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貯留係数について

地下にどれくらいの水があるかを調べる際に、帯水層の性状、すなわち地下水の貯留層としての透水性や資源量を評価する数値として、帯水層定数(または帯水層係数と呼ばれることもある)があります。
これは、主に透水量係数と貯留係数の2つで評価しています。
この中の透水量係数は、帯水層厚との関係で透水係数が算出されるので、広く用いられていますが、貯留係数は水を学んできた私にとってもまだまだうまく利用できていません。

(1)水の貯水能力のある地層
地下水の貯水についてはまだまだ不明の部分が多いのですが、調査ボーリングを実施することによって地下の地質や土質、またそれに伴う岩石を調べることはできます。
だけど、これだけでは地下貯留量を推定することは困難です。
大雑把な推定の仕方として、水の貯水能力のある地層は、砂岩・礫・砂・粘土です。
地層の貯水能力と保水率から計算した水湧出量は砂岩の場合は容積比で1~5%です。
礫や砂の場合は10%程度です。
粘土は保水能力としてはあるのですが、不透水性であり保水率がゼロなので、湧水能力は実質的にはゼロとなっています。

(2)貯留係数について
地下水がどれくらい貯留しているかを数値で表したのが貯留係数(Storage coefficient)です。
貯留係数とは、帯水層の単位水平断面において、地下水位(または被圧水頭)が単位量変化により生じる出入水量(排出または注入)と定義されています。
これは、不圧帯水層と被圧帯水層では意味が異なり、
①自由(不圧)地下水の場合
帯水層は重力によるものであり、単位の水頭変化により生じる不圧帯水層の単位体積当たりの水の出入量、すなわち単位体積の土の貯留水の変化量を表わします。
物理的な意味としては、有効空隙率あるいは比湧水量になります。
②被圧地下水の場合
帯水層が弾性体に近いとされており、単位の水頭変化によって生じる被圧帯水層の層厚変化量、すなわち圧縮率を示します。
物理的な意味としては、圧縮係数とか開放係数とかになります。
つまり、自由(不圧)地下水の場合は、排出された水量の分だけ、水で飽和されない空間がありますが、 被圧地下水の場合は、かならずしもこうした空間ができるわけではありません。

(3)揚水試験と貯留係数
貯留係数は、揚水試験で算出することができます。
一般的に用いられているタイス法・ヤコブ法・チョウ法で算定式があります。(回復法はありません)
貯留係数とは、この揚水試験で汲み上げられた総水量を帯水層中にできる水位低下体積で割ったものです。
帯水層は「水と砂や礫など」から構成されており、そこから揚水される水量は砂や礫の体積分だけ少ないから、比である貯留係数は、ほとんどの場合は1以上にはなりません。
1以上になった場合は、大きな漏水や絞り出しなどによって多量の水が帯水層以外から補給されていることを示しています。
自由(不圧)地下水の場合は帯水層の有効空隙率に等しくなりますが、被圧地下水では水位低下体積にあたるものが水圧低下量になるので不圧地下水の場合の数分の一ないし数十分の一、もしくは数千分の一にまで小さくなります。
すなわち、貯留係数(S)の値としては、
①自由(不圧)地下水の場合
S=0.01~0.35
②被圧地下水の場合
S=1×10-2 ~1×10-3
程度のオーダーとなっています。
この揚水試験と貯留係数との数値の信頼性ですが、揚水試験は、揚水井と離れた箇所に設置した観測井の複数孔の井戸で実施するものが一般的ですが、深井戸の場合には、費用・時間の制限から揚水と観測を単孔で行う場合がほとんどになります。
この際、井戸の構造によって生じる井戸損失の影響があり、透水量係数は小さめに、貯留係数は大きめに算出されることになります。
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