地殻変動について

地殻変動について調べてみました。

地殻変動(ちかくへんどう crustal movement)とは、地球の表面を形づくっている地殻が変形する現象のことで、地殻運動とも呼んでいます。
地殻が時間とともに変形する現象で、その原因が固体地球内部にある場合がほとんどですが、直接の原因が地球外部にある場合でも、広範囲な地殻の変形を誘発する場合ならば地殻変動となります。
地殻変動の規模はさまざまで、
①長期間にわたる大規模なもの
・広大な地域の陸地の隆起や沈降
・隆起や沈降に伴う褶曲や断層運動
・火山の噴火
②短期間での規模なもの
・地震によって短期間に急激に起こる土地の隆起や沈降
・長期間の水準点の観測によって確かめられるようなもの
上記のようにさまざまです。
地殻変動に含まれない変動としては、
・地震動,地球の自由振動,地球潮汐のような振動的変形
・堆積,浸食,隕石孔の形成
・集中豪雨による地すべりや工業活動に原因する地盤沈下
などです。 
地殻変動は、ゆっくりとおきたり、急激に生じたり、いろいろの場合があり、変形に伴って、地殻の一部が破壊されることもあります。
地殻変動の結果、土地の隆起や沈降、傾斜や伸縮がおこり、断層や褶曲(しゅうきょく)が生成し、さらに造山運動といった大規模な変形も生じることになり、このように地殻の動きの結果として生じた構造のことも、地殻変動ということが多いようです。
地殻変動の生じる原因は明らかではないようですが、いずれにしても地球の内的エネルギーによるものであり、マントル対流の影響が大きいのではないかと想像されています。
大地震に伴って明らかな地殻変動の生じた例は多く見られます。
・1891年(明治24)の濃尾(のうび)地震の際の根尾谷(ねおだに)断層の生成
・1923年(大正12)の関東大地震のときの南関東一帯の隆起と水平移動
・1964年(昭和39)の新潟地震に伴う粟(あわ)島の傾動
などは有名です。
このようにはっきりした変化ではなく、地震を伴わずに、ゆっくりとわずかずつおこっている地殻変動もあります。
こうした緩慢な変動が存在することは、精密な観測、測量を行うことによってわかります。
変動が非常にゆっくりしている場合や、急激に生じたものでも変動量が小さい場合には、あまり大きな影響はないように思われがちですが、それが長期にわたって継続し繰り返されるならば、全体では非常に大きな変動となり、その結果が明らかに観察できるようになります。
・海中で堆積した堆積岩が高山で見られる
・二つの地層の上下が逆転する
・もとは一つにまとまっていた地質構造が水平断層によって何kmも離れてしまう
このような現象になります。
現在の大きな山脈は、すべてこうした過去の小さな地殻変動の積み重ねでできたものです。
このことは、現在の地殻の形成には、過去の地殻変動が、無視できない大きな役割を果たしてきたことの証明です。
現在、地殻変動の観測は、主として地震予知のために行われています。
大規模な地震は、その発生に先だって地殻の隆起などの小さな変動を引き起こしていることがあり、新潟地震や1980年の伊豆半島東方沖地震では、地震の前兆と思われる変動が確認されています。
そのため、地震の予想される地域で地殻変動を監視することが、地震予知の手段の一つとして重要視されています。
観測方法として、
・精密水準測量、光波測量、精密重力測量
・地下観測坑における地殻の傾斜、伸縮観測
・VLBI(超長基線電波干渉法)を利用しての高精度の位置測定
・GPS衛星(Global Positioning System=全地球測位システム)を利用しての高精度の位置測定
などが使用されています。
1990年代に入って、かなりの規模の地殻変動が、一瞬に起こるのではなく、数十秒の時間をかけて生ずる場合のあることがわかってきたそうです。
これはヌルヌル地震などとよばれ、あまり大きな地震を伴わずに起こります。
しかし、海底でこの変動が生じると津波は押し寄せるので、この種の地殻変動の検出と対策が急がれています。
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熊本県の「布田川断層帯」が、国の天然記念物に

熊本県の「布田川断層帯」が、国の天然記念物になるかも知れません。

国の文化審議会は11月17日に、昨年4月の熊本地震で益城町の地表に現れた「布田川断層帯」の活断層3カ所を、国の天然記念物に指定するよう林芳正文部科学相に答申しました。
国指定天然記念物の活断層は阪神淡路大震災の野島断層(兵庫県)など9件あります。
愛媛県でも、砥部町の衝上断層が、国の天然記念物になっていますが、熊本県では初めてだそうです。
来春、答申通り指定される見通しとのことです。

「布田川(ふたがわ)断層帯」は、阿蘇外輪山の西側斜面から宇土(うと)半島の先端に至る活断層帯です。
「日奈久(ひなぐ)断層帯」もありますが、この断層は、その北端において「布田川断層帯」と接し、八代海南部に至る活断層帯です。
「布田川断層帯」は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村から上益城郡益城町(かみましきぐんましきまち)木山付近を経て、宇土半島の先端に至る断層帯です。
下図のように、本断層帯は、概ね東北東-西南西方向に延び、全体の長さは約64km以上の可能性があります。
「布田川断層帯」は、断層線の分布等から、阿蘇村から木山付近に位置する長さ約19kmと推定される布田川区間、木山付近から宇土市中心部に位置する長さ約20kmの可能性がある宇土区間及び宇土市住吉町(すみよしまち)から宇土半島北岸に沿って宇土半島先端に至る長さ約27km以上の可能性がある宇土半島北岸区間からなります。
このうち、宇土区間の一部と宇土半島北岸区間は、従来認定されておらず、重力異常の急変帯の分布などから布田川区間及び宇土区間東部の西方延長部において地下に伏在する活断層として新たに推定されたものです。
布田川区間は、南東側が相対的に隆起する上下成分を伴う右横ずれ断層であり、一部では複数の断層が並走して小規模な地溝帯を形成しています。
宇土区間及び宇土半島北岸区間は、南東側が相対的に隆起する上下成分を伴う可能性があります。
また、「日奈久断層帯」は、上益城郡益城町木山付近から葦北(あしきた)郡芦北町を経て、八代海南部に至る断層帯です。
本断層帯は、概ね北東-南西方向に延び、全体の長さは約81kmである可能性があります。
「日奈久断層帯」は過去の活動時期から、益城町木山付近から宇城市豊野町山崎(うきしとよのまちやまさき)付近まで延びる長さ約16kmの高野-白旗(しらはた)区間、宇城市豊野町山崎から芦北町の御立(おたち)岬付近に分布する長さ約40kmの日奈久区間及び御立岬付近から八代海南部に位置する長さ約30kmの可能性がある八代海区間に区分されます。
「日奈久断層帯」は、断層南東側の相対的が隆起する上下成分を伴う右横ずれ断層であり、一部では断層が並走して小規模な地溝帯を形成しています。

「布田川断層帯」は最大震度7、マグニチュード7・3を観測した熊本地震の震源断層です。
文化庁によると、嘉島町から益城町、西原村までの長さ約31キロでほぼ連続的に露出し、多くの地点で北東-南西方向の横ずれが確認されました。
益城町によると、答申を受けた3カ所は、
・杉堂地区の潮井水源公園一帯1万1799㎡
・上陳・堂園地区の農地7928㎡
・福原・谷川(たにごう)地区の民家宅地1689㎡
です。
杉堂地区では潮井神社の境内に長さ約8mの横ずれの活断層が現れ、最大約70cm沈下しています。
堂園地区の農地では、長さ約180mの活断層が露出し、東西方向に最大2・5メートルずれ、あぜがクランク状になっています。
谷川地区の民家宅地では、長さ約40~35mの2本の活断層がV字形に出現し、それぞれ最大70センチ~40センチ沈下しています。
文化審議会は、3カ所の活断層について「多様な断層運動の痕跡は学術的価値が高く、地震の被害を将来に伝える遺構としても貴重」と評価しました。
町は昨年6月に杉堂と谷川両地区を、今年6月には堂園地区をいずれも町文化財に指定し、国に天然記念物指定を求めていました。
今後は、有識者らでつくる専門委員会を設け、断層の保存・活用方法を検討するそうです。
西村博則町長は「熊本地震を後世に引き継ぐことは私たちの責務。防災・減災教育や環境教育の拠点となるよう整備していきたい」と話しているそうです。


