電気検層について

井戸工事の後で、水があるかないかを調べる目安として電気検層があります。

電気検層(でんきけんそう electric logging)は、井戸内の地層を電気的に調べる方法の総称です。
孔壁周辺の地層の抵抗率や、自然電位を連続的に測定することによって地下の地層の透水性,孔隙率の状態などが推定されます。
この比抵抗値をΩ-mで表しますが、あくまでも抵抗値なので、いくら水があるとかの数値がでるものではありません。
ただし、岩石コアを採取しないボーリングでは、きわめて重要な物理探査法です。
特に、井戸工事はコアどりをしないことがほとんどなので、ストレーナー位置はこの電気検層で決めていることが多いと思います。

①原 理
ボーリング孔内の孔壁周辺における地層の見かけ比抵抗と、孔内に発生している自然電位を測定します。
電流電極及び電位電極の配列の仕方で幾つかの手法がありますが、土木分野ではノルマル検層とマイクロ検層が多く利用されています。
②測定方法
地層に電流を流し、孔内に降下させた電極で地層の電位差や自然電位等を測定して地層の見かけ比抵抗を求めます。
ゾンデの引き上げ速度が等速度になるように調整しながら、孔底からゆっくりと引き上げて測定します。
・ノルマル検層の電極間隔は、25cm、50cm、100cmの3通りです。
・マイクロ検層の電極間隔は、2.5cm、5.0cmの2通りで、孔壁に圧着して測定します。
③特徴・適用限界
孔内水のある裸孔で測定します。
開孔率(5%)が確保できる場合は、孔内水のある有孔塩ビ管内での測定も可能です。
得られる比抵抗値は孔内泥水の影響を受けた見かけ比抵抗値であり、地層の真の比抵抗値ではありません。
見かけ比抵抗値及び自然電位の記録から、地層の孔隙率・飽和度・地層水の化学的性質を推察したり、地層の厚さ・連続性・地層対比・滞水層の検出・難透水層の判定を行ったりする等の目的に用いられます。
しかし、この見かけ比抵抗は地層の層厚・孔径・地層水比抵抗などによる影響を受けるため、解釈する場合は充分な考慮が必要です。
④裸孔と有孔塩ビ管との違い
電気検層においては、測定ゾンデと孔壁との間は、できるだけ障害物(ケーシング、塩ビパイプ等)がない裸孔の状態で測定することが望ましいとされています。
ただし、実際の現場においては孔壁状況が悪い場合、掘削時の泥水の影響が消失するまでに長時間を有する場合等、裸孔のまま放置すると電気検層の実施が不可能となる場合も多く、保孔管として有孔塩ビ管を挿入した後に電気検層を実施することも多くなっています。
ここで、同一の井戸において裸孔と有孔塩ビ管挿入後の2種類の状態で電気検層を実施した場合の事例があり、それぞれの検層結果の相違点としては次のようなことが挙げられます。
・裸孔よりも塩ビ管挿入後の見かけ比抵抗値の方が全般的に1.4~2.3倍程度高くなり、特に電極間隔が小さい方が、この傾向は顕著に表れます。
・見かけ比抵抗値のピークは、裸孔と塩ビ管挿入後とも、どの電極間隔でも同じ深度に現れてお り、見かけ比抵抗曲線の大きな形状は、どちら の状態でもほぼ同じです。
・見掛け比抵抗曲線において、見掛け比抵抗値の細かい高、低の変化(凹凸)は、裸孔の方が塩 ビ管挿入後よりもより明瞭に捉えられ、特に電極間隔が小さい方がその傾向は顕著です。
・有孔 管において、孔間隔が広いとこのようなスケールオーバーの状況になることがあります。

拡大表示:切替スイッチと検層器

当社の使っている井戸パック10です。
写真は、切替スイッチと検層器です。
特徴としては次の通りです。
・軽量・コンパクトなので、作業時間が短縮できます。
・供給電源は単三電池4本で、交換も容易です。
・測定電圧が10Vで、安全な作業が可能です。
・結線完了後は自動測定できます。
・屋外での使用を前提とした簡易防水です。
・オプションの電極切替スイッチを使えば、ショート、ロングを同時に計測し作業時間を短縮できます。

