphyrite

③輝緑玢岩 diabase porphyrite (きりょくひんがん)
輝緑岩(粗粒玄武岩)との中間的な性質のものです。

 

④角閃玢岩 Hornblende-porphyrite ( かくせんひんがん )
角閃岩との中間的な性質のものです。

 
⑤安山玢岩 andesite-porphyrite ( あんざんひんがん )
安山岩との中間的な性質のものです。
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