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地形について⑤

地形について説明します。
今回は、氷河・雪氷地形およびこれの関連用語について説明します。
・氷河
氷河(ひょうが、glacier)とは、山岳地の斜面をおおったり、谷や窪地を埋めた氷や雪の大きな塊のことです。
・氷床
氷床(ひょうしょう、ice sheet)とは、大陸のような広大な地域を、氷河の塊が5万km2以上にわたって氷でおおうような大規模な氷河を氷床と呼んでいます。
現在の地球上では、南極とグリーンランドにのみ存在しています。
氷期にはスカンジナビアからヨーロッパ北部にかけて、および北米大陸北部等に大規模な氷床が発達したことが知られています。
・氷流
氷流(ひょうりゅう、ice stream)とは、氷床の中で周囲より流れの速い部分のことを言います。
氷床の表面地形と基盤地形の影響により、氷流に向けて氷の流れが収束し、氷流の流動速度は周囲の氷床より1桁以上大きいのが一般的です。
・氷帽
氷帽(ひょうぼう, 英: ice cap)とは、氷冠(ひょうかん)または冠氷(かんぴょう)とも言い、陸地を覆う5万km2未満の氷河の塊ことを言います。
氷帽は平原に多い氷床と異なり、起伏の多い地形にも多数みられます。
特に、ひとかたまりの山の山頂部から中腹にかけてを覆うように氷帽が存在しています。
・氷原
氷原(ひょうげん、ice field)とは、山脈の主稜線に沿って広く拡がる平原状の氷河を言います。
氷河の分類の一形態ですが、氷床よりは規模の小さいものです。
氷帽は山の頂部をおおうのに対し、氷原は山間部を埋めるように分布することもあります。
・棚氷
棚氷(たなごおり、英: ice shelf)とは、氷棚とも言い、陸上の氷河または氷床が海に押し出され、陸上から連結して洋上にある氷のことを言います。
・氷瀑
氷瀑(ひょうばく、frozen waterfall)とは、滝あるいは急峻な河川の水が凍ったものです。
氷の滝とか、凍滝(いてだき)とも言います。
氷点下の気象条件下で、水が岩壁の上を流れながら徐々に凍結し、氷の上に氷が生成し、大きな氷の塔あるいは氷の壁が形成されます。
・氷舌
氷舌(ひょうぜつ、ice tongue)とは、氷河や氷流の下流部分が舌のような形状で海や湖や陸上に伸びたものを言います。
氷河舌(ひょうがぜつ、glacier/ice tongue)とも言い、海に流出した氷舌は水に浮いていることが多いく見られます。
 ・氷丘
氷丘(hummock)とは、圧力によって押し上げられ壊された氷の丘のことです。
新しいものと風化したものとがあります。
・さかさ氷丘
さかさ氷丘(bummock)とは、圧力によって下方に押しつけられ、氷丘の下で壊された氷塊の水中の部分を言います。
・氷丘脈
氷丘脈(ridge)とは、圧力を受けて作られ、壊れた氷の山脈状あるいは壁状の部分のことです。
新しいものと風化したものとがあります。
・りゅう骨氷
りゅう骨氷(ice keel)とは、圧迫によって押し下げられた氷脈の下の水中の部分のことを言います。
・流氷野 
流氷野(りゅうひょうや ice field )とは、流氷が視界いっぱいに広がっている状態を言います。
氷量が10/10の密接流氷の場合でも、風や海流によって氷野は絶えず移動し、変形します。
氷野を構成する氷盤同士が押し合って表面に氷塊が重なり合った起伏が生じます。
・氷山
氷山(ひょうざん、iceberg)とは、棚氷や氷河の末端が割れて海に流れ出た大きな氷の塊です。
高さ5メートル以上で、氷河または棚氷(たなごおり)から分離したものです。
テーブル型、円丘状、ピラミド型など、さまざまな形があり、卓状氷山・氷島などがあります。
・卓状氷山
