原発の必要性と代替電力
「原子力発電は必要か?」の続編です。
(1)電気は本当に足りないの?
①電力会社の宣伝効果
電力会社はニュース番組とか新聞のスポンサーになっており、ほとんどの日本人は、原発がないと電力が足りないという電力会社の宣伝に、みごとに洗脳されてしまっています。
私も、その洗脳されていた一人です。
ところが、実際には電力需要は人口減少に伴って、減少傾向にあります。
そのせいもあり、彼らは「電力不足」を叫びながら、電気自動車とオール電化の宣伝をしています。
これは日経新聞でも報道されています。
そして、原子力発電は電力の安定供給の切り札?と言っていました。
現在の日本の総発電量に占める原子力の割合は約28%(東京電力では約40%が原子力)です。
そのため、ほとんどの日本人は、原子力を廃止すれば電力不足になると思っています。
また、ほとんどの人は今後も必要悪として受け入れざるを得ないと思っています。
そして、原子力に反対すると「それなら電気を使うな」と言われたりします。
しかし、発電所の設備の能力で見ると、原子力は全体の18%しかありません。
その原子力が発電量では28%になっているのは、原子力発電所の設備利用率だけを上げ、火力発電所のほとんどを停止させているからです。
原子力発電が生み出したという電力をすべて火力発電でまかなったとしても、なお火力発電所の設備利用率は7割にしかなりません。
それほど日本では発電所は余ってしまっていて、年間の平均設備利用率は5割にもなりません。
つまり、発電所の半分以上を停止させねばならないほど余ってしまっています。
ただ、電気はためておけないので、一番たくさん使う時にあわせて発電設備を準備しておく必要があるので原子力は必要だと国や電力会社は言っています。
しかし、過去の実績を調べてみれば、最大電力需要量が火力と水力発電の合計以上になったことすらほとんどありません。
②2003年度はすべての原発の停止
2003年度は、事故や不祥事続きの点検のため、東京電力が保有する17基の原子力発電所すべてが、長期にわたって停止した年でした。
・福島第一原発
1号機( 46万キロワット) 停止
2号機( 78万4,000キロワット) 停止
3号機( 78万4,000キロワット) 停止
4号機( 78万4,000キロワット) 停止
5号機( 78万4,000キロワット) 停止
6号機(110万キロワット) 停止
・福島第二原発
1号機(110万キロワット) 停止
2号機(110万キロワット) 停止
3号機(110万キロワット) 停止
4号機(110万キロワット) 停止
・柏崎刈羽原発
1号機(110万キロワット) 停止
2号機(110万キロワット) 停止
3号機(110万キロワット) 停止
4号機(110万キロワット) 停止
5号機(110万キロワット) 停止
6号機(135万6,000キロワット) 停止
7号機(135万6,000キロワット) 停止
全部で1730万8,000キロワットになります。
つまり、その期間は、東京電力では原子力発電が全く行われていなかったのです。
③火力発電と水力発電の稼働率
このとき、大規模な停電や、生産・生活に多大な影響がある計画停電はありませんでした。
夏のピーク電力でさえ乗り切っています。
今現在でも、原子力発電所での電力は601万2,000キロワット稼動しています。
火力発電所は、すべて稼動したら2623万1,000キロワットキロワットです。
今現在での、火力発電所での電力は1908万1,000キロワットです。
水力発電所は、160箇所、852万キロワットすべて稼動しています。
それに、建設中の葛野川発電所(80万kW)と神流川発電所(47万kW)を併せると979万キロワットになります。
発電設備の18%を占める原子力発電所は構造上フル稼働しかできないため、70%が稼働しています。
しかし、水力は20%、火力は48%の稼働でしかありません。
東京電力では、原子力発電所の地震や津波などがあって現在使える電力は3350万キロワットです。
原子力発電所での電力を除くと2748万8,000キロワットです。
原発を止めて、火力発電所の稼働率を70%にあげれば、3825万4,000キロワットになり、これだけで現在使える電力よりも475万4,000キロワット多くなっています。
これに、水力発電所の稼働率を50%にあげれば、2447万5,000キロワットになり、合計で6272万9,000キロワットにもなります。
東電は7月末の需要予測を5500万キロワットにしていますが、充分賄えるのではないでしょうか?
④電力会社の言い分
電力会社は、水力は渇水の場合は使えないとか、定期検査で使えない発電所があるなどと言って、原子力発電所を廃止すればピーク時の電気供給が不足すると主張します。
しかし、極端な電力使用のピークが生じるのは一年のうちの真夏の数日、そのまた数時間のことでしかありません。
かりにその時にわずかの不足が生じるというのであれば、自家発電をしている工場からの融通、工場の操業時間の調整、そしてクーラーの温度設定の調整などで十分乗り越えられます。
今なら、私たちは何の苦痛も伴わずに原子力から足を洗うことができると思います。
(2)節電対策について
①電気料金のシステムの違い
あとは節電対策ですが、実は家庭の電気料金というのは省エネを進めるために、使うにつれて単価そのものが高くなるようになっています。
それに対して、事業系の電気料金は使えば使うほど安くなっています。
だから、省エネしても事業者は得にはならないのでどんどん使っているのが現状です。
これを家庭と同じ設定にしてくれれば、企業はたちどころに省エネに取り組むと思います。
日本全体の電力の4分の3は企業が使っているので、確実に3割は変わってくるでしょう。
そして、3割減ったら、発電所も直ちに4分の1は止めることができます。
つまり、現状でも、全体の22%ほどである原子力発電所はすべて止めても問題はなくなる計算になります。
②照明のLED化の促進
また、全国の照明をLED化することによって見込まれる節電は20-25パーセントです。
これだけでも、省エネLED化で原発はひとつも要らなくなります。
代替エネルギーよりも省エネ技術の方が現実的かも知れません。
③電気製品の節電ノウハウ
家庭でのオール電化・電気自動車キャンペーンををやめて節電することです。
エアコンは、設定温度を1℃変えるだけで、約10%の節電ができます。
テレビは、画面のサイズや「明るさ」「濃度」の設定によって電力消費量が変わります。
照明器具では、蛍光灯と白熱電球を比較すると、蛍光灯の方が単価は高いものの、消費電力が少なく、長持ちします。
冷蔵庫の冷蔵室は、中の食料品の量が多すぎると冷却効果が弱まるという特徴があります。
反対に、冷凍室は詰め込むほどに冷却効果が高まるので、隙間なく大量に物を入れることが節電にもつながります。
電子レンジは、内部の汚れをそのままにしておくと無駄な電気量がかかります。
掃除機は、フィルターが汚れていたり、紙パックにゴミが溜まると吸引力が落ちてしまいます。
洗濯機は、洗濯物の量が80%前後の時が最も効率的に汚れが落ち、消費電力を少なくして洗うことができます。
これをみんなで考えて実行すれば、東電は今のままでの稼働率でも充分な電力だと思います。
(3)原発の停止と今後の危険性
今後は、すべての原発を停止して、バックアップ用火力発電に一時切り替えて、地震対策を徹底強化することが可能です。
そして、原子炉が冷えるには10年ほどかかり、そのあとは設備を解体し、跡地を鉛とコンクリートで固めて管理しますが、放射線の量が通常レベルになるまで約100年間は管理しなければなりません。
これで脱原発と安全な新しい日本つくりは可能だと思います。
ただし、25年以内に90パーセント来る東海地震の震央には、浜岡原発が稼動中であり、これは今回同様に破綻する可能性が非常に高くなります。
そして宮城沖と違って、今度は直下型超巨大地震の可能性が高いです。
すべての原発の停止は、急務です。
(4)代替電力としては
①大規模風力発電
東京電力が東京大学に委託して、犬吠埼に風力発電を建てたらどれだけ発電するかを調べたそうです。
そうしたら出てきたデータが「東京電力がまかなっている電気が全部作れます」というものでした。
ただし、東電の年間販売量に匹敵する電力を犬吠崎沖の風力発電所で賄おうとすると、房総半島最南端の野島崎から茨城県鹿島灘沖までの沿岸から50km沖までの広範囲、そして伊豆半島や大島の沿岸の一部までに風車をびっしりと建てる必要があるそうです。
50km沖までということになると水深が500mを超える場所がかなり出てきます。
ここまで深いと風車を建設するコストがさらに増大します。
そして、試算では、水深500m以上のエリアは建設の試算に入れていません。
したがってこれは現実的ではないですね。
②大規模波力発電
波力発電があります。
神戸大学や科学技術振興機構などがジャイロ式波力発電の研究を行っています。
神戸大学院で造ったものは、9メートル×15メートルという小さな発電機を、海に浮かべて回すだけで、45キロワットずつ発電するというものです。
世界で最もシンプルで、低コストで発電量は多いとのことです。
波力発電は文字通り海の波のエネルギーを利用して発電する方法です。
同一面積から風力の5倍、太陽光の20~30倍のエネルギーが取り出せるといわれています。
1平方m当りの太陽光は100ワットですが、幅1mの波はその1000倍のエネルギーを持っているといわれています。
風や太陽光と違って、波は全くなくなることはないので、365日24時間発電可能です。
波力発電はもうすでに航路標識ブイの電源として実用化されています。
現在は家庭・工業用電力を生み出す高出力設備の研究が進んでいます。
日本全国の海岸に打ち寄せる波のエネルギーは総計で原発数十基分で、全海岸線に寄せる波エネルギーは国内総発電量の1/3にも上る約3600万キロワットで、日本の波力エネルギーは「イギリス、ノルウェーとならんで世界で最も豊かな国の一つ」と言われています。
波力を利用するので、燃料が要らず、環境に配慮でき、公害も騒音もないので、今後の実験結果が待たれます。
懸案事項は漁業にどのように影響するのかですが、お互いに相乗効果が出るよう期待したいものです。
③家庭での発電
③-1太陽光発電
太陽電池は一軒家の屋根などに取り付けることで、日中の太陽が出ている間は電力が提供できます。
太陽光発電などとも言われます。
太陽電池から発電している間は、電力会社からの供給に頼る量が減りますし、それ以上なら電力を売ることもできます。
特に夏場などの昼間のピーク時電力削減に貢献できます。
価格は100万円程度から300万円程度です。
③-2風力発電
太陽光発電は日中しか発電できないという欠点がありますが、夜間でも発電可能なのが風力発電です。
風力発電は風が無ければ発電できませんが、夜間や曇りでも風さえあれば発電可能です。
しかし、風力が弱すぎると発電できない物がほとんどですし、台風など風力が強すぎても発電できないものが多いです。
一般に常に一定の風が吹いている地域へ大型の風力発電を設置するイメージがありますが、小型で自宅に設置可能な風力発電もあります。
風切り音がうるさい物もあり、住宅地などの設置では注意が必要ですし、設置場所の問題、コストに見合う発電量かどうかなどの問題もあり、誰もが導入できる物ではありません。
価格は100万円前後からです。
③-3水力発電
水道、下水道で常に水は流れていますが、これを有効活用するための機器はありません。
わき水などが出ている地域なら、なんとか発電する機器もありますが、現時点で水力発電の一般家庭での使用は現実的ではありません。
こうしてみると、一般家庭で一番有力なのが太陽電池です。
特に夏場の冷房需要は、晴れている昼間の電力が重要ですので、ある程度効果が期待できます。
(5)日本の役割
このように、いろいろ考えてみました。
電力不足になる一番の要因は、原子力発電所がフル稼働なのに比べ、水力発電は20%、火力発電は48%の稼働によるところが大きいと思います。
つまり、もう少し水力発電や火力発電が稼働率を上げたら原発なんて要らないということになります。
「電力不足」を叫びながら、電気自動車とオール電化の宣伝をしているのは、実際には電力需要は人口減少に伴って、減少傾向にあることを見越しての宣伝と捉えることができます。
今の現状の福島第1原発の事故も大変なのですが、25年以内に90パーセント来る東海地震では、浜岡原発は壊滅することだって考えられます。
地球が滅亡しないためにも、まず日本から率先して原発をなくすことが、被爆国である日本の役割だと思います。
(1)電気は本当に足りないの?
①電力会社の宣伝効果
電力会社はニュース番組とか新聞のスポンサーになっており、ほとんどの日本人は、原発がないと電力が足りないという電力会社の宣伝に、みごとに洗脳されてしまっています。
私も、その洗脳されていた一人です。
ところが、実際には電力需要は人口減少に伴って、減少傾向にあります。
そのせいもあり、彼らは「電力不足」を叫びながら、電気自動車とオール電化の宣伝をしています。
これは日経新聞でも報道されています。
そして、原子力発電は電力の安定供給の切り札?と言っていました。
現在の日本の総発電量に占める原子力の割合は約28%(東京電力では約40%が原子力)です。
そのため、ほとんどの日本人は、原子力を廃止すれば電力不足になると思っています。
また、ほとんどの人は今後も必要悪として受け入れざるを得ないと思っています。
そして、原子力に反対すると「それなら電気を使うな」と言われたりします。
しかし、発電所の設備の能力で見ると、原子力は全体の18%しかありません。
その原子力が発電量では28%になっているのは、原子力発電所の設備利用率だけを上げ、火力発電所のほとんどを停止させているからです。
原子力発電が生み出したという電力をすべて火力発電でまかなったとしても、なお火力発電所の設備利用率は7割にしかなりません。
それほど日本では発電所は余ってしまっていて、年間の平均設備利用率は5割にもなりません。
つまり、発電所の半分以上を停止させねばならないほど余ってしまっています。
ただ、電気はためておけないので、一番たくさん使う時にあわせて発電設備を準備しておく必要があるので原子力は必要だと国や電力会社は言っています。
しかし、過去の実績を調べてみれば、最大電力需要量が火力と水力発電の合計以上になったことすらほとんどありません。
②2003年度はすべての原発の停止
2003年度は、事故や不祥事続きの点検のため、東京電力が保有する17基の原子力発電所すべてが、長期にわたって停止した年でした。
・福島第一原発
1号機( 46万キロワット) 停止
2号機( 78万4,000キロワット) 停止
3号機( 78万4,000キロワット) 停止
4号機( 78万4,000キロワット) 停止
5号機( 78万4,000キロワット) 停止
6号機(110万キロワット) 停止
・福島第二原発
1号機(110万キロワット) 停止
2号機(110万キロワット) 停止
3号機(110万キロワット) 停止
4号機(110万キロワット) 停止
・柏崎刈羽原発
1号機(110万キロワット) 停止
2号機(110万キロワット) 停止
3号機(110万キロワット) 停止
4号機(110万キロワット) 停止
5号機(110万キロワット) 停止
6号機(135万6,000キロワット) 停止
7号機(135万6,000キロワット) 停止
全部で1730万8,000キロワットになります。
つまり、その期間は、東京電力では原子力発電が全く行われていなかったのです。
③火力発電と水力発電の稼働率
このとき、大規模な停電や、生産・生活に多大な影響がある計画停電はありませんでした。
夏のピーク電力でさえ乗り切っています。
今現在でも、原子力発電所での電力は601万2,000キロワット稼動しています。
火力発電所は、すべて稼動したら2623万1,000キロワットキロワットです。
今現在での、火力発電所での電力は1908万1,000キロワットです。
水力発電所は、160箇所、852万キロワットすべて稼動しています。
それに、建設中の葛野川発電所(80万kW)と神流川発電所(47万kW)を併せると979万キロワットになります。
発電設備の18%を占める原子力発電所は構造上フル稼働しかできないため、70%が稼働しています。
しかし、水力は20%、火力は48%の稼働でしかありません。
東京電力では、原子力発電所の地震や津波などがあって現在使える電力は3350万キロワットです。
原子力発電所での電力を除くと2748万8,000キロワットです。
原発を止めて、火力発電所の稼働率を70%にあげれば、3825万4,000キロワットになり、これだけで現在使える電力よりも475万4,000キロワット多くなっています。
これに、水力発電所の稼働率を50%にあげれば、2447万5,000キロワットになり、合計で6272万9,000キロワットにもなります。
東電は7月末の需要予測を5500万キロワットにしていますが、充分賄えるのではないでしょうか?
④電力会社の言い分
電力会社は、水力は渇水の場合は使えないとか、定期検査で使えない発電所があるなどと言って、原子力発電所を廃止すればピーク時の電気供給が不足すると主張します。
しかし、極端な電力使用のピークが生じるのは一年のうちの真夏の数日、そのまた数時間のことでしかありません。
かりにその時にわずかの不足が生じるというのであれば、自家発電をしている工場からの融通、工場の操業時間の調整、そしてクーラーの温度設定の調整などで十分乗り越えられます。
今なら、私たちは何の苦痛も伴わずに原子力から足を洗うことができると思います。
(2)節電対策について
①電気料金のシステムの違い
あとは節電対策ですが、実は家庭の電気料金というのは省エネを進めるために、使うにつれて単価そのものが高くなるようになっています。
それに対して、事業系の電気料金は使えば使うほど安くなっています。
だから、省エネしても事業者は得にはならないのでどんどん使っているのが現状です。
これを家庭と同じ設定にしてくれれば、企業はたちどころに省エネに取り組むと思います。
日本全体の電力の4分の3は企業が使っているので、確実に3割は変わってくるでしょう。
そして、3割減ったら、発電所も直ちに4分の1は止めることができます。
つまり、現状でも、全体の22%ほどである原子力発電所はすべて止めても問題はなくなる計算になります。
②照明のLED化の促進
また、全国の照明をLED化することによって見込まれる節電は20-25パーセントです。
これだけでも、省エネLED化で原発はひとつも要らなくなります。
代替エネルギーよりも省エネ技術の方が現実的かも知れません。
③電気製品の節電ノウハウ
家庭でのオール電化・電気自動車キャンペーンををやめて節電することです。
エアコンは、設定温度を1℃変えるだけで、約10%の節電ができます。
テレビは、画面のサイズや「明るさ」「濃度」の設定によって電力消費量が変わります。
照明器具では、蛍光灯と白熱電球を比較すると、蛍光灯の方が単価は高いものの、消費電力が少なく、長持ちします。
冷蔵庫の冷蔵室は、中の食料品の量が多すぎると冷却効果が弱まるという特徴があります。
反対に、冷凍室は詰め込むほどに冷却効果が高まるので、隙間なく大量に物を入れることが節電にもつながります。
電子レンジは、内部の汚れをそのままにしておくと無駄な電気量がかかります。
掃除機は、フィルターが汚れていたり、紙パックにゴミが溜まると吸引力が落ちてしまいます。
洗濯機は、洗濯物の量が80%前後の時が最も効率的に汚れが落ち、消費電力を少なくして洗うことができます。
これをみんなで考えて実行すれば、東電は今のままでの稼働率でも充分な電力だと思います。
(3)原発の停止と今後の危険性
今後は、すべての原発を停止して、バックアップ用火力発電に一時切り替えて、地震対策を徹底強化することが可能です。
そして、原子炉が冷えるには10年ほどかかり、そのあとは設備を解体し、跡地を鉛とコンクリートで固めて管理しますが、放射線の量が通常レベルになるまで約100年間は管理しなければなりません。
これで脱原発と安全な新しい日本つくりは可能だと思います。
ただし、25年以内に90パーセント来る東海地震の震央には、浜岡原発が稼動中であり、これは今回同様に破綻する可能性が非常に高くなります。
そして宮城沖と違って、今度は直下型超巨大地震の可能性が高いです。
すべての原発の停止は、急務です。
(4)代替電力としては
①大規模風力発電
東京電力が東京大学に委託して、犬吠埼に風力発電を建てたらどれだけ発電するかを調べたそうです。
そうしたら出てきたデータが「東京電力がまかなっている電気が全部作れます」というものでした。
ただし、東電の年間販売量に匹敵する電力を犬吠崎沖の風力発電所で賄おうとすると、房総半島最南端の野島崎から茨城県鹿島灘沖までの沿岸から50km沖までの広範囲、そして伊豆半島や大島の沿岸の一部までに風車をびっしりと建てる必要があるそうです。
50km沖までということになると水深が500mを超える場所がかなり出てきます。
ここまで深いと風車を建設するコストがさらに増大します。
そして、試算では、水深500m以上のエリアは建設の試算に入れていません。
したがってこれは現実的ではないですね。
②大規模波力発電
波力発電があります。
神戸大学や科学技術振興機構などがジャイロ式波力発電の研究を行っています。
神戸大学院で造ったものは、9メートル×15メートルという小さな発電機を、海に浮かべて回すだけで、45キロワットずつ発電するというものです。
世界で最もシンプルで、低コストで発電量は多いとのことです。
波力発電は文字通り海の波のエネルギーを利用して発電する方法です。
同一面積から風力の5倍、太陽光の20~30倍のエネルギーが取り出せるといわれています。
1平方m当りの太陽光は100ワットですが、幅1mの波はその1000倍のエネルギーを持っているといわれています。
風や太陽光と違って、波は全くなくなることはないので、365日24時間発電可能です。
波力発電はもうすでに航路標識ブイの電源として実用化されています。
現在は家庭・工業用電力を生み出す高出力設備の研究が進んでいます。
日本全国の海岸に打ち寄せる波のエネルギーは総計で原発数十基分で、全海岸線に寄せる波エネルギーは国内総発電量の1/3にも上る約3600万キロワットで、日本の波力エネルギーは「イギリス、ノルウェーとならんで世界で最も豊かな国の一つ」と言われています。
波力を利用するので、燃料が要らず、環境に配慮でき、公害も騒音もないので、今後の実験結果が待たれます。
懸案事項は漁業にどのように影響するのかですが、お互いに相乗効果が出るよう期待したいものです。
③家庭での発電
③-1太陽光発電
太陽電池は一軒家の屋根などに取り付けることで、日中の太陽が出ている間は電力が提供できます。
太陽光発電などとも言われます。
太陽電池から発電している間は、電力会社からの供給に頼る量が減りますし、それ以上なら電力を売ることもできます。
特に夏場などの昼間のピーク時電力削減に貢献できます。
価格は100万円程度から300万円程度です。
③-2風力発電
太陽光発電は日中しか発電できないという欠点がありますが、夜間でも発電可能なのが風力発電です。
風力発電は風が無ければ発電できませんが、夜間や曇りでも風さえあれば発電可能です。
しかし、風力が弱すぎると発電できない物がほとんどですし、台風など風力が強すぎても発電できないものが多いです。
一般に常に一定の風が吹いている地域へ大型の風力発電を設置するイメージがありますが、小型で自宅に設置可能な風力発電もあります。
風切り音がうるさい物もあり、住宅地などの設置では注意が必要ですし、設置場所の問題、コストに見合う発電量かどうかなどの問題もあり、誰もが導入できる物ではありません。
価格は100万円前後からです。
③-3水力発電
水道、下水道で常に水は流れていますが、これを有効活用するための機器はありません。
わき水などが出ている地域なら、なんとか発電する機器もありますが、現時点で水力発電の一般家庭での使用は現実的ではありません。
こうしてみると、一般家庭で一番有力なのが太陽電池です。
特に夏場の冷房需要は、晴れている昼間の電力が重要ですので、ある程度効果が期待できます。
(5)日本の役割
このように、いろいろ考えてみました。
電力不足になる一番の要因は、原子力発電所がフル稼働なのに比べ、水力発電は20%、火力発電は48%の稼働によるところが大きいと思います。
つまり、もう少し水力発電や火力発電が稼働率を上げたら原発なんて要らないということになります。
「電力不足」を叫びながら、電気自動車とオール電化の宣伝をしているのは、実際には電力需要は人口減少に伴って、減少傾向にあることを見越しての宣伝と捉えることができます。
今の現状の福島第1原発の事故も大変なのですが、25年以内に90パーセント来る東海地震では、浜岡原発は壊滅することだって考えられます。
地球が滅亡しないためにも、まず日本から率先して原発をなくすことが、被爆国である日本の役割だと思います。
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