電気伝導度について

水文調査でよく使う電気伝導度について調べてみました。

電気伝導度(EC・electric condacttivity)とは、電気の通りやすさを示す指標です。
電気伝導度観測は以下の点で役立ちます。
①流域の大まかな水文地質特性
②地下水系統の異なる水の判定
③水質変化の監視
④異種の水塊における混合等の把握
単位は、μS/cmをよく使います。
これを1mS/mに換算すると、1μS/cm=10^-6S/10^-2m=10^4S/mとなり、1mS/m=10^-3S/mで、10^4S/m<10^-3S/mとなるそうです。
これにより1mS/mの方が1μS/cmより10倍大きくなるようです。
日本の天然水の一般値としては、
・雨水・・・・10~30μS/cm
・上流のきれいな河川・・・・110μS/cm
・下流の汚れた河川・・・・200~400μS/cm
・海水・・・・45000μS/cm
です。
海水の値が真水よりも異常に大きい値を示すので、塩水による地下水追跡にも使うことができます。

電気伝導度と同じような言葉で、電気伝導率がありますが、これは違うものです。
違いとしては、JIS K0130によると、
①電気伝導度・・・・電解質水溶液で満たされた電極間の電気抵抗の逆数。
②電気伝導率・・・・ 面積1平方メートルの2個の平面電極が1メートルで対向している容器に電解質溶液を満たして測定した電気抵抗の逆数で、 「導電率」とも言います。
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地下水の流向流速測定

地下水の流向流速測定にもいろいろな方法があります。

大きく分けると、
①単孔式
一つの測定孔で観測を行う方法で、熱中性子検出法、電位差法、熱量法、テレビ法、レーザー法などがあります。
②多孔式
複数の測定孔を用いて観測を行う方法で、トレーサー法、水位測定法などがあります。
それぞれの方法の特徴について、以下の表にまとめました。

測定方法測定原理長所短所










ホウ素を測定区間内に注入し、指向性を持たせた中性子検出器にて各方向のホウ素濃度を観測します。ホウ素濃度の希釈状況の変化から流速と流向を求めます。
ホウ素は熱中性子を好んで取り込む性質があり、トレーサーとして利用できます。
幅広い流速範囲で測定可能です。(3×10-5~1×10-1cm/s)装置が複雑です。

大きい孔径が必要です。(観測孔径φ80mm)

地下水の水質を変化させてしまいます。




地下水と比抵抗の異なる溶液(蒸留水、食塩水等)を測定区間内に注入し、測定器の円周上に設置された電気抵抗検出器にて電気抵抗を観測します。
注入溶液の希釈状況の変化から流速と流向を求めます。
 幅広い流速範囲で測定可能です。(1×10-5~1×10-2cm/s)

流向の精度が高いです。(±7.5°)

装置が複雑です。
地下水の電気伝導率により測定できない場合があります。
最大測定時間が大きく、 やや大きい孔径が必要です。(φ75mm~φ100mm)



測定器に内蔵したヒーターにより地下水をあたため、測定器の円周上に設置された温度センサにて地下水の温度を観測します。
地下水の温度変化から流速と流向を求めます。
現在では最もよく用いられている方法です。
地下水が懸濁していても測定ができます。

比較的小さい孔径で測定できます。(φ50mm以上で測定可能)

短時間で測定ができます。(1箇所あたり約2時間)
適用できる流速範囲が狭いです。(0.01~1cm/分
=1.6×10-4~1.6×10-2cm/s)



測定器に赤外線カメラを内蔵し、地下水中を移動する微粒子を観測します。
微粒子の移動速度、方向から流速と流向を求めます。
小さい孔径から測定できます。(φ40mmより測定可能)
機材にも依るが、速い流れでも測定できます。
映像をビデオなどに記録でき、後で再測定することができます。
地下水が懸濁していると測定できません。






レーザー光により干渉縞を発生させ、粒子が干渉縞を横切る周期から流速と流向を求めます。深い深度(200m)まで測定可能です。

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食塩水などのトレーサーをある孔に投入し、その周辺に設置された複数の観測孔でトレーサーの到達時間を測定することによって、流速と流向を求めます。測定孔間の実際の地盤状況を反映した測定値が得られます。水位変動による影響が大きいのが特徴です。
流速が遅いと非常に時間がかかります。
観測孔の配置が粗い場合、測定値が得られません。
地下水の水質を変化させてしまいます。





複数の観測孔で同時に水位を測定し、その水位差から流速と流向を求めます。一度観測孔を設けてしまえば、測定は簡便で、何回でも測定可能です。対象帯水層の透水係数がわからなければ流速が求められません。
できるだけ同時に水位を測る必要があります。

流量の測定について

流量の測定方法について調べてみました。
 
(1)流量測定を行う目的
地表水の流量は、流域、降水量、蒸発量や地下水との流出・流入量などによって変化しています。
このため、流域や降水量などがわかっている場合では、地表水の流量を測定することで、地下水の流出・流入量を想定することが可能となります。
地表水の流量は降雨時の土壌の飽和度や中間流出までの時間的な速さなどの要因によっても変化しますが、直接的な測定ができない地下水の流出・流入量を想定し、地質との関連を検討するために、有効な手段となります。
特に、岩盤が露出し地下水への流入がほとんどない条件で長期間にわたり降雨がない場合には、地下水の流出のみ(基底流量)となり、地質と地下水量の関係を把握しやすくなります。
地質調査の観点から、地表水の流量測定を行う目的として、
①地質区分と水理地質や地下水の関係の把握
②地表水の帯水層への涵養量の推定、或いは帯水層から地表への流出量の推定
③断層などの地下水の供給源の推定
といった内容が挙げられます。
これは、地質調査のなかでも水文調査の項目になりますが、具体的には、
①トンネルや大規模な切土などを対象とする土木工事で問題となる地下水調査
②岩盤地帯での地下水探査

などのような適用事例となります。
 
(2)流量の測定方法について
ここで、当社が行っている小規模な河川や渓流などでの地表水の流量測定方法を紹介します。
測定手法として、
①容器法(直接計測法)
②流速計法
③堰法
④投入試薬の希釈度の測定(塩分希釈法)
が挙げられ、各々の測定方法や適用条件などについて下表にまとめました。

表1 地表水の流量測定手法
測定方法概要適用条件備 考
1.容器法渓流を土嚢や粘土などにより止水し、VP管などを通して流下させ、流量を直接測定する方法です。直接的な測定であり精度は高いが、流量が多い場合は測定が困難です。簡易な方法では地表水の完全な捕捉が難しくなります。
2.流速計法通水断面を測量により作成し、流速計により数ヶ所の流速を測定し流量を求める方法です。
流速計で測定できないような浅い断面では浮きを使用することもあります。
流量が多い場合に適していますが、逆に水量が少ない場合には、測定が難しく精度が悪くなります。
また、流速が通水断面内で大きく変化する条件では精度が悪くなります。
容器法や堰法に比べると、流速計の精度が問題になります。
3.堰 法河川や渓流の途中に三角堰や四角堰を設置しノッチ高を測定する方法です。
流量の少ない場合には三角堰、多い場合には四角堰を設置しますが、四季で変動の大きい所には適していません。
玉石の分布地での堰の設置は困難です。
砂や礫などの堆積物が分布する場合、地表水が地下へ浸透しやすくなります。
岩盤での堰の設置は、コンクリートでの施工となり手間や経費はかかりますが、浸透水がないので精度は高くなります。
一般に堰は常時設置するため、簡易な構造の場合には、豪雨時に破損する可能性があります。
4.塩分希釈法一定時間、定量の食塩水を継続的に渓流に投入し、下流側にて電気伝導度を測定し、流量を計算にて求める方法です。流量の多寡によらず、比較的簡易に測定可能です。食塩以外の試薬もありますが、食塩を利用することがほとんどです。











































地下水盆について

地下水盆という言葉があります。
この言葉は、地下水に携わっている人たちは使っていますが、一般には使わないので専門用語だと思います。

(1)地下水盆とは
この地下水盆(Groundwater Basin)ですが、とは、簡単に言うと、地下水が入っている「お盆」、すなわち地下水の「容れ物」のことです。
この「容れ物」ですが、バケツなどのように単純なものではありません。
地下水は、地層や岩盤の中の「飽和帯」と呼ばれる水で満たされた空間に存在する水のことですから、地下水の「容れ物」は、地層や岩盤からできています。
そして、大規模な「帯水層」もしくはいくつか「帯水層」を包括したものです。
一般的に、「帯水層」とは、地下水を含む地層のことを呼んでいますが、厳密に言うと、「地層や岩盤を構成する粒子間の空隙・間隙が大きく、地下水によって飽和されており、我々人類が利用できる水を産出することができる地層や岩盤」のことだそうです。
松山平野を考えてみると、扇状地の平野ですが、基盤岩と呼ばれている岩盤とその上の地層との境界は鍋底のような形をしています。
基盤岩を構成している岩盤はおおむね緻密で硬く、割れ目も少ないので地下水が浸透しにくい状態になっています。
そこで、深くしみこんだ地下水は、上の地層のなかにどんどん溜まっていくようになります。
このような地下水を大量に貯留するような地下構造を「地下水盆」といい、松山平野のみならず、平野と呼ばれているところの地下は大きな「地下水盆」になっていると考えられています。
但し、地下水は「地下水盆」がどんなに大きくても、渇水が長く続いたり、過剰揚水などの人的要素などで、地下水の急激な低下を招いたり、枯渇したりもします。
したがって、今後は「地下水盆」の管理が大切になってきます。

(2)地下水盆の管理
「地下水盆」の管理は、まずは既存井戸資料を収集するところから始めますが、場合によっては既存井戸での観測や試験が必要なこともあります。
そして、水収支として、シュミレーションを行いますが、
①帯水層における各係数
②過去の水位変動状況
③過去の揚水量実績
④地下水盆の形状や領域区分
⑤帯水層単元の区分
⑥境界条件
などに基づいて試算を行います。
「地下水盆」の管理は、地盤沈下の対策にも役立っています。
地下水は、一般的には、広い「帯水層」の中を非常にゆっくりとした速度で流れています。
これらの地下水は「帯水層」でつながっており、一つの「地下水盆」を形成していると考えられています。
したがって、ある場所で地下水を汲み上げると、その地域だけでなく広い地域にわたって地盤沈下が起きます。
これは、下図の地盤沈下のイメージ図の通りです。
地盤沈下は、主に粘土層が厚く軟弱な地盤の地域に起こりますが、これは地下水を過剰に汲み上げることによって、粘土層が収縮するために起こるというのが一般的です。
そのしくみは、地下水を過剰に汲み上げることにより地下水位が下がると、地下水のとおり道である「帯水層」の水圧が下がります。
そのため、その上にある粘土層の中に含まれていた水が水圧の低い「帯水層」にしぼり出され、粘土層が収縮し地面全体が下がり地盤沈下として私たちにいろいろな影響を与えることになります。
こうして起こった地盤沈下は、たとえ地下水の汲み上げを止め地下水位が元に回復したとしても、ほとんど元に戻ることはありません。

図.1 地盤沈下のイメージ図
地盤沈下イメージ図

河川やため池の水質

水文調査などで、河川やため池の水質を調べるときに、次の項目を調べます。

(1)電気伝導度(EC) 
電気伝導度とは、電導率、導電率とも言い、電気の通しやすさの尺度です。
電気抵抗の逆数(電気抵抗度=1/電気抵抗)で表します。
水中に溶解している物質の量を短時間で測定できます。
電気伝導度が高い値ほど、水にさまざまな物質が溶解していることになり、一般的には汚い水と言えると思います。
電気伝導度計(導電率計)で測定する。
一般値としては、
①雨水10~30μs/cm
②河川上流50~100μs/cm
③河川下流200~400μs/cm


(2)水素イオン濃度(pH)
水の液性を示す指標の1つで、pH1~pH14まであります。
7が中性で、7より高い値がアルカリ性、7より低い値が酸性を示します。
大気中には二酸化炭素があり、大気汚染の影響を受けなくとも雨水に吸収されて酸性となります。
このため、雨水がpH5.6以下の値を示す場合に酸性雨と呼んでいます。
石油や石炭が燃焼したときに発生する硫黄酸化物や、自動車などの排気ガスに含まれる窒素酸化物が雨水に溶け込んで酸性度の強い酸性雨となります。
強酸、強アルカリでは魚類、植物、動物に良くありません。
この原因として、洗濯工場の排水はアルカリ性を示します。
また、工場排水で強酸、塩酸等が有れば酸性を示し、酢等も酸性を示します。
一般値としては、
①日本の雨pH4.4~5.4
②水道法による水道水 pH5.8~8.6
③一般的な天然水(地下水など) pH6~8


(3)塩素イオン濃度(Cl-) 残留塩素
水に溶けている塩化物中の塩素の濃度のことで、生活排水に多く含まれています。
一般に雨水には少なくなります。
飲料水の塩素イオン濃度が高いと、異味の原因になります。
井戸水、河川水どちらにもある程度含まれています。
残留塩素の測定方法には、比色法(OT法、DPD法)や吸光光度法、電流法などがあります。
一般には、DPD法を用いた携帯型の簡易測定器が使用されています。
水道水は衛生確保のため塩素消毒をしていますが、夏は気温が高く、水が貯水槽にたまっている間に消毒用の残留塩素が特に消失しやすくなります。
地下の貯水槽が大雨で冠水した場合などは、残留塩素濃度が低下・消失するので、汚染の目安にもなります。