卓状氷山とは<上面が平坦で、きわめて巨大な氷塊で、棚氷の先端が分離して海中に浮かんだものです。
・氷島
氷島とは、北極海にみられる巨大な卓状の氷山で、海面上の高さが数m、厚さが数十mを越し、面積も1000m2 から数百km2にも達するものを言います。
・氷ダム
氷ダム(こおりだむ、ice dam/glacier dam)とは、氷河が河川や湖を堰き止めて形成されたダムです。
氷河の末端が前進したり、拡大したとき、氷河が河川の流路をふさぐと氷ダムとなり、その上流側には氷河湖が形成されます。
・氷河湖
氷河湖(ひょうがこ、glacial lake)とは、氷河末端の前面や氷河側岸に形成される湖です。
支流の河川が本流の氷河により堰き止め られた湖(ice-dammed lake)、および氷河の侵食作用により作られた凹地に水が貯ま った氷食湖、モレーン(堆石)により堰き止められた湖(moraine-dammed lake)等の種類があります。
貯水量が一定以上になるとダム部分が決壊し、激しい土石流となって下流域に大きな被害をもたらすことがあります。
・ 氷上湖
氷上湖(ひょうじょうこ、supraglacial lake/pond)とは、氷河表面に形成される湖のことです。
小さな湖は氷上池とも言います。
湖が大きい場合、湖の下に氷河氷が存在するかどうかは不明です。
氷上池や氷上湖は、極地以外の氷河において融解期にしばしば形成されますが、氷河内水脈とつながると水は排水されることがあり、安定して存在しません。
・氷上池
氷上池(supraglacial pond)とは、氷上湖より小さな湖(いわゆる池)のことです。
ただし、湖と池を区別する定義はありません。 
・氷底湖
氷底湖 (ひょうていこ、subglacial lake)とは、氷河や氷床などの底部に、液体の水が溜まっている湖のことです。
通常は直接観察することは不可能で、その上を覆う氷体の表面が比較的平坦になることから、その存在が推定できます。
アイスレーダーなどの物理探査によって間接的に存在を確認することはできます。
・氷河洞穴
氷河洞穴 (ひょうがどうけつ、glacier cave/ice cave) とは、氷河の内部にあいた洞穴のことです。
氷体内を流れる融解水、あるいは、氷体に覆われた火山の地熱や熱水(水蒸気)などによって形成され、それらの流路となります。 
・ターミナルモレーン
ターミナルモレーン(terminal/end moraine)とは、氷河により運ばれた岩屑が氷河末端に堤防状または不規則形の山状に堆積した地形のことです。
エンドモレーンとも呼ばれ、日本語では、端堆石堤、終堆石堤と言います。
 ・圏谷
圏谷(けんこく、cirque)とは、山岳氷河による浸食地形で、氷河の侵食作用によってできた広い椀状の谷のことです。
ドイツ語ではカール(Kar)、英語ではサークとも言います。
三方を囲む急峻なカール壁と半円形の平底なカール底からなる地形で、氷食を受けた山地で広く見られます。
・氷食による岩壁
氷食による岩壁とは、氷食作用によって形成された岩壁のことです。
岩壁に氷食擦痕を残すことがあります。
・アレート
アレート(仏: arête)は、グラート(独: grat)、リッジ(英: ridge)などとも呼ばれ、氷河の作用(氷食作用)によって作られた痩せ尾根(急峻な稜線)のことです。
両側からのカールの後退による切合によって生じ、鋸歯状の縦断面を成しています。
日本語では、鋸歯状山稜、櫛形山稜とも言います。
・U字谷
U字谷(ユーじこく、ユーじだに)とは、トラフ谷または氷食谷とも言い、氷河の侵食によって地表がU字状に削り取られて生じた侵食谷です。
河川がつくるV字谷とは違い、幅ひろい谷底と急傾斜の谷壁よりなることが特徴です。