拡大表示:電極切替スイッチの使用例(2極法)
図-1 電極切替スイッチの使用例(2極法)
スポンサーサイト

三軸圧縮試験の種類と土質への適用について

室内土質試験のなかで、地盤の強さを計測する試験の一つに三軸圧縮試験があります。

三軸圧縮試験(さんじくあっしゅくしけん triaxial compression test)は、不透水性の膜で包んだ円柱形の供試体に三軸的な圧力を加えながら、更に軸方向に圧縮して強度-変形特性を求める試験です。
この試験で、設計・施工に必要な、粘着力C、内部摩擦角φを求めることができます。
一軸圧縮試験は、試験体に、z方向(鉛直方向)だけに載荷しますが、三軸圧縮試験では、z方向だけではなく、x,y(水平方向)にも力を作用させます。
三軸圧縮試験器は、供試体をゴムスリーブで被膜した後、三軸室内に水を満たし水圧をかけることにより、供試体に側方から均等に一定の圧力を加える事ができます。
また、供試体の上・下には水を通すような仕組みになっており、供試体の間隙水の制御も可能になっています。
土の強度を測定する上で、供試体への水の出入りは重要な要素になるので、施工目的に合致した状態の土質定数を求める事ができる試験方法です。

試験方法と適用は、以下の通りです。
①非圧密非排水試験(UU)
比較的透水性の低い土が排水をしないで荷重をかけて圧縮強さを求めます。
通常、飽和粘土の場合には間隙水圧が発生するので、側圧の増加がただちに強度の増加とはならないので、一軸圧縮試験をすることが多いです。
不飽和土の場合は空隙に圧密作用が働き、結果的にCU条件と近似した値になることがあります。
②圧密非排水試験(CU)・(CUber)
圧密を行ったのち、せん断強さの増加分を調べることができます。
CUbarはせん断中に試料の間隙水圧を測定して、有効応力解析に利用します。
飽和粘土でCD試験を行うかわりにCUbar試験を行うことがあります。
また、原位置での有効応力を三軸室で作用させたのち、圧縮強さを求める簡易型のCU試験もあります。(厳密なK0圧密ではないために簡易型と呼んでいます)
③圧密排水試験(CD)
圧密を行ったのち、過剰間隙水圧が発生しない条件で圧縮試験を行います。
圧縮過程で間隙水を排水させるので、砂のような透水性のよい土に適用される事が多いですが、粘性土でも緩速施工が想定される場合には適用できます。

地中から採取した「乱れの少ない土」は、地中では、常に土圧を受けていますが、地上では、土圧が作用しない状態となります。
周囲から圧力を受けている状態とそうではない状態を想像すると、周囲から土圧を受けている方が強く、変形も小さくなります。
したがって、三軸圧縮試験では、採取する前の応力状態を再現するために、鉛直方向と水平方向の力を加えます。
この過程を、「圧密過程」と呼びます。
「圧密過程」が終了すると、「せん断過程」に入ります。
ここでは、試験体にz方向の力を与え、地盤が破壊するまで力を大きくしていきます。
この「せん断過程」で、載荷中に作用する間隙水圧を計測する場合がありますが、水はけの悪い粘性土の場合、せん断中に過剰間隙水圧が発生し、土の粒子間に働く力が小さくなります。
過剰間隙水圧が大きくなりすぎると、土粒子間に力が伝わらなくなります。
この状態は、液状化現象と全く同じものです。
「圧密過程」と「せん断過程」において、供試体から水を抜くか抜かないかで、試験結果は大きく変わります。
「圧密過程」で圧密を行い、「せん断過程」で排水を許しながらせん断する条件を、「圧密排水(CD)」試験と言います。
一方、圧密後、せん断中の排水をゆるさない試験を「圧密非排水(CU)」試験と言います。
CD試験は砂質土で、CU試験は粘性土で適用することが一般的です。
また、粘性土では、UU(非圧密非排水)試験もよく利用されますが、この試験は、土圧による拘束効果が全く期待できないので、地盤の特性を十分に再現しているとは言えません。
また、せん断中に間隙水圧を確認する試験は、(CU)などの試験要件を表す文字の上に横棒を書き(CUber)試験と呼びます。
このように、三軸圧縮試験の試験条件は、
①対象となる地層の土質
②荷重が作用した場合の挙動
をある程度想定し、条件設定をする必要があります。

