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まいまいず井戸

「まいまいず井戸」を紹介します。

(1)「まいまいず井戸」の構造
武蔵野台地には「まいまいず井戸」と呼ばれる井戸が存在します。
どんな井戸かと言うと、まず地表にすり鉢状の窪地を堀り、すり鉢状の斜面には井戸端に降りて行くための螺旋型の歩道が作られ、その底に丸井戸を掘削する方法です。
井戸の利用者は、螺旋型の歩道を通って、底部にある垂直の丸井戸に向かいます。

(2)武蔵野台地の地質
こうした独特の構造の井戸が掘られた背景には、武蔵野台地特有の地質学的背景がありました。
武蔵野台地は多摩川によって形成された扇状地で、武蔵野台地には脆い砂礫層の上に更に関東ローム層の火山灰があるため、特に国分寺崖線より上は地表面から地下水脈までの距離が長いのが特徴です。
従って武蔵野台地では他の地域よりも深い井戸を掘らなければ地下水脈に達することができません。
当時はボーリング機械などはなく、手掘りの井戸だったので、地層が脆いために地下水脈まで垂直な井戸を掘ることが出来ませんでした。
そこで考えたのが、一旦地表面からすり鉢状に地面を掘り下げて砂礫層の下の粘土層を露出させ、そこから改めて垂直の井戸を掘って地下水脈に至るというこの手「まいまいず井戸」の掘り方でした。

(3)「まいまいず井戸」の由来
「まいまいず井戸」は武蔵三井戸の1つです。
まいまいずとは多摩地方の方言でカタツムリのことを言いますが、井戸に向かって降りる通路の形がかたつむりに似ていることからこの名前が付けられました。
また、この井戸の断面の形から「漏斗じょうご状井戸」や、降り下る通路が敷設されていることから「降り井(下り井)戸」とも呼ばれています。
「まいまいず井戸」とは固有名詞ではなく、武蔵野のように脆い土壌に井戸を掘るとき螺旋状に掘り下げていくことからこのような名前で呼ばれています。

(4)羽村の「まいまいず井戸」
羽村の「まいまいず井戸」は平安時代の806~810年(大同年間)に造られたいう説がありますが、井戸の形態や出土された板碑いたび等を見ると鎌倉時代のものではないかと推測されています。
井戸の地表面の直径は約16m、窪地までの深さは約4.3m、窪地面の直径は約5mで、井戸自体の直径は約1.2m、井戸の深さは約5.9mあります。
地表面から井戸に向かって2周する螺旋状の井戸道が約40mあり、井戸ができても水汲みには苦労したさうです。
また井戸の名称は残されている普請帳から、かつては「熊野井戸」と称されていたようです。
この井戸は五ノ神村の人々の共同井戸として重宝され、昭和に入ってからも約200戸の家庭で使用されていたそうですが、1960年(昭和35年)の町(当時)営水道の開設に伴いその長い歴史に幕を閉じました。
現在は東京都指定文化財に指定され、人々が観光や散策に訪れています。

まいまいず井戸平面図
「まいまいず井戸」の平面図です。

まいまいず井戸断面図
「まいまいず井戸」の断面図です。

1.地表面から見た井戸
羽村の「まいまいず井戸」(東京都羽村市五ノ神神社内)

ペルーのナスカ郊外にあるインカの水路跡には、複数の縦穴が
掘られています。
その形は、まさしく「まいまいず井戸」そのものです。
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