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「水みち」と井戸計画

私たちが、地下水があるかどうかの目安として、よく使っている言葉に「水みち」があります。

「水みち」を専門書で調べると、「水が流れた跡」とか、「水の流れる路」とか書いてあります。
難しい言い回しだと、地盤の一部に透水性の高い箇所が存在し、相対的に速い地下水の流動速度を有する区間を地下水流動区間≒「水みち」と言うそうです。
そして、「水みち」の存在を把握することで、
①河川やため池堤体の健全性評価
②土木工事における作業の安全性・経済性評価
③地下水保全対策及び地下水汚染対策
等に役立てることが出来るということになります。

「水みち」は「水道」と区別して、わざとひらがなで表記することが多くなっています。
「水みち」は、不圧水(自由水)にも被圧水にもあります。
不圧水の地下水は礫や砂の間隙に存在し、地下水を含む砂礫層などは、帯水層と呼ばれています。
いわゆるこれが「水みち」です。
被圧水は堆積層の中にもあるのですが、岩盤の中の水は、断層や割れ目の水で、これが「水みち」を通路とした裂か水(パイピングフロー)と呼ばれています。
この「水みち」の透水性は、透水係数で判断できますが、水の通しのよい砂礫層は、10-2~10-0(cm/秒)くらいです。
これを普通に書き換えると0. 01~1(cm/秒)となります。
透水係数は速度の次元(単位)を有する比例係数とされ、地下水の速度は透水係数に動水勾配を乗じて求められます。
地下水は地下水位の高い方から低い方へ流れますが、 例えば、地下水位が1m離れた先で、1m低ければ動水勾配は1となります。
そして、動水勾配が1のときは水の速度=透水係数となります。
透水係数が1(cm/秒)であれば、1秒間に1cmの速さで水が動くことになります。
これは、地下水中では、ものすごく早く動くことになります。
なお、実際の水は間隙の隙間を流れるので、実際の速度は上記の水の速度を間隙率で除してやる必要があります。
通常は、ひとつの帯水層全体がこの透水係数で表され、あたかもこの速さで水が帯水層(砂礫層)全体に浸透するイメージを持たれがちです。
しかし、実際の水は砂礫層の中を特定の礫と砂の隙間の「水みち」を通って流れていることが多いそうです。
これは、水の流れがはじめて生じた時に、流水によって砂の粒子が流され、新たな「水みち」ができることもあると思います。

井戸を掘るときに、まず試験掘りをすることがあります。
その時に、現場透水試験などで透水係数を把握します。
その試験結果で、「ここは水が出ない」とか決め付けてしまうことがよくあります。
ほとんどはこの判断が正しいのですが、井内洗浄を行っていくうちに、徐々に新たな「水みち」ができ、「以外にも水があったな」と思うことがあります。
また、試験掘りで得られた透水係数などを使って井戸計画をし、実際に井戸を掘ったけど、計画通りに出ないこともよくあります。
本来では、大きい井戸の方が、小さい井戸よりも構造的には、水を集めやすいのですが、試験掘りの時の揚水で「水みち」ができてしまい、本番の井戸を作った時には揚水しても思うように水が集まってこない現象がみられる事もあります。
こういった現象は、10m~20m程度の不圧地下水の浅井戸で見られます。
これに対して、深井戸では、圧力を持った被圧地下水なので、あまり見られることはありません。
浅井戸の井戸計画は、不確定な要素が多いので慎重にする必要があります。
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