fc2ブログ

結晶片岩 色による分類,原岩による分類

四国では、基盤岩として広域に分布している結晶片岩について調べてみました。

(2)色による分類
目で見た色による分類です。
おおよそ鉱物による分類と対応するようになっていることから薄片記載など室内分析をする前のフィールド記載などでは重宝しています。
緑色片岩と青色片岩は変成相名にも採用されているため、この2つは頻繁に用いられる岩石名であります。
その他については用語の意味するところに不確定性が大きいため、推奨される記載ではありません。
正式名ではなく、あくまでも俗名です。

①緑色片岩
緑色片岩(りょくしょくへんがん、green schist、グリーンシスト)とは、 変成岩の1種で、玄武岩やそれに類する組成の岩石を原岩に低変成度で形成された結晶片岩です。
緑閃石、緑泥石、緑レン石などの緑色の鉱物を含むことからこの名前が付いています。

②青色片岩
青色片岩(せいしょくへんがん, ブルーシスト, blue schist)とは藍閃石などのナトリウムに富み青色を呈する角閃石を含んだ結晶片岩です。
沈み込み帯のスラブ上面のように低温高圧環境での変成作用が特徴的な変成岩です。
原岩は玄武岩などの苦鉄質岩で、温度200-500℃、圧力0.6-1.2GPa(深さにして20-40 km)の条件で形成されます。
日本では三波川変成帯や黒瀬川帯などから産しています。
青色片岩の主な構成鉱物は、藍閃石やリーベック閃石などのナトリウムを含む角閃石の他、ローソン石、ヒスイ輝石、ソーダ雲母、緑泥石、霰石などを含みます。

③黒色片岩
黒色片岩(black schist)は、泥質岩を起源とする結晶片岩のうちで変成度の低いものです。
グラファイト(石墨)を含み色が黒いので一般にこのように呼ばれています。
正規の岩石名ではなく、緑色片岩と同じく通称です。
グラファイト以外には主に絹雲母,緑泥石,斜長石,石英から成ります。
一般に片理が発達し、著しい微褶曲(しゅうきょく)構造が見られます。

④赤色片岩
赤色片岩(せきしょくへんがんRed schist)の代表は、紅簾石片岩(こうれんせきへんがん)です。
紅簾石またはマンガンを含み、赤色を呈する緑レン石や斜灰簾石などを特徴的に含む結晶片岩です。
紅色の部分が紅レン石でギラギラ光っているのが雲母の結晶です。

(3)原岩による分類
原岩の種類によって結晶片岩を分類します。
特に構造地質の記載や研究においては、変成作用による影響よりも元の岩石が何であったか、それら岩石がどのような組み合わせ・構造で 産出しているかが注目されるので、原岩の種類による分類を採用することが多いです。
ただし、観察事実は岩石の組織や色、鉱物の組み合わせであって、原岩の種類はそれらに基づく解釈である点に注意が必要です。
原岩による分類を行った際に、玄武岩や玄武岩質な岩石の総称としては緑色岩greenstoneが使われることが多く見られます。
もしくは、玄武岩質岩石は変成相を決定するために特に重要であるため、 「緑色片岩」「青色片岩」あるいは「角閃岩」などと具体的な岩石名・変成相名と対応させて記載されることも多々あります。

①砂質片岩
砂質片岩(さしつへんがん, ザミティックシスト, psammitic schist)は砂岩を原岩とする結晶片岩です。
構成鉱物は主に石英、絹雲母、緑泥石などです。
見た目は灰色、灰緑色、黄灰色などのくすんだ色で、薄く剥がれやすいのが特徴です。
ルーペで拡大してみると、石英を主とした中、に白色~灰色の絹雲母や、濃緑色の緑泥石の粒が見えることが多いです。

②泥質片岩
泥質片岩(でいしつへんがん, ペリティックシスト, pelitic schist)とは泥岩やそれに類する堆積岩を原岩とする結晶片岩です。
泥質岩に含まれている有機物が変成してできる石墨(グラファイト)を特徴的に含むため、光沢のある黒色を呈します。
低温高圧型広域変成帯に特徴的な変成岩であり、高温低圧型広域変成帯や接触変成帯、大陸衝突型変成帯などの低変成度部分でも広く見られます。
構成鉱物は、石墨の他、石英、曹長石、絹雲母などを含んでいます。
岩石を構成鉱物で分類する際には、石墨片岩と呼ばれることが多いです。
日本では三波川変成帯や三郡変成帯、周防変成帯などの低温高圧型変成帯から産します。
特に三波川変成帯では、埼玉県長瀞町の観光名所である"岩畳(いわだたみ)"を構成する岩石として有名です。

③礫質片岩
礫質片岩(れきしつへんがん, コングロマリットシスト, conglomerate schist)は礫岩を源岩とする結晶片岩です。
通常、礫は片理面に沿って引き伸ばされています。
日本では三波川変成帯などから産しています。

④珪質片岩
珪質片岩(けいしつへんがん, シリシャスシスト, silicious schist)とはチャートや石英質な砂岩などの堆積岩を源岩とする結晶片岩です。
体積の90%近くが石英のみから構成されています。
見た目は純粋なものでは白色や灰色ですが、副成分鉱物によって赤色、褐色、緑色などを呈しています。
低温高圧型広域変成帯に特徴的な変成岩であり、高温低圧型広域変成帯や接触変成帯、大陸衝突型変成帯などの低変成度部分でも広く見られます。
珪岩片岩と同じ鉱物組成であっても片理構造が明瞭でない変成岩は、クォーツァイト(quartzite, 珪岩)と呼ばれています。

⑤石灰質片岩
石灰質片岩(せっかいしつへんがん, カルカリアスシスト, calcareous schist)とは石灰岩を原岩とする結晶片岩です。
大半が方解石のみからなることが多いのですが、それは必ずしも定義ではありません。
見た目は純粋なものでは白色や灰色ですが、副成分鉱物によって赤色、褐色、緑色などを呈しています。
低温高圧型や高温低圧型広域変成帯や接触変成帯、大陸衝突型変成帯などで見られます。
石灰質片岩と同じ鉱物組成であっても片理構造が明瞭でない変成岩は、結晶質石灰岩(大理石, marble, マーブル)と呼ばれています。
また、周囲の岩石や流体などとの反応によって炭酸塩鉱物以外の珪酸塩鉱物などが生じている場合は、スカルンと呼ばれることが多いです。
スポンサーサイト



最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR