浜松市での不発弾処理と磁気探査について

太平洋戦争当時の不発弾は、もうほとんどなくなったのような平和な日本ですが、まだまだ発見しています。

今年の8月に、浜松市中区のJR東海浜松工場で不発弾が発見されました。
不発弾は、長さ約153cm、直径約41cm、重さ約860kgの米戦艦砲弾とみられていました。
昨日の午前8時36分から同工場内で移送作業が始まり、陸自の車両が約40分かけて、約4km離れた浜松市南区の遠州灘海岸まで運び、深さ約4.5mの穴の底に不発弾を置き、約10mの厚さに砂や土のうをかぶせて午後2時に爆破しました。
この作業のために、移送経路付近の約4000世帯、約12000人に避難勧告が出され、東海道新幹線は浜松-豊橋駅間で運転を一時見合わせたそうです。

不発弾にもいろいろな種類があるようです。
沖縄県で見つかっているものの一部を紹介しますが、今回の不発弾は特に大きいもので、一番下の16インチ艦砲弾に近いものと推定されます。
 
・50kg爆弾
・探知深度1.0m以内
航空機から投下される爆薬
現在の県内公共不発弾探査の性能基準の爆弾。

 
・250kg爆弾
・探知深度2.0m以内
航空機から投下される弾薬
現在の県内公共不発弾探査の性能基準の爆弾。
平成21年糸満市の爆発事故と同型の爆弾。

 
・5インチ艦砲弾
・探知深度0.5m以内
艦艇の艦砲から発射される弾薬
沖縄県内でも最も発見頻度の高い砲弾。 主に中南部地域で発見される。 弾種により、現地処理をする危険度の高いものがある。

 
・100mm砲弾
・探知深度 m以内
陸上において火砲から発射される砲弾

 
・105mm砲弾
・探知深度 m以内
陸上において火砲から発射される砲弾


  • ・16インチ艦砲弾
    ・探知深度 m以内
    艦艇の艦砲から発射される砲弾

    地質調査でも、この不発弾があるかないかを調べることがあります。
    これを磁気探査または磁力探査と言って、特に港湾工事等で、海底に衝撃を与えるような作業を行う場合や、機雷・爆弾等の残存危険物の存在が予想される場所では、工事に先立ちこの磁気探査を実施し、もし不発弾が発見されれば除去することが義務付けられています。
    海上での磁気探査法は、潜水士が探知機を用い、異常点の位置を特定し、吸引器を使用して掘削を行い埋没 磁気異常物の確認を行っています。
    今までも、日本での海上工事では、これらの不発弾に対して磁気探査法を利用し、日本各地の埋没予想地域では不発弾を発見し、触発事故を防いできました。
    私たちの行っている地質調査でも、足場や台船を据え付ける範囲内で事前に磁気探査を行い、不発弾の有無を確認してから作業に入ります。
    私が確認した磁気探査の結果では、探知機には、不法投棄された鉄くずや空き缶などがいっぱい反応しましたが、今まで一度も不発弾が発見されたことはありません。
    もし発見したら、それこそ浜松みたいに極端な安全対策をしてから爆破ということになると思います。
    つい70年前までは、日本の至るところに爆弾が落ちていることは周知の通りです。
    このため、平和な日本でもこうした確認作業は必要だと思います。
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山手線でのずさんな安全管理

JR山手線で線路脇の架線の支柱が倒壊した事故では、倒れた柱と別の支柱をつなぐはりを撤去した際、撤去したあとの支柱の強度を計算せずに工事が行われていたことが問題になっています。

線路をまたぐ鉄製のはりは、当然支柱に対して安全側に働いています。
撤去するのなら、前もって支柱だけになった時の強度を計算をするのは常識です。
なんともずさんな安全管理としか言いようがないですね。