土質試験名(力学試験)試料の状態
A:乱した
B:乱れの少ない
目的結果
土の一軸圧縮試験
JIS A1216/JGS0511
B地盤の支持力
改良体の品質管理
一軸圧縮強さqu
C(粘着力)など
土の非圧密非排水(UU)
三軸圧縮試験
JGS0521
B主に粘着土地盤の
現状の支持力
杭の周辺摩擦の
算定など
Φ(内部摩擦角)
C(粘着力)など
土の圧密非排水(CU)
三軸圧縮試験
JGS0522
B主に粘性地盤において
圧密化完了した後の
地盤の安定計算など
Φ(内部摩擦角)
C(粘着力)など
土の圧密非排水(CUバー)
三軸圧縮試験
JGS0523
B主に粘性地盤の
長期安定解析
盛土、擁壁、 掘削工の
安定解析など
Φ(内部摩擦角)
C(粘着力)など
土の圧密排水(CD)
三軸圧縮試験
JGS0524
B砂質土地盤の支持力
盛土地盤の長期安定性
の推定など
Φ(内部摩擦角)
C(粘着力)など

スウェ-デン式サウンディング試験について

スウェ-デン式サウンディング試験について調べてみました。

スウェ-デン式サウンディング試験は、スウェ-デン国有鉄道の土質委員会が1917年頃に不良路盤の実態調査を行う際に採用し、その後スカンジナビア諸国で広く使用されていたものだそうです。
日本では、1954年頃に建設省(現、国土交通省)の堤防地盤調査で初めて適用されたそうです。
その後、日本道路公団等において路線地盤調査などに使用され、現在では、民間の木造等の小規模建築物の地盤調査に使用されています。
この試験方法は、装置および操作が容易で迅速に測定ができ、簡易なサウンディングのうちでは比較的貫入能力に優れているとされています。
試験の規格は、1963年に土質工学会(現、地盤工学会)基準の原案が作成され、1971年に土質工学会サウンディング基準化委員会によって基準案の全面修正により、1976年にJIS A 1221「スウェ-デン式サウンディング試験方法」として制定されています。
一方、建築基準法の改正および「住宅の品質確保の促進に関する法律」の施行といった地盤評価に対する認識も高まるなか、規格原案の作成者である地盤工学会では2000年4月にスウェ-デン式サウンディング試験方法改正委員会を設置し、JISA1221の改正原案を作成し、所定の手続きを経て2002年に改正が確定されました。
支持力の基準値としては、ボーリングに付随する標準貫入試験のN値がありますが、スウェ-デン式サウンディング試験では、換算N値、一軸圧縮強度、長期許容支持力度が示されています。
①換算N値
スウェーデン式サウンディング試験のNsw値と標準貫入試験のN値には下記の関数式が示されており、この計算式より求めた値です。
・粘性土  N = 0.003Wsw + 0.050Nsw   (稲田式)
・砂質土  N = 0.002Wsw + 0.067Nsw   (稲田式)
  Wsw : 載荷荷重(N)
  Nsw : 貫入量1m当たりの半回転数(半回転数/m)
②一軸圧縮強度(qu)
粘性土の柱状供試体を側方拘束のない状態で圧縮した時の、その最大圧縮応力をいいます。
スウェーデン式サウンディング試験のWsw(N)とqu(kN/㎡)には、下記の関係式が示されています。
・qu = 0.045Wsw + 0.75Nsw (kN/㎡)
③長期許容支持力度(短期は長期の2倍程度)
・qa = 30×Wsw kN/㎡・・・・自沈によって貫入した場合
・qa = 30 + 0.6 Nsw kN/㎡・・・・回転によって貫入した場合
   Wsw : 載荷荷重(N)
   Nsw : 貫入量1m当たりの半回転数(半回転数/m)
ここで、 Nswは、基礎底面から下方2mの距離にある地盤の半回転数の平均値とし、上限値を150とする・・・・小規模建築物基礎設計より
但し、この式では
・土質の違いは考慮していません。
・個々のNswの上限を150としているので、長期許容支持力度の上限値は120 kN/㎡となります。
また、スウェ-デン式サウンディング試験は、戸建住宅で幅広く使われていますが、当然長所も短所もあります。
長所としては、
①狭い場所でも調査が可能です。
また、ボーリングに比べると試験器具類が軽くて少ないので、傾斜地や階段上でも容易に道具を運べます。
②調査時間が短く費用も安価です。
③土の強さを連続して測定するので、地盤の硬軟度合の細かな変化がわかります。
④短時間で測定ポイント数が多くとれるので、地層傾斜などの変化も把握し易い。
短所としては、
①土質試料が採取できないため、概略的な土質の判定しかできません。
②盛土に大きな礫やガラがあると貫通できず、下位地盤の調査ができないことがあります。
③硬い~締まった地盤に達すると貫入困難または不能となり、その厚さを確認できません。
④深度が増すと、ロッドの摩擦抵抗やロッド重量がデータに影響し、データの信頼性が低くなります。
⑤地下水が確認できません。

