スリランカでの洪水の近況報告

スリランカでの洪水の近況報告です。

5月15日から降り続いた大雨の影響により、スリランカの南部や西部で、過去25年で最悪の洪水や地すべりが発生しています。
日本で知るかぎりでは、亡くなった人は、29日までに少なくとも180人、行方不明者は110人で、約50万人が家を追われ、55万人以上が避難しているそうです。
今日は、雨は小康状態となっているそうですが、低地では依然として冠水しているそうです。
亡くなった人の大半は地すべりによるものだそうです。
南部のマタラやカルタラやラトゥナプラなどを中心に、地すべりで住宅が押し流されるなどの被害が広がり、茶やゴムの栽培のための大規模な森林伐採が、この地すべりや土砂崩れを頻発させる一因とも指摘されているそうです。

スリランカは、インドの南東で、インド洋上にあり、赤道のすぐ北に位置している島国です。
島の南寄りの中央部は標高2000m級の山岳地帯であり、セイロン島最高峰のピドゥルタラーガラ山(標高2524m)はここに位置しています。
また最長の川マハウェリ川(全長331Km)もこのあたりを水源としています。
中央部から島の北側に行くにつれて土地は少しずつ低くなり、ダンブッラやシーギリヤあたりになると、ほとんど平野となっています。
ただし、被災地であるカルタラとラトゥナプラは南部であり、マタラやカルタラは海岸部、ラトゥナプラは中腹に位置しています。
そして、いずれも湿潤地帯に位置しています。
スリランカの南部の基盤岩は、地質学的には紫ソ石花崗岩 (チャーノッカイト)が大部分を占めています。
そして、この紫ソ石花崗岩が地すべり地帯となっているそうです。
花崗岩と名前が付いているように、当然、風化してマサ状になっているところもあるようです。
このあたりは、私の住んでいる瀬戸内とよく似ている花崗岩みたいです。
つまりは、大雨が降ると土砂崩れをするような脆い花崗岩のようなので、半月も大雨が降るといろいろなところの斜面が崩れるのは当然なのかも知れません。
地すべり地帯の周辺には、100mクラスの絶壁がいくつもあり、このようなところが今回崩れたかどうかは不明ですが、風化の程度が進むと、このような絶壁も崩壊してしまうと想像できます。

国連WFPは、6月15日からの3カ月間で、約4万人の支援を行う予定だそうです。
国連WFPは、被災した人々が、生きるための食糧を得るために借金を重ねるなどの悪循環に陥らないよう、最も被害の大きかった地区の最も貧しく脆弱な人々を対象に、現地政府の社会保障システムを通して、約1世帯に月60米ドルの現金を配布するそうです。
スリランカの通貨単位はルピー(LKR)で、日本円に換算すると、1LKR=0.7円になります。
スリランカで食べるライス&カレー(ベジタブル)は、 90LKR~150LKR くらいで、日本円で63円~105円です。
だから、屋台での食事は約200円くらいです。
そして、屋台ではカレーからパリプワデーまで様々なグルメが楽しめ、外国人向けの少し高級なレストランでも600円前後です。
スリランカで長期滞在する場合、1ヶ月で交際費を含め35,000円を見ておけば、十分に足りるそうです。
これを考えると1世帯に月60米ドルを配布するとして、日本円で1ドルが110円とすると、6,600円になります。
援助が少し少ないみたいですが、これでも国連WFPによると、スリランカへの現金の配布を含む支援活動全体にかかる予算として230万米ドル(約2億4,600万円)が見込まれており、現在、その約60%にあたる130万米ドル(約1億3,900万円)が不足しているそうです。
日本からも援助が必要になってくるようです。

29日、洪水に見舞われたスリランカ南部マタラ地方の被災地(AFP=時事) 
5月29日、洪水に見舞われたスリランカ南部マタラ地方の被災地の様子です。

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紫ソ石花崗岩 (チャーノッカイト)の100mクラスの絶壁です。
こんな絶壁が崩れたらひとたまりもありません。