これに海水が流入して沈水した細長い湾の事をフィヨルドと言います。
アルプス山脈やロッキー山脈、ヒマラヤ山脈などの山岳地帯に多く存在しています。
・トンネル谷
トンネル谷とは、氷河にあるトンネル状の谷のことを言います。
・岩塊流
岩塊流とは、岩流とも言い、主として角張った巨礫からなる多量の岩塊が斜面の最大傾斜方向あるいは谷に沿って流下したような状態で積み重なってできた、ほぼ舌状の平面形をもつ地形です。
氷期に凍結破砕作用で生産された岩屑が斜面下方へ移動し、後に細粒が流水によって除去されたために生じたもので、岩塊斜面を含んでいます。
・氷食尖峰
氷食尖峰 (ひょうしょくせんぽう)とは、氷河の侵食作用によってできたく尖った地形のことです。
3方向ないし4方向からのカール壁の切合いによって生じることが多く見られます。
ホルン(角の意)とも言われています。
・トリムライン
トリムラインとは、氷河が削り取った岩のラインのことです。
・セラック
セラック(serac)とは、氷河上に見られる塔状の氷の塊のことで、氷塔とも言います。
seracはフランス語です(eの上にアクセント記号)。
氷河中流域のアイスフォールや、懸垂氷河の下部、カービング氷河の末端付近など、氷河の急流部における複雑な応力場にて、縦横のクレバスが発達するとき氷塔群(セラックス)が形成されます。
・羊背岩
羊背岩 (ようはいがん、roche moutonnee/ mammilated rock surface/whaleback) とは、氷河の流動方向に対して上流側に緩斜面があり、下流側が急斜面となっている氷食岩盤地形のことで、基盤岩が氷河の浸食作用(氷食)によって凸地形に変形したものです。
 岩の起伏が波状を示している、または連続して群れをなしているような場合は羊群岩と呼ばれることもあります。
氷食円頂丘とも呼んでいます。
・圏谷氷河
圏谷氷河(けんこくひょうが、cirque glacier)は、山岳の圏谷(またはカールkar)を埋める氷河のことです。
さまざまな種類の氷河の内、一般にはもっとも規模が小さいものです。
圏谷氷河は、稜線風下における雪の吹き溜まりや急峻な斜面からの雪崩により主に涵養されます。
・溢流氷河
溢流氷河(いつりゅうひょうが、outlet glacier)は、氷床や氷帽や氷原から流れ出る氷河のことです。
一般に地形の低いところを流れるので、谷氷河の形態を示すことが多いのが特徴です。
・懸垂氷河
懸垂氷河(けんすいひょうが、hanging glacier)は、山岳地の圏谷氷河や氷帽から溢れ出た氷河の一部、あるいは非常に急峻な斜面にへばりついた氷河のことを言います。
懸垂といっても宙吊りはありえず、岩屑が安定して静止し得ない程度の急斜面に存在する氷体です。
・山麓氷河
山麓氷河(さんろくひょうが、piedmont glacier)は、氷床や氷帽からの溢流氷河(outlet glacier)あるいは谷氷河(valley glacier)の下流部が山麓の平野に達し、横方向に扇状に拡がった氷河のことです。
アラスカのマラスピナ(Malaspina)氷河がその代表格です。
・谷氷河
谷氷河(たにひょうが、valley glacier)は、谷を埋め、流れ下る氷河のことです。
氷河の形態による国際分類(IHD, 1967)の一つで、山岳氷河(mountain glacier)の代表的なものです。
・山腹氷河
山腹氷河とは、山頂と山麓との間の部分(中腹)から流れ出る氷河のことです。
・岩石氷河
岩石氷河(がんせきひょうが、rock glacier/rockglacier)とは、周氷河作用によるマスムーブメント(重力による物質移動)地形のひとつで、内部に氷をもち氷河のような形態でゆっくりと流動するロウブ(耳たぶ)状ないし舌状の岩塊流地形です。