スウェ-デン式サウンディング試験の一番の欠点は、ちょっとした礫でも貫通できないことにあります。
そして、最近では自動式が出回っているので、狭いところや階段などの斜面では、昔ながらの手動式を使わざるを得ません。
地下水の確認も、設計では重要です。
こんなことを考えると、戸建住宅でも、やっぱりボーリング調査をする必要があると私は思います。

揚湯試験について

揚湯試験について調べてみました。
尚、この試験は、一般の水井戸の揚水試験とほとんど変わりません。

(1)揚湯試験の目的
揚湯試験は、井戸の能力や帯水層の性状を把握するためのもので正確に行う必要があります。
試験結果に基づき、動力装置の出力の決定及び将来において改修などを行う際には重要な参考データとなります。
なお、温泉の動力装置許可申請を行う場合は、井戸の能力に見合った動力を設置する必要があることから、揚湯試験の結果に基づきその井戸の限界揚湯量を求める必要があります。
一般的には、限界揚湯量の8割以下を適正揚湯量とし、適正揚湯量の汲み上げに見合う能力の動力を装置する必要があります。

(2)揚湯試験の種類
①予備試験
孔内洗浄の後、実際にポンプ揚湯を行って揚湯量と動水位との関係を確認し、段階試験の最大揚湯量及び各段階の揚湯量の計画を立てるための資料を得る試験です。
②段階試験
限界揚湯量及び適正揚湯量を求めるために実施するもので、5段階以上で実施することを基本としています。
これは、揚湯試験の中で最も重要な試験です。
尚、適正揚湯量を求めるに当たっては、既存源泉への影響がないことを確認する必要があります。
③連続試験
段階試験で求めた適正揚湯量又は動力申請に添付する温泉利用計画書で計算された必要湯量のうち、少ない量で揚湯し、その揚湯量が適当であるか調べる試験です。
段階試験で求めた適正揚湯量又は温泉利用計画書で計算された必要湯量のうち、少ない揚湯量で既存源泉に影響がある場合は、既存源泉への影響がない範囲の揚湯量が適正揚湯量になります。
④回復試験
連続試験に引き続く試験であり、揚湯を停止した後の水位回復状況を観測する試験です。

(3)段階試験の方法
静水位、動水位(水位降下量)、揚湯量及び各段階における泉温を測定します。
これは、揚湯量を段階的に増加させ、その段階ごとの揚湯量と動水位(水位降下量)との関係を調べるものであり、5段階以上で実施することを基本としています。
1段階の揚湯時間は最低1時間としていますが、動水位が安定しない場合は、2時間程度を目安として延長し、次の段階に移行します。
なお、各段階の揚湯時間は等しく測定します。

