アフリカ大陸の地下水

アフリカ大陸の地下には膨大な量の地下水が眠っているそうです。

これは、イギリスの地質学調査機関とロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ(UCL)の研究により判明したそうです。
この記事によれば、乾燥した大地として知られているアフリカ大陸は、地下に膨大な量の水を蓄えた貯水池の上に
横たわっているようなものだと研究者たちは言っています。
この研究者たちにによれば、アフリカの地下にある水の量は、アフリカ大陸の表面にある水量の100倍だそうです。
淡水の川や湖は、アフリカで生きる人たちや農家の人たちの生活を制限させる、季節性の洪水や干ばつに影響されています。
事実、現在アフリカでは耕地のたった5%しか灌漑されていません(水の供給が整備されていないのが現状です)。
その為、雨や雪が降っても、そのうち多くは川に流れていくか、植物や作物を潤す為にしか使われていません。
また他の水は土壌の下にある岩石層にぽたぽたと落ちていっています。
そして、これらの地下水は、岩石と相互に連結した狭い空間や、砂岩の中の個々の砂粒の中に閉じ込められています。
これらの地下水は帯水層と呼ばれていますが、地下水は帯水層の中で動かないのではなく、重力や、その上にある水の量によって押し引きされています。
と帯水層の中で地下水が動くと、そこで多くの不純物が取り除かれるので、地下水は地上の水よりもきれいになります。

数世紀に渡る気候変動により、サハラの地域は砂漠になったのですが、その地下の帯水層は5000年以上前の水で満たされているそうです。
大量の砂漠の地下水を使えば、砂漠を緑あふれる土地に回復させることも難しくはないのかも知れません。
サハラ砂漠の深層地下水は、氷河期にまだサハラ一帯が草原や森林地帯だった頃の水だと言われています。
1万年以上前の雨水が地層の中に閉じ込められたもので、この水は「化石水」と呼ばれています。
いくつかの資料によると、にサハラ砂漠には300m~1200m辺りから地下水があるようです。

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アフリカ大陸で、ボーリング掘削中に水脈が見つかりました。
水温は65℃です。
水源が深いので水は地熱で加熱されています。
サンドストーンという砂岩に閉じ込められて眠っていた水ですが、写真は、ポンプで汲み揚げて、人工のオアシスになっています。
また、水が自然に湧いて出るオアシスもあるそうです。

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衛星の地下探索レーダで広大な地下水源が見つかりました。
写真で、水色の部分がそうですが、サハラ砂漠の地下にはアマゾン川流域の水資源に相当する地下水が含まれていると言われています。
水源は、だいたい地下300~1200mにあり、フランスの国土と同じ面積があるそうです。
ボーリングして水を汲み上げれば砂漠を緑地化できるかも知れません。
でも、大量に汲み上げると、数百万年かけて蓄えられた水も数百年で枯渇すると思います。
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地下水と地表水の種類について

