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石炭紀について

地質時代には、いろいろな時代がありますが、今回は石炭紀について調べてみました。

石炭紀(Carboniferous Period)は、地質時代の年代区分の一つです。
【期間】
古生代を六つに区分した時代で、デボン紀とペルム紀(二畳紀)の間にあたり、古生代で 5番目に古い紀です。
古生代後期の地質時代で、デボン紀とペルム紀(二畳紀)との間の約3億5890万年前から約2億9890万年前までの期間と言われていますが諸説あります。
【名前の由来】
1822年にウィリアム・ダニエル・コニベアとウィリアム・フィリップスがイギリスの石炭を多く含む地層に対して命名したそうです。
世界の主要夾炭層(いくつかの石炭層を含む一連の地層)はこの時代に形成されました。
頭足類ガッテンドルフィア(Gattendorfia)の出現をもって石炭紀の始期とされています。
前半は石灰岩を含む海成層が多く二つの世に分けられています。
北アメリカでは、当紀の下半部に相当するミシシッピ紀Mississippianと上半部に相当するペンシルベニア紀Pencylvanianの二つの紀に区分されています。
【生物】
森林生活に適応して急激に発展した節足動物のクモ類や昆虫類、脊椎動物の両生類が栄えていました。
また、温暖な気候下の浅海では、原生動物の有孔虫類、刺胞動物のサンゴ類、触手動物の腕足類、棘皮(きょくひ)動物のウミユリ類に大発展を遂げたものがあります。
有孔虫類に属するフズリナ(紡錘虫類)は、石炭紀前期の末に出現し、石炭紀後期には多くの種・属が分化し、示準化石(標準化石)としても重要です。
サンゴ類では床板サンゴ類にかわって四放サンゴ類が発展しています。
ウミユリ類は、進化史上最大の繁栄期を迎え、地質時代の既知種の半数以上をこの時代に産しています。
触手動物の腕足類、軟体動物の頭足類・二枚貝類(斧足(おのあし)類)、原索動物のコノドント動物なども多様性に富み、地域内や国際的な地層の対比や分帯に利用されています。
脊椎動物のなかでは、迷歯類とよばれる両生類の一群が発展を遂げ、竜弓類(鳥類を含む爬虫類へとつながる系統)と単弓類(哺乳類へと繋がる系統)が生まれ、このグループより進化したと考えられる最初の爬虫(はちゅう)類がこの時代の後期に出現しました。
当時の爬虫類ではヒロノムスなどが知られています。
また、パレオディクティオプテラやゴキブリの祖先プロトファスマなど翅を持った昆虫が初めて出現しました。
これらは史上初めて空へ進出した生物です。
デボン紀から引き続いて節足動物、昆虫の巨大化も著しく、全長60cmもある巨大なウミサソリ(メガラシネ)や翼長70cmの巨大トンボ(メガネウラ)、全長2mの巨大ムカデ(アースロプレウラ)などが発見されています。
これらの節足動物は陸上進出を果たした両生類や有羊膜類の貴重な蛋白源になったといわれています。
逆に三葉虫は衰えてプロエトゥス目(またはプロエタス目)のみとなりました。
末期には数百万年に渡る氷河期が到来し多くの生物が死滅したそうです。
【植物】
温暖湿潤の環境下で森林を形成し、石炭の素材になった無種子の維管束植物(ヒカゲノカズラ類、トクサ類を含む)、種子シダ類が繁栄していました。
巨大なシダ類の中でも、リンボク(レピドデンドロン)は大きいもので直径2m、高さ38mのものが存在し、このような巨大なシダ類が湿地帯に大森林を形成していました。
これらの巨木は標準的なものでも20m〜30mの高さがあったそうです。
これらの植物は、温暖湿潤な当時の気候のもとで広大な低湿地帯に大森林を形成し、多量の石炭層を残しました。
石炭紀の地層はすべての大陸に広く分布しています。
【岩石】
地質的にはバリスカン造山運動の活動期に当たります。
デボン紀から存在していたライク海(リーク海、レーイック海またはミドローピアン海とも呼ぶ)はゴンドワナ大陸とユーラメリカ大陸にはさまれて末期には消滅し、これがやがて次の時代のパンゲア大陸となりました。
ライク海の消滅と歩調をあわせるかのように生物の陸上新出も進みました。
この他にもシベリア大陸、カザフ大陸(カザフスタニア)などの小さな大陸が存在していました。
石炭紀の地層はすべての大陸に広く分布していました。
西ヨーロッパや北アメリカ大陸では一般に、下部に海成層が発達し、上部に夾炭(きょうたん)層を含んでいます。
ウラル山地西部のロシア卓状地には、石灰岩を主体とする一連の海成層が発達し、豊富な海産化石を産することから、その地層が国際的対比の基準となってきました。
日本の石炭系はすべて海成層からなり、その大部分は海底火山活動による火山砕屑(さいせつ)岩類の上に重なる石灰岩層から成っています。
その地層は、ペルム紀の石灰岩層を密接に伴い、陸源性の砕屑岩類を含まず、また時間欠如もなく連続したものだそうです。
この事実から、日本各地に分布する石炭‐ペルム系の石灰岩相は、赤道近くで、陸地から遠く離れた火山島の上に発達したサンゴ礁として形成され、ユーラシア大陸に付加したものであることがわかります。
北上山地、飛騨(ひだ)山地、中国地方の石灰岩台地、西南日本外帯の秩父帯などに石炭系のまとまった分布が知られ、フズリナ類、サンゴ類、腕足類、軟体動物などの豊富な化石群を産しています。
愛媛県の秩父累帯は、3億1000万年前からという説もあります。
また、三波川帯の結晶片岩の原石はその頃に海底の火山活動によって噴出した凝灰岩・凝灰角礫岩・溶岩が海底に堆積したものだそうで、それが後になって起こった地殻の変動の際、強い圧力を受けて変成したものと考えられています。
【気候】
ユーラシア大陸西部でヘルシニア(バリスカン)造山運動が活発化し、激しい地殻変動があったのですが、多くの地域は年間を通して季節の変化はあまりなく、1年中湿潤な熱帯気候であったといわれています。
一方で南極では氷河が形成されるなど、寒冷化が進行しつつありました。
石炭紀には木材のリグニンを分解できる菌類が十分に進化しておらず、森林の繁栄により大量の炭素が石炭として固定化され、ペルム紀初期の大気中の酸素濃度は35%に達したといわれており、このことが動植物の大型化を可能にしたと考えられているそうです。
また、植物が繁栄したことで大量の二酸化炭素が吸収され、その多くが大気中に還元されずに石炭化していったため、大気中の二酸化炭素濃度が激減したそうで、これが寒冷化と氷河の発達、ひいては氷河期の一因とされています。
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