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いろいろな節理

ほとんどの岩盤には節理が見られます。
観光の名所になっている岩盤もあれば、岩盤と岩盤の間が開いていて、ものすごく危ない状態になっているところもあります。

(1)節理とは
節理(せつり、joint)とは、岩体に発達した規則性のある割れ目のうち、両側にずれの見られないものを言います。
これは、マグマ等が冷却固結する際や地殻変動の際に生じると言われています。
節理の形によって、
①柱状節理
②放射状節理
③板状節理
④方状節理
この4種類があります。

(2)柱状節理
柱状節理(ちゅうじょうせつり、columnar joint)は岩体が柱状になった節理です。
六角柱状のものが多いのですが、五角柱状や四角柱状のものもあります。
玄武岩質の岩石によく見られ、マグマの冷却面と垂直に発達しています。
日本で見られる柱状節理を紹介します。
①網走港(北海道網走市)
昭和58年に網走市指定天然記念物に指定されているポンモイ柱状節理は、大規模に広がる安山岩の柱状節理で、多角形断面は形状の種類が多く、岩漿運動(マグマ)の複雑な様相を調べるうえでも地質学上貴重なものです。
②層雲峡(北海道上川町)
大雪山で起こった火山噴火による溶岩がこの地に流入し、急激に冷え固まって溶結凝灰岩の堆積層が出来上がりました。
その厚い層が、長い年月をかけて雨水や河川により侵食され、現在の溶結凝灰岩の柱状節理になったと言われています。
③東尋坊(福井県坂井市)
東尋坊の火山岩は東尋坊安山岩と呼ばれ,今から1200-1300万年前の中新世中期に噴出した火山岩です。
白色の斜長石の斑晶や暗緑色の普通輝石・紫蘇輝石の斑晶を含む安山岩で、マグマが冷えて固まるときにできた5~6角形の柱状節理がよく発達しています。
東尋坊は日本海に突き出た巨大な柱状節理の海食崖で、その柱が節理に沿って崩れ落ち25mの断崖絶壁を形成しています。
柱状節理の規模が大きく地質学的にも貴重であるため、国の名勝・天然記念物に指定されています。
④楯ヶ崎(三重県熊野市と尾鷲市の境の海岸)
楯ヶ崎とは、柱状節理の火成岩が侵食された大きな一枚岩で、高さ約80m、周囲約550mの岩塊で、玄武岩の柱状節理が発達しています。
⑤三段壁(和歌山県白浜町)
断崖絶壁の名勝として知られる三段壁は、自然の海蝕洞窟で、赤茶色の洞窟は、柱状節理も見られる高さ50mの断崖で、千畳敷の南方2kmにあります。
魚群を見張る「見壇」 が転じて三段壁と呼ばれるようになったそうです。
⑥玄武洞(兵庫県豊岡市)
まず、「玄武岩」の名称は、明治17年(1884年)東京大学の地質学者・小藤文次郎が岩石の日本名を制定する際に、玄武洞の名に因んで命名したそうです。
玄武洞は約165万年前に噴火した溶岩流で、六角形の柱状節理が見事な玄武岩の岩山にある洞窟で国の天然記念物に指定されています。
玄武洞の玄武岩は、アルカリかんらん石玄武岩で、この柱状節理・板状節理によって、洞窟内では亀甲状の天井や5~8角の石柱が見られます。
⑦三徳山(鳥取県東伯郡三朝町)
三徳山は、下部層である凝灰角礫岩層と上部層である安山岩層の選択浸食によって生じた断崖で、安山岩には柱状節理が発達し、溶岩の流下した方向を目でたどることができます。
国の名勝および史跡に指定されています。
⑧芥屋大門(福岡県糸島市)
芥屋大門は、一方同時期に噴出した玄武岩は主に沿岸部に分布しており、博多湾周辺の島々や芥屋 大門では美しい玄武岩の柱状節理を見ることができます。
国の天然記念物に指定されています。
⑨七つ釜(佐賀県唐津市)
七つ釜(ななつがま)は佐賀県唐津市湊町北西部に位置し、上場台地が玄界灘に落ち込む場所で、玄武岩の柱状節理が極めて美しいことで知られています。
この柱状節理は、表面に沢山の割れ目が入った六角形の形をした岩がいくつも集まって、丁度、ハチの巣状になっています。
「屋形石の七ツ釜」(やかたいしのななつがま)として、1925年に国の天然記念物に指定されました。
⑩高千穂峡(宮崎県西臼杵郡高千穂町)
高千穂峡は、阿蘇山由来の熔結凝灰岩が谷を埋めた台地の上に広がっており、この火砕流台地を五ヶ瀬川本流が太古噴出した阿蘇火砕流を浸食したもので、見事な柱状節理の断崖が高さ50~100m、長さ約2km続いています。
熔結凝灰岩が柱状節理の節理面に沿って崩落するため、峡谷の両岸は垂直に切り立った絶壁になっています。
国の天然記念物及び名勝に指定されています。
⑪枇榔島(宮崎県門川町)
枇榔島(びろうじま)は、標高75m、周囲約1.5km、小枇榔は枇榔島の北側に位置する属島で標高25m、周囲約200mです。
地質は大部分が石英斑岩から成り、両島とも海食崖が発達し、柱状節理の絶壁が多く、海上から切り立っています。
日豊海岸国定公園に指定されています。
⑫奥武島の畳石(沖縄県久米島町)
奥武島を構成している安山岩は中新世の阿良岳層のもので、もともと柱状節理が発達しており、溶岩流が多角形の柱にまとまったような柱状節理になっています。
県指定天然記念物および2007年に日本の地質百選に選ばれました。

(3)放射状節理
放射状節理(ほうしゃじょうせつり、radial joint)とは、枕状溶岩と同じように、まだ固まっていない溶岩が海水などで急激に冷やされたとき、放射状に割れ目が入って固まったものです。
玄武岩質の岩石によく見られます。
日本で見られる放射状節理を紹介します。
①根室車石(北海道根室市)
根室車石(ねむろくるまいし)は、北海道根室市の根室半島花咲岬附近一帯に広く分布し、方沸石を含み、アルカリ分に富む玄武岩質岩石中にみごとな放射状節理の発達した球状岩体です。
車石とはいっても、実際には車輪状ではなくドーム状であり、下の方はシート状になっていて、車石の部分はシート状の溶岩流がくびれてできたものです。
岩石は、先ほど説明したようにアルカリ質の粗粒玄武岩で、直径は8.2mあります。
車石のまわりには、枕状溶岩なども見ることができます。
1939年(昭和14年)9月7日に、国の天然記念物となりました。
②加賀の桂島(島根県松江市)
加賀の桂島は、風光明媚なリアス式海岸にあり、島の北端付近では、溶岩が壊されてできた角礫中に、後から上がってきたマグマが貫入し冷やされてできた、菊の花の形をした放射状節理の岩脈があり、クジャク岩と呼ばれています。

(4)板状節理
板状節理(ばんじょうせつり、platy joint)は岩体が板状になった節理のことです。
安山岩質の岩石によく見られ、マグマの冷却面と平行に発達するのが特徴です。
日本で見られる板状節理を紹介します。
①鎧の袖(兵庫県香美町)
昭和15年に国の天然記念物に指定された(指定名称は「鎧袖」です)、香住海岸を代表する名勝です。
高さ約65mの大断崖で、無数の柱状節理とそれを横に切るような板状節理が、武士の鎧の袖を思わせることからこの名がついたと言われています。
鎧の袖をつくっているのは、照来層群高山累層(200万~300万年前、新第三紀鮮新世)に属する粗面岩質の岩床です。
②鉄平石(長野県諏訪地方)
鉄平石(てっぺいせき)は、長野県の諏訪地方・佐久地方に広く分布する輝石安山岩質溶岩が水平方向に割れ目が入った状態で産出することがよくあります。
このような割れ目の入り方を板状節理と言い、同じ節理でも柱状節理では熱い溶岩が冷却するときに収縮するためにできる割れ目ですが、板状節理では流れようとする溶岩と地面との摩擦で生ずるひずみによって割れ目ができます。
およそ2,500万年前の火山活動によって形成されていると推測され、板状に剥がれやすい性質を持ち、2~3cm内外の厚さに剥離された鉄平石は、屋根などの建築用の内装外装用石材として広く利用されています。
③屋島(香川県高松市)
屋島は、およそ1,200万年前の中期中新世に火山活動により噴出した溶岩が水平に流れ出したものが、その後、周囲と上部が開析を受けて台地状の地形が形成されたもので、メサの標式的地形として知られています。
基盤は花崗岩、中腹から上部が凝灰岩または角礫凝灰岩、最上部がサヌカイト質安山岩(讃岐岩質安山岩)で構成されており、最上部の安山岩の水平方向に発達した柱状節理の露頭部は、厚さ2~5センチの板が積み重なったように見えるため、「畳石」と名付けられています。
そして、「獅子の霊厳」では、柱状節理とともにサヌカイト質安山岩の板状節理が見られます。
昭和9年11月10日に国の天然記念物に指定されています。

(5)方状節理
方状節理(ほうじょうせつり、cubic joint)は岩体が直方体状になった節理で、豆腐を切ったように岩石に直角に割れ目が入ったもの言います。
このようになる原因としては、マグマの冷却による収縮、外力がかかったため、岩の上をおおっていたほかの地層が削り取られてその荷重がなくなったためなどがありますが、そのうちのどれであるかは不明未だに不明です。
花崗岩のような深成岩によく見られます。
日本で見られる方状節理を紹介します。
①寝覚ノ床(長野県上松町)
長野県の木曽郡にある寝覚ノ床(ねざめのとこ)は、木曽川の両岸に奇岩が連なっていることで知られている景勝地です。
1923年(大正12年)3月7日に内務省により国の史跡名勝天然記念物に指定されています。
中央アルプス県立公園の一角となっており、 木曽川の両岸の花崗岩を長い年月を掛けて木曽川の流れが削ってできているものです。
もともとこの辺りは標高680mくらいあるところで木曽川の上流部に当たり、かなりの激流だったため、このように花崗岩が削られていったわけですが、木曽川に1968年に木曽ダムが完成したため、 削られていた花崗岩が表面に現れたのが現在の寝覚ノ床です。
花崗岩の方状節理やあちらこちらに見られる激流によって小さい石が花崗岩を削ってできた甌穴(ポットホール)等は地質学上の代表的場所とされています。
寝覚ノ床に現れている花崗岩は、上松花崗岩と呼ばれ、中生代末期に貫入してきたものとされています。
②蘇洞門(福井県小浜市)
蘇洞門(そとも)は、花崗岩が日本海の波の作用で打ち削られ、方状節理にそって海蝕してできたものです。
内外海半島北側の海岸は、このようにして形成された奇岩・洞窟・断崖などが6kmにわたり、豪壮な景観を成しています。
若狭湾国定公園を代表する景勝地の一つです。

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東尋坊の柱状節理

 
楯ヶ崎の柱状節理

 
玄武洞の柱状節理

 
北海道車石の放射状節理

 
鉄平石の板状節理

 
寝覚ノ床の方状節理
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