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古井戸の再利用

まだ上水道が普及していない50年以上前は、どの家庭にも井戸はありました。
ほとんどの井戸は手掘りの井戸で、幅は約1mくらいで深さは3~5m程度でした。

(1)石積み井戸の掘り方
井戸の掘り方は、一人が中に入って、スコップで掘り進め、滑車でバケツをおして掘削した土砂を排出します。
石積み井戸の場合は、掘削した壁面に石積みを施し、また掘削し石積みを施すことの繰り返しです。
掘り進めると水がしみ出てきます。
こうなると排水の為のポンプが必要で、水をくみ出しながら掘り進めていきました。
自然水位線から約2~3mくらいまで掘って堀り止めにして井戸が完成です。

(2)古い井戸の復元
このような掘井戸は、現在ではほとんど使われていません。
田舎に行くと時々見かけますが、このような井戸はもう使えないのでしょうか?
結論から言うと、当時のような状態で使うことは難しいと思います。
まず田舎の井戸は、ほとんどの場合岩盤をくり貫いて、岩盤内の地下水を取水していました。
この場合には、長い年月が経つと井戸の中に泥が溜り、岩盤内の「みずみち」と呼ばれる取水ルートを遮断してしまいます。
遮断して少しくらい経っただけなら「みずみち」が変わることはないのですが、何十年も経ってから泥を取り除き井戸の中を洗浄しても「みずみち」が目詰りをおこし、井戸の中に地下水が流れてこなくなってしまっています。
土砂と岩盤との境界の地下水を取水している場合は、よく洗浄すればある程度の地下水は確保できるのですが、やはり昔のようにはならないのが現状です。
つまり、井戸水は、使えば使うほど「みずみち」が出来、水量も多くなってきますが、何年も使わなくなった井戸はもう使い物にならないことが多く、新たに掘ったほうがいいことになります。
但し、どうしても古い井戸を復元したい場合には、コンプレッサーや圧力水を使っての洗浄になりますが、その際に、石積み井戸の場合は、井戸の中に入っての作業は危険です。
何故なら、洗浄することにより、石積みに空隙が広がり、最悪の場合には崩壊することもあります。
したがって、井戸の上からの作業が原則で、
①井戸内をコンプレッサーを使用して撹乱する。
②水中ポンプで汲み上げながら長いノズルの圧力水で隅々まで洗浄する。
③ポンプを止め、地下水位がどれだけ回復するか様子を見る。
④地下水位が回復したら、またコンプレッサーを使用して洗浄する。
⑤揚水試験を行い、地下水の量を求める。
⑥水質試験を行い、飲料水として適しているかどうか判定する。
このような手順になると思います。

(3)井戸の機能回復の方法
このように洗浄しても地下水位が回復しない場合があります。
特に、何十年も使っていない井戸だとこのような場合の方が多いと思います。
この場合に井戸の機能回復の方法として、掘井戸の中を新たにボーリング機械を使って掘る方法があります。
ボーリング機械ですから、手掘りみたいに幅1mなどの大きな井戸は掘れません。
せいぜいVP100を入れる程度ですが、
①20m以上の深さを掘ることにより、新たな「みずみち」が出来る。
②岩盤内の水は、被圧された水であり、自然水位も上昇する。
③深井戸の水は、浅井戸の水より一般的には水質が良い。

このような利点があります。
但し、私たちは、依頼があった場合には、その古井戸を再利用するよりは、その付近に新たに井戸を掘ることを奨励しています。
それは、ほとんどの場合、水量がある程度回復しても、水質試験の結果では一般飲料水としては不適となることが多いからです。
長年溜まったヘドロなどの汚水は、少しの洗浄ではきれいにならないし、ボーリング機械で掘り足しても、古井戸の地下水と混ぜたのでは、やはり水質が悪くなります。
つまり、ボーリング機械で掘り足す場合でも、古井戸の地下水とは遮断する必要があります。
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