内部に氷がありクリープを起こして流動しているものを「現成型」氷はあるが流動していないものを「停滞型」
氷が消失し表面が陥没しているものを「化石型」と呼んでいます。
・温暖氷河
温暖氷河(おんだんひょうが、temperate glacier)とは、氷の温度が、冬の短期間の表層付近を除き、夏も冬もいたるところ融点(0℃)にある氷河です。
つまり常に少しずつは融けているので、氷河が持続的に存在し続けるためには降雪量が多くなければなりません。
・寒冷氷河
寒冷氷河(かんれいひょうが、cold glacier)とは、氷河内部の温度が、氷河のいたるところ1年中氷点下か、底面のみ融点でほかのいたるところ1年中氷点下の氷河です。
極地氷河と定義が似ていますが、極地氷河は融解の有無に、寒冷氷河は氷河内部の温度に着目した分類です。
・極地氷河
極地氷河(きょくちひょうが、polar glacier)とは、夏でもほとんど雪や氷が融けることのない氷河です。
極地に限らないのですが、地球上の寒冷な地域に存在します。
極地氷河のうち、氷河の下流域の夏の短い期間を除き大部分の場所では1年中まったく融けないものを真極地氷河、氷河の全域が夏の期間にかぎり雪や氷が融けるものを亜極地氷河と呼んでいます。
・タイドウォーター氷河
タイドウォーター氷河(tidewater glacier)とは、海またはフィヨルド内に末端が流出し、海水にカービングしている氷河や氷床のことを言います。
日本語に訳すと、潮水氷河となります。
・デブリ氷河
デブリ氷河(でぶりひょうが、debris-covered glacier) とは、表面が岩屑(ティル,till,またはデブリ,debris)に覆われた氷河のことを言います。
周囲の岩壁等から岩屑の供給源が多い氷河は、デブリ被覆氷河と成り易い特徴があります。
ヒマラヤ、ニュージーランド、南米のアンデス山脈に多く分布しています。
・氷河盆地
氷河盆地とは、氷河によって滑らかにけずられて盆地状を成している地形のことです。
・カービング
カービング(calving)とは、氷河、氷床、棚氷の末端から大小の氷塊が海洋や湖に崩壊する現象です。
calveという動詞は、”動物等が子を産む”という意味です。
・フィルン
フィルン(firn)とは、積もってから一夏を経過した2年目以上の雪のことで、ファーンとも言います。
氷河の涵養域や氷床では、一般に表層の1年雪の下にフィルンの層が見られます。
・フィヨルド
フィヨルド(ノルウェー語等:fjord、異称:峡湾、峡江)とは、氷河による浸食作用によって形成された複雑な地形の湾・入り江のことです。
ノルウェー語による通俗語を元とした地理学用語です。
・モレーン
モレーン(moraine、堆石)とは、氷河が谷を削りながら時間をかけて流れる時、削り取られた岩石・岩屑や土砂などが土手のように堆積した地形です。
地形学上の定義では土手状の地形を指します。
・エスカー
エスカー(esker)とは、長い堤防状の地形で、氷河中のトンネル状水路に淘汰のよい成層した砂や礫が堆積し、氷河がとけ去ったあと、長い丘となって残るものを言います。
丘の高さは20~30m、長さは数kmにも達します。
エスカーの延びの方向は、ほぼ氷河の流れの方向を示しています。
・ケイム段丘
ケイム段丘とは、氷河縁に砂礫が堆積することによってつくられる急斜面の丘のことです。
・ザンドル
ザンドルとは、氷河の末端から流れる融水が河川となるまでにできる扇状地状の地形のことです。
氷河性河流扇状地とも呼んでいます。
・ケトル
ケトルとは、氷河の融水が洪水や堆積などの作用によってザンドル内に形成する円形の湖のことです。
・モレーン
モレーン(moraine)とは、堆石もしくは氷堆石とも言い、氷河によって運搬された岩屑によって作られた堆積地形です。
