岩石の名前の由来(火山岩編)

岩石の名前の由来について調べてみました。

今回は、火成岩 (Igneous Rock)の中で、火山岩 (Volcanic Rock)について調べてみました。
・流紋岩(Rhyolite)
流紋岩は、花崗岩と同じく、ケイ酸分 (SiO2)を多く(70%前後) 含む粘っこいマグマからできるのですが、花崗岩はそれが地下深部でゆっくり冷えて固まってできるのに対し、流紋岩はそれが地表付近で急に冷えて固まるなど、主に火山活動でできます。
流紋岩の名称は、マグマの流動時に形成される斑晶の配列などによる流れ模様(流理構造)がしばしば見られることによるものです。
「Rhyolite」という英名は、「溶岩の流れ」を意味するギリシャ語に由来しています。
「流」は「溶岩流」で、「紋」は「すじ,模様」を意味します。
流紋岩はマグマの粘性が高いため、ちょうど水飴を伸ばした時のように流動方向へのスジができるのが特徴で、この文字どおり、流理と呼ばれる溶岩が流れる際の、スジが岩石についていることが多いためにこの名前がついたそうです。
・黒曜岩(Obsidian)
黒曜岩は、化学組成上は流紋岩(まれにデイサイト)で、石基はほぼガラス質で少量の斑晶を含むことがあります。
「黒耀石」は「黒くかがやく石」という意味です。
「耀」が「かがやく」という意味です。
なお、黒曜石と黒耀石はおなじものです。
「耀」が常用漢字ではないため、黒曜石と表記するのが一般的に多いです。
ただし、文献的には黒曜石のほうが古くから使われているそうで、黒耀石という表記が登場し始めるのは戦後のことなんだそうです。 
・安山岩(Andesite)
安山岩の主要な構成鉱物は、無色鉱物である斜長石と、有色鉱物である輝石や角閃石です。
典型的な安山岩の外見は、灰色の石基に、白色の長石、黒色の輝石のやや細長い形をした斑晶が入ります。
「Andesite」の名は、アンデス山脈で多く見られる事に由来し、最初はアンデス山地の粗面の岩石に対して名付けられたそうです。
・石英安山岩(Dacite)
石英を含む安山岩質の岩石で、深成岩の花崗閃緑岩に対応する火山岩です。
斑晶は石英,斜長石と有色鉱物の角閃石,黒雲母などで、石基はガラス質で、岩石は斑状組織を呈しています。
安山岩よりやや酸性で、造山帯の火山岩として産出します。
ルーマニア北部、ジーベンビュルゲン(Siebenbuerugen)地域のダキア(Dacia)に産出します。
ダキアはカルパチア(Carpathian)山脈とドナウ(Danube)川との間の地域にあった古代の王国で、後にローマの属州(Roman province)となりました。
ジーベンビュルゲンはルーマニア国中部地方のトランシルバニア(Transylvania)のことです。
岩石名はダキア(Dacia)に由来しています。
日本語は1884年に小藤文次郎さんが石英富士岩としたが、その後の1886年に中島謙造さんが石英安山岩と訳しています。  
・粗面岩(Trachyte)
粗面岩(そめんがん トラカイト)は、優白質であるが石英をほとんど含まず、アルカリ長石を主成分とする火山岩で、深成岩の閃長岩に対応しています。
粗面岩より斜長石が多くなると粗面安山岩(ラタイト)になります。
一般的に粗面をもつ岩石に対して与えられましたが、今日では、化学成分及び鉱物成分が深成岩の閃長石にあたるものを呼んでいます。
粗面岩と言う名前は、表面が粗い組織を持っていることからつけられたそうです。
「Trachyte」という英名も、ギリシャ語で「粗い」を意味する言葉「トラクス」に由来しています。
・白榴岩(Leucitite)
白榴岩は、細粒または斑状の噴出岩です。
亜優黒質で、主としてリューサイト(白榴石)と単斜輝石(普通はチタンオージャイト)から成り、橄欖石を欠く岩石です。
白榴岩という名前も、「Leucitite」(リューシタイト)という英名も、白榴石(リュ-サイト)を必ず含んでいることから付けられています。
・玄武岩(Basalt)
玄武岩は、暗灰色 (色指数 40~70) の苦鉄質火山岩です。
溶岩や浅所貫入岩として産し、地球上で最も量の多い火山岩で、ほとんどすべての海洋底は玄武岩によってできています。
名前の由来は、兵庫県豊岡市の「玄武洞」という洞窟がこの岩石だったことから、明治時代に命名されました。
玄武とは、古代中国の四神の一つの亀の姿をした神様だそうです。
「玄武洞」がその名前になったのは、ここの岩石が六角板状を積み重ねたような柱状節理になっていることや、岩石が黒いことなどによるものだと思います。
「玄」には、玄人,玄米などのように「黒い」という意味があります。
・テフライト(Tephrite)
「Tephrite」という名前は、濃い灰色のものが多いため、ギリシャ語で「灰」を意味する言葉に由来しています。
また、日本ではかつて、灰色玄武岩と呼ばれていましたが、現在は使われていません。
・キンバーライト(Kimberlite)
キンバーライトは、カンラン石と雲母を主要構成鉱物とする超塩基性の火成岩で、雲母橄欖岩(うんもかんらんがん mica peridotite)とも呼ばれています。
一部からダイヤモンド原石が産出されることで知られています。
名の由来は、19世紀後半に、南アフリカ北ケープ州の州都キンバリー地方から、ダイヤモンドの鉱石として、キンバーライトがはじめて発見された場所として付けられています。
・松脂岩(しょうしがん pitchstone ピッチストーン)
松脂岩は流紋岩質のガラス質火山岩で、緑褐色で樹脂状の光沢を示します。
黒曜岩に似ていますが、国際地質科学連合の分類では、黒曜岩の水分が1%以下なのに対して、水を1~10%含むため別の物と扱われています。
誰が名づけたかは不明ですが、松と脂なので、したたるような水分を含んだ岩石と想像できます。
・真珠岩(perlite パーライト)
真珠岩は、加熱により膨張する性質を持つガラス質火山岩の総称です。
1791年にフィッチェルが、ガラス質流紋岩で、無数の同心円状の割れ目があり丸い中心核が真珠に似ているので命名しました。
そして真珠岩という岩石名を使用したのは1822年が最初だそうです。
・響岩(きょうがん phonolite、フォノライト)
響岩は、石英を含まず、準長石(霞石など)を含む火山岩です。
響岩は、ドイツではKlingsteinと呼ばれ、1787年にウェルナーが、ハンマーで叩くと音が出る岩石であることより記載したそうです。
ギリシャ語のphoneは音の意味で、1801年に、phonoliteと命名されています。
・讃岐岩(sanukite、サヌカイト)
四国の讃岐地方に分布する古銅輝石安山岩です。
屋島などの溶岩台地をつくり、黒色緻密で玄武岩のように見えたり、また堆積岩である頁岩にもよく似ています。
木槌でたたくと澄んだカンカンという音がするので、俗にカンカン石とも呼ばれています。
小笠原諸島にも同じ特徴をもつ岩石(無人岩)が知られていて、まとめて高マグネシア安山岩と呼ばれています。
・無人岩(boninite、ボニナイト)
無人岩は、小笠原諸島の父島などに産し、讃岐岩と同じ特徴をもつ岩石です。
1891年Petersenによって命名されたそうですが、1889年に菊池安さんが、無人岩に関して記載を行ったそうなので、実質的な発見者は菊池安さんと思われます。
無人岩の名前の由来は不明ですが、地元では、海岸の崖に露出する断面を見ると、亀の甲羅に似ているので当地では「亀甲石」と呼ばれているようです。
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