スリランカでの、乾燥地帯 (dry zone) と湿潤地帯 (Wet zone) の範囲図です。
南部のマタラやカルタラやラトゥナプラはすべて湿潤地帯 (Wet zone)に含まれています。
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コロンビアの大規模な地すべり

コロンビア南西部の都市モコア(Mocoa)で3月31日夜に大規模な地すべりが発生しました。

この地域は、数日豪雨が続いていたそうですが、31日の夜は特にひどく、130mmの豪雨だったそうです。
平均月間降水量が400mm程度なので、この約3分の1に相当する量が半日で降ったことになります。
国家災害危機管理局の局長であるカルロス・イバン・マルケスさんによると、土砂崩れはこの地域を流れるモコア川とその支流の水位が上昇し、氾濫したことが原因で発生したとのことです。
コロンビア軍によると、4月1日までに254人が亡くなり、約400人が負傷し、行方不明者も200人近くに達しているそうです。
この地すべりにより、家屋の他、橋や車両、樹木などが流され、コロンビア軍が撮影した被害地の映像には一面に大量の木材の残骸と茶色の泥が映し出されています。
フアン・マヌエル・サントス(Juan Manuel Santos)大統領は1日、救助活動指揮のため一帯に森林が広がるプトゥマヨ(Putumayo)県の県都モコアを訪れ、ツイッター(Twitter)で「激甚災害」を宣言しました。
最も大きな被害が出た地区の大半は、半世紀に及んだ内戦で住居を追われてきた人が住む貧しい地区だったそうです。
プトゥマヨ県のソレル・アロカ(Sorrel Aroca)知事は2日、地元ラジオ局に「地区が丸ごと消えてしまった」などと述べ、今回の災害はこの地域で「前例のない悲劇」との認識を示しました。
そして、現場には救助活動のため軍兵士や地元の警官を含む緊急要員1000人が動員されています。
でも、まだ人口約4万人の都市モコアは現在停電中で、水道も止まっているそうです。

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大規模な地すべりです。
頭部がわからないので洪水みたいになっています。


この付近は、もともとが川なのか?
それとも、川ではないところにこんな巨石が流れてきたのか?

南米ペルーの洪水

世界の各地で、異常気象が発生しています。
当ブログでも、サハラ砂漠の雪や、モスクワの異常寒波、スイスの雪不足、サウジアラビアでの雪と洪水、ブラジルの干ばつなどを紹介してきました。
今回はブラジルと同じ南米ペルーの洪水を紹介します。

南米ペルーは、数十年に一度という記録的な豪雨に見舞われています。
首都のリマ周辺では、土砂崩れや洪水が発生し、これまでに少なくとも78人が亡くなり、負傷者263人、被災者は10万1,104人にのぼり、約7万人が家を失うなど被害が拡大しているそうです。
ペルー大統領府や災害当局などによると、同国北西部は3月14日以降、台風並みの暴風雨が襲来し、1週間以上にわたって豪雨が降り続いたそうです。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の降水観測衛星GPMのレーダー観測によると、20日には1時間あたり137mmという同国の観測史上最大規模の大雨が各地で降ったそうです。
ペルー国立気象局や米航空宇宙局(NASA)の専門家は、「ペルー沖の海面水温が上昇し、エルニーニョに似た異常気象が起きている」と言っています。
エル・ニーニョはペルー人いわく、10年から15年の周期でペルーを襲ってきたという事で今年2017年はその当たり年だとのことです。
そして、ペルーの海岸地帯の気候がすっかり変わってしまったかのようです。
ペルーの海岸地帯は乾燥した砂漠地帯で、1年中一度も雨が降らいないとの事だったのですが、最近は、毎日必ず豪雨が降っています。
中でもピューラ(Piura)、イカ(Ica)、チクラーヨ(Chiclayo)、リマ(Lima)の川沿いなどが被害が拡大しているそうです。
首都のリマ市は、3月15日午後から非常事態に陥っています。
Huaycoloro川とRimac川の水量が上昇し、首都の至る所で氾濫しているそうです。
この非常事態によって、急遽教育機関は休校となり、道路が閉鎖、水道が止まり、公共機関の運行が延長されています。

