「中期更新世」が「チバニアン」に

千葉県市原市の地層に世界の地質学者が注目しています。

注目するする理由としては大きく2つあるそうです。
まず1つ目は、時代と時代の境目が非常に分かりやすく見えていることです。
地球の歴史のなかで、地球の磁場、つまりN極とS極がひっくり返り、今の状態になったのが、およそ77万年前とされています。
この地層では、ちょうどその時期に起きた火山の大噴火による火山灰が降り積もっているため、時代と時代の境目が分かりやすく見えています。
もう1つの理由としては、千葉県市原市の地層を分析した結果、地球の磁場が逆転した時期をこれまで以上に詳しく特定できたことが挙げられます。
世界の地質学者の間では、磁場が最後にひっくり返ったのは、これまでは、およそ78万年前とされていました。
でも、国立極地研究所や茨城大学などのグループは、去年5月に、千葉県市原市の地層の分析結果を基に、磁場の逆転はそれまでの見方より1万年遅いおよそ77万年前だったとする研究成果を発表しました。
千葉県市原市の地層では77万年前の境目よりあとの時代では、地層に含まれる磁気を帯びた鉱物の粒子が、いずれもN極が北を向いて降り積もっていました。
これに対し、この境目より前の時代では、磁気を帯びた鉱物の粒子が、いずれもS極が北を向いて降り積もっていたということです。
つまり、地磁気逆転(ちじきぎゃくてん)ということになります。
地球の磁場は、みなさんが知っている通り、地球上で方位磁石を使うと、磁石のN極はおおよそ北極の方向を指します。
また、S極はおおよそ南極の方向を指します。
これは、地球全体が、一つの磁石のようになっているからで、北極の近くに磁石のS極があり、南極の近くに磁石のN極があります。
N極とS極の逆転は、地球の歴史の中でたびたび起きていて、これまでの研究では少なくとも360万年前から現在までに11回起きたと考えられています。
その最後の逆転が、千葉県市原市の地層が示す、およそ77万年前と考えられるということになります。

このような発見の結果として、国立極地研究所などの研究グループが国際学会で「国際標準模式地」としての初の認定を目指しています。
そして、認定されればラテン語で「千葉時代」を意味する「チバニアン」と名付けられることになります。
今までも、地層が時代の名前の由来になっています。
地球が誕生してからの、およそ46億年の歴史の中で、北京原人やジャワ原人が出現し人類が進化した、およそ258万年前からおよそ1万年前までの時期は、新生代第四紀の中でも細分され「更新世」と呼ばれています。
この時期は、氷河期と比較的温暖な間氷期が繰り返された時代で、さらに4つの時代に区分することができます。
そのうち、およそ258万年前からおよそ180万年前は「ジェラシアン」、およそ180万年前からおよそ78万年前は「カラブリアン」と、いずれもその時代を代表する地層があるイタリアの地名から名付けられています。
でも、それ以後は、78万年前からおよそ12万年前は、「中期更新世」と言っているだけで、まだ名前がありません。
現在は、「イオニアン」の名称がIUGS-ICSで検討されているそうなのですが、仮に千葉県市原市の地層が国際的に標準地と認められれば、「中期更新世」は、先に述べたように「チバニアン」と名付けられることになり、また、78万年前も77万年前に変更されることになります。
これ以後の、12万年前からおよそ1万年前までの、「後期更新世?」についても、現在は、「タランティアン」の名称がIUGS-ICSで検討されているそうですが、これも近々発見があるかも知れません。

私たち地質に携わっているものは、地質を見るときには、クリノメーター(clinometer)と言って、地層面・断層面などの走向・傾斜を測る道具を持っています。
方位磁石みたいなもので、これはこれで便利なのですが、鉄に反応したりすると方位が一定しないことがあります。
鉄の近くだと50度くらいずれることもあるので、構造物があると敏感になります。
どうして地磁気逆転が起きるかは、いまだに解明していません。
岩石の中にも磁気はあります。
化石磁気,古地磁気,残留磁気とも言って、磁鉄鉱などの強磁性鉱物が岩石生成時の地球磁場の中で磁化したもので、この残留磁気の北が岩石生成時の磁北極であると言われています。
この残留磁気は、火成岩,変成岩に顕著であすが、火山灰が静かに沈積した堆積岩にも認められています。

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