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アイスランドの噴火について

以前にもブログで紹介していましたが、世界有数の火山国として知られる北欧アイスランドで12月18日、噴火が発生しました。

噴火したのは南西部にあるグリンダビークという町の近くで、この一帯では、およそ2か月にわたって地震が相次ぎ、政府が立ち入りを規制するなどして警戒が高まっていました。
アイスランドの気象当局の話だと、18日夜、アイスランド南西部の町グリンダビークの北東、およそ4キロの内陸部で噴火が発生したそうです。
現地からの映像では、地面の割れ目からオレンジ色の溶岩が勢いよく噴き上がっている様子が確認できました。
一帯では、先のブログでも紹介しているように、10月下旬以降、地震が相次ぎ、道路に亀裂が走ったり地面が陥没したりしたことから、当局は噴火のおそれが高まっているとして11月10日に非常事態を宣言して立ち入りを規制し、グリンダビークの町民およそ4000人は避難しています。

近くにある観光名所の温泉施設「ブルーラグーン」も休業を余儀なくされていましたが、今月17日に営業を再開したばかりでした。
それが、今回の噴火を受け、再び営業を見合わせることを発表しました。
アイスランドでは、2010年に起きた火山の大規模な噴火によって火山灰がヨーロッパ上空の広い範囲に広がり、各地の空港で合わせて10万便以上が欠航しました。
今回の噴火についてアイスランド当局は「交通障害の可能性を完全に排除することはできないものの、科学者たちはそのシナリオは起きにくいと考えている」としています。
噴火によって4キロメートルにわたる亀裂が生じ溶岩が噴出したのですが、気象当局によると亀裂の最南端部分は同地域の唯一の町であるグリンダビークから3km離れています。
地質学者のビョルン・オッドソンさんは公共放送RUVに「溶岩はグリンダビークには向かわない」と語っています。
したがって建物などへの被害は避けられるとの期待が高まっています。
アイスランド政府は声明で「噴火は生命を脅かすものではない」と指摘し「アイスランドを発着する航空便に支障はなく、国際便の航路は開かれている」と説明しました。
ただし、町までわずか3kmしか離れていない場所で溶岩が激しく噴き上がる吹き上がる様子を見て、あらためて自然の脅威を感じ.るそうです。
防災当局は、今のところ町への差し迫った危険はないとしているが、風向きによっては、首都レイキャビクなどに火山ガスの影響が及ぶ可能性も指摘しています。
気象庁よると、噴火は次第に弱まってきているということですが、再び激しくなるおそれもあるとして、住民に警戒を呼びかけているそうです。

アイスランドは、北米プレートとユーラシアプレート、2つのプレートの堺に位置する島国で、日本の約4分の1の広さの国土に32の活火山が存在するなど、日本との共通点も多い国です。
今後の噴火の影響について、北海道大学の青山教授は、「火口の位置と活動の継続期間がポイント。街に近い場所に新たな火口ができれば、深刻な被害が及ぶ可能性がある。海岸に近い場所に火口ができれば、溶岩が海水と接触し、爆発的な噴火となる場合もある」と指摘しています。
火山国の日本も他人ごとではないですね。
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アイスランドの火山活動について

アイスランドで火山活動が活発化しています。
レイキャネス半島では2021年、800年ぶりに噴火が始まったのですが、今月に入って地面に亀裂が入るなど、被害が拡大しています。
半島の南端にある町のグリンダヴィークでは1メートル以上陥没した場所もあり、住民全員が避難しました。
現在、アイスランド最大のブルドーザーがこの小さな町に向かい、溶岩が主要な建物を破壊するのを食い止めるため防護壁を築いています。
一方、科学者によれば、この地域は数十年にわたり火山活動が不安定になる可能性があるとのことです。
マグマは、数百年前の亀裂の下を流れていると考えられています。
アイスランドで最も有名な観光名所のひとつであるブルーラグーンも、今月末まで閉鎖される予定です。

11/14(火) のニュースでは、アイスランドが火山が噴火した場合に備える中、南部で13日に約900回もの地震が発生したと発表しました。
同地域ではここ数週間では数万回の揺れが観測されているそうです。
そして、地下のマグマの圧力で道路に亀裂が入り、建物が傾き始めています。
溶岩が地表に向かう中、科学者は懸念を強めています。
アイスランド気象当局のマシュー・ジェームス・ロバーツさんは、「今回の貫入は長さが15キロもある。この貫入には、毎秒数千立方メートルの溶岩マグマが流れ込んでいた。現在、この貫入は地表のすぐ下に位置している。15キロの距離にわたって、溶融したマグマが広がり、実際に海岸沿いの町グリンダビークの中と地下を通っている」と言っています。
グリンダヴィークの町の住民3800人全員が、週末に自宅から避難しました。
ただし、大半は友人や家族の家に身を寄せており、避難所にいるのはわずか50─70人だそうです。
地元住民のハンス・ベラさんは、地震には慣れていそうですが、「安定することはなく、常に揺れていたので、眠ることも何もできなかった。だから『これは普通ではない』と感じた」「救助隊の大きな車があり、20人警察官がいて、ライトが点滅している。とにかく非現実的で、まるで戦場か何かのようだ」と話していました。
当局は、マグマが地表を突き破り、町や地熱発電所に被害が及ぶ可能性を懸念しています。
前出のロバーツさんは「リスクの観点からの大きな懸念は、マグマが地表に出てきて割れ目噴火を起こす可能性があるということだ。ハワイのような溶岩を生成する火山噴火で、これは長い亀裂が生じる可能性がある」と語っていました。
その上で「噴火が起きるのか、起きた場合、どのような被害が出るのか、というとてつもない不確実性を、私たちは今抱えている」と話していました。
レイキャネス半島は火山地帯で地震多発地域です。
7月にも火山活動が観測されていました。
2021年3月には、地上の長い亀裂から溶岩が大きく噴き出した記録もあります。

京都大学防災研究所火山活動研究センター長の教授である井口正人さんによると、アイスランドはプレートの境界に位置していて、日本周辺と比べてマグマの噴出量が多い傾向があるそうです。
今回は街のすぐ近くでマグマが上昇して地殻に入り込む「貫入」が発生しているとのことです。
井口さんは、「溶岩流が噴出して街に到達すれば、街全体が壊滅するかもしれない。人的被害が出る可能性もある」と指摘しています。
その上で、井口さんは今回のマグマの貫入が海域に及んでいる点に注目しています。
マグマと海水が接触することで爆発的な噴火になり、大量の火山灰が出る可能性があるそうです。
空路に大きな影響を与えた2010年4月の噴火同様、「ヨーロッパの空路がまひ状態に陥るかもしれない」と警鐘を鳴らしています。

アイスランドは、日本と同じくプレートがあります。
日本列島周辺には、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの4枚のプレートが相接しており、それらの境界が日本海溝、相模トラフ、南海トラフとなっています。
太平洋プレート及びフィリピン海プレートは、毎年数cmの速さで西に動き日本列島の下に潜りこんでいます。
これによりユーラシアプレートなどの大陸プレートの端が引きずり込まれ歪みのエネルギーがだんだん蓄積されていっています。
プレートの動きが地震につながると言われており、それぞれが押し合ったり重なり合ったりして、これが日本で多くの地震を引き起こす原因になっています。

アイスランドはユーラシアプレートと北アメリカプレートの2枚のプレートがあり、島内に広範囲にわたる 火山活動と地熱活動が盛んな地域がありますが、ユーラシアプレートと北アメリカプレート のプレート境界を示す大西洋中央海嶺に関係した リフトがアイスランドを南西から北東にかけて横切っています。
ユーラシアプレートは、東シベリア、インド亜大陸、アラビア半島の3地域を除くユーラシア大陸の地殻及びマントル上方のリソスフェアを形成する大陸プレートです。
北アメリカプレートは、アイスランド西部、グリーンランド、北アメリカ大陸および東シベリアから東日本にかけての地殻及びマントル上方のリソスフェアを形成するプレートです。
アイスランドは大西洋中央海嶺の上に位置しているそうです。
この海嶺は北アメリカプレートとユーラシアプレートが分離する海洋底の裂け目ですが、アイスランドではそれが海面の上で見られる場所です。
毎年2~3cmの速度で離れていき、それぞれのプレートは日本の海底あたりで潜り込んでいるそうです。
そのため、プレートの境目があるところに火山が多いそうです。
ミーヴァトン湖に近いところでも“ギャウ”と言われる裂け目が見られます。
固い岩盤のように見えますが意外と粘土質の柔らかい地質だそうです。
アイスランドの南西部にあるシンクヴェトリル国立公園では、もっと規模の大きな地上の裂け目を歩いたり、湖底の裂け目をダイビングで楽しむことができるそうです。

いずれにしても、日本との関連が多い地震国です。
未曽有の災害が起きないように祈るばかりです。

桜島の噴火で噴火警戒レベル5

桜島が噴火しました。

24日午後8時5分ごろ、桜島の南岳で爆発的な噴火が発生し、大きな噴石が火口から約2・5キロに飛散しました。
気象庁は噴火警戒レベルを3(入山規制)から最も高い5(避難)に引き上げました。
桜島の噴火活動に詳しい京都大学火山活動研究センターの教授である井口正人さんは、一夜明けた25日の状況について、「今の活発な噴火活動が始まった1950年代以降、現在までの67年間に、レベル5への引き上げに相当する噴火はおよそ20回起きている」と指摘したうえで、今回の噴火について「地盤変動や地震動、あるいは空気振動といった、いくつかの要素を見たときに、桜島でいえば、とりわけ小さいものでも大きいものでもない、普通の爆発だと認識している」と評価しました。
そのうえで今後の見通しについては「全体としての活動は67年間の桜島の南岳の状態を見ても依然として低い状態だと評価している。若干収縮気味で動いていて、噴火もやや増えているので、今の感じであればだんだんと収まっていく方向にいっていると見ている」と指摘しました。

桜島の噴火について、京都大学の名誉教授である石原和弘さんは「最近の桜島の火山活動の中では規模の大きいクラスの噴火で、噴石が2.5キロ付近を超えたことから気象庁は噴火警戒レベルを『5』に上げたと思われるが、桜島ではこれまでも同様の噴火は過去にも発生している」と述べました。
また、桜島で今月に入り、山体膨張を示す地殻変動が観測されていたことについて「今回の噴火で山体がある程度、収縮するものと考えられるが、噴煙が収まったあとに再び山体が膨張するようであれば今回と同じ程度の規模の噴火が起きるおそれがあるため、今後の活動に警戒が必要だ」と話していました。

桜島は、姶良(あいら)カルデラ(南北17 km、東西23 km)の南縁部に生じた安山岩~デイサイトの成層火山で、北岳、中岳、南岳の3峰と  権現山、鍋山、引ノ平などの側火山からなり、人口が密集する鹿児島市の市街地に近接しています。
有史以降の山頂噴火は南岳に限られるのですが、山腹や付近の海底からも噴火しています。
「天平宝字」「文明」「安永」「大正」の噴火はすべて山腹噴火であり、プリニー式噴火で始まり、火砕流の発生、多量の溶岩の流出と推移しました。
「昭和」噴火も山頂火口そばの斜面で発生し、溶岩を流出しました。
1914年(大正3年)の噴火前、桜島は鹿児島湾内の火山島であったのですが、大正噴火で流出した溶岩により大隅半島と陸続きになりました。
現在は東西12.2 km、南北9.5 km、周囲52 kmの不規則な楕円形の小半島となっています。
南岳山頂火口は1955年(昭和30年)10月の爆発以来今日まで長期間にわたって活発な噴火活動を続けており、噴出物(火山ガス・火山灰・火山礫・噴石など)や 爆発時の空振、また、二次災害としての土石流などにより各方面に被害を及ぼしています。
南岳の東山腹8合目に位置する昭和火口は、2006(平成18)年6月に58年ぶりとなる噴火活動を再開し、2008年以降活発な噴火活動が継続しています。
令和になってからの噴火では、令和2年に噴火があり、噴火場所は南岳山頂火口でした。
南岳山頂火口では、噴火活動が 2月頃から8月頃まで低調でしたが、9月以降、再び活発な状態となりました。
7月28日17時25分の爆発及び同日17時54分の噴火で、それぞれ多量及びやや多量の噴煙が火口縁上 3,800m及び 3,500mまで上がりました。
火口から北側の鹿児島県霧島市、湧水町及び熊本県の一部などで、降灰を確認しています。
弾道を描いて飛散する大きな噴石は最大で4合目(南岳山頂火口より 1,300~1,700m)まで達しました。
また、同火口では火映を時々観測しました。
年間爆発回数は、228回(すべて南岳山頂火口)でした。
令和3年の噴火でも、噴火場所は南岳山頂火口でした。
南岳山頂火口では、噴火活動が 2019 年9月以降活発となり、3月から6月にかけて噴出規模の大きな噴火の頻度が増加し、噴煙高度が火口縁上3,000mを超える噴火の頻度が増加しました。
6月4日02時59分の爆発では、大きな噴石が火口より約3kmの地点まで飛散しているのを確認しています。
大きな噴石が火口から3kmを超えて確認されたのは、1986年11月23日以来でした。
7月頃には、噴火回数が減少し噴火活動は低下したのですが、8月以降、噴火活動は緩やかに活発化の傾向で、8月9日05時38分の爆発では、多量の噴煙が火口縁上 5,000mまで上がり、鹿児島市、姶良市、霧島市、湧水町及び宮崎県と熊本県の一部で降灰を確認ししました。
昭和火口では、噴火は観測されませんでした。
桜島の噴火は、すべてブルカノ式噴火・連続噴火で、年間爆発回数は、221回(すべて南岳山頂火口)でした。
このように毎年200回以上噴火は観測されています。

桜島は、約26,000年前の誕生以来17回の大噴火を繰り返してきました。
その噴火活動は、大きく2つの時期に分かれています。
最初は北岳(御岳)の活動です。
誕生以来たびたび噴火し、約5,000年前に活動を休止しました。
なかでも、約12,800年前の噴火は規模が大きく、鹿児島市街地で約1ⅿ、鹿児島県のほぼ全域で約10cmの軽石が降り積もりました。
約4,500年前からは南岳の活動がはじまります。
あとから誕生した南岳は、北岳に覆いかぶさるように成長し、現在まで活発な活動を続けています。
歴史時代に入ってからは、天平宝字(764年)、文明(1471年)、安永(1779年)、大正(1914年)と4回の大噴火を起こし、そのたびに島は形を変えてきました。
大正噴火では大量の溶岩が流れ、先に述べたようにそれまで島だった桜島と大隅半島は陸続きとなりました。
昭和の噴火(1946年)は、溶岩を流した最後の噴火です(爆発的な噴火を伴わなかったため、17回には含まれません)。
その後、1955年からは火山灰の噴出を繰り返す噴火活動がはじまり、今日まで活動が続いています。
現在は、南岳の山頂火口もしくは南岳東側斜面の8合目付近にある昭和火口のどちらかが爆発を繰り返しています。

今現在の桜島では、山体膨張は概ね停滞しているそうで、現在のところ規模の大きな噴火が発生する兆候は認められないとの気象庁の発表です。
ただし、今後も同程度の噴火が発生する可能性があるため、南岳山頂火口及び昭和火口から概ね3km以内の居住地域(鹿児島市有村町及び古里町の一部)では、大きな噴石に厳重な警戒(避難等の対応)をしてくださいとの事です。
噴火に慣れている鹿児島の人たちでも、さすがに最も高い5レベル(避難)に引き上げたのには驚いたことでしょう。
一日も早く普段の生活に戻ることを願っています。

「プラウドマン共鳴」の不思議

またまたトンガのフンガトンガ・フンガハーパイ火山の噴火について調べてみました。

1月15日(土)13時10分ごろ(日本時間)トンガ火山が噴火しました。
この噴火に関連して、気象庁は当初「津波による被害の可能性は低い」として津波注意報などの発表は見送っていました。
ところがその日の20時30分ごろになると、日本各地で津波とは思えない潮位上昇が起こり、23時55分にはついに奄美大島で1メートル20センチ、岩手県久慈港でも津波警報の基準値に近い1メートル10センチの潮位上昇を観測するにいたりました。
これを受けて気象庁は急遽、津波注意報と津波警報を発表したわけですが、今回の海面上昇は本来の津波とは異なる現象で、これを「津波」として扱っていいのかどうか、前代未聞のことにおそらく気象庁の担当者は、逡巡してこの津波警報を発表したものと思われます。
フンガ・トンガ フンガ・ハアパイでの大規模な噴火の後、太平洋の島々や沿岸部では津波が観測されています。
▽チリでは1.7メートル、
▽アメリカ・カリフォルニア州で1.3メートル、
▽アメリカ・アラスカ州で1メートルなどです。
約8000キロ離れた日本でも
▽鹿児島県奄美市で1.2メートル、
▽岩手県久慈市で1.1メートル
を観測しました。
一方で、トンガに近いミクロネシアの島々では、10センチから30センチの津波という情報でした。
現在では、トンガの島では局所的に3~15メートルという情報もあります。

トンガから遠い場所で津波が高くなった原因について、注目されているのが「気圧の変化」です。
フンガ・トンガ フンガ・ハアパイで起きた噴火は規模も大きく爆発的だったため、急激な空気の膨張などで周辺で気圧が変化し、それが「大気の波動」として広がりました。
気象衛星「ひまわり8号」の撮影した画像を元に分析すると、噴火で発生した大気の波動が、同心円状に世界中に広がっていく様子がわかります。 
大気の波動が伝わる速度はおおむね「音」と同じ速さで、波動が伝わった場所では気圧が低下したことが確認されています。
これが日本での津波到達の速さに影響したとみられます。
今回は通常の津波ならば、およそ8000キロ離れた小笠原諸島の父島まで到達するのにおよそ9時間かかると予測されていました。
しかし、実際に潮位の高まりが観測され始めたのは、噴火の7時間後にあたる15日の午後8時ごろで、予測より2時間ほど早くなりました。
これは大気の波動が日本に伝わった時間とほぼ一致していて、この大気の波動による気圧変化の影響で潮位が上昇したとみられています。
こうした気象現象によって起きる津波は「気象津波」と言われます。
さらに、潮位が高くなった理由について、津波や気象による海面変動を研究する鹿児島大学の准教授である柿沼太郎さんは「プラウドマン共鳴」という
▽気圧変化が起きる場所が移動する速度
▽気圧変化によって生じた波が移動する速度
が近くなり、波が増幅されて高くなる現象が起きた可能性があると指摘しています。
こうした潮位の変化は「あびき」や「副振動」とも言われています。
今回、気圧変化をもたらした大気の波動は音の速さに近い一方、津波の速度もマリアナ海溝など水深の深い海域では音の速さに近づくため、柿沼さんは「プラウドマン共鳴」が起きたと考えられています。