南米では、1年半前の、2015年12月にも、パラグアイとアルゼンチン、ウルグアイ、ブラジルなどで大雨による洪水が発生するなどして、2約15万人が避難生活を余儀なくされていました。
亡くなった人も8人に上り、大雨は「半世紀に一度」などと報じられていました。
日本では、3月24日に、ペルーにおける豪雨水害に対し、ペルー政府からの支援要請を受け、国際協力機構(JICA)を通じ、緊急援助物資(テント,毛布,スリーピングパッド等)を供与することを決定したそうです。
同じ南米のブラジルは干ばつで苦しんでいるのに、雨は均等に降ることが出来ないのですね。

降雨
降雨観測衛星のレーダーが3月20日にペルー上空でとらえた雨の量を立体的に表した観測画像(NASA/ JAXA)です。


大規模な洪水で、川が決壊し、民家や田畑が浸かっています。

ペルー、リマ市洪水により非常事態 
濁流が溢れているリマ市の様子です。

イタリア・シチリア島のエトナ山の噴火

イタリア・シチリア島のエトナ山で3月16日、噴火がありました。

エトナ山は、去年(2016年)も5月21日に噴火し、今年に入ってからも2月27日から始まっていました。
そして、この日は、火山の専門家による監視活動の様子をイギリスの公共放送BBCのスタッフが取材していたそうです。
当時現場付近には、BBC取材班の他、観光客15人、研究者やガイドら計35人前後がいたそうです。
エトナ山は、イタリア南部のシチリア島にある標高3300m余りのヨーロッパ最大の活火山です。
スタッフが撮影した映像では、大きな爆発音とともに白い噴煙が勢いよく立ち上る様子が間近で写されているほか、急いで逃げるスタッフに噴石が雨のように降ってくる様子が叫び声とともに記録されています。
BBCのスタッフや観光客は、急ぎ岩陰や近くに停めてあった雪上車などに避難しましたが、現場にいたBBCのレベッカ・モレル科学担当記者によると、約10人が噴石で負傷し、うち6人が病院に搬送されたそうです。
記者によると、水蒸気と合わさった溶岩流が巨大爆発を起こし、熱い噴石や蒸気をまき散らしたとのことで、動画では、大きな爆発音とともに噴煙が立上る様子が間近で撮影されていました。
「大勢が負傷。頭にも。火傷や裂傷やあざ」とモレル記者はツイートしました。
現場にいた火山学者は、30年来これほど危険な目に遭ったのは初めてだとモレル記者に話したそうです。

エトナ火山(エトナかざん、Etna)は、イタリア南部シチリア島の東部にある活火山で、旧名をモンジベッロ (Mongibello) というそうです。
先に述べたように、ヨーロッパ最大の活火山であり、2014年のGPSを使った測定では標高は3,329mでありますが、活発な火山であるため標高の変化が早いそうです。
但し、アルプスを除いたイタリアでは最も高い山で、山麓部の直径は140kmに及び、その面積は約1,190km2です。
イタリアにある3つの活火山の内では飛び抜けて高く、2番目に高いヴェスヴィオ山の3倍近くもあります。
エトナ火山は、世界でも活動的な火山の一つであり、頻繁に噴火を起こしています。
時には大きな噴火を起こすこともありますが、特別に危険な火山とは見なされておらず、数千人が斜面とふもとに住んでいるそうです。
火山麓扇状地に発達する水はけの良い土壌を利用して葡萄園や果樹園が広がっているそうです。

