久万高原町にある「落合いこいの水」

久万高原町に「落合いこいの水」があります。

この水は、国道33号線沿いの落合露峰地区にある湧水です。
久万高原町役場を高知方面に走り、1つ目のトンネルの 落合トンネルを抜けたすぐ右側の路側帯にあります。
ここを通っている時には、誰かが水を汲んでいるところをよく見かけます。
渇水の時には、松山からも、多くの人が順番待ちをしていたそうです。
冷たくて、飲みやすく、とてもおいしい水です。
そして、側には、地元で作った新鮮な野菜が売られていました。
なす、じゃがいも、ピーマン、きゅうり、どれも一袋がたったの100円です。


「落合いこいの水」です。
昔は、パイプで道路に垂れ流していたような印象ですが、数年前に、石で造成してきれいな水場にしています。
スポンサーサイト

「水利権」と地下水について

水を取水する場合に、注意しないといけない権利に「水利権」があります。

「水利権」とは、特定の目的(水力発電、かんがい、水道等)のために、その目的を達成するのに必要な限度において、流水を排他的・継続的に使用する権利のことを言っていますが、「水利権」という用語は、法律上のものではなく、「水利権」について規定している法律である河川法の中には出てきていないようです。
つまり、水を利用する権利として従来よりこの呼び方が定着しているもののようです。
一般には、「免許の売買」「免許の譲渡」とよばれる地位の承継(河川法33条、34条)を行うことによって、他人に引き継ぐことができるそうです。
それは次のような「水利権」です。
①慣行水利権
水利に関係する法律の成立以前の取り決めによって水の利用が認められていた者に対し、河川法87条(経過措置)、88条(許可等を受けたものとみなされる者の届出)によって与えられる権利のことです。
慣行水利権は、河川、ため池、渓流などのいずれについても発生しますが、これが河川に係るものである場合、明治29年の河川法制定にあたり、水利使用慣行が河川法上の権利として位置づけられました。
さらに、昭和39年の新河川法(現行)の制定にあたっても、許可を受けたものとみなされています。
ただし、明治29年の河川法成立以前より取水を行っていた農業用水などにも認められています。
河川法成立後2年以内の届け出が指導されたのですが、河川の指定を受ける以前から取水を行っていたことが、社会的に認知されていれば成立するため、届出のない慣行水利権は多いと思われます。
②許可水利権
新河川法(昭和39年施行)では、河川管理者の許可により生ずる「水利権」です。
通常10年単位で河川管理者と協議して更新することとなっています。
慣行水利権と認可水利権とを対比してみると、その包含する範囲が異なっています。
慣行水利権では、一般的には河川から取水し、それを村落共同体の管理する施設で導水し、個別農家の水田で使用するまでの間のいろいろな権利が全て包摂されて、これが一つの権利となっています。
これに対し、許可水利権は、いわゆる流水占用権であり、河川からの取水部分だけに関する権利となっています。
なお河川法上、河川管理者の許可がなければ「水利権」の売買や譲渡はできないことになっています(34条1項)。

「水利権」をわかりやすく言うと、川の中の一定の場所から、一定の量以下の水を取っていいという権利のことです。
以下というのは、その量の範囲内で必要な量なのですが、川の中にその量以上の水が流れていなければ、取りたくても取れないことにもなります。
水路内の水と違って、川の中の水の量は日々変化しています。
蒸発もありますが、大きいのは潜ってしまう量(伏流水)と、逆に外から入ってくる量(還元水)です。
途中に支川の流入や取水がなくても、それは起こりますが、これらを直接的に測ることは困難です。
いろいろと複雑な水の変化ですが、取水量は、「水利権」量以上の水が流れていれば、自由に取っていいかというと、渇水のときなどはそうはいかなくて、渇水調整をし、決められた節水を強いられます。
これでは、権利というより制限量に近いもので、下流の取水に影響を及ぼさないという観点で量は決められています。