日本語では堆石堤と訳されますが、原語のまま用いられることが多いと思います。
・ドラムリン
ドラムリン (drumlin)とは、氷堆丘とも言い、氷河の流動方向に細長く伸びた流線型の氷河地形です。
砂礫などの堆積物で構成されるもの、基盤岩だけのもの、それらが複合したものなど様々な種類があり、構成物やスケールに関わらず、氷河底の地形営力に関わる流線型地形であるということのみで判定されます。
・ティル
ティル(till)とは氷河の流動によって運搬された岩屑が、淘汰作用をほとんど受けずに地表面に累積した堆積物のことです。
現存する氷河の表面・内部・底、およびその周縁、ならびに過去の氷河拡大範囲内に分布しています。
ティルが大規模になるとモレーンやドラムリンと呼ばれます。
ティルの中でも大きな岩石は、周囲の氷河堆積物が長い年月を経て流失・風化しても残存する場合があり、周囲の地形と異をなした迷子石になります。
・迷子石
迷子石(まいごいし、glacial erratic、erratic boulder、erratic block)とは、氷河によって削り取られた岩塊が、長い年月のうちに氷河の流れに乗って別の場所に運ばれ、氷河が溶け去った後に取り残された岩のことです。
・氷縞粘土
氷縞粘土とは、ヴァーヴとも言い、氷床の末端にできた氷河湖の堆積物です。
一枚の年層は、ほぼ数ミリの厚さを有しています。
・ダートコーン
ダートコーン(dirt cone)とは、氷河や雪渓上でときに見られる土砂で被われた(汚れた)円錐状のものです。
土や砂や岩屑はアルベド(反射率)が雪や氷に比べて低いので、土砂の被覆が薄いと雪氷の融解が促進され、その部分が周囲の氷の表面より低くなり、窪みが形成されます。
・周氷河地形
周氷河地形(しゅうひょうがちけい)とは、地中の水分が凍結や融解を繰り返すこと(凍結融解作用)によって形成される地形のことです。
つまり、岩石・土壌中の水の凍結・融解の繰り返しによる破砕と移動、河川・雪・風・海氷による浸食など、氷河と森林限界との間の寒冷な地域に特有な浸食作用によってつくられた地形を言います。
・永久凍土
永久凍土(えいきゅうとうど、permafrost)とは、パーマフロストとも言い、2年以上連続して0℃以下の状態を保つ土または岩として定義されています。
永久凍土は地球上の陸面の約14%を占め、その大部分は北半球に存在しています。
氷河の基底もこの条件を満たしていますが永久凍土には含めません。
・構造土
構造土とは、模様地面とも言い、主に凍結作用によって形成される多少とも対称形あるいは幾何学的な形をした地表面の模様や微地形の総称です。
平面形態によって多角形土、亀甲土、円形土、網状土、条線土、階状土等に分類され、構成する物質によって礫質、土質に分類される。周氷河地域で形成されます。
・化石構造土
化石構造土とは、過去の寒冷な気候の時代に形成された構造土のことです。
・アースハンモック
アースハンモックとは、芝塚、凍結坊主あるいは十勝坊主とも言い、ドーム状の形態を持つ構造土の一種です。
土質の円形土または網状土に含まれ、高さ30cm~70cm、直径30cm~1mのドーム状で、表面は密な草本植生と腐植層に覆われます。
・谷地坊主
谷地坊主とは、野地坊主とも言い、北海道東部及び北部の低層湿原(泥炭地)に生育するカブスゲ群落の叢株隆起のことです。
・雪食凹地
雪食凹地とは、雪窪とも言い、雪の働きによって進められる侵食作用により形成される凹地で、四季を通じて存在するような残雪の下底や縁辺に卓越して形成されます。
・ペイブメント
ペイブメントとは、広く平坦な溶食形をもつ石灰岩の露頭のことです。
この平坦性は最終氷期の氷食作用によるとされています。
・風食裸地
風食裸地とは、高山の稜線部や斜面が、風の作用により植被が削り取られ裸地となっている地形のことです。