ボーリング作業における安全衛生関係の法規

私たちが行っているボーリング現場作業には、それに関連する安全衛生関係の法規があります。
特にボーリング現場作業に関係の深い法令としては、
①労働安全衛生法
②労働安全衛生法施行令
③労働安全衛生規則
④市街地土木工事公衆災害防止対策要綱
⑤海上交通安全法及び海上衝突予防法
です。

(1) 労働安全衛生法
この法律は、事業者だけでなく作業者側にも安全衛生の義務付がなされており、他の法律と異なる大きな特徴をもっています。
そして、事業者は単にこの法律の定めに従って、労働災害を防止するための最低基準を守るだけでなく、より一層進んで作業者の安全と健康を確保するようにしなければならないとされています。
一方、作業者もそれの立場で、労働災害発生を防止するための必要な事項を守らなくてはならないことが明確に規定されています。

(2) 労働安全衛生法施行令
この施行令は労働安全衛生法に付属し、具体的に、ボーリング現場に関係深い事項として次のような事項が定められています。
①労働安全衛生法に用いられる用語の定義を示しています。
②総括安全衛生管理者、産業医、作業主任者、安全及び衛生委員会、その他の法定ポストを選任しなければならない事業場を具体的に規定しています。
③作業、機会、建物、有害物、環境について労働災害を防止するために行わなければならない処置の範囲を示しています。
④健康の保持増進のために行うべき処置を示しています。
 
(3) 労働安全衛生規則
この規則は、労働安全衛生法及び労働安全衛生法施工令に付属し、その執行に必要な細則や委任に基づく規定を内容としています。
全体を4編で構成され実務面で最も関係の深い法規です。
①第1編「通則」:安全衛生管理体制、機械及び有害物に関する規制、免許等について詳細に規制しており、ボーリング現場に密接に関連している部分です。
②第2編「安全基準」:機械による危険防止、荷役運搬機械、墜落、崩壊等を防止するための規制のほか、衛生基準等について詳細に規制しています。
 労働安全衛生規則の中で、危険有害業務に就かせる場合に事業者が行う特別教育として「ボーリングマシンの運転の業務」があげられていますが、 第2編第2章第2節の「くい打機、くい抜機及びボーリングマシン」にボーリング作業上の各種規制が設けられています。
③第3編「衛生基準」
④第4編「特別規制」

(4) 市街地土木工事公衆災害防止対策要綱
この要綱は、建設業者が市街地で工事を施工する場合に遵守すべき最小限度の事項を定めたもので、路上での現場作業に関連の深い要綱です。
この要綱は技術的基準のため、可能な範囲で具体的,数値的に示してあります。
私たちが路上で調査作業を行う場合の作業場の区分や交通対策規制の大部分はこの要綱に準拠して行います。
軌道の保全、埋設物、土留め工、覆工、埋戻し等については、第三者への災害を防止する観点で規制されています。

(5) 海上交通安全法及び海上衝突予防法
両法律は、ともに海上安全航行の基本ルールを定めた海上交通の基本法です。
私たちが海上で足場作業を行うときや航行船舶場で作業を行う場合、この法規により、使用する燈火、形象物、信号等はすべて規制されています。

