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21世紀の水不足対策

このブログで何回も21世紀における水不足を唱えてきした。
1995年には、当時世界銀行副総裁であったイスマル・セラゲルディンさんが、「20世紀の戦争が石油をめぐって戦われたとすれば、21世紀は水をめぐる争いの世紀になるだろう」と言っています。
それから17年が経ち、今の現状はどうでしょうか。
世界の水不足は深刻になっています。
世界各地での人口増や水質汚染・地球温暖化などが原因で、現在では、アフリカ・アジア・中東の35カ国が水不足国と言われています。
このうち32カ国が穀物の純輸入国になっています。
水不足が原因で穀物を国内で栽培できなくなっているからです。

(1)各国の地下水の枯渇状況
地下水の枯渇状況についての各国の現状として、
①インド
インドの国立環境工学研究所は、地下水資源の過剰使用が国中で起きています。
重要な農業地帯の地下水位が「危険な速度」で低下していると報告しました。
インドの主要穀倉地帯であるパンジャブ州とハリヤナ州では地下水位が1年に0.5~0.7メートル低下しています。
②中国
中国の穀物のおよそ40パーセントを生産する華北平原の大半の地域で、地下水位が1年に1~1.5メートルずつ低下しています。
③アメリカ
アメリカのオガラ帯水層は8つの州にまたがる巨大なもので、地球最大の地下水系です。
この帯水層、特に南端部分は雨水による涵養が少ないため、事実上、汲み上げればそれだけ地下水量は減少していきます。
④北アフリカとアラビア半島
北アフリカとアラビア半島の大部分の地域は「化石帯水層」に依存しています。
この地域の降雨量は極端に少なく、帯水層の涵養はほとんど見込まれません。

(2)世界の水事情と今後の問題
そして実際問題として、水問題は21世紀の国際社会において最も重要な課題の一つとなっています。
世界の水事情について簡単にまとめてみると、
①水が原因で年間500~1000万人が死亡
②12億人が安全な飲料水を確保できない
③2025年には48か国で水が不足する見込みで、2050年には60カ国にまで達し、水不足国の合計人口は、2030年には現在の5億人から70億人に達すると予測される
④水がかかわる病気で子どもたちが8秒に1人ずつ死亡
⑤途上国における病気の80%の原因は汚れた水
⑥界人口の50%に対し下水道などの衛生設備が未整備
⑦淡水魚の20%の種が水の汚染で絶滅の危機
「21世紀は水の世紀」という概念は、水問題への理解と解決なくして世界の平和は訪れないという考えが根底にあります。
水問題は、もはや発展途上国だけの問題ではなく、国際社会全体の問題であるという認識が必要なのです。
そして、その解決に向けて国際的な取り組みをしていかなければなりません。

(3)大河川でも水不足
世界の地下水資源の年間減少量はおよそ1800億立方メートルと推定されています。
1トンの穀物を生産するのに約1000トンの水を必要としますから、この年間減少量は、1億8千トンの穀物の減少量に匹敵します。
このように灌漑農業の大きな部分が水赤字のもとで行われています。
前のブログの「日本の農業技術と地下水」でも紹介したように、イスラエルのように、ごく少量の水で農業を行っている国もあります。
でも大多数の日本を含めた国は、無駄に水を使っているのが現状です。
世界の四大文明を育んだチグリス・ユーフラテス川、ナイル川・インダス川・黄河いずれも水不足に陥っています。
すべての地域で砂漠化が進んでいて、やがて地球全体に広がって行きます。
水は化石燃料と違って、代替物がないだけに、21世紀の半ばになるとすごく深刻になっているでしょう。

(4)水質汚染の現状
また、水不足に加えて、水質汚染が進んでいます。
人間の活動は知らず知らずのうちに危険な汚染物質を地下水に流し込んでおり、汚染物質は長く残留します。
川の水が平均わずか16日程度でで入れ替わるのに対し、地下水の平均滞留時間は1400年と言われています。
河川と違ってこれらの帯水槽は非常に広大であるばかりでなく、膨大な量の水を貯えていて、浄化は不可能です。
たとえば、土壌に比べて帯水槽は溶存酵素、微生物、有機物をあまり含まず、化学物質が分解されにくいからです。
地下水の豊富な国と言われている日本でも、大震災や津波の影響で福島第一原発の事故がありました。
今でも、大気が放射能により汚染されている状況が続いています。
このような状況が長く続けば続くほど、地下水への影響は深刻になってきます。
作物や表層の土壌だけでなく地下水へも汚染が広がるとなると、もうその土地へは住めなくなってしまいます。
世界各国では、水の汚染が原因で病気にかかり、死んでいく子どもたちが世界には8秒に1人の割合でいます。
アフガニスタンやバングラデッシュなど途上国における病気の原因の8割は、川の水質汚染が原因だといわれています。
その一方、日本などの先進国は尿素を配合した化学肥料を大量に使い穀物の収穫を大幅に延ばしたのと引き換えに、土壌と地下水を汚染しました。
そして、人災とも言える放射能汚染です。
そのため安全に飲める水がどんどん減っています。

(5) 水のありがたみ
私たちは、現在において、世界で問題となっている水問題について、自分達の身近な問題として捉えることが必要だと思います。
日本では、蛇口をひねれば当たり前のように水か出てきます。
それが当たり前の環境に住んでいる私たちにとっては、この水問題というのは、実感がなく、関心の低い問題であるかも知れません。
でも、水は生命の源なのです。
水にはその代用品がないことを、深く再認識する必要があります。
食べることでも、飲むことでも、掃除をすることでも、また洗濯でも、そしてトイレでも必要です。
私たちの仕事の地質調査や井戸工事でも、水がないと掘れません。
仕事をする上では、ほとんどの業種が水を必要としています。
普段の日常生活において、なかなか水のありがたみを感じることができなくなっている分、水に対して敏感になる意識を持たなければなりません。
もし、その水の価値が分かれば、おのずと水の使い方にも気を配ると思います。

(6)地下水を無駄にしないために
日本でさえ、安全な水が不足しています。
大小さまざまなペットボトル水がスーパーに並んでいる事実の中に、それは現れていると思います。
限りある資源である地下水を無駄にしないためには、地球に優しい街づくりを考えなければいけません。
その原点として、まず節水に取り組むことが必要だと思います。
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