地層の上下判定について

地層は、下から上に堆積しています。
だから下の地層ほど古く、上の地層ほど新しいのが当たり前で、これを地層塁重(るいじゅう)の法則と言っています。
だけど、実際には、地層は、褶曲の軸部や断層のために上下が逆転していることがしばしばあります。
このような時に、地層の上下の判定を誤ると、層序が逆になったり、褶曲軸を見落とすことにもなります。

(1)地層の上下判定
地層の上下判定には、一般には、下図のように、砂岩層の内部にみられる砂粒の級化構造や、砂岩層の底にある底痕を用いています。
この他には、斜交葉理でも判定できます。
級化構造は砂粒が下ほど大きいというものです。
底痕には、生痕と流痕があり、生痕は生物の棲み跡などが残ったもので、流痕は水や物が流れた跡が残ったもので、どちらも砂岩層の底に見られます。
しかし地層の上下判定は、いくつかの証拠を併用するようにしないと誤ることがあります。
砂岩泥岩互層の場合は、一般に砂岩層の下底は明瞭に区別されますが、上面は泥岩層と漸移します。
このことは、上下判定の目安になります。
砂岩層の級化構造を見るときはできるだけ厚い砂岩層はさけて薄いもので判定します。

(2)地質用語の説明
①級化構造(級化層理、級化成層、graded bedding)
構成粒子が、下部が粗粒で、上部に向かうにつれて連続的に細粒へと変化している単層のことです。
時間とともに粒子を運搬する水流が弱まった場合や、乱泥流によって運ばれた粒子が堆積した場合に生じます。
粗粒のほうが堆積した時点での下部だと分かるため、もともとの地層の上下方向を決めるのに役立ちます。
②底痕(ソールマーク、sole mark)
堆積粒子や水流そのものにより堆積物表面につけられた溝が、その上に堆積した砂礫によって充填されたものです。
特にタービダイトのように泥層上に砂礫が堆積する際に形成されたものは、露頭では差別侵食のために観察しやすく、古流向を知る手がかりとして役立ちます。
底痕は成因によって次の3種に大別されています。
②-1流痕(current mark)
水流の作用によって形成されます。
堆積時に泥が削られる無機的な形成です。
その成因から、堆積物を運搬した流れの方向(古流向)を推定する有力な手がかりであり、後背地(堆積物の供給元)の考察など、堆積環境を復元する上で他の堆積構造(斜交層理など)と共に重視されています。
②-2荷重痕(load cast)
重力の作用によって形成されます。
堆積後に砂の層の荷重により泥の層に砂がめり込むようになる無機的な形成です。
まだ凝固していない堆積層の上に、流動性のある堆積物が積もった時に、上層の堆積物の重みで下層の面(層理面)に不均等荷重がかかり、めりこむようになる2次的な堆積構造の総称を言います。
②-3生痕(trace fossl)
古生物の活動によって形成されます。
泥の層にある巣穴、這い跡、足跡、糞化石などの痕跡上に砂が堆積しトレースされたものです。
トレースされた生痕化石で、群集していることが多く、堆積環境が浅海にあることを示しています。
生物そのものを巻き込み堆積した化石を包含して指すこともあります。
③漣痕(砂紋、リップルマーク、ripple mark)
水底に波が形成した模様が残ったものです。
堆積した当時の上方に尖った形で残るため、上下判定に役立ちます。
④斜交葉理(斜交層理、クロスラミナ、cross-bedding)
水流や風の速さ、向きが変化する環境で堆積が起こったときにできる、層理面と斜交した細かな縞模様です。
当時の水流などの方向が推定できます。

 
上下判定に用いられる堆積構造図
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