・アバランチシュート
アバランチシュートとは、雪崩路とも言います。
雪崩は30~50ºの傾斜面によく発生しますが、このような斜面すべてで雪崩が発生するわけではなく、頻発する雪崩の通路は無雪期には擦りみがかれた岩肌を露出し、樋状の凹地形を形成します。
・凍上
凍上(とうじょう、英: frost heave)とは、寒気によって土壌が凍結して氷の層が発生し、それが分厚くなる為に土壌が隆起する現象です。
・氷雪崩
氷雪崩(こおりなだれ、ice avalanche)とは、雪ではなく、氷が雪崩(なだれ)る現象のことです。
氷河のアイスフォールや急峻な岩壁で発生します。
ほぼ連日のように同一地点で小規模な氷雪崩を起こす氷河もありますが、数年~十数年の間隔で氷河全体が大規模な氷雪崩となる氷河もあります。
・ヨコロウプ
ヨコロウプ(jokulhlaup)とは、氷河底面からの出水による洪水のことです。
元々は、アイスランドの火山を覆う氷帽にて、氷の下の噴火により引き起こされた氷河出水洪水のことを指しています。
・モンスター
モンスター(snow monster/ice monster)とは、着雪と着氷との混合物であり、樹木の全体が雪と氷で被われたものです。
その形態から、俗にモンスター(monster、怪物)、スノーモンスター、アイスモンスターと呼ばれています。
・サスツルギ
サスツルギ(sastrugi)とは、強い風と地吹雪粒子により積雪表面が削剥され、著しい凹凸の形状を示す雪面模様です。
風上側に鋭い先端や庇をもち、風下側に尾根状の形態が伸びます。
高さは1~2mにも達し、雪は一般に硬くなります。
・擦痕
擦痕(さっこん、striation)とは、礫や岩盤の表面につけられた擦り傷を言います。
断層・流氷・地滑り・泥流などの地表面変動、あるいは、岩塩や石膏などが岩石中に化学的に生成される過程によって形成されます。
・パドル
パドルとは、海氷上にできた水たまりのことです。
積雪や表面の氷が融解した時、近くに海氷の割れ目や穴がないと融水が海へ流下できず表面凹所にたまり、融解と冷却が交互に行われると何層にも重なることもあります。
・クラック
クラック(crack)とは、一般に、割れ目、裂け目、亀裂のことです。
氷河では幅の広い、深い割れ目はクレバスと呼んでいます。
これに対して、人が落ちることがないような小さい割れ目はクラックと呼んでいます。
・クレバス
クレバス(crevasse)とは、氷河表面に見られる大きな氷の割れ目のことで、氷の強度を超える大きな力がかかり氷が破壊することにより生じます。
氷河では、流動速度が大きく、かつ基盤地形や流路が変化する場所に発達します。
クレバスの幅は数mを超える巨大なものもありますが、深さは20-30m以上にはなりません。
日本の山の雪渓上の割れ目もクレバスと呼んでいます。
・ムーラン
ムーラン(moulin)とは、氷河表面にて融解水が集まって流れ込む穴のことです。
融解期の初めの頃は細い縦の管ですが、水の流入による熱で徐々に穴が大きくなり、夏期には直径2-3m、深さ20-30mにも達します。
名前はフランス語で風車を意味しますが、穴の形が風車を利用した粉挽き状(螺旋状)に形成されるためです。
・クリオコナイトホール
クリオコナイトホール(cryoconite hole)とは、氷河の裸氷域でみられる小さな円柱状の水たまりのことです。
・クリオペディメント
クリオペディメントとは、寒冷ペディメントとも言い、周氷河環境下で山麓部や谷筋の斜面下部に形成されるなだらかな侵食面です。
堆積性の斜面には用いません。
・グレーシャーテーブル
グレーシャーテーブル(glacier table)とは、氷河上にて氷の柱で支えられた巨岩(boulder)または板状の石のことです。
