上野駅の地下水問題

トンネル工事や橋梁の基礎工事などでは、必ずと言っていいほど地下水に出くわします。
また、ボーリング調査で、10m掘っても地下水が確認できないところはほとんどありません。
それだけ地下の工事には地下水がつきものと言ってもいいと思います。

(1)上野駅の新幹線工事
地下水の問題として有名なところに新幹線の上野駅があります。
旧国鉄は当初、「新幹線の上野駅」は建設費の増大や建設の困難を理由に否定的な態度だったみたいですが、その後東海道新幹線の輸送力確保のために14・15番ホームを東海道用に転用したため、東北新幹線のホームの確保が難しくなり、東京駅を補完するサブターミナルとして上野駅の必要性を認識したのが建設された理由だそうです。
この工事は、在来線の19・20番ホームを潰し新幹線ホームへの連絡通路に充て、その真下に新幹線の駅を構築するというもので、かなりの難工事だったそうです。

(2)上野駅の浮力対策
1975年に着工され、新幹線の上野駅のホームは地下30m深いところですが、当時の地下水は38mで、地下駅底面よりなお8m下にありました。
ところが、地下水の利用が増えたことで地盤沈下が起き、その後に地下水取水制限を行ったところ、地下水面が上昇し2005年にはプラットホームより16mも高いところまで上がってしまい、駅が水の中に浮かんだ状態になりました。
そのため上向きの揚力を受け躯体の浮き上がりや漏水などの危険性が生じ、破壊寸前になりました。
この対策としては、
①ホーム下に3万7千トンの鉄塊(カウンターウエイト)を載せ圧力に対抗させる
②ピアノ線を束ねた長さ約17m、直径約15cmの603本のグラウンドアンカーを打ち込み浮力を抑える
このような工法で行っています。
アンカー施工時には穴から毎分約200リットルの地下水が噴き出していたそうです。
施工中においては、涸れることが懸念された不忍池ですが、幸いにしてそのようなことはなく、逆に上野駅から湧き上がる地下水を不忍池に導水し、水質改善にも役立てているそうです。

(3)今後の地下水管理
今は安定しているように思えますが、当事者でもなく報道関係も最近ではなにも報道しないのであくまでも推定です。
ただし、これらの工法はあくまでも「緊急対策」であって根本的な解決策ではないと思います。
今後地下水水位が更に上昇した場合は、更なる対策を取らなければならなくなる可能性もあります。
特に、2001年に施行された「大深度地下の公共的使用 に関する特別措置法」(通称:大深度法)により地下利用が多くなり、深い地下室や地下駅の解決策としては、高度成長期のような無謀な汲み上げは論外ですが、ある程度管理された地下水の汲み上げは必要とされているのかも知れません。
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