「水利権」は、水量が安定的に利用できる場合が原則で、これを安定水利権といい、この他に
・暫定水利権
・豊水水利権
・暫定豊水水利権
があります。
また、不正等により「水利権」乱用の場合はその「水利権」を行政が取り消し処分の行政処分を行なう事もあります。

「水利権」は、河川法上の河川の流水を占用する権利に限定されています。
したがって、河川法上の河川でない普通河川(一級水系、二級水系若しくは準用水系以外の水系に係る河川又は一級水系、二級系若しくは準用水系に係る河川のうち河川法の適用もしくは準用される河川として指定されなかった河川を言います)や、地下水や海水の取水は「水利権」の対象となりません。
ただし、河川の流水は表流水に限られるものでなく、伏流水であっても河川の流水が一時的に伏流しているものは、河川区域の内外を問わず「水利権」の対象となります。
また、河口に近い感潮区域の取水についても、河川の流水も取水するものであるから、「水利権」の対象となります。
こうして考えると、井戸を掘ったり、地下水を利用することに対しては「水利権」の対象外です。
各市町村の条例等で規制が掛かっていなければ、届けも許可も不要となります。
つまり、地下水には「水利権」がなく、誰もが自由に取水することができます。
法律上は「私水」として取り扱われており、川を流れている水のように「公水」ではないのがその理由です。
でも、先に掘削したからと言っても先取権はありません。
したがって、水切れとの因果関係が証明されても、補償などの請求は困難です。
地下水に「水利権」を認めると、次のような事態が想定されます。
①国土交通省(旧建設省)の許可のない、掘削は違法となります。(水利権がないので、利用許可申請をする必要もないが、明治29年以前から成立している慣行水利権以外は、許可が必要となります)
②地下水を利用(掘削)する場合には、利害関係人の調査と同意が必要になります。
③掘削する以前に、井戸等で地下水を利用していた人がいて、水位が下がったなどの申し立てがあれば、賠償責任を負うことになります。

乳頭温泉郷での事故と硫化水素

秋田県仙北市田沢湖生保内にある「乳頭温泉郷」の近くで、3月18日午後5時過ぎころ、「乳頭温泉郷」の源泉の調査をしていた3人が亡くなりました。
3人はいずれも硫化水素による中毒で倒れた可能性が高いとみられています。
この3人は、乳頭温泉郷の旅館から「温泉の量が減って温度も下がっている」との連絡を受けたため、通報者の仙北市職員を含めた4人で調整に向かっていました。
事故現場は秋田駒ヶ岳のふもとの「乳頭温泉郷」にある「カラ吹き源泉」と呼ばれるところで、硫化水素を含む水蒸気が噴出しているところです。
3人は、源泉から約200m離れたくぼ地で倒れていたそうです。
仙北市企業局によると、源泉は、先に述べたように、「カラ吹き源泉」と呼ばれ、硫化水素を含む水蒸気が噴き出し、水蒸気に水を加えて温泉として供給する設備があります。
源泉は掘削から40年ほど経過し、設備は以前から老朽化が指摘されていました。
2010年には蒸気が漏れる事故があり、応急措置として蒸気管の修繕工事を行っていました。
源泉付近は有毒な硫化水素が発生するため、一般の立ち入りは禁止されています。
仙北市企業局は「作業員は経験が豊富で、ガスの危険性は十分に認識していたはずだが」と話してはいます。
秋田県では2005年12月、湯沢市の泥湯温泉で、湯で解けてできた雪穴に落ちるなどした一家4人が、たまっていた高濃度の硫化水素ガスを吸って死亡する事故が起きています。
これだけでなく、温泉地では、硫化水素による事故がたびたび起こっています。