(4)連続試験の方法
静水位、動水位(水位降下量)、揚湯量及び水位測定時の泉温を測定します。
尚、泉温については、最初の1時間の測定は10 分ごとに1回測定します。
段階揚湯試験で求めた適正揚湯量又は温泉利用計画書で計算された必要湯量のうち、少ない揚湯量で、揚湯量を一定として連続揚湯を行います。
揚湯時間は最低3日間(72 時間)とし、3日間で水位が安定しない場合は、水位安定まで延長して最大7日間程度は実施しますが、7日間で水位が安定しない場合は、揚湯量を減少して再度連続試験を行います。
尚、水位の安定とは、1時間当たりの水位変化量が、全体変化量の1%以内となることを言います。
例えば、72 時間連続揚湯した時点で水位降下量が50mの場合、71 時間から72 時間の間の水位降下量が50 ㎝以内となることです。

(5)回復試験の方法
連続試験後の回復水位を測定します。
測定期間は、連続試験開始時の水位に回復するまで又は最低1日とします。
(6)揚湯試験(段階・連続・回復)の水位測定間隔
各試験の測定時間の間隔は、開始後10 分までは1 分間隔、10 分から30 分までは5 分間隔、30 分から60 分までは10 分間隔、60分から180 分までは30 分間隔、180 分以降は60 分間隔を目安とします。

(6)揚湯試験結果の整理
以下の記録表やグラフにより揚湯試験の結果を整理します。
① 段階(連続・回復)試験測定記録表
② 段階試験結果グラフ
③ 連続(回復)試験結果グラフ

尚、段階試験で屈曲点がない場合は、段階試験の最大揚湯量を限界揚湯量としています。

土の液性限界・塑性限界試験について

土の液性限界・塑性限界試験について調べてみました。

土の液性限界・塑性限界試験は、「土が塑性状態から液状に変わるときの含水比である液性限界(wL)」と「土が塑性状態から半固体に移るときの塑性限界(wP)」を求める試験です。
粘土・シルト分を多く含む細粒土は、含水比が変化すると、その性状が変わります。
非常に乾いているときは、固体的に振る舞い、含水比が少し上昇すると半個体として振る舞い、塑性限界(wP)を超えると塑性体として振る舞い、さらに含水比が上昇して液性限界(wL)を超えると液体と同様な性状を示すように変化します。
このような、硬さや変形に対する抵抗性の大小を、総称して、コンシステンシーと言い、液性限界や塑性限界をコンシステンシー限界とも言います。
試験結果は、主に、細粒土の分類に使用され、粒度試験の沈降分析結果よりも、液性限界・塑性限界試験結果の方を優先します。

1)液性限界(wL)
液性限界は、粘性土が塑性体を示す最大の含水比または液体状を示す最小の含水比で、「JIS A 1205 土の液性限界・塑性限界試験」により求められます。
液性限界(wL)より含水比の高い粘性土は僅かな荷重増や衝撃により不安定化が著しく、こね返すと容易に流動し、ベタベタの状態になります。
しかし、液性限界(wL)の土は、実際にはある程度のせん断強度を有しており、その強さは2.0~3.0kN/m2の範囲にあるとされています。

2)塑性限界(wP)
塑性限界は、粘性土が塑性体を示す最小の含水比または半固体状を示す最大の含水比で、「JIS A 1205 土の液性限界・塑性限界試験」により求められます。
塑性限界(wP)は、ガラス板の上で、直径3mmの粘土ひもを作成したときに、粘土ひもがきれぎれになる含水比を持って塑性限界(wP)とします。
なにか、個人差が大きくでる試験のようですが、それなりに経験をつんだ人が行えばあまり個人差は無いようです。
塑性限界(wP)は、その土の締固めにおける最適含水比(wopt)とほぼ同じ値であるようです。

3)収縮限界(wS)
収縮限界は、粘性土が半固体状を示す最小の含水比または固体状を示す最大の含水比で、これ以上乾燥しても体積変化が生じない最大の含水比でもあります。
この値は、「JIS A 1209 土の収縮定数試験方法」により求まりますが、土木に係わる実務では他の土質試験に比べて実施されることが少ない土質試験だと思います。

