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高層ビル建設と地下水の影響

マンションなどの高層ビル建設の現場では、基礎工事で地下水を多量に汲み上げることがあります。
特に地下室などを施工する場合には地下を掘り下げると多量の地下水が湧き出てくることがあります。
地下水の量にもよりますが、一日中汲み上げて排水していることもあります。
この場合に、周辺の井戸には異常が起きないのかよく聞かれることがあります。

(1)基礎工事と井戸の状況
周辺の井戸の状況については、
①地形・地質
②地下水の量および流動方向
③工事による揚水状況
④井戸の深度

等の現況を全て詳細に把握しない限り、判断は難しいと思います。
建設中の揚水は、建設の進捗に伴い地下に構造物が出来上がってくれば、地下水の汲み上げは必要ありませんので、影響があるとしても一時的なものと考えることができます。
但し、一時的とは言え、大規模な高層ビル建設で地下水を多量に汲み上げたことにより、周辺の地下水位が大幅に低下することがあります。
高層ビル建設地周辺で、井戸水を利用されている方のうち、10m程度の浅井戸などはその流動方向や揚水量によっては水位が低下するため、井戸水量が減ったり、濁ったり、極端な場合には「井戸枯れ」と言って井戸水がまったく利用できなくなることがあります。
これは、先に述べた地下水の流動方向の関係から、高層ビル建設現場より下流側に位置する井戸には特に顕著になります。
地下水の汲み上げによる影響を受けやすい井戸かどうかについては、高層ビル建設に伴い、地下水を汲み上げている地層と周辺の井戸深さがわかればその因果関係が明確になると思われます。
例え「井戸枯れ」が発生しても、一般的には基礎工事が完了し汲み上げが終われば元に戻るのがほとんどです。
但し、地下水には、「地下水脈」つまり「みずみち」があって、いちど「みずみち」が干上がるとそこが「みずみち」でなくなることがあります。
特に下流側で「井戸枯れ」が発生した場合には基礎工事で遮断された「みずみち」は、そのあとコンクリート基礎が完成しても以前の「みずみち」は通らずコンクリート基礎を迂回し、別の「みずみち」を探すことがあります。

(2)事前調査と対策工
近年では環境に対する問題意識が高く、事前調査として調査ボーリングにより地層を把握し、現場透水試験や流向流速測定などの地下水調査等を行い、施工時において周辺への影響を可能な限り低減する工法が採用されています。
また、調査結果を基に地下水の汲み上げによる周辺環境への影響予測を行い、大きな影響が生じるような場合には対策工を講じて影響を低減しているものと思われます。
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