硫化水素は、火山ガスや鉱泉中に含まれる腐った卵のような臭いをもつ無色の有毒気体です。
実験室では,硫化鉄に希塩酸を加えてつくります。
空気中で青色の炎をあげて燃焼して二酸化硫黄を生じ、還元性をもち、各種の金属と反応して硫化物をつくります。
水に少し溶けて弱酸性を示し、金属塩水溶液に通じると、各金属に特有な色をもった硫化物の沈殿を生じます。
そして、硫化水素は、高濃度になると、嗅覚をまひさせるため、気づかない場合も多く、死亡例も多くみられます。

「乳頭温泉郷」は、十和田・八幡平国立公園にあり、乳頭山麓に点在する七湯が呼ばれています。
七湯は独自に源泉を持ち、その泉質は多種多様で、「乳頭温泉郷」には十種類以上の源泉があります。
また、乳頭山登山道には一本松温泉というかつての温泉場跡地の野湯も存在しています。
①鶴の湯温泉
・場所
県道の「鶴の湯入口」バス停より数km分け入った場所にあり、他の宿とは距離があります。
・泉質
含硫黄・ナトリウム・カルシウム塩化物・炭酸水素泉、他3種です。
・効能
高血圧症、動脈硬化症、リウマチ、皮膚病、糖尿病他です。
②妙乃湯温泉
・場所
秋田県道194号線沿いにあります。
・泉質
カルシウム・マグネシウム硫酸塩泉・単純泉です。
・効能
皮膚病、動脈硬化症、消化器病等です。
③黒湯温泉
・場所
県道の休暇村前より1km強分け入った場所にあります(冬季は休業しています)。
・泉質
単純硫化水素泉・酸性硫黄泉です。
・効能
高血圧症、動脈硬化症、抹消循環障害、糖尿病他です。
④蟹場温泉(がにばおんせん)
・場所
秋田県道194号線起点付近です。
・泉質
重曹炭酸水素泉です。
・効能
糖尿病、皮膚病他です。
⑤孫六温泉
・場所
県道の大釜温泉より1km強分け入った場所にあります。
・泉質
ラジウム鉱泉です。
・効能
胃腸病、皮膚病(ジンマシン)、創傷他です。
⑥大釜温泉
・場所
秋田県道194号線沿いです。
・泉質
酸性含砒素ナトリウム塩化物硫酸塩泉です。
・効能
真菌症(水虫)慢性膿皮症、リウマチ性疾患他です。
⑦休暇村乳頭温泉郷
・場所
秋田県道194号線沿いです。
・泉質
単純硫黄泉・ナトリウム炭酸水素塩泉です。
・効能
高血圧症、動脈硬化症などです。
⑧一本松温泉
・場所
登山道の途中にある野湯です。
・泉質
単純硫黄泉です。
・効能
神経痛・リウマチ・胃腸病・腰痛・皮膚病・婦人病・運動器障害です。

このように「乳頭温泉郷」は硫黄泉が多いのが特徴です。
硫黄泉(いおうせん)は、掲示用泉質名に基づく温泉の泉質の分類の一種で、療養泉に分類される泉質です。
硫化水素の特徴でも述べましたが、硫黄泉も、卵が腐ったような臭いがします。
また湧出後湯船にて湯の花により白濁する温泉も多いのも特徴です。
掲示用泉質名では硫黄泉と一括りにされますが、硫化水素の含有の有無により、全く含まない硫黄泉と、これを含む硫化水素泉に大別されています。
硫化水素を含む温泉の泉質名では、以下に分類されています。
①旧泉質名
・単純硫黄泉
・含食塩重曹-硫黄泉
・単純硫化水素泉
・酸性硫化水素泉
②新泉質名
・単純硫黄泉
・含硫黄-ナトリウム-塩化物-炭酸水素塩泉
・単純硫黄泉(硫化水素型)
・酸性-含硫黄(-ナトリウム)-硫酸塩泉(硫化水素型)
効能としては、以下が挙げられています。
①浴用
一般的適応症のほか、慢性皮膚病、慢性婦人病、切り傷、糖尿病
硫化水素型では他に、高血圧症、動脈硬化症
②飲用
糖尿病、痛風、便秘