テーブルのような形からこのように呼ばれています。
日本語に訳すとすれば、氷河卓となります。
岩が日射を遮り、その下部は周囲の氷より融解が少なく、結果として岩が持ち上がります。
・オージャイブ
オージャイブ(ogive)とは、氷河のアイスフォールより下流の氷河表面にみられる下流側に凸の白黒(または明暗)の縞模様のことです。
オーギブとも言います。
・ヌナタク
ヌナタクまたは、ヌナタック(nunatak)とは、氷床や氷原、氷帽から突き出た岩峰のことを言います。
多くの場合、かつては頂上まで氷に被われていたので、岩肌は著しく氷で侵食されています。
・ツンドラ
ツンドラ(tundra)とは、永久凍土地帯で立ち木のない草本類、蘚類、地衣類などが生育する地表面状態を言います。
主に高緯度の寒帯地域に見られます。
・雪氷圏
雪氷圏(せっぴょうけん、cryosphere)とは、地球上で雪や氷が存在する地域のこと、あるいは氷河、氷床、積雪、凍土、海氷など、雪や氷でできた物体そのものの総称としても使われます。
・雪原
雪原とは、雪が一面に降り積もった原野や高山や極地で、積雪がいつまでも残っている地域を言います。
雪田とも呼んでいます。
・雪渓
雪渓(せっけい、snow patch) とは、春から夏にかけて山岳地に点在して残る積雪のことです。
狭義には字の如く、沢筋や谷底の残雪を雪渓と呼び、開けた場所の平坦な残雪を雪田と呼ぶこともあります。
・雪庇
雪庇(せっぴ、snow cornice)とは、山岳の稜線の風下側などに、風で運ばれた雪によって形成される特殊な積雪堆積形状です。
地形、降雪量、風によって様々な形となり、風下側が急斜面の場合は、鋭く伸びた庇(ひさし)状となるものもあります。
・麓屑面
麓屑面とは、麓屑斜面、コルビアル斜面、あるいは崩積地とも言い、斜面下部あるいは基部に位置し、角礫を含む不均一で淘汰の悪い物質からなる比較的緩傾斜の堆積斜面を言います。
周氷河地域ではソリフラクション(斜面の表層部で起こる緩速度のマスムーブメント)によって風化生成された場所から運搬されてきたものから成っています。
・ポリニヤ
ポリニヤ(polynya) とは、海氷域の中で海水面が露出している場所です。
ただし、割れ目(crack)や水路(lead)等の直線的な形の開水面は含めません。
ロシア語の海氷用語が起源で氷湖(ひょうこ)とも訳されます。
・停滞氷
停滞氷(ていたいごおり、stagnant ice)とは、流動がほとんど認められないか、完全に停止している氷体や氷河のことです。
・ピンゴ
ピンゴとは、永久凍土地域に形成された、最高100mに達する円錐形の小山のアラスカでの名称です。
・ペニテント
ペニテント(snow/ice penitent)とは、積雪や氷河表面に形成される頂部が鋭く尖った雪や氷の塔または凹凸です。
スペイン語では、penitente(s) ペニテンテ(ス)と言っています。
ペニテントには2種類あり、雪のペニテント(snow penitent)は固い残雪の上に形成され、高さは1mまたはそれ以下です。
一方、氷のペニテント(ice penitent)は氷河上にて複数年におよんで成長し、高さは2~5m程度に達します。
・パルサ
パルサとは、湿地に形成され内部に氷を持つ泥炭のマウンドです。
高さ1~7m、幅10~30m、長さ15~150mの長円形で形は変化に富んでいます。
・アラス
アラスとは、周氷河性波状地とも言い、周氷河作用によって面的削剥が行われた結果、起伏が低平化して波状を呈する地域のことです。
・デレ
デレとは、穏やかな凹地の谷壁斜面と船底型の谷底を持つ、浅い谷もしくはわん状の凹地のことです。
一般的には周氷河地形のひとつとして扱われ、周氷河デレ、周氷河皿状地とも呼ばれますが、非対称谷と同様、周氷河作用だけによって生じたことを立証するのは困難です。