国の天然記念物に指定される上陳・堂園地区の農地に現れた活断層です。
2016年5月撮影しています。


「布田川断層帯」と「日奈久断層帯」の位置関係がわかる図です。


「布田川断層帯」の活断層3カ所の位置図です。







香川県にあるランプロファイア岩脈

香川県東かがわ市にあるランプロファイア岩脈を紹介します。

香川県東部に位置する、瀬戸内海に突き出た鹿浦越岬(かぶらごしみさき)がありますが、ここに、ランプロファイア岩脈があります。
ランプロファイア(lamprophyre)は、全自形粒状の組織を呈する塩基性の火成岩で、煌斑岩(こうはんがん)とも呼んでいます。
斑岩やひん岩と異なり、斑晶が角閃石や輝石などの有色鉱物で、アルカリ岩質のものが多いのですが、非アルカリ岩質のものもあり、岩脈として産しています。
花崗岩中の節理(引張割れ目)が生成された時に貫入したもので、日本では、閃緑ひん岩岩脈とも呼ばれていました。
ランプロファイアは花崗岩との境界面付近が細粒(冷却周縁相)となっていることから、ランプロファイア岩脈が花崗岩に貫入したことが分かります。
ランプロファイアの年代は報告されていませんが、花崗岩類より少し後の白亜紀後期と思われます。
見た目には、鮮やかな白黒の美しいストライプ模様の岩壁です。
ただし、白色は花崗岩で、黒色がランプロファイア岩脈です。
白色の花崗岩に割れ目ができた時に、黒色のランプロファイアが入り込んで岩壁が形成されたそうです。
縞模様のランプロファイア岩脈は見た目にも美しく、鹿浦越岬のランプロファイア岩脈は、1942 年(昭和17 年)に国の天然記念物に指定され、世界的にも珍しい岩脈だそうです。
近くには、駐車場(5台)と遊歩道があり、そこから干潮時には、ランプロファイヤ岩脈のそばまで、歩いていくことができるそうです。

ランプロファイヤ岩脈
最後は道が途切れ、大小の岩が混じった岩礁を慎重に歩いていくと白黒のストライプ模様が入ったランプロファイア岩脈が目に飛び込んできます。
今は、満ちてきたところなので、歩きはここまでです。


断崖一帯は満潮時には海水面が上昇して、歩いていくことができないそうです。
干潮(引き潮)の時間帯のみ見られる景色です。


上の写真のクローズアップです。
ランプロファイア岩脈の厚さは、2cm程度から2mに達するものまであります。

高松平野の沖積層について

高松平野の沖積層について調べてみました。

(1)地形
高松平野は東端屋島から西端五色台に至る東西約9km,南北約8kmの扇状地性海岸平野です。
平野中央部のやや西寄りには島状の孤立した石清尾山(標高240m )があります。
この海岸平野には、東から順に,柑引川,新川,詰田川,香東川,本津川が北流して瀬戸内海に注いでいます。
平野部の河川勾配は1/150でやや急勾配となっています。
これらの河川のうち最も流域の大きい香東川は、その源を讃岐山脈に発し、上流部の和泉層群地帯と中流部の花崗岩丘陵地帯を侵蝕しながら、洪水時には多量の土砂を下流に運搬・堆積しています。
現在での香東川は、高松平野中央部を流下しないで、西端を流下して瀬戸内海に注いでいるため、高松平野中央部には土砂を運搬していません。
ただし、地形図から判読すると、現在の高松平野は香東川の氾濫により形成された扇状地です。
その他の小河川は讃岐山脈北麓の丘陵地帯にその源を発し,、河川規模も小さいので,、平野部への土砂の運搬・堆積は少ないです。

(2)埋没谷基底の地形・地質
高松平野周辺の地質は領家花崗岩となっています。
平野部の基盤はボーリソグおよびその他の深井戸資料により,、領家花崗岩類であることが確認されています。
これらの基盤深度は、標高-120m 前後で比較的平坦な面を形成しているように思われます。
花崗岩が地表に露出している部分では直接アバットした形で沖積層が接しています。
高松平野における沖積層の基盤は数多くのボーリソグ・深井戸資料から鮮新世の三豊層群の地層であることが確認されています。
この三豊層群の岩質は、青色の泥岩・砂岩・礫岩等であり、所々に薄い泥炭層(亜炭層)を挟在しています。
沖積層下には埋没谷地形があり、これらの埋没谷は最終氷期に対応する最低海水準期に形成されたものと判断されています。
平野の中央部には標高-10m 線に残丘が認められ、埋没段丘の可能性も十分考えられています。
埋没谷の勾配は約1/250 で、現河川の香東川の勾配1/l50 と比較するとかなり緩やかです。