硫化水素泉の場合、空気中に放出される硫化水素ガスを長時間または高濃度のものを吸引すると中毒を起こすと言われ、内風呂では十分に換気が行なわれなければいけません。
野湯の場合、窪みや穴状の地形の中にあると高濃度の硫化水素ガスが溜りやすく、過去にも中毒死亡事故が起きています。
冬季には地形にかかわらず積雪で温泉の周りが囲まれた状態でも同じことが起きると言われています。
今回は不幸な事故ですが、専門家がわかっていながら防げなかったことを考えると、異常な量の硫化水素が発生していたのかも知れません。
まさに、効用と事故は紙一重なのでしょうか。

南阿蘇村の竹崎水源

熊本県の南阿蘇村には、「日本の名水百選」にも選ばれている 白川水源を始めとし、数多くの水源があります。

(1)南阿蘇村の11ヶ所の水源
よく知られている所としては、11ヶ所の水源があります。
①白川水源
阿蘇白川駅から徒歩約15分です。
小川の横の道を100m位行くと、白川水源の入口があります。
入場料100円を払って入り、さらに奥には吉見神社があります。
豊富な湧水量と水の美味しさで、南阿蘇村だけでなく、熊本県を代表する水源地です。
周囲には遊歩道も整備されており、ゆっくり時間をかけて楽しめます。
②竹崎水源
阿蘇白川駅から徒歩20分のところにあります。
駐車場はなく、農道を400m位歩いてたどり着きます。
水源地というより地中から流れ出す川と呼ぶ方がふさわしいと思います。
毎秒2トン・毎分120トンの湧水量を誇る水源地です。
水田約350町歩に灌漑用水として利用されています。
③妙見神社の池
妙見さんと呼ばれ親しまれています。
熊本県では妙見様は水源に祀られることが多く水神様として信仰されています。
④吉田城御献上汲場
阿蘇白川駅から徒歩20分のところにあります。
高森方面に向かい右に入った道の案内板から狭い曲がり角を左に折れ、細い道を通ってたどりつく水源地です。
⑤小池水源
他の水源地よりも湧水池が大きく子どもたちがよくここで釣り遊びをしています。
明るく静かな水源地です。
⑥明神池名水公園
阿蘇白川駅から徒歩約10分です。
日本庭園風の名水公園です。 約750㎡の池があり、底からはこんこんと清水が湧き出ています。
産神を祀った郡塚神社があり、大きな池の脇に湧きだす水は、安産の効果があるとの言い伝えがあり「誕生水」と言われています。
近くには鬼勘兵衛記念館やそばを食べれるお店もあります。
⑦池の川水源
中松駅から徒歩10分のところにあります。
広い道路のすぐ脇に湧き出る水源地です。
小さいながらもこんこんと湧き出る清水にちょっと一服できます。
⑧湧沢津水源
中松駅から徒歩15分のところにあります。
駐車スペースもあり、休憩所が整備された憩いの場所です。
⑨寺坂水源
南阿蘇白水駅から徒歩10分のところにあります。
南阿蘇鉄道の鉄橋の真下に湧く水源地です。
走る電車を真下から眺めながらのんびり涼めます。
⑩川地後水源
いつもきれいな花で彩られている小さな水源地で、東屋もあります。
⑪塩井社水源
水の生まれる里白水高原駅から徒歩20分です。
小川が流れる横の道を220m位進みと塩井神社に到着します。
水源地はその境内にあります。
毎分約5トンの湧出量があり、およそ30㎡の池を形成しているそうです。
塩井神社境内の静寂な空門に青くて深く、水底だけがゆらゆらとゆれる湧水池です。

