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岩石の名前の由来(半深成岩編)

岩石の名前の由来について調べてみました。

今回は、火成岩 (Igneous Rock)の中で、半深成岩 (Hypabyssal Rock)について調べてみました。
・花崗斑岩(Granite-porphyry)
花崗斑岩は、花崗岩と同じ組成をもつが、石英・正長石などが斑晶(はんしょう)をなす岩石です。
斑岩は、ポーフィリーと言い、ギリシャ語で「紫」を意味するそうです。
この斑岩とは、火山のマグマが冷えて固まってできた石で、鉱物の他にも細かな結晶が集まった塊(石基)を含んでいます。
情熱的な色合いと、結晶の粒が織り成す模様が紫色なのでしょうか。   
・石英斑岩(Quartz-porphyry)
石英斑岩は、花崗斑岩のなかで特に斑晶の少ないもので、石英斑晶が肉眼的に目立つために石英斑岩と呼ばれますが、実際には長石類の斑晶も多いのが特徴です。
あとは、花崗斑岩と同様の由来でしょうか。  
・ひん岩(Porphyrite)
ひん岩は、安山岩の半深成相に相当する岩石で、化学組成は安山岩とほぼ等しいのですが、斑状組織が顕著です。
斑晶は斜長石と有色鉱物で、石基は完晶質で粒度は安山岩よりも大きいのが特徴です。
porphyriteという英名は、ローマ帝国初期に活躍したプリニウスが記載したporphyritesに由来しているそうです。
プリニウスのporphyritesはエジプトで得られた赤い岩石でした。
その後、アグリコラはporphyritesという名称をまだら色の岩石に使用し(1546年頃)、後にプリニウスのporphyritesとアグリコラのporphyritesに分けて解釈されるようになったそうです。
この二つの岩石名は19世紀中頃までは同義で、元来は18世紀頃から大きな結晶が細粒の石基に埋まっている岩石に使われていましたが、後に深成岩と火山岩の中間的な岩石で斑晶があってもなくてもよいと拡張して使用されたそうです。 
・輝緑岩(きりょくがん diabase ダイアベイス)
・粗粒玄武岩(そりゅうげんぶがん dolerite ドレライト)
この二つの岩石は、名前は違いますが同じものです。
玄武岩とほぼ同じ化学組成で、主に斜長石と輝石とからなりますが、橄欖石を含むこともあります。
一般に、やや変質して緑色がかっています。
日本名の輝緑岩は、緑色で、輝いているように見えることから名づけたのだろうと推察します。
粗粒玄武岩は、そのままの意味です。
アメリカでは輝緑岩(diabase)と呼んで、イギリスでは粗粒玄武岩(dolerite)と呼んでいるようです。
英名の「dia~」は、「~し通す」とか「完全な(に)」などの意味で、「base」は「塩基」という意味です。
また、「dole」は、「分配物」とか、「わずかなもの」という意味です。
・アプライト(半花崗岩 Aplite)
アプライトは、 流紋岩質で、ほとんど有色鉱物を含まない細粒の火成岩です。
花崗岩と鉱物組成が似ているために、半花崗岩(はんかこうがん)とも呼ばれています。
「Aplite」という名称は、ギリシャ語の単純化という意味から導かれたもので、長い間、単純な成分の岩石に対して与えられてきたものだそうです。
・ペグマタイト(巨晶花崗岩 Pegmatite)  
ペグマタイトは、大きな結晶からなる火成岩です。
花崗岩質のものが多いため巨晶花崗岩(きょしょうかこうがん)あるいは鬼御影(おにみかげ)と呼ばれることもありますが、閃緑岩質や斑糲岩質のものもあり、岩脈などの小岩体として産出します。 
そして、きわめて粗粒のものをペグマタイトと呼び、細粒のものをアプライトと呼んでいます。
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