エトナ火山の過去の大噴火を調べてみました。
・紀元前693年
・紀元前475年
・紀元前396年
・1169年:死者16,000人と記録されています。
・1381年
・1669年3月8日(3月11日~7月15日):死者10,000人と記録されています。
1669年の噴火では、麓のニコロシ村が一瞬にして壊滅し、長さ18kmにも及ぶ地表の断裂ができて、20個の火口が出来たそうです。
そして近くのカタニア市の半分くらいを火山灰で埋め尽くし、堆積物によって近くの海に新しい岬がひとつ出現したそうです。
なお、カタニアはその後1693年に大地震でも壊滅的な被害を受けています。
この町は現在シチリア第二の都市ですが、現在の町並みは19世紀に入ってから再建されたものです。
この噴火では溶岩の流れを変えるために爆弾を投下したり、などといったことが試みられていたそうです。
・1852年 - 1853年
・1928年11月
・1986年:噴火高度1600mだそうです。
・2002年10月27日
・2005年1月8日
・2007年9月4日:噴火高度400m
・2011年1月12日から
・2015年12月4日:噴煙高度約7000mだそうです。

ギリシア神話やローマ神話には、エトナ山に関する様々な伝説があります。
風の神アイオロスは、エトナ山の洞窟に風を閉じ込めたと言われています。
ゼウスに敗れた怪物テュポンはエトナ山に封印され、以来、テュポンがエトナ山の重圧を逃れようともがくたび、噴火が起こるという言い伝えです。
そして、これが原因で、ノアの大洪水を引き起こしたそうです。
また、別の説によると、エトナ山にはアテーナーに敗れた巨人エンケラドスが封印されており、山の下から炎を吐き続けているという言い伝えです。
また、ゼウスとヘラの第一子である、炎と鍛冶の神ヘパイストスは、エトナ山の下で鍛冶を行い、炎の神アドラノスを山から追い出したと言われています。
何はともあれ、現在でも頻繁に噴火しています。
私は、ヨーロッパでの噴火はほとんどないと思っていたので認識不足でした。
イタリアの火山分布図を見ても、火山はいっぱいあります。
火山があれば、地震の恐れもあるし、津波だって発生します。
危険なのはどこの国でも一緒ですね。
そして、ヨーロッパにも原発はあります。
稼動している原発もいっぱいありますが、例え稼動していなくても、地震や津波などで壊滅した場合には、広範囲で人が住めなくなってしまいます。
文明がもたらした、便利なものはいっぱいありますが、原発だけはなくしてほしいと切に思います。

噴火したイタリア南部シチリア島のエトナ山=イタリア・タオルミーナ【AFP=時事】 【ローマAFP=時事】当地の報道によ…
ナポリの町並みから見たエトナ山の噴火の様子です。


シチリア島のエトナ山とイタリアの火山分布図です。

不思議の国サウジアラビア

異常気象は世界中で続いていますが、サウジアラビアは本当に異常です。

まずは、昨年11月から12月にかけて、サウジアラビア北部などの広範囲で「砂漠が雪に覆われる」という光景が広がりました。


2016年11月23日、雪に覆われたサウジアラビア・ジャウフ州の砂漠の様子です。
これだけ見れば、雪国と同じです。
先日、当ブログでサハラ砂漠の大雪を紹介しましたが、まさしく一緒です。

次は一転して、緑と花に覆われたサウジアラビアの砂漠のお正月の様子です。
これは、今年の1月4日に撮影したものです。

牧草地に移り変わっています。
よっぽど急激に暖かくなったものです。


このサウジアラビアの砂漠の「緑化」が、一時的なものなのか、今後、全体的にこれまでと変わってくるのかはまだわかりませんが、不思議な光景です。

次は、2月に発生したサウジアラビアでの大洪水です。
今年の2月17日に撮影したものですが、洪水で最も大きな被害が出ている地域は、報道では、サウジアラビア南部のアスィール州という場所のようです。
この付近では、昨年4月にも大洪水が発生しています。


2月14日に、洪水で車が流されています。
ここは、メッカに近いサウジアラビア南部のアスィール州という場所のようです。


去年の4月7日洪水にみまわれたサウジアラビア・ターイフの様子です。
この場所もメッカに近い、アルクンフダー(Al-Qunfudhah)砂漠です。

このように、サウジアラビアでは、短期間に、大雪、暖冬、大洪水と続いています。
何だかもう「砂漠の国」という称号もあまり当てはまらない感じになってきているようです。
今のような状態が続くと、「砂漠」がなくなるかも知れません。
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