(2)竹崎水源について
この11箇所の水源の中で、竹崎水源について調べてみました。
竹崎水源は、阿蘇カルデラ中央火口丘(阿蘇五岳)からの湧水ではなく、南外輪に降った雨が地下をとおり湧き出している水源地です。
すぐ近くで白川が両併川と合流していますが、この湧水は両併川に流れ込んでいます。
総水量は1秒に2トン、毎分120トン、1日17万2千トンという、ものすごく膨大な量で、両併川より数倍の流量のように見えます。
水源地は池というよりも川のようになっており、川に沿うように湧水地点が並んでおり、黒い砂を吹き上げている様子は壮観で、四国では見られない光景です。
一般に、山の中腹に降った雨は地下にしみこみ、水を通さない岩盤などの層の上を流れていきますが、竹崎水源の場合、水を通さない層がどのようなものか不明ですが、地下の岩盤に沿って流れる水が未固結の地層のとぎれた場所から地表に現れることにより、湧水の吹き上げ見られることになります。
岸辺には竹林や椿が自生しており、地元では椿の根付近から湧き出す水がおいしいとのことです。
また、この水源地には水草が大量に繁茂しており、湧水の流れに合わせて揺れる様子は心を和ませてくれます。
そして、春先には岸辺にセリが芽を出します。
清水に育ったセリには何とも言えない芳香を含んでおり、旬の味を楽しむことができます。
竹崎水源は、このように自然を楽しめますが、農業用水としても重要な役割を果たしています。
久木野村の水田約700haの内の半分の、約350haの水田へ水を供給しています。
久木野村にとって、竹崎の水源が枯れれば村の農業は成り立たなくなってしまいます。
したがって水源は南阿蘇村(旧白水村)にありますが、その恩恵は久木野村が受けていることになります。
ミネラルデータは、
・pH7.8
・ナトリウム9.35mg/l
・カリウム6.33mg/l
・カルシウム22.8mg/l
・マグネシウム7.32mg/l
となっています。 

イメージ 6 
ここが竹崎水源地です。
まるで河川のようです。
総水量は1秒に2トン、毎分120トン、1日17万2千トンという、ものすごく膨大な量です。
愛媛県の重信川などは、普段は表面にはこれほどの水は流れていないと思います。

画像
写真では分かりずらいですが、砂を巻き上げながら水が噴出しています。
水面の至る所でこのような光景が見られます。
そして、この水はものすごくきれいだそうです。


南阿蘇村に分布している水源地です。

富士山の地下水

富士山の地下水について調べてみました。

富士山は、2~8万年ほど前に玄武岩質マグマの火山活動を始めています。
1万年ほど前のウルム氷期の末期には厚く氷に覆われた山体から激しい噴火活動に伴って、大量の泥流を東西南北各方面に流し出しています。
1万年ほど前を境にしてそれ以前を古富士の火山活動、それ以後を新富士の火山活動と呼んでいます。
約1万前の新富士初期の火山活動で各方面に多孔質の玄武岩質溶岩が流し出されました。
富士山は、標高1,800m付近の勾配変換点以高では傾斜が1/2に近い急斜面なので、雨水は浸透できず、大部分が凹地に集まり表流水となるので地下への浸透は殆どありません。
でも、標高1,800m以下では水文地質学から見ると、古富士火山は水の浸み込み難い火山ですが、その上に最大厚み250mで50層くらいの新富士の溶岩流が乗っていて、この新富士の溶岩流の中に地下水の流れができています。
火山礫等に覆われており、地表水はすべて浸透して地下水となるため、富士山には河川がなく、水は全て地下へ浸み込み、連続数百mmの豪雨でさえ殆ど吸収されています。
それがやがて山麓の湧水として湧き出すので、富士山は巨大な水がめのようなものと考えることができます。
冨士山は単独で3776mの高さになった世界でも数少ない火山です。
富士山の溶岩は玄武岩で粘性が低く、裾野までよく流れて広がり、今のような形ができていました。
この富士山の溶岩が御坂山地との間を埋めて、その間にできた水溜りが富士5湖です。
この溶岩は現在良好な帯水層となって、
①北麓の忍野八海
②西麓の白糸の滝
③南西麓の浅間神社の湧玉池
④南東麓の三島湧水・柿田川
など富士山麓に日本を代表する湧水を形成しています。
富士山とその山麓の地下水流量は約470万m3/日と計算され、その量は関東平野全体の地下水の流れに匹敵すると言われています。
地下水は、当然降水量の影響を受けており、降水量が多いと富士山という水がめの水圧が上がって湧き出す水も多くなり、降水量が少ないと水圧が下がって湧き出す水の量も減るものと推定されています。