水にもいろいろあります。

まず「地下水」ですが、広義には地表面より下にある水の総称です。
狭義では、特に地下水面より深い場所では帯水層と呼ばれる地層に水が満たされて飽和しており、このような水だけが「地層水」や「間隙水」「地下水」と呼ばれ、地下水面より浅い場所で土壌間に水が満たされずに不飽和である場合はその水は「土壌水」と呼ばれます。
また、「伏流水」というのもあります。
このような狭義では、両者を含めた地表面より下にある水全体は「地中水」と呼ばれます。
このような広義の地下水に対して、河川や湖沼、ため池といった陸上にある水は「表流水」または「地表水」と呼ばれます。
「地表水」(ちひょうすい surface water)は、地球表面にある水のことで、普通では陸水中の河川や湖沼,溜池,湧泉,運河のことです。
海を含む場合もあるみたいですが、一般には陸水に限って考える場合が多いようです。
「地表水」中の流動する部分が河川や湧泉で、静止しているものが湖沼や溜池です。
河川とは通常一定の方向に流れているもので、常に浸食,運搬,堆積の作用が認められます。
一方、湖沼や溜池の水は本質的には静止しており、波と流入,流出部での運動以外は認められない状態です。
両者ともに地球上の水文学的循環のなかでは主要な位置を占めています。
量的には水圏中の約2%を占めるだけなので、わずかなものですが、人間の居住空間上での位置や、資源としての価値は大きいものです。
「地表水」でない水は、すべて「地下水」ですが、この「地下水」にもいろいろあります。
「地層水」(ちそうすい stratum water)は、地層が堆積したとき、当時の海水または陸水が、堆積物の孔隙内に封じ込まれたものを言い、掘削時に地層内に浸入した掘削泥水などと区別するために用いられることが多いようです。
地層水の成分は、堆積後の地下における物理・化学的反応によって堆積時の水の成分とはかなり変化しているのが普通です。
「間隙水」(かんげきすい pore water)は、堆積物中の土粒子間を満たしている水のことです。
海底堆積物中の「間隙水」は、土粒子の表面に付着した移動性に乏しい「吸着水」と、重力の作用だけで移動する「重力水」に分けられています。
「宙水」(ちゅうすい ちゅうみず perched water)もあります。
これは不圧地下水の一種で、通気帯中のきわめて小面積の不透水層の上に局部的に存在する地下水です。
関東ローム層中に存在するレンズ状の粘土は、浅いところで「宙水」をつくっており、このような「宙水」は一時的な存在である場合が多いと思われます。
「土壌水」(どじょうすい soil water)は、土壌水分とも言い、土壌粒子間の孔隙に存在する水で,結合力の大きいほうから順に下記のように区分されています。
①固形分中に化学的に結合している結合水
②土壌粒子の表面に分子間引力で吸着されている吸着水
③毛細管力で保持されている毛管水
④重力によって粒子間を移動する重力水
「伏流水」は、河川の下や山麓付近の下層を流れる「地下水」の一種です。
松山市の中央を流れる重信川は、「地表水」となっていることが少なく、ほとんど「伏流水」で枯れ川です。
このように、「伏流水」は「地下水」の中では浅い位置を流れるものですが、川底の砂利で自然とろ過されており、水質はおおむね良好で安定していて、飲み水としてよく利用されています。
ただ、河川の底から地下へと流れ込んだ水なので、その河川の水質の影響を強く受けることになります。
先に述べた重信川のように、扇状地や厚い砂礫層が堆積している河床をもつ河川水は地下に浸透し「伏流水」となりやすいのが特徴です。
石灰岩地域では水が石灰岩の割目を通って伏流水となり再び地表に現れることもあり、火山堆積物の中にも伏流水が発達しています。
「伏流水」は直接目に見えず、また、その流れが複雑であることから、通常の「地下水」との区別がつきにくいため、「伏流水」か「地下水」かの判断は難しいものがありますが、一般に河川の地下及び近くの地下から水を取る場合には、「伏流水」として、゛河川法゛の許可を受ける必要があります。
河川の流水を使用するには、河川法第23 条において、「河川の流水を占用しようとする者は、国土交通省令で定めるところにより、河川管理者の許可を受けなければならない。」と規定されています。
この河川管理者は、河川の種類によって違ってきます。
河川の種類は河川法において、「一級河川」、「二級河川」、「準用河川」の3種類に分類され、これ以外の゛河川法゛に指定されていない河川を「普通河川」としています。
◇一級河川
国土保全上又は国民経済上特に重要な水系にある河川で、管理は国土交通大臣が行いますが、区間を指定して一部の管理を都道府県知事に委任している区間があります。
◇二級河川
一級河川以外の水系で公共の利害に重要な関係があるものに係る河川で、管理は当該河川の存する都道府県を統轄する都道府県知事が行います。
◇準用河川
一級河川及び二級河川以外の河川で各種の行為制限、維持工事などによって万全の管理をする必要のある河川で、管理は当該河川の存する市町村を統轄する市町村長が行います。
◇普通河川
一級河川、二級河川及び準用河川に指定されていない河川で、゛河川法゛の適用は受けず、法定外公共物の一つです。
管理は当該河川の存する市町村を統轄する市町村長が行います。