(4)アンモニア態窒素(NH4-N) 
アンモニア性窒素とも言い、アンモニア、アンモニウム塩、アンモニウムイオン等を構成する窒素です。
家庭からの雑排水や、し尿などに多く含まれています。
一般値としては、
①河川上流・湧水0.05ppm
②雨水0.1~0.4ppm
③河川下流0.5~5.0ppm
④下水・汚水5.0ppm以上
 

(5)亜硝酸態窒素(NO2-N) 
亜硝酸性窒素とも言い、亜硝酸イオン(NO2-)および亜硝酸性窒素(NO2-N)の濃度(mg/l)、すなわち亜硝酸態の窒素成分を指します。
窒素イオンは植物の生育に必要な要素で、生物の分解(死骸)により供給されます(有機態窒素)が、肥料・工場排水・生活排水にも多く含まれています。
水の中に入った窒素化合物は腐敗菌によって分解され、アンモニア性窒素となり、さらに分解が進むにつれ亜硝酸性窒素、硝酸性窒素となっていきます。
亜硝酸は酸素が多い水の中では硝酸となり、酸素の少ないときにはアンモニアとなります。
亜硝酸が硝酸に変化するときには水中の酸素が多量に使われて水は酸欠状態になります。
また亜硝酸そのものに魚毒性があります。
それに、「富栄養化」などを引き起こす栄養塩の一種が窒素イオンで、窒素イオンを測定すると水の汚れ具合がわかります。
窒素イオンが増加すると植物プランクトンや藻類の異常発生などを引き起こし、環境に大きな影響を与えます。
一般値としては、
①きれいな水0ppm
②河川上流0.0018~0.03ppm
③河川下流0.09ppm
④少し汚染されている0.006~0.03ppm
⑤汚染されている0.03~0.06ppm
⑥かなり汚染されている 0.06~0.15ppm 


(6)硝酸態窒素(NO3-N) 
硝酸性窒素とも言い、硝酸イオンの測定で、同時に硝酸性窒素の値も測定できます。
窒素イオンは植物の生育に必要な要素で、生物の分解(死骸)により供給されます(有機態窒素)が、肥料・工場排水・生活排水にも多く含まれています。
水の中に入った窒素化合物は腐敗菌によって分解され、アンモニア性窒素となり、さらに分解が進むにつれ亜硝酸性窒素、硝酸性窒素となっていきます。
亜硝酸は酸素が多い水の中では硝酸となり、酸素の少ないときにはアンモニアとなります。
亜硝酸が硝酸に変化するときには水中の酸素が多量に使われて水は酸欠状態になります。
それに、「富栄養化」などを引き起こす栄養塩の一種が窒素イオンで、窒素イオンを測定すると、水の汚れ具合がわかります。
窒素イオンが増加すると植物プランクトンや藻類の異常発生などを引き起こし、環境に大きな影響を与えます。
一般値としては、
①雨水0.2~0.4ppm
②河川上流0.2~1.0ppm
③河川下流・地下水・湧水2.0~6.0ppm 


(7)酸化態窒素(Nox-N)
亜硝酸態窒素と硝酸態窒素の総称で、アンモニア態窒素が生物化学的に酸化された場合に生成される窒素を指します。
窒素イオンは植物の生育に必要な要素で、生物の分解(死骸)により供給されます(有機態窒素)が、肥料・工場排水・生活排水にも多く含まれている。水の中に入った窒素化合物は腐敗菌によって分解され、アンモニア性窒素となり、さらに分解が進むにつれ亜硝酸性窒素、硝酸性窒素となっていきます。
亜硝酸は酸素が多い水の中では硝酸となり、酸素の少ないときにはアンモニアとなります。
亜硝酸が硝酸に変化するときには水中の酸素が多量に使われて水は酸欠状態になります。
また亜硝酸そのものに魚毒性があります。
それに、「富栄養化」などを引き起こす栄養塩の一種が窒素イオンで、窒素イオンを測定すると、水の汚れ具合がわかります。
窒素イオンが増加すると植物プランクトンや藻類の異常発生などを引き起こし、環境に大きな影響を与えます。
水道法では酸化態窒素(亜硝酸態窒素と硝酸態窒素)は10ppm以下と定められています。 