富士山は厳しい自然条件を持っており、富士山とその周辺における水循環は活発です。
富士山頂付近の地下には今も永久凍土があるといわれています。
頂上付近では平均すると積雪の初日が9月30日頃で、終日は7月1日頃です。
積雪期間は10月から6月の9ヶ月間にも及んでいます。
11月から3月の間は五合目(標高約2,300m)付近まで氷結した雪で覆われ、頂上付近の積雪の深さの最大は4月頃で、3mを超すとされています。
富士山に降る雨の大部分は4月から10月に集中し、先ほど述べたように、雨水や雪解け水は山麓で殆ど地下に浸透しています。
降水量は年間平均するとほぼ南東斜面で3,000mm、南斜面で2,000mm、西斜面で2,500mm、北斜面で1,500mm程度です。

こんな富士山とその周辺ですが、戦前は水が乏しく、田んぼもできないような地帯でした。
戦後 ボーリングの技術によって地下水が豊富にあることがわかり、一躍水の豊富な場所になったそうです。
昭和34年に富士総合開発(株)が表登山口一合目(富士宮市、標高1,040m)で取水を目的に勾配1/300で約2,000mの長さの横穴を掘削したのですが期待した水は得られず僅かに湧出した水の量も季節により大きく変化したそうです。
その時の坑道の観察によると、坑口から1,400mまでは新富士火山の初めの頃の溶岩が6枚ほど整合に重なり、ほとんど水は見られず、7枚目の溶岩は褶曲していて若干の湧水がありました。
ここから100m先に古富士溶岩との境界があるとされていますが、その先の坑道の終点までの古富士溶岩にも水はありませんでした。
坑道の終点近くで支坑を掘ったところ古富士溶岩からわずかに湧水があり、700mmの豪雨のあと、その浸透水が坑道内の7枚目の溶岩の湧出地点で湧出するまでの経過時間(10日間)と地表の浸透地点と推定される標高1,800m付近との距離(4,000m)からの新富士溶岩中の宙水状態の地下水の流速を計算すると400m/日(0.5cm/秒)となりました。
坑道終点近くの古富士溶岩の湧水の流速はさらに一桁小さく計算され、富士山の斜面で地下に浸透し、宙水として流れる地下水は勾配は、比較的ゆっくりした流れであることが分かりました。
また、坑道の終点2,000m付近で垂直に深さ110mのボ-リングをしたところやっと地下水面が検出されました。
この結果、富士山の標高1,000m付近では新富士溶岩、古富士末期の溶岩の地下水は宙水状態であり、地下水本体はもっと深いところに存在することが確かめられました。
先に述べたように、この地下水は山体を流下し、やがて被圧地下水となって富士山麓で湧出しています。
富士山の西麓を流れる芝川と潤井川は、富士山の西側山体の湧水を源流としています。
この二つの河川の流量141万m3/日は富士山西麓の湧水の総量と考えることが出来ます。
この水量をもとにして富士山の各斜面の面積と降水量から富士山と山麓の地下水流量の総量を計算すると470万m3/日ということになります。
最新記事
カテゴリ
リンク
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

月別アーカイブ
カウンター
検索フォーム
QRコード
QR