山地での地下水の賦存状況

地下水は、人間が生活するために欠くことのできないものです。

地下水は、飲用だけでなく、いろいろの使われ方をしていますが、土木的にみても地盤の性状に大きな影響を与えています。
地下水には、
①不圧地下水
②被圧地下水
があります。
不圧地下水は、自由面地下水とも呼ばれ、その水面が通気帯と直接接し、自由に上下できる地下水面を持つ地下水で、字の通り圧のかからない水です。
平野部の浅層での透水層はこの不圧地下水です。
これに対し、被圧地下水はその上限、下限が不透水性の地層で遮水でされ、地下水面を持たず大気圧以上の圧力を有する地下水です。
被圧地下水は、
・平野部では、不透水性(~難透水性)の粘土層等に覆われている深層の地層水
・岩盤中の裂力水
中に存在しています。
そして、土粒子の場合でも、岩盤の中でも、地下水が有るか無いかでその挙動は全く異なります。
したがって、岩盤力学、土質力学の重要な検討課題となっているだけでなく、構造物の施工時でも、地下水の有無や処理の方法が非常に重要な問題になっています。
地下水が土木に与える影響としては次のようなものがあります。
①荷重増加・・・・荷重増加は土が水を含むことによる単純な重さの増加なので、一般には重さが重くなると,安定に対する必要強度も増してきます。
②強度劣化・・・・強度は水を含むと多くの場合、粘着性または割れ目の摩擦抵抗が少なくなり、強度の劣化につながります。
③間隙水圧の増加・・・・間隙水圧の増加は土粒子間に水が含まれ、これが重力水として働き、間隙水圧が増加するため有効応力に変化を与えます。
④割れ目に対する揚圧力(又は横圧力)の増加・・・・割れ目に水が作用する場合はこれに働く水頭に等しい力が揚圧力(横圧力)として割れ目の面に作用します。
⑤化学変化・・・・化学変化は力学的な現象ではないのですが、土中に水が入ることにより、これと反応のしやすい物質は化学作用を生じ、質的な変化をもたらします。

地下水には、①不圧地下水、②被圧地下水がありますが、土木的な観点からは、両者は区別して考える方がよいと思います。
①不圧地下水
不圧地下水は、主として平野部での地下水であり、近似的には水平に胚胎し、水圧は静水圧的な平衡下にあるとみなすことができます。
したがって、地下水が存在する形態をみても、帯水層と加圧層の水平構造を考えています。
②被圧地下水
被圧地下水は、主として山地部での地下水であり、地下水面は傾斜し、高標高部からの進入と谷部での排出があるため地下水は常に流動し、静水圧的な平衡状態は保たれていません。
つまり、山地を形成しているのは、一般には岩盤などの固結度の高い岩石であり、このような岩石自体は新鮮な場合ははとんど透水性を持っていません。
したがって、山地部での地下水としては
・地表部の風化帯で岩石が土砂化し、これ自体が地下水を含むことができる部分
・岩盤内の割れ目帯など岩盤中の不連続面が開口している部分
・断層や破砕帯など岩石自体の組織が壊されて地下水を通す部分
・岩石の固結度が低く岩石自体が水を含みうる部分(極くまれに地下の空洞)
などに存在し、全地山に一様には存在していません。
したがって、地下水が存在する形態をみても、地表近傍の非固結帯水層中の地下水を除き、大部分は岩盤(非透水性物質)中の割れ目や断層などの裂力水として存在するのみです。
実際に、山地でのボーリング掘削では、掘進と共に徐々に孔内水位は低くなります。
でも、山地では、違う現象もあります。
例えば、斜面の下方部や谷底でのボーリング掘削では、掘進と共に徐々に水位は上昇したり、または自噴してくるといった現象になることもあります。
特に、火山岩等の透水性の大きな地山での調査ではしばしば出会う現象であり、土木的にも与える影響は大きいものです。
したがって、山地部での調査では、地下水に細心の注意を払う必要があります。
また、ボーリング調査は水を使って掘削を行うため、一時的にですが、地山の地下水の賦存状況を大きく乱してしまいます。
ボーリング孔の孔内水位は多くの場合は、人為的なものなので、自然の状態を示していません。
自然状態の地下水環境を知るためには、
・掘削の影響が無くなる十分な時間をとること
・地下水面(自由面地下水位)と箇所ごとのポテンシャル水頭は違うものであること
・孔内水位はこれらの相互関係と人為的な影響で現れる見かけのものであること
このことを充分にわきまえて調査する必要があります。