(8)リン酸イオン態リン(PO4-P)
水の中に含まれるリン成分のことです。
リン酸イオンは植物の生育に必要な要素で、生物の分解(死骸)により供給されますが、肥料・工場排水・生活排水(合成洗剤など)にも多く含まれています。
「富栄養化」などを引き起こす栄養塩の一種がリン酸イオンで、リン酸イオンを測定すると水の汚れ具合がわかります。
リン酸イオンは、一般的には水中には微量にしか存在していません。
リン酸イオン値が高いと、生物の分解や生活排水の流入が多いことを示しています。
リン酸イオンが増加すると植物プランクトンや藻類の異常発生などを引き起こし、環境に大きな影響を与えます。
リンは水の中では、リン酸イオン(PO4 3-)や有機リンで存在しています。
一般値としては、
①雨水・河川上流0.05ppm以下
②河川下流0.1~1.0ppm 


(9)無機態窒素(inorg-N)
土壌での窒素形態は、有機態窒素と無機態窒素の二つに大別され、アンモニア態窒素と硝酸態窒素が無機態窒素になります。
これは、農作物に対して大きな影響力を持っており、植物はアンモニウム態窒素又は硝酸態窒素の形で窒素を吸収してその生育に利用します。
しかし、窒素過多になるとかえって悪影響を与えることになります。
この値が悪くなる原因としては、動物の排出物や腐敗物の土壌、下水への混入、製薬、染料、繊維、食品、石油化学、肥料工場などの工場排水放出等が考えられます。

(10)化学的酸素消費量(COD) 
Chemical Oxygen Demand の略で、水中にある物質(主に有機物)が酸化剤によって酸化や分解されるときに消費される酸素量のことです。(特定の物質を指すものではない。)
CODの測定値(mg/l)が高い(5~10mg/l)と、生活排水や工場排水などの汚水が混入している可能性が高く、水中の酸素が不足して魚などが棲息できず、自然浄化作用も止まってしまいます。
一般値としては、
①汚染なし0ppm
②きれいな渓流(ヤマメ、イワナが棲息できる)1ppm以下
③雨水1~2ppm
④サケやアユが棲息できる3ppm以下
⑤少し汚染2~5ppm(落ち葉・水草の分解で1~5ppmになることがある)
⑥コイやフナが棲息できる5ppm以下
⑦河川下流2~10ppm
⑧下水・汚水10ppm以上

(11)生物化学的酸素消費量(BOD)
バクテリアが水中の有機物を分解するときに消費した酸素量で、分析する水の中のバクテリアを摂氏20度で5日間培養したときの消費された溶存酸素量から求めます。
BODを測定する簡易測定法はなく、高度な分析機器を使って測定を行っています。
海水中のBOD測定は、海水中の生物あるいは高濃度塩類などの関係で困難であるため、ほとんど実用されてません。
BOD値が高ければ、その水中には腐敗性物質が多いことを意味しており、溶存酸素を異常に消費して、魚介類に影響を及ぼすなど、危害の原因となります。
原因としては、社会活動が活発になるに比例して、公共水域の汚濁が増大すると同時に酸素の欠乏現象を招いています。

(12)溶存酸素(DO) 
dissolved oxygenの略で水中に溶解している酸素ガスを言います。
空気中の酸素ガスによって供給され、溶解量は温度や圧力に左右されますが、清浄な水には7(30℃)~14(0℃)mg/L程度溶解しています。
公共水域の汚濁限界は5mg/Lとされています。
水中のDOが欠乏すると、魚類等水中生物は窒息死します。
また、水中の汚濁物質は還元性となり、腐敗臭、硫化水素ガスを発生します。
原因として、水中の有機物の分解や硫化物、亜硫酸イオン、第一鉄イオンなどの還元性物質によって消費されるほか、微生物の呼吸作用により消費されます。
溶存酸素の測定法としては、ウインクラーアジ化ナトリウム変法、ミラー変法、電極法、ウインクラー変法(ケメットDO計、ポナールキットDO)があります。
有機物をたくさん含んだ水(汚れた水)は、有機物が分解されるときに酸素が消費されるため、溶存酸素が少なくなります。
溶存酸素が少なくなると、先に述べたように酸欠となり魚なども死んでしまいます。
溶存酸素は水温、気圧、溶存塩などの影響を受けます。
きれいな水には溶存酸素が多く、2mg/lで魚が棲息できなくなります。
水質汚濁に係わる環境基準(水質環境基準)では、
①河川7.5mg/l以上
②湖沼5mg/l以上
③海域2mg/l以上

となります。

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