口永良部島で爆発的な噴火

またまた火山の噴火です。

5月29日午前9時59分頃に、鹿児島県の口永良部島の新岳で爆発的な噴火が発生しました。
噴煙が9000m以上の高さまで上がり、火砕流が新岳の南西側から北西側の向江浜地区にかけての海岸まで到達したのが確認されたそうです。
気象庁は、午前10時7分に口永良部島に噴火警報を発表し、噴火警戒レベルをレベル3の「入山規制」からレベル5の「避難」に引き上げ、火砕流の到達が予想される地域の住民に対して、昨日、79世帯、137人全員の全島避難を行っていました。
鹿児島県の口永良部島に詳しい火山学が専門の京都大学名誉教授の石原和弘さんは、「映像からは黒い噴煙が勢いよく上がっているのが確認でき、噴火直後の噴煙の幅も少なくとも2キロ程度はあるように見える。去年の口永良部島の噴火と比べてはるかに規模が大きく、昭和41年や昭和6年の噴火に匹敵するとみられる。噴煙の色や規模から、今回の噴火はマグマが直接関与していると考えられる。」と話しています。

口永良部島は鹿児島県の屋久島の西北西、およそ15kmにある周囲の長さが50kmほどの島です。
新岳では昭和8年から9年にかけて断続的に噴火が発生し、住民8人が亡くなるなど大きな被害が出ています。
また、昭和41年の噴火では噴煙が火口から高さ5kmの高さまで上がったほか、直径1mの大きな噴石が火口から北北東に3kmまで飛んでいます。
その後、昭和55年以降、噴火は起きていませんでしたが、去年8月に34年ぶりに噴火があり、山頂の火口から数百mの範囲に大きな噴石が飛んだほか、低温の火砕流の痕跡などが確認されました。
放出される二酸化硫黄の量は、去年8月の噴火以降増える傾向にあり、1日あたりの放出量は、ことし2月は400tから2700t、3月20日の調査では3700tなどと多い状態が続いていたそうです。
3月と4月に行なわれた気象庁の現地観測では、火口の西側付近が熱くなる異常が見られていました。
また3月24日以降は、夜間に高温のガスなどが噴煙や雲に映って赤く見える「火映現象」が観測されていました。
口永良部島で「火映現象」が確認されたのは、平成16年の観測開始以来初めてだそうで、その後の上空からの観測では、去年8月に噴火した新岳の火口周辺で、温度の上昇が確認されたということです。
火山性地震も時々発生していて、今年1月24日には一時的に増加したほか、島内で揺れを感じる規模の地震が起きたほか、今月23日には震度3の揺れを観測する地震が起きました。
また、去年12月ごろから島の一部が僅かに膨張していることを示すと考えられる地殻変動が続いていたということです。
火山噴火予知連絡会は、今年2月に、「口永良部島では火山活動が活発な状態が継続し火山ガスや地殻変動の観測から今後、活動がさらに高まり、マグマ噴火に至る可能性があることを示す変化も見られ、活動の推移を注意深く見守る必要がある」という検討結果をまとめていました。

気象庁は昨年8月の小規模な噴火以降、隣の屋久島に観測用の高感度カメラを設置し、火山ガスも調べるなど観測態勢を強化していました。
火口周辺には、それ以前に設置された分も含め、
・地震計6台
・噴火を捉える空振計3台
・地殻変動を観測する傾斜計1台
・全地球測位システム(GPS)4台
・観測用カメラ2台
が置かれ、3月には機動観測班2人が島に入っていました。
噴火警戒レベルは全国で31火山が設けていますが、上げ下げの統一的な基準はなく、各研究機関の意見を参考にその都度、気象庁が判断するそうです。
震度3の有感地震が発生した今月の23日に、気象庁は、地元関係者らと作る「火山防災連絡会」を島内で開いたそうです。
そこで決まったのは「昨年8月より大きい噴火があればすぐにレベルを5に引き上げて避難。有感地震が24時間以内に複数回発生したらレベル4(避難準備)」という対応だったのですが、レベル4は結局、発表されませんでした。
気象庁によると、噴火の10~15分前でも、地震計や傾斜計、GPSのデータに変化はなく、昨年9月の御嶽山(長野・岐阜県境)噴火では11分前に観測された火山性微動もなかったそうで、機動観測班も異常は感じなかったそうです。
これについては、火口に近い場所にあった地震計3台は、昨年の噴火で壊れ、入山規制のため修理できなかったとのことです。
この影響について、火山対策官の小泉さんは「壊れていなければ何らかの前兆をとらえた可能性は否定できない」と言っています。
ただ、前兆がなかったわけではないそうです。
同島や桜島(鹿児島市)を監視する京都大火山活動研究センター長の井口正人さんは、
①火山性地震
②山体膨張
③火山ガス増加
④3月以降に観測された高温の溶岩や火山ガスが噴煙や雲に映って明るく見える「火映(かえい)」
それに、今月23日にあった震度3の地震は震源が浅く、警戒が必要だったそうです。
しかし噴火に至る経緯は火山によってまちまちで、同じ形態を繰り返すとも限らないそうです。
気象庁も①~④を把握した上で「地震以外に特段の活動の高まりがない」との結論を出していました。

日本列島は、東日本大震災以降、全国で火山活動が活発さを増しています。
このような火山活動は、地震を引き起こす海底のプレート運動と関連が深いと考えられています。
プレートの沈み込み帯では溶けた岩石がマグマとして上昇して火山を形成するとみられ、東日本は日本海溝、西日本は南海トラフとほぼ平行に活火山が分布し「火山フロント」と呼ばれています。
噴火した口永良部島も、この前線に位置しているそうです。

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噴火の状況です。

口永良部島の地図です。
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