(3)沖積層の地質
沖積層は埋没谷地形を基盤として堆積しており、海岸部と内陸部において,それぞ上・中・下部層の3 層に区分されます。
1)海岸部
①上部砂礫・粗砂・中砂・シルト層
本層は、岩相の変化に富み、中部層の上に整合的に堆積しています。
全般的に沿岸部の堆積を示す粗砂・中砂が多く、 貝殼片を含み、層厚は2〜5m程度です。
②中部細砂・シルト・粘土層
本層は、下部砂礫層の上に整合的に堆積しており、岩質はシルト・粘土層です。
層厚は10m程度です。
全般的に腐植土質シルト・粘土層の上に貝殻混りの細砂・シルト・粘土層が堆積しています。
部分的には香東川河口付近に見られるように、砂礫の多い所もあります。
平野中央部から東側は腐植土質シルト・粘土層から細砂・シルト・粘土層となっています。
厚さ30cm程度の乳灰色火山灰質細砂も腐植土中に夾在している所もあります。
③下部砂礫層
本層は、基盤の三豊層群の地層上に不整合にのる基底砂礫層です。
層厚は5〜10m程度と変化しています。
礫質は花崗岩・和泉層群の砂岩が多く、径Φ2〜5cm程度の円礫〜亜角礫を主とし、マトリックスは砂が大部分を占めています。
礫の色調は褐色〜灰褐色のものが多く、上部に青灰色の砂礫が一部認められています。
また基底の谷部の一部に礫混りシルト・粘土層も認められています。
2)内陸部
①上部砂礫層
本層は、海岸部の上部砂礫・粗砂・中砂・シルト層に移行する内陸相です。
層厚は2〜5m程度と比較的薄く、中部砂礫層とは整合関係にあり、部分的には、地表より4m付近に有機質の軟質粘土層を挾んでいます。
この粘土層が、上・中部砂礫層の境界になっています。
上・中部砂礫層は類似した砂礫層ですが、全般的に上部砂礫層のマトリックスは砂質であり、中部砂礫層のマトリックスはシルト質となっています。
②中部砂礫層
本層は、海岸部の中部シルト・粘土層に移行する内陸相です。
層厚は5 〜10m程度であり、内陸部から海岸部にかけて徐々に薄くなっています。
部分的に、地表より20m 付近にシルト混りの細砂があり、その上に1m程度の灰色火山灰質粘土があるところがあります。
③下部砂礫層
本層は、埋没谷地形を埋積した基底砂礫層であり、海岸部の下部砂礫層に移行するものです。
層厚は10m前後で、海岸に向かって薄くなる傾向を示しています。
マトリックスは全般的に中砂となっています。

瀬戸内南岸の地形・地質について

瀬戸内南岸の地形・地質について調べてみました。

愛媛県北部および香川県は、地形学的に次の4 地帯に区分されています。
①和泉層群よりなる讃岐山脈地帯と三波川結晶片岩類で構成された石槌山脈地帯の山岳地帯(標高700〜1500m )
②領家花崗岩類よりなる讃岐山脈の前山丘陵地帯および第三紀各種熔岩類をのせた山塊群(標高300〜500m )
③讃岐山脈北麓の花崗岩の丘陵地, 第三紀火山性丘陵地の間および石槌山脈北麓に発達する洪積台地(標高60 〜300m )
④高松平野, 丸亀・坂出平野, 三豊平野、三島平野, 新居浜平野および西条平野の扇状地性沖積平野(標高O− 80m )
この4 地帯は地質構造とよく一致した配置を示しています。
香川県においては南部讃岐山脈地帯に中生代白亜紀の和泉層群が分布し、北部讃岐山脈地帯に一段低く花嵌岩類の前山丘陵を形成しています。
この前山丘陵の間に鮮新世の三豊層群および洪積層段丘堆積物が台地を形成しています。
三豊層群はあまり固結していない砂礫岩およびシルト岩の互層を主とし、時に泥炭層(亜炭層)を挾むことがあります。
香川県内では、これらの北側に高松平野,丸亀・坂出平野および三豊平野の扇状地性の沖積平野が海岸線まで延びています。
これらの丘陵地の末端部には高位段丘(標高100〜300m ), 中位段丘(標高60〜100m ), 低位段丘(標高10〜60m ) の3 段丘が発達し、いわゆる洪積台地を形成しています。
各沖積平野は主として扇状地性の氾濫原堆積物よりなり、瀬戸内海に面しています。
愛媛県北部においては、三波川系結晶片岩類で形成された急峻な石槌山脈が瀬戸内海に迫り、三豊層群および洪積台地から沖積平野に移行しています。
これらの海岸平野は香川県側に比較すると奥行きがなく、海岸線に平行に細長く分布しています。
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