「地下水障害」について

地下水は、昭和20~30年代以降、深井戸の掘削技術や、地下水の揚水技術の発展とともに盛んに利用されるようになり、わが国の高度経済成長を支えてきました。
でも、都市への人口の集中や、産業の進展等に伴う過剰な地下水の揚水により、「地下水障害」と呼ばれるものが出てきました。
つまり、無秩序な都市開発や地下水利用などによって地下水の流動が阻害され、
①湧水の枯渇
②地下水位が上昇
③地下水位が低下
④地下水の流れが変わる
など、地下水環境が変化してきました。
このような地下水環境の変化が原因で、「地下水障害」になるのですが、主な影響として、
①地盤沈下
②塩水化
③植物への悪影響
④漏水や浮き上がり
⑤井戸涸れ
⑥液状化危険度増大
⑦凍上
⑧地下水流動阻害
などがあります。
特に、地下水の過剰揚水による地盤沈下については、関東平野南部では明治中期(1890 年代前半)から、大阪平野でも昭和初期(1930 年代中頃)から認められていました。
そして、昭和30 年以降(1955 年以降)は全国各地に拡大しました。
地盤沈下は、地下水の採取規制や表流水への水源転換などの措置を講じることによって、近年沈静化の傾向にあると言われています。
ただし、依然として沈下が続いている地域が多数存在しているところはあります。
そして、いくら過剰揚水をやめようと思っても、渇水時には水不足のために地下水の過剰揚水をしてしまいます。
例えば、松山市では人口密度があまり高くないので、中心地でも上水道の半分を井戸水で賄っています。
つまり、地下水が特に豊富でもない松山平野で、そして渇水になる時も多い松山平野で、毎日大量の地下水を揚水しているのは、地下に影響がないわけはありません。
今後においては、ますます上水道の利用が多くなってくると思います。
だから、地下水の保全や備蓄を各家庭単位で心がけ、持続可能で適切な地下水利用を図っていく必要があると感じています。
また、臨海部では、地下水の過剰採取によって帯水層に海水が浸入して塩水化が生じ、水道用水や工業用水、農作物への被害等が生じている地域もあります。
最近では、工場・事業所等での有害化学物質等の地下浸透が原因で、土壌汚染や地下水汚染も起こっています。
近年では、中国の無秩序ぶりがクローズアップされていますが、日本においても「隣町の火事」みたいに知らん顔しているほどのゆとりはないと思います。
地下水をめぐる諸状況はやはり危機なのです。
「地下水障害」をほうっておくと、近い未来の市民生活や生産活動に大きな影響があると思います。


古い地下水と新しい地下水

地下水にも「新しい水」や「古い水」といった区分があります。

いろいろな本によって、その定義に違いがありますが、一例としては、地下水年代が50~60年程度までが「新しい地下水」で、60年から50,000年までが「古い地下水」、5万年から10万年までが「大変古い地下水」と区分されています。
それでは、地下水が何年前の水か(雨として降ってから何年経っているか)を調べる方法はあるのでしょうか?
地下水の年齢の一般的な測定方法としては、福島原発で、今ではよく知られているトリチウムの濃度を測定することで判断できるそうです。
トリチウムは、知っての通り放射性物質です。
そして、トリチウムは、宇宙線の働きによって大気中で生成する天燃の放射性物質です。
宇宙線(うちゅうせん: Cosmicray)とは、宇宙空間を飛び交う高エネルギーの放射線のことです。
主な成分は陽子であり、アルファ粒子、リチウム、ベリリウム、ホウ素、鉄などの原子核が含まれています。
そして、地球にも常時飛来しています。
このようにして生成したトリチウムは大気中で雨や雪に溶け込み、降水として地上の降り、さらに地下に浸透して地下水になります。
トリチウムの半減期は約13年で、半分が放射能をもたない物質に変化します。
つまり、雨が地上に降って、地下に浸透してから、13年後にはトリチウム濃度が半分になります。
そして、26年後には4分の1になります。
このように、地下水のトリチウム濃度を測定して、現在の雨のトリチウム濃度と比較することにより、地下水の年齢を知ることができます。
ただし、この数10年、100年前から現在まで雨のトリチウム濃度は、過去の原爆実験の影響で一定でありません。
このことが、正確な年齢を出すことを困難にしています。
従って、現実には30年前、40年前といったはっきりとした年齢を出すことはできなくて、「60年より前の古い水」というのようなアバウトな表現になります。
測定は、水に含まれるトリチウムのもつ微弱な放射能であり、測定機関も限られています。
また近年では、トリチウムに代わり大気中のフロン類が地下水の年代を測る指標として利用されています。
フロン類は化学的に極めて安定な化合物であり、かん養された時の濃度が、地下水中でも維持されるために指標として有効です。
しかし1960年ごろから2000年にかけてほぼ直線的に増加してきた大気中のフロン類の濃度は、温暖化効果ガスやオゾン層破壊物質として製造禁止になったため、ゆるやかな減少傾向にあり、現在では指標としての有効性は低下しています。
それだけでなく、地下水の採取後に空気からのフロン類が溶け込み、正確なフロン類の測定にも問題があることも指摘されています。

トリチウムについては、当ブログで、「アルプスで除去できないトリチウム」の中で、福島原発では、放射性物質を含んだ汚染水の処理について苦慮し、その中で、汚染水を除去できると言われている多核種除去設備があることを紹介しています。
この設備は、アルプス(ALPS)と言い、原子炉の冷却に使った水から62種類の放射性物質を除去できるそうですが、そんな性能のいい設備機器であるアルプスでもトリチウムは取り除けないことを紹介しました。
このような判断のもとでは、地下水は「古い水」の方が人体には危険が少ないのかも知れません。
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