・アイスバーン
アイスバーン(icy road/Eisbahn)とは、道路上の圧雪やスキー場の踏み固められた雪の表面が少し融解し、その後再凍結してできた氷の面です。
道路の雪氷では、氷板や氷膜と言います。
・アイスフォール
アイスフォール(icefall)とは、氷河の中で周囲に比べて著しく傾斜が急な部分を言います。
アイスフォール地帯では、流動が速く、クレバスやセラック(氷塔)が多く発達します。
大きな氷河では、上流の積雪域(涵養域)から下流の裸氷域(消耗域)の境界付近に見られることが多いのが特徴です。
・ウィンドスクープ
ウィンドスクープ (wind scoop)とは、建築物、岩、樹木等の周りに生ずる雪面の窪みのことです。
障害物の周囲で風が収斂して風速が高まったり、強い渦が発生するため、地吹雪で運ばれてきた雪粒が堆積せず、周囲より低い凹地が形成されます。
・蜃気楼
蜃気楼(しんきろう、mirage)とは、遠くの地物が浮き上がって見えたり、あるいは実際より下方にあるように見える光学的現象のことです。
・ダイヤモンドダスト
ダイヤモンドダスト(diamond dust)とは、大気中で氷晶(ice crystals、直径がおおよそ0.1mm以下の小さな氷の結晶)が浮遊、もしくはゆっくり落下している現象のことです。
太陽からの日射によりこれらの氷晶がきらめくことから名付けられました。
和名では細氷とも言います。
・ブリザード
ブリザード(blizzard) とは、視界が非常に低下する猛吹雪あるいは暴風雪のことです。
南極では低気圧の通過によりブリザードが数日続くことがあります。
一般に気温が上昇し、風が強く、降雪とともに地吹雪が起こり、視界が著しく低下します。
・化石周氷河現象
化石周氷河現象とは、周氷河現象のうちその生成が現在の気候条件下では停止しており、現象そのものがむしろ破壊される傾向にあるものを言います。
つまり、過去の寒冷期に作られて、その後現在に至るまで再び形成されることのなかった周氷河現象です。
一般には大きな地形としてではなく、微地形や露頭断面形態で見られます。
・非対称山稜
非対称山稜とは、山稜を境に、左右両側の斜面勾配が著しく異なるものを言います。
大起伏山地の山稜部分において、両側の斜面勾配が比較的広い範囲にわたって非対称となっている場合に使用します。
・非対称谷
非対称谷とは、寒冷気候等の影響により起こるソリフラクションの大小によって生じます。
日なた側の谷壁と日陰側の谷壁の左右の傾斜が連続的に明らかな違いを示す谷のことです。
・霜
霜 (しも、frost/hoarfrost)とは、空気中の水蒸気(気体)が地物の表面に昇華凝結して形成される氷のことです。
・霜柱
霜柱(しもばしら)とは、地中の温度が0℃以上かつ地表の温度が0℃以下のときに、地中の水分が毛細管現象(毛管現象)によって地表にしみ出し、柱状に凍結したものです。
・樹霜
樹霜(じゅそう、air hoar/hoarfrost)とは、樹木の枝や葉についた霜のことです。
大気中の水蒸気(気体)が昇華凝結により樹木や地物の上に霜の結晶が形成されます。
・樹氷
樹氷(じゅひょう、rime)とは、樹木の着氷を呼んでいます。
霧の中で形成されることが多いので霧氷(むひょう)とも言います。
・裸氷
裸氷(らひょう、bare ice)とは、氷河や氷床の表面に露出した氷のことです。
そのような氷の地域を裸氷域と言います。
裸氷は、氷河の上流域に積もった雪が圧縮されて氷なり流動の結果氷河表面に現れた場合と、その場所に積もった雪が融解・凍結により氷に変化した場合とがあります。
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