4)液性限界(wL)と塑性限界(wP)から求められる指標
液性限界(wL)と塑性限界(wP)から求められる指標として、次のものがあります。
①コンシステンシー指数 Ic
コンシステンシー指数は、粘性土(細粒土)の硬軟や安定の程度を表します。
計算式は、液性限界(wL)から自然含水比(w)を引いた値を塑性指数(IP)で割ったもので、自然含水比(w)が塑性限界(wP)に等しい場合はIc=1となり、塑性限界(wP)より低い場合はIc>1となります。
Ic≧1のときは安定な状態にあり、硬いこととなります。
また、自然含水比(w)が液性限界(wL)と等しいときはIc=0ですから、Icが小さな値であるときは自然含水比(w)が液性限界(wL)に近く、不安定な状態にあることとなります。
正規圧密の粘性土ではIc≒0に近いことが多くなります。
・コンシステンシー指数 Ic=(wL-w)/(wL-wP)=(wL-w)/Ip
②液性指数 IL

液性指数、相対含水比とも呼ばれていますが、計算式は、自然含水比(w)から塑性限界(wP)を引いた値を塑性指数(IP)で割ったものですから、粘性土の相対的な硬軟を示す指数です。
液性指数(IL)は自然含水比(w)が塑性限界(wP)に近い場合IL≒0となりますから、その粘性土は安定となります。
逆に言えば、ILが1に近いときは液性限界(wL)に近く、IL≧1ですと液性限界(wL)以上となりますから、この値が大きくなるほど圧縮性に富み、不安定で鋭敏な粘性土であると言えます。
また、液性指数(IL)は、その粘性土の応力履歴の概略を判断する目安とすることが出来ます。
正規圧密の粘土は自然含水比(w)が液性限界(wL)に近いことが多いので、IL≒1で過圧密の粘性土ではIL≒0となります。
IL<0の粘性土は極めて過圧密な粘性土と推定されています。
コンシステンシー指数(Ic)と液性指数(IL)は、塑性指数(IP)に対して自然含水比(w)が液性限界(wL)と比べてどの程度の位置にあるか、あるいは塑性限界(wP)に比べてどの程度の位置にあるかを指数化したものです。
・液性指数 IL=(w-wP)/(wL-wP)=(w-wP)/Ip
③塑性指数 IP
塑性指数は、土質材料の管理基準や判定指標として利用されています。
塑性指数(は液性限界(wL)から塑性限界(wP)を引いたものですから、その粘性土が塑性体として振舞う含水比の幅を表わすものとなります。
塑性指数は、土の細粒分の分類に使われる他、路盤材料の品質規格の判定に使用されます。
塑性指数は、砂質土では0または小さく、その土に含まれる粘土分が多くなると塑性指数(IP)も大きくなります。
また、液性限界が高いわりに塑性指数が小さいものは有機質土の可能性が高いとのことです。
土の細粒分の分類では、沈降分析により求められたシルト分や粘土分の値より、塑性図における分類を優先して使用します。
・塑性指数 IP=wL-wP
④活性度 A
活性度は、粘性土の活性の程度を表わします。
粘性土の液性限界(wL)と塑性限界(wP)は、粘土分の含有率が高くなるとそれぞれの値も大きくなりますが、塑性限界(wP)の増加量に比べて液性限界(wL)の増加量の方が増加度合いが大きいことが知られています。
このため、塑性指数(IP)は、粘土分の含有率に正比例して増加することとなりますので、塑性指数(IP)の大きな粘性土が活性度の高い粘土鉱物を含んでいることにはなりません。
そこで、スケンプトンは、塑性指数(IP)を0.002mm以下の粘土含有量(%)で除して、活性度を表わすことにしました。
活性度(A)は、土木の分野ではあまり使われていないと思いますが、Aの値が大きいほど活性度が高いことを示し、粘土の成分・性状に応じた分類では役立つようです。
日本の港湾地域の粘性土の例では大部分が1~2程度と言われています。
・活性度 A=Ip/(0.002mm以下の粘土含有量(%))
⑤塑性比 Pr

塑性比は、塑性指数(IP)を塑性限界(wP)で除した値で、塑性限界(wP)を1とした時に、塑性的性状を示すために、土粒子が保持している水分量の割合を示します。
横軸を液性限界、縦軸を塑性比とした塑性比図を用い、活性度Aでは十分に説明できない土のコンシステンシー特性をより的確に表現しようとするものだそうです。
・塑性比 Pr=Ip/wP
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR