川内原発は安全?

原発の再稼動が問題になっています。

九州電力が昨年7月8日に提出した川内原発(1~2号機、鹿児島県)の設置変更許可申請には、
①重大事故対策
②耐震・耐津波性能
③自然現象・火災に対する考慮等
の3つが柱にあるのですが、これに対して7月16日に、原子力規制委員会(田中俊一委員長)は、「新たな規制基準に適合している」との審査書(案)を発表しました。
これを受けてマスコミは「事実上の審査合格」と一斉に報じました。
総理大臣の安倍さんにいたっては、「日本の安全基準は世界一。安全確認された原発から稼働を」と規制委の発表を歓迎、他の原発についても「次なる再稼動を」と促しています。

これはとんでもない勘違いです。
①まず、川内原発には「免震重要棟」がありません。
これは、万が一事故が起きたときには、逃げる場所がないだけでなく、事故処理も満足にできません。
福島はこの「免震重要棟」があったから、吉田所長などが常駐し、近くで指示出来たのだと思います。
安全対策はまずこれでしょう。
②「ベントフィルター」もありません。
「ベントフィルター」は、放射性物質を100分の1から1000分の一に低減するそうです。
福島の事故で、森や畑など一面に汚染してしまいましたが、1000分の1の汚染だったら、実質的に事故の影響はなく、数日後に福島の人たちは元の生活に戻っていたはずだと指摘している学者もいます。
安全対策の中に当然入ってくるものでしょう。

他にもいろいろあります。
③実効性のある「避難計画」がありません。
④事故発生時、放射能を恐れずに命をかけて対策に従事する部隊/組織が決まっていません。
⑤火山対策は予知を前提にしていますが、専門家は予知は不可能だと言っています。
⑥火山の爆発や火砕流などの直接の影響だけでなく、火山灰が電線に降り積もっただけでショートし外部電源は全て喪失します。
また、道路や線路に積もれば、車も電車も身動きがとれなくなります。
⑦地震時の設計として、560から620ガルに耐震性を高めるそうですが、実際の近年の日本の地震では、2000ガルとか4000ガルが実際にいくつも起こっています。
活断層のないはずの未知の活断層も動いています。
現在の科学では、地下数kmの深さでの活断層の有無を判別することは不可能なので当然耐震対策についても安全とは言えません。
⑧前から言われていることですが、稼働すれば発生する核廃棄物の処理や管理方法が決まっていません。
それに必要なコストも計算されておらず、事業計画に計上されていません。
つまり、原発の事業としての採算性は計算されていません。
40年で廃炉にするということになると、当然廃炉の費用も核廃棄物の費用も入れなければなりません。
そうなると、例えば火力発電などの他の発電と比較にならないくらいの高い発電費になります。
⑨核廃棄物は人類史上最悪の環境汚染物質です。
最終処理方法が決まっていなければ、本来は生産(原発の稼働)は禁止されるべきものです。
⑩PWRは、BWRより安全というのは違います。
「加圧水型原子炉」(PWR)は、「沸騰水型原子炉」(BWR)よりも格納容器が大きくて安全であるとの説明ですが、PWRは1次冷却水と2次冷却水を分けているため、冷却用の配管の量がすさまじく多く、地震で配管のひび割れが起きる確率が格段に高いとされていますが、それなのに、耐震性能は「620ガル」までしかありません。
福島原発の事故では、制御用配管が動作しなかった問題の原因が、配管のひび割れと予測されています。
⑪「コアキャッチャー」もありません。
「コアキャッチャー」は、炉心溶融物保持装置とも言い、原子炉で炉心溶融事故が発生した場合に備えて、原子炉格納容器の下部に設置される装置です。
溶融した炉心燃料を閉じ込めて冷却し、放射性物質の拡散を抑制することができます。

いろいろと危険な状態を並べましたが、これで安全対策が万全とはとても思えません。
特に、川内原発に「免震重要棟」も「ベントフィルター」も無いのは致命的欠陥です。
7月31日に、九州電力は、「当社原子力発電所の更なる安全性・信頼性向上への取組みについて」という題名で、免震重要棟、格納容器フィルタ付ベント装置の設置などについてこんな発表をしています。

当社は、福島第一事故を踏まえた国の指示を受け、玄海及び川内原子力発電所において、津波により3つの機能(全交流電源、海水冷却機能、使用済燃料プールの冷却機能)を全て失ったとしても、炉心損傷や使用済燃料の損傷を防止できるよう、直ちに緊急安全対策を実施しました。
この緊急安全対策が適切に実施されており、炉心損傷等の発生防止に必要な安全性は確保されていることを、国に確認していただいております。
また、当社は、ストレステスト一次評価において、緊急安全対策で原子力発電所の安全性が更に向上していることを確認し、国の審査を受けているところです。
さらに、原子力発電に対する信頼を確保するためには、より一層の安全性・信頼性の向上を目指した取り組みを、自主的かつ継続的に進めていくことが不可欠であり、現在、国が示した福島第一事故の技術的知見等を踏まえて、更なる安全性・信頼性向上対策について、鋭意取り組みを進めているところです。
これらの対策のうち、以下の設備について、これまでの調査検討をもとに基本設計に着手できる段階になりましたので、お知らせします。
① 免震構造で事故時の指揮所となる「免震重要棟」
②格納容器の内圧上昇を抑制する「格納容器フィルタ付ベント装置」
なお、その他の対策についても、適宜、お知らせいたします。
当社は、今後とも、更なる安全性・信頼性向上への取り組みを継続し、原子力発電所の安全確保に万全を期してまいります。

今更ながらというところですが、でも計画だけで、なにもないことには変わりはありません。
なぜこんな状態で安全なのでしょうか?
私は、再稼働なんてとんでもないと思っています。
たとえ、安全対策が万全だとしても、私は日本中の原子炉をすべて廃炉にする必要があると思っています。
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