(6) その他
ボーリング調査の場所によっては、騒音規制法、振動規制法、じん肺法、建築基準法、道路交通法、道路法などを遵守する必要があります。

水害のメカニズム

水害のメカニズムについて考えてみました。

(1)水害が起きる要因
水害が起きる時には、どのような要因がはたらいているのでしょうか?
松山市を例にとって考えてみます。
①雨
一時に大量に降れば、それだけで川の水位は上がります。
松山市を流れる重信川は、東三方ヶを扇頂として、松山平野という広大な扇状地を形成しています。
雨の降る量は高知県などに比べて少ないのですが、一般的には背後の山体に湿った風がぶつかることで、一時的に大きい雨が降りやすいという特徴があります。
②地質
地質にも、石のように固いところと砂のように柔らかいところがあります。
当然、地質の状態により、雨が降った時の様子が違ってきます。
特に高縄山は花崗岩でもろく崩れやすいので、土砂崩れや地すべりが起きやすい地質です。
さらに、崩れた土砂が川に流れ込めば川をせき止めるなどして、状況をさらに悪化させていくこともあります。
③都市化
都市部では、地表がアスファルトやコンクリートになっており、雨は地面にしみこむことなく、直接道路側溝や川に流れ込みます。
水がしみこむ時間がないので、その到達時間が早くなっており、川の水位は急に上がりやすくなっています。
④川の勾配
重信川は、全長36km、流域面積は445 平方kmで、松山市の背後にすぐ山がある印象です。
このため、長さが短く、流れが急という特徴があり、重信川はかつては「暴れ川」として伝えられています。
⑤あふれた水
道路や家屋に降った雨は、道路側溝や雨水幹線を通して川や海に流れていきます。
しかし、ある程度以上に雨が降ると、一杯になった道路側溝や雨水幹線からあふれた水が地盤の低いところや地下室などに流れ込むことになります。

(2)被害の発生原因
そして、水害による被害の発生原因は、大きく2つに分けられます。
①外水氾濫
溢水や破堤などで、提内地に河川の水が流れ出し、浸水する水害です。
②内水氾濫
洪水時、本川の水位の上昇や流域内の多量の降雨等により、提内地の排水が困難になり浸水する水害です。
街に降った雨は、下水道などをとおって川に排水されます。
大雨が降ると川の水位が上がり、排水されずに下水道などが溢れてしまう氾濫です。
また、大雨が降ったとき、道路の側溝がつまったり、道路の低くなっているところに水がたまったりしても氾濫は起こります。

松山市の水害としては、過去には水害が頻繁に起こっていた時期がありましたが、現在では河川整備も進み、水害の可能性としては、「都市型水害」と言われる内水氾濫に注意する必要があると思います。
都市部では雨水の排出は、下水道や暗渠となった小河川に頼っているので、地下の水量を確認する手だてがなく、外水氾濫のように水深が○mに達したら、警報を鳴らすといった対応がとれません。

(3)雨の強さと被害
では、どの程度の雨が降ると、都市型水害が発生するのでしょうか。
気象庁では、1時間に10ミリ以上の降雨の場合を「強い雨」としています。
警報などは、概ね「1時間に10~20ミリの降雨」のとき大雨注意報、「1時間に20ミリ以上の降雨」のとき、大雨警報を出しています(これは地域によって設定値が違います)。
雨の強さの目安は、以下の表のとおりで、1時間50ミリの雨が水害発生の目安になります。
1時間に50ミリ以上になると、地下室や地下街に水が流れ込んだり、マンホールから水が噴出したり、被害が発生すると考えられています。
1時間に80ミリ以上になると、地下街や地下室で死亡事故が起こるような大被害が発生します。
この場合は、雷を伴う降雨になりますので、水害の被害の他、停電で電車が止まるなど、都市機能がマヒします。
最近では、ゲリラ豪雨といった突発的な豪雨で、1時間に50ミリ以上の豪雨は頻繁に発生しています。
また、前線の影響で台風の速度が異常に遅くなり、今年に入って長時間の豪雨も確認されています。
下表に1時間雨量と被害の目安があります。
あらかじめマンホールなどの危険箇所を調べて、水害発生における浸水範囲や避難場所をきちっと確認しておくことが大切だと思います。

表.1 1時間雨量と被害の目安
1時間雨量
(ミリ)
予報用語人の受けるイメージ

屋外の様子

車に乗っていて

災害発生状況
10~20やや強い雨ザーザーと降る地面一面に水たまりができる
地面からの跳ね返りで足元がぬれる
 この程度の雨でも長く続く時は注意が必要
20~30強い雨どしゃ降り傘をさしていてもぬれるワイパーを速くしても見づらい側溝や下水、小さな川があふれ、小規模の崖崩れが始まる
30~50激しい雨バケツをひっくり返したように降る道路が川のようになる高速走行時、車輪と路面の間に水膜が生じブレーキが効かなくなる(ハイドロプレーニング現象山崩れ・崖崩れが起きやすくなり、危険地帯では避難の準備が必要
都市では下水管から雨水があふれる
50~80非常に激しい雨滝のように降る(ゴーゴーと降り続く)水しぶきであたり一面が白っぽくなり、視界が悪くなる
傘は全く役に立たなくなる
車の運転は危険都市部では地下室や地下街に雨水が流れ込む場合がある
マンホールから水が噴出する

土石流が起こりやすい
多くの災害が発生する
80~猛烈な雨息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感ずる

同上

同上
雨による大規模な災害の発生するおそれが強く、厳重な警戒が必要
出典:気象庁HP(平成12年8月作成)

ガレキを用いた防潮林堤

宮城県や岩手県では、大津波による甚大な被害を被りました。
そして、海岸の松林はこの波に飲まれてしまいました。
後に残ったのは、潮をかぶった膨大な量のガレキです。
潮をかぶっていないガレキは焼却できるのですが、潮をかぶっていると、塩素が焼却炉に付くので、洗ってからでないと焼却できません。
各自治体はこのガレキの処理に頭を抱えています。
生態学者で、地球環境戦略研究機関国際生態学センター長、横浜国立大学名誉教授の宮脇 昭(みやわき あきら、1928年(昭和3年)1月29日 - )さんは、この海水をかぶったガレキを利用した防潮林を提案しています。

(1)ガレキの埋設
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」

震災によってでた、大量のガレキの山を、その中の毒と分解不能なもの以外を有用なものを、穴を掘って埋め、土と混ぜます。

(2)ガレキのマウンド
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」 

地表より20~30m程度のガレキのマウンド(植栽地)を造ります。
マウンドを高くすることで、津波に対してより安全性が高まる防潮林堤となります。
地下部分は、ガレキの量にもよりますが、10m程度に設定します。
幅は30m以上は必要だと思います。

(3)ガレキを用いた防潮林堤
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」

毒性のものとコンクリートなどの分解不能なものを取り除いた被災現場の廃材を有効利用した防潮林堤です。
付近のガレキを利用することにより、運搬などの無駄なコストを省け、経済性に優れています。
潮につかったガレキでも良いので、燃やす必要がなく、環境面にも優れています。
ガレキと土壌の間に空気層が生まれ、より地中に根が入り、根がガレキを抱くことにより、木々が安定します。
有機性廃棄物は、年月をかけて土にかえります。
津波対策としては、地表から木々の上まで高さ40~50m必要です。
その土地本来の色々な種類の常緑広葉樹(潜在自然植生)による森(高木・亜高木・低木・草本植物による多層群落の森)による防潮林堤で、以下の樹木が適しています。
①高木:タブノキ、シラカシ、アカガシ、ウラジロガシ等
②亜高木:ヤブツバキ、モチノキ、ユズリハ、シロダモ等
③低木:ヒサカキ、マサキ、ヤツデ等
これらの樹木は、深根性・直根性で地中にしっかりと根を張り、根こそぎ倒れることはありません。
そして、この防潮林堤は、通常時は防風林や防砂林として機能し、地域の憩いの場として活用できます。
また、気候の緩和、地球温暖化防止にも貢献します。

(4)災害時の状況
①津波災害時
多層群落の森が緑の壁となり、津波を粉砕し、その効果による津波のエネルギーが減殺されて、水位と速度が下がり、避難する時間を稼ぐことができると思われます。
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」
          強→   →    →   →   →
②引き潮時

引き潮の際には、漂流する人々や、財産が海に流出するのを食い止めることができると思われます。
実際に、南三陸町では、タブの木の根は大津波を止めています。
どんぐりすとの「森づくり」と「ものづくり」
漂流する人々や、家などを食い止めることができます。          ←引き潮
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