FC2ブログ

仙酔島と弁天島

瀬戸内海国立公園は、1934年3月16日に、雲仙国立公園、霧島国立公園とともに、全国で最初に指定された国立公園です。

この中で、古代より潮待ちの港として栄えた「鞆の浦」において仙酔島と弁天島はシンボル的な存在の島です。
仙酔島は、周囲6kmの無人島です。
約9000万年前の中生代白亜紀における大規模な火山活動でできあがりました。
溶結凝灰岩や溶岩で出来たこの仙酔島は、一億数千年前の太古の特色ある自然がまるで自然解凍したようにそのままの姿で鮮明に残っています。
1925年大正14年には名勝鞆公園になり、1939年には記念切手のモデルにもなっています。
仙酔島には、市営渡船で行くことが出来、島内にはホテルや国民宿舎・キャンプ施設があります。

「崖の上のポニョ」のモデル地としても有名な鞆の浦は対岸にあたり、ここの福禅寺の客殿は対潮楼と称され、ここは江戸時代を通じて朝鮮通信使のための迎賓館として使用されたそうです。
1711年に対潮楼を訪れた従事官の李邦彦さんは、この対潮楼から見た仙酔島や弁天島の景色にいたく感動し、「日東第一形勝(朝鮮より東で一番美しい景勝地の意)」と賞賛したそうです。
元々、仙酔島という名前も「仙人も酔ってしまうほど美しい島」という意味だそうです。
この広く開いた窓からは、仙酔島、弁天島だけでなく、遠く四国の街並も見え、噴煙公害ともいえる、愛媛県四国中央市大王製紙の工場の大きな煙突からの煙も見えています。
対潮楼は、江戸時代に徳川将軍の交替時に訪日した朝鮮通信使の宿舎として使われています。
六代将軍の慶賀使として来日した李邦彦さんは自ら筆を取って「日東第一形勝」と記しています。
対潮楼の命名は九代将軍の慶賀使洪景海によるとのことです。
また、明治天皇、大正天皇、昭和天皇、今上天皇、皇太子徳仁親王など、明治時代以後の天皇・皇后・皇族が好んで何度も訪問しています。
仙酔島の主要な山である弥山山頂近辺の遊歩道からは、瀬戸内海の島嶼美はもとより、遠く中国地方最高峰の伯耆大山も稀に見渡せるそうです。
江戸時代以前には宮島の鳥居のように海上に浮かぶ紅い鳥居があったとも言われています。
そして、「山紫水明」とは、江戸時代の学者である頼山陽が、鞆の浦や仙酔島を言い表した言葉だそうです。
「山紫水明」とは自然の風景が清浄で美しいことのたとえであり、日の光の中で山は紫にかすみ、川は澄みきって美しいとしう意味があります。

IMGP6815.jpg
市営渡船の「平成いろは丸」から見た弁天島です。
一体の島みたいに見えますが、朱塗りの弁天堂(福寿堂)が建っているところが弁天島で、背後の大きい島が仙酔島です。

IMGP6817.jpg
停泊している「平成いろは丸」です。
何か、明治時代の雰囲気がありました。

IMGP6838.jpg
仙酔島に降りて、15分くらい歩いたら、名勝地である「五色岩」があります。
日本で唯一だそうですが、黒・赤・青・黄・白の5色の岩が海岸に延々と1キロに渡って続いています。
五色(青、赤、黄、白、黒)の岩がある場所は、 天地の「氣」が集まった場所であり、太古の昔に地球のマグマが隆起して地上に突出したエネルギーの高い「ハレの地」でもあるそうです。

IMGP6842.jpg
ここも「五色岩」のゾーンです。
全島の殆どが流紋岩質火砕岩でできていると言われています。
崖は風化が著しいのですが、火砕流でできた溶結凝灰岩(高温の軽石・岩屑が堆積することにより自重で気泡が潰され扁平状になっていることが特徴)が観察できます。
また、角礫凝灰岩など様々な様相を見せており、貫入している安山岩質岩脈もあり、「五色岩」では赤色、茶色は鉄分、黒色はマンガン等の鉱物起源と色とりどりです。
その他断層や断層破砕帯もありました。

IMGP6852.jpg
弁天島は、仙酔島よりももっと小さな無人島です。
1617(元和3)年に「鞆の浦」を訪れた朝鮮通信使の日記にも「明秀奇絶」と記され、その景観が絶賛されています。
朱塗りの弁天堂(福寿堂)が建っていることから弁天島と呼ばれていますが、正式な名前は百貫島と言うそうです。
その弁天堂は、1644(正保元)年に、鞆奉行・荻野新右衛門によって再建され、その美観を今日に残しています。
広島県重要文化財の「弁天島塔婆」もあり、文化的にも価値の高いスポットです。
一体みたいに見えますが、背後の大きい島が仙酔島です。

仙酔島マップ
「鞆の浦」の港にあった観光のパンフレットです。
私は、あまり時間がなかったので仙酔島の右下にある「五色岩」までしか行きませんでしたが、時間のある方はAコース、Bコースと散策できます。
ゆっくり回っていたら半日はかかると思います。
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR