電力の比較
原子力発電と、他の電力との比較をしてみたいと思います。
(1)大規模発電
①原子力発電
原子炉を1基造るのには3000億円から5000億円と言われています。
例えば3000億円として、定格出力は最近のタイプだと110万キロワットです。
電気の使用量は、4人家族で、月平均290kWh(一日約9.3kWh、一時間当たり390W)と言われています。
これは、原子炉1基で、282万軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約10.6万円になります。
②風力発電
次に風力発電ですが、新聞等で発表されている、各風車サイトの価格は次の通りです。
秋田県では、約60億円かけて1650kWの風車を15基造っています。
60億円で2万4750kW なので、約6万3000軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約9.5万円になります。
③太陽光発電
次に太陽光発電ですが、四国電力が2010年12月に愛媛県松山市に造った「松山太陽光発電所」は、約11億円かけて2,042kWの定格出力です。
約5200軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約21万円になります。
④小水力発電
次に小水力発電ですが、長野県の例では、約2470万円かけて6.7kWhです。
約17軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約145万円になります。
⑤波力発電
波力発電は文字通り海の波のエネルギーを利用して発電する方法です。
同一面積から風力の5倍、太陽光の20~30倍のエネルギーが取り出せるといわれています。
1平方m当りの太陽光は100ワットですが、幅1mの波はその1000倍のエネルギーを持っているといわれています。
風や太陽光と違って、波は全くなくなることはないので、365日24時間発電可能です。
波力発電はもうすでに航路標識ブイの電源として実用化されています。
現在は家庭・工業用電力を生み出す高出力設備の研究が進んでいます。
日本全国の海岸に打ち寄せる波のエネルギーは総計で原発数十基分で、全海岸線に寄せる波エネルギーは国内総発電量の1/3にも上る約3600万キロワットで、日本の波力エネルギーは「イギリス、ノルウェーとならんで世界で最も豊かな国の一つ」と言われています。
ヨーロッパでは、イギリスのセヴァーン河口に250億ドルをかけて全長16kmの堰を建設し、860万kwの発電能力をもたせるという計画もあります。
また、アジアでは韓国西海岸の江華島で最大出力812Mwの潮力発電所建設計画が進行中です。
約2300億円をかけ、江華島と3つの島を全長7795mの堰で結び、ここに水力発電機32基を設置し発電するそうです。
イギリスの計画では、実に約2000万軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約13万円になります。
(2)コスト高の原子力
1軒当たりの建設コストだけを比較すると、原子力のコストは安く思われがちですが、これは原子炉のみで、建設費も最低の3000億円で計算しています。
それに、六ヶ所村における「高レベル放射性廃棄物の処分」のコストは、原子力委員会(政府側)の発表でも43兆円です。(あくまでも計画通りにいった場合なので、トラブルがあるといくらかかるかわかりません)
それに、ウラン輸入代、運転費用、保管費用、また(原発の場合遠隔地から電力を運びますので巨大鉄塔が必要で、その分、かなりの電力をロスしてるわけですが)送電費などが別にかかります。
福島のように事故が起きると、もう計算できません。
(3)家庭での発電
①風力発電
家庭に設置する風力発電なら定格出力62Wの分で 16万~20万円程度です。
それに充放電コントローラが7万円程度で他に工事費がかかります。
但し出力62Wなので、家庭で使う390Wを賄うのには7基は付けないといけない計算になります。
そうなると200万円以上費用がかかって、広い場所も必要になってきます。
都会ではまず無理ですね。
②太陽光発電
次は太陽光発電ですが、有名な4社の価格は下表の通りです。
このシステムを設置する場合に、1kwあたりの相場価格は、取り付け工事、電気工事込みで、約60~65万円が目安みたいです。
以前には、300万~400万円が相場だったと思います。
家庭で利用するには実用的だとは思いますが、曇り空や雨の時には発電しないので、やはり電力会社との併用になると思います。
③小水力発電
以前の水力発電装置は、小型でも10kW~20kWクラスが中心でした。
そのために、一秒間に何立方mという水量を必要としましたが、最近の水力発電装置は1kWと0.5kWの超小型機種があり、1秒間に数リッター程度の水量でも発電できる一般家庭用又は小型事業用の超小型水力発電装置が出てきました。
例えば、重量は0.5kWタイプの場合、本体重量が約50kgと軽量であり、設置も本体に取水ホースと排水ホースを繋ぐだけで半日から1日で極めて簡単に設置できます。
また、取水口の落ち葉対策などにもいろいろと工夫を凝らしています。
本体価格は、0.5kWタイプで約100万円程度、1kWタイプで約150万円程度、(発電機、コントローラ、バッテリー、付属設備含め)です。
近くに用水路や沢があれば発電はでき、家庭の電力は賄えますが、水利権の問題もあり実用化するのは簡単ではない気がします。
(1)大規模発電
①原子力発電
原子炉を1基造るのには3000億円から5000億円と言われています。
例えば3000億円として、定格出力は最近のタイプだと110万キロワットです。
電気の使用量は、4人家族で、月平均290kWh(一日約9.3kWh、一時間当たり390W)と言われています。
これは、原子炉1基で、282万軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約10.6万円になります。
②風力発電
次に風力発電ですが、新聞等で発表されている、各風車サイトの価格は次の通りです。
場所 | 機種 | 価格 | 備考 | 入手元 |
秋田県仁賀保高原 | VESTAS? 1650kW 15基 | 約60億円 24万円/kW | 「ひばり荘」周辺の町有地約180ヘクタール 標高470-500m 支柱の高さが約60m 直径が約60m、全体の高さは地上約90m 支柱は3分割、羽根は2分割して秋田港から同高原まで陸送(どうやるのだろう???) 長さ30mほどの部材は、深夜に約5時間かけて特殊な大型トレーラーで運ぶ | 新聞 |
高知県大豊市 | ラガウェイ750kW機 2基 | 約3億0000万円 25万円/kW | 750kW機を定格出力を600kWに制限 | 新エネルギーガイドブック |
宮崎県ETOランド | ラガウェイ750kW機 1基 | 約1億8000万円 24万円/kW | NEDO | 新エネルギーガイドブック |
青森県深浦 | ラガウェイ750kW機 1基 | 約1億9000万円 25.3万円/kW | NEDO | 新エネルギーガイドブック |
和歌山県吉備町 | Enercon 400kW | 約1億5000万円 37.5万円/kW | NEDOの補助あり | 新聞 |
熊本県五和町 | 三菱 300kW 1基 タワー高さ41.5m | 事業費 1億2222万円 40.74万円/kW | 耐風速80m/s | 五和町 |
三陸町越喜来の夏虫山 | 1000kW機 10基 | 事業費は約30億円 30.0万円/kW | 第3セクター「三陸ウィンドファーム」住友商事と町が出資 町は資本金総額の4%を出資 予想年間発電量の約35000MWh イヌワシの生息地の為、規模変更? | 新聞 |
滋賀県草津市 | 1500kW機 1基 タワー高さ60m | 事業費2億3000万円 15.3万円/kW | 年間1200MWh | 新聞 |
壱岐芦辺町箱崎諸津触 | ラガウェイ750kW機 2基 タワー高さ50m(75m?) | 約4億4000万円 29.3万円/kW | NEDOの補助あり 年間約410MkWh | 新聞 |
岩手県岩手郡葛巻町 | Micon 400kW 3基 | 総事業費3億4814万円 29.0万円/kW | 通産省補助1億64281万円 平成10年10月22日~平成11年6月10日 | 葛巻町HP |
三重県久居市榊原町 | ラガウェイ750kW×4基 タワーの高さ50m | 整備事業費8億8,600万円 29.5万円/kW | 平成11年4月完成 | 久居市HP |
京都府与謝郡伊根町の太鼓山 | ラガウェイ750kW×6基 タワーの高さ50m | 総事業費14億8000万円 32.8万円/kW | 1年かけ 平成12年末完成 建設予定地は、かなり山間で道路造成もあるそうです | 京都新聞 |
秋田県では、約60億円かけて1650kWの風車を15基造っています。
60億円で2万4750kW なので、約6万3000軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約9.5万円になります。
③太陽光発電
次に太陽光発電ですが、四国電力が2010年12月に愛媛県松山市に造った「松山太陽光発電所」は、約11億円かけて2,042kWの定格出力です。
約5200軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約21万円になります。
④小水力発電
次に小水力発電ですが、長野県の例では、約2470万円かけて6.7kWhです。
約17軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約145万円になります。
⑤波力発電
波力発電は文字通り海の波のエネルギーを利用して発電する方法です。
同一面積から風力の5倍、太陽光の20~30倍のエネルギーが取り出せるといわれています。
1平方m当りの太陽光は100ワットですが、幅1mの波はその1000倍のエネルギーを持っているといわれています。
風や太陽光と違って、波は全くなくなることはないので、365日24時間発電可能です。
波力発電はもうすでに航路標識ブイの電源として実用化されています。
現在は家庭・工業用電力を生み出す高出力設備の研究が進んでいます。
日本全国の海岸に打ち寄せる波のエネルギーは総計で原発数十基分で、全海岸線に寄せる波エネルギーは国内総発電量の1/3にも上る約3600万キロワットで、日本の波力エネルギーは「イギリス、ノルウェーとならんで世界で最も豊かな国の一つ」と言われています。
ヨーロッパでは、イギリスのセヴァーン河口に250億ドルをかけて全長16kmの堰を建設し、860万kwの発電能力をもたせるという計画もあります。
また、アジアでは韓国西海岸の江華島で最大出力812Mwの潮力発電所建設計画が進行中です。
約2300億円をかけ、江華島と3つの島を全長7795mの堰で結び、ここに水力発電機32基を設置し発電するそうです。
イギリスの計画では、実に約2000万軒の家庭に電気を供給できる計算になります。
そして1軒当たりの建設コストは約13万円になります。
(2)コスト高の原子力
1軒当たりの建設コストだけを比較すると、原子力のコストは安く思われがちですが、これは原子炉のみで、建設費も最低の3000億円で計算しています。
それに、六ヶ所村における「高レベル放射性廃棄物の処分」のコストは、原子力委員会(政府側)の発表でも43兆円です。(あくまでも計画通りにいった場合なので、トラブルがあるといくらかかるかわかりません)
それに、ウラン輸入代、運転費用、保管費用、また(原発の場合遠隔地から電力を運びますので巨大鉄塔が必要で、その分、かなりの電力をロスしてるわけですが)送電費などが別にかかります。
福島のように事故が起きると、もう計算できません。
(3)家庭での発電
①風力発電
家庭に設置する風力発電なら定格出力62Wの分で 16万~20万円程度です。
それに充放電コントローラが7万円程度で他に工事費がかかります。
但し出力62Wなので、家庭で使う390Wを賄うのには7基は付けないといけない計算になります。
そうなると200万円以上費用がかかって、広い場所も必要になってきます。
都会ではまず無理ですね。
②太陽光発電
次は太陽光発電ですが、有名な4社の価格は下表の通りです。
このシステムを設置する場合に、1kwあたりの相場価格は、取り付け工事、電気工事込みで、約60~65万円が目安みたいです。
以前には、300万~400万円が相場だったと思います。
家庭で利用するには実用的だとは思いますが、曇り空や雨の時には発電しないので、やはり電力会社との併用になると思います。
メーカー | 品番 | 希望小売価格 | 最大出力 | 1Wあたりの価格 |
---|---|---|---|---|
シャープ | ND-191AW | 92,190円 | 191w | 482円 |
京セラ | エコノルーツタイプR (ECONOROOTS<typeR>) | 113,190円 | 186W | 608円 |
三菱電機 | PV-MX190HA | 119,700円 | 190W | 630円 |
サンヨー | HIT-B205J01 | 149,100円 | 205W | 727円 |
③小水力発電
以前の水力発電装置は、小型でも10kW~20kWクラスが中心でした。
そのために、一秒間に何立方mという水量を必要としましたが、最近の水力発電装置は1kWと0.5kWの超小型機種があり、1秒間に数リッター程度の水量でも発電できる一般家庭用又は小型事業用の超小型水力発電装置が出てきました。
例えば、重量は0.5kWタイプの場合、本体重量が約50kgと軽量であり、設置も本体に取水ホースと排水ホースを繋ぐだけで半日から1日で極めて簡単に設置できます。
また、取水口の落ち葉対策などにもいろいろと工夫を凝らしています。
本体価格は、0.5kWタイプで約100万円程度、1kWタイプで約150万円程度、(発電機、コントローラ、バッテリー、付属設備含め)です。
近くに用水路や沢があれば発電はでき、家庭の電力は賄えますが、水利権の問題もあり実用化するのは簡単ではない気がします。
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