考え方はいろいろあります。
例えば、気象庁の考え方として、「トンガで噴火はあったけど、太平洋の観測状況から津波が来ることは考えにくい。しかし目の前で原因不明の潮位上昇があるのだから、津波では無いけれども津波警報で警戒を呼びかける」というものだと理解できます。
では津波で無いとしたら、何が起こったのでしょう。
津波とは何なのか調べてみました。
津波の「津」は船が着くところで港を意味するそうです。
日本の地名で津が付くところは大津にしても唐津にしても、たいてい港を意味しています。
その港にやって来る波が津波の語源だそうです。
港は本来、波が来ないように工夫して造ったところですから、そこに波がやってくるのは昔から特別な現象だったのでしょう。
海面が上がる原因は大きく分けて三つあります。
一つは風によって起こる「高波」で、この高波が遠くまで届いたのが「うねり」です。
二つ目が台風などの気圧低下によって海面が吸い上げられる「高潮」です。
高潮は海面全体が盛り上がる状態で、しかも高波と一緒にやってくることが多いですから、大きな被害をもたらします。
そして三つめが地震などによる「津波」です。
津波が他の波と違うのは、海底陥没(隆起)などによって海全体が変化するので、すさまじいエネルギーをもっていることです。
高波は波長も短く海の表面だけの変化ですが、津波は波長が長く、海全体の変動です。
沖で波が穏やかに見えても陸地に近づくと破壊的な勢いで陸地の内部にまで押し寄せることもあります。
そこで今回やってきた「津波」ですが、まだ気象庁から正式な発表はないものの、東北大学の今村教授らによると、潮位上昇の主たる原因が空振(くうしん)と呼ばれる、大気の変動だったようです。
これだと本来の津波(海底起因)と性質が違っていて、移動速度が速く、また潮位変化も津波とは異なります。
トンガで噴火が起きたのは13時10分、その7時間20分後の20時30分に東京の気圧が2hPa上昇し、各地で気圧の変化が観測されました。そしてちょうどその頃、あちこちで津波にしては早すぎる潮位変化が観測され始めていました。
トンガから日本までの距離8000キロ、それを7時間20分で割ると、時速およそ1100キロの速さでトンガの異変が日本に到達したことになります。
通常の津波だと時速700~800キロ(水深4000メートルの場合)くらいですから、津波ではあり得ないようなスピードで日本にやってきたことになります。
しかもこの潮位異常は、太平洋の島々の観測所では10~30センチくらいの小さな変化しかもたらしていません。
本来の津波なら、日本に接近するほど勢いが弱くなり潮位も低くなるのですが、今回は日本近海で潮位が高くなりました。
こうして、本来の津波の知見とは異なる現象に、気象庁はとまどいながらも、防災を優先し「津波」として警戒を呼び掛けたというのが事実に近いでしょう。
もうひとつ、今回の潮位変動で不思議な事がありました。
NOAA(アメリカ海洋大気庁)によると、カリブ海でも数十センチの潮位異常が観測されました。
トンガ噴火で発生した潮位異常がもし津波なら、カリブ海と太平洋は陸地でへだてられていますから、その陸地を越えて津波が届くはずはありません。
ただこれが空振(空気の振動)だとすると、陸地を越えてその振動はカリブ海に伝わり、そこから潮位が上がっていく事は十分に考えられるそうです。
また、いったん圧力による潮位変動が作られると、その圧力の変化の伝播と波の位相が作用しあい、長い距離を伝わっていくうちに潮位が増幅されていくことは物理的に知られています
これが先に述べた「プラウドマン共鳴」です。
ということから今回の一連の潮位変動は、噴火による大気の衝撃のようなものが原因の一つだったことは間違いないと思われ、少なくともこの100年では、過去に事例の無い出来事だそうです。

今回の津波は、大気の波動による気圧の変化だけでなく、噴火に伴うカルデラの陥没や海底地滑りなど、海底の地形が変わったことで発生した波が、さらに津波を高くした可能性も指摘されています。
しかし、火山周辺を調べないと分からないことが多く、謎の多い今回の津波について、多くの専門家が今後さらに詳しい調査や分析を進めることになると思います。

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津波の高さの不思議です。

災害の要因となる主な火山現象

トンガのフンガトンガ・フンガハーパイ火山の噴火では、大変な災害となっている様子ですが、災害の要因となる主な火山現象には、大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流、溶岩流、小さな噴石・火山灰、火山ガス等があります。
 特に、大きな噴石、火砕流、融雪型火山泥流は、噴火に伴って発生し、避難までの時間的猶予がほとんどなく、生命に対する危険性が高いため、防災対策上重要度の高い火山現象として位置付けられており、噴火警報や避難計画を活用した事前の避難が必要となっています。
ここに主な火山現象について調べてみました。

①大きな噴石
噴石とは火山の火口から噴き飛ばされてくる石を噴石と言います。
ふつう数センチ位の大きさですが、大きい物では1メートルを超え、小さい物でも勢いよく飛んでくると家の屋根や壁を突き破る事があります。
火口から2キロ以内に飛んでくる事が多いのですが、風に乗ってもっと遠くへ飛ぶ場合もあります。
「大きな噴石」とは、概ね20~30cm以上の、風の影響をほとんど受けずに弾道を描いて飛散する噴石のことだそうです。
噴火に伴い風の影響を受けずに弾道を描いて飛散するものは、避難までの時間的猶予がほとんどなく、生命に対する危険性が高いため、防災上の観点から、「大きな噴石」と呼んでいるそうです。

②火砕流 (pyroclastic flow)
火砕流とは、火山現象で生じる土砂移動現象の一つで、火山灰、火山ガス、溶岩片などが一団となり、高速で山の斜面を流れ下る現象のことです。
一般に高温で、最高時速150キロメートルを越えることがあります。
火砕流は、安山岩、デイサイト、流紋岩など粘り気の高いマグマの噴火によってできた火山で発生することが多いのですが、玄武岩の火山においても発生することがあります。
気体と固体粒子からなる空気よりもやや重い密度流で、「熱雲」「軽石流」を含めて「高温のマグマの細かい破片が気体と混合して流れ下る現象」の総称です。

③融雪型火山泥流
融雪型火山泥流は、雪が積もった火山で、噴火に伴う火砕流などの熱によって雪が融けて大量の水が発生し、土砂や岩石を巻き込みながら、高速で斜面を一気に流れ下る現象のことです。
流速は時速数十kmに達することがあり、谷筋や沢沿いを遠方まで流下することがあります。
積雪期の噴火時等には融雪型火山泥流の発生を確認する前に避難することが必要となります。

④溶岩流 (lava flow)
火山の噴火に伴って、地下のマグマが液体の溶岩として地表に噴出し、流下する現象、およびその結果、地表に残された地形のことで、高温でドロドロに溶けた溶岩(マグマ)が斜面を流れ下る現象です。
高温な溶岩に触れた木は燃え、沼地や川に溶岩が流れ込むと水蒸気爆発を起こします。
速度は遅く、流れている間に先端が冷えて固まりガラガラと崩れながら押し寄せてきます。

⑤小さな噴石・火山灰
降灰とは噴火によって火口から空中に噴出された「火山灰」や「小さな噴石」が地表に降下する現象ですが、直径2mm以下の細かい物を「火山灰」、直径数cm程度の風の影響を受けて遠方まで流されて降るものを「小さな噴石」と呼んでいます。
1932年にアメリカのウェントワースC. K. Wentworthらが定義したそうで、「火山灰」を火山砂(さ)と狭義の火山灰に細分することがあり、気象庁は直径0.2mm以下を火山灰としているそうです。
また、広義の「火山灰」の同義語として火山塵(じん)の語を使う人や、「火山灰」を火山灰(直径0.2mm以上)と火山塵(直径0.2mm未満)に細分する人もいるそうです。
つまり、火山砂、火山灰、火山塵の使い分けは学界でも一定していないそうです。
「火山灰」には、地下のマグマに直接由来したもの、同じ火山体を構成していた岩石の砕片、さらに、その火山とは無縁の基盤岩の砕片などがあります。
降灰予報とは、日本において、火山の噴火により広い範囲に「火山灰」や「小さな噴石」が降ることが予想されるときに発表される予報のことです。
国内すべての火山を対象として、気象庁が2008年3月31日から発表を開始しました。
気象庁が火山活動に関して発表している噴火警報や噴火予報とは別の情報として発表されています。
また、このほかには火山ガス予報があります。

⑥火山ガス
地下のマグマに溶け込んでいた揮発性成分が、気体となって地表に噴出するもののことです。
火山の噴火はその圧力を原動力として引き起こされ、それに伴って溶岩などが噴出します。
固形物を伴わずにガスだけを放出するのを噴気と呼んでいます。
「火山ガス」は、平常も火口、噴気孔、温泉などから徐々に噴出されることが多いのが特徴です。
「火山ガス」の主成分は水蒸気であり、水の沸点以下の温泉ガスを除くと、95~99.5%をも占めています。
そのほか、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素、塩素、フッ素、窒素、水素などのいくつかを含んでいます。
噴気の温度・量や組成の変化は、噴火予知の手掛りになりうるそうです。
噴気孔には、火山ガスから凝固・析出した種々の昇華物ができていることが多く見られます。
気象庁が火山活動に関して発表している情報として火山ガス予報があります。
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