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井戸水と土質

井戸水の水質は気になるものです。
水質が悪い原因には、いろいろなことが考えられますが、その中の一つに土質に由来するものがあります。
赤い水が出る場合と、黒い水が出る場合とを考えてみました。

(1)土質に由来して赤い水が出る場合
①原因
赤い水とはっきりわかるような場合は少ないのですが、地下水(井戸)に鉄分が多量に入っていると考えられます。
②対策
地下水に鉄分が入っている場合には、除鉄装置をつける必要があります。
ただし、これにも限界があり、あまりにも多量の場合は、そこの井戸は掘り換えした方がいいと思います。
③人体への影響
鉄は、赤血球の原料でもあり、私たちの体にとっては必須元素です。
体内に存在する鉄量は、成人男性で体重1kg当たり50mg、女性では35mgあり、体重70kgの男性に換算すると3.5gの鉄を体内に持っている事になります。
鉄の70%はヘモグロビンとして存在しており、残り30%は肝臓や脾臓、骨髄などに蓄えられた貯蔵鉄として存在しています。
でも、子供の頃から何十年も続けて、地下水に鉄分が多量に入っている水を飲んでいる人は、歯が茶色っぽくなって、歯と歯の間に鉄分みたいな茶色のかすが付いているのをみたことがあります。
人体への影響とは違いますが、白い服は、洗濯をする度にだんだん茶色っぽくなってきます。

(2)土質に由来して黒い水が出る場合
①原因
赤い水と同じように、黒い水とはっきりわかるような場合も少ないのですが、地下水(井戸)にマンガンが多量に入っている事が原因と考えられます。
自然水中のマンガンは鉄と共存し、その量は鉄のおよそ10分の1といわれています。
近年耕地の酸性化により井戸からのマンガン検出も増えてきています。
②対策
家庭で行う浄水方法は浄水器(活性炭・中空糸膜など)での除去となります。
地下水などでマンガン濃度が高い場合は専門業者に依頼して除マンガン処理の強化が必要になってきます。
③人体への影響
マンガンも鉄と同様に、人体にとって必須元素であり、1日あたり成人5~10mg程度といわれています。
したがって、少量だと健康には全く影響しません。
逆にマンガンが欠乏すると、成長障害等を引き起こすことがあります。
ただし、マンガンの経口摂取による中毒症状は中枢神経系に主に及ぶようです。

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