井戸効率について

井戸の効率について説明します。

井戸から揚水する時に、地下水は井戸を通してポンプで揚水されますが、理論通りに揚水できるとは限りません。
それの原因としては、
①ストレ-ナ-の開口部の抵抗
②帯水層の流れによる抵抗
③ストレ-ナ-周辺の目詰まり
④その他、ストレ-ナ-の劣化・腐食

などがあります。
その原因の1つとしては井戸構造にあり、地下水を汲むことによる上記理由の井戸損失が発生します。 
①ストレ-ナ-の開口部の抵抗としては、ストレ-ナ-の構造としては、スリット状、金網状、円孔状のものなどがありますが、開口率(有孔率)が大きいほど抵抗は少ないのですが、強度や製作の上から、塩ビ管などはあまり大きくできません。
これを克服した製品が巻き線スクリ-ンですが、あまりにも高価なので、家庭の井戸では到底設置できません。
②帯水層の流れによる抵抗は、いわゆる地下水の「ミズミチ」のことですが、大雨の後とかで地下水の方向が変わることがあります。
これには対処ができませんが、井戸の能力以上に揚水を行った時などにも影響範囲が極端に広くなり、今まで汲んでいただけの揚水ができなくなったり、井戸枯れを起こしたりします。
つまり、これは地下水の方向を無理やり変えてしまった結果だと思います。
③ストレ-ナ-周辺の目詰まりや、④その他、ストレ-ナ-の劣化・腐食は、古くなった井戸にはつきものです。
井内の洗浄にはいろいろな方法がありますが、その井戸にあった方法を専門業者に依頼するのが一番だと思います。
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井戸の障害

井戸水は、水道料金がかからず、夏は冷たい水が飲めますが、長年揚水を続けているといろいろな障害も出てきます。
その現象としては、
①水位の低下
②水量の減少
③排砂量の増加
④水質の悪化
⑤水中ポンプへの障害

などです。
このうち、水位の低下、水量の減少などの経年的な井戸能力の低下は、スクリーンやスリット等の開孔管の目詰まりに起因することが多いと思います。
また、急激な水位低下や水質の悪化などは、開孔管の破損といった井戸構造にかかわるトラブルが元になっていることもあります。
水質の悪化の原因としては、
①浅い深度に開孔管を設置する
②十分な遮水対策を施していない

ことにより、帯水層の汚染(有機塩素化合物、塩水化、窒素肥料、殺虫剤、等)が懸念されています。
これらの井戸湧出能力の減退ないしは、井戸構造上のトラブルに対処するためには、井内の洗浄工事や修復工事を実施する必要があります。

主な洗浄方法としては、過去のブログ「井戸の洗浄」で説明しています。
http://ntooffice.blog21.fc2.com/blog-date-201012-8.html

井戸のトラブル

現在のように、上水道が普及していない時代には、人々の暮らしの糧として井戸を掘ってきました。
この当時の井戸は、手掘りの井戸が主で、深さは5mくらいで回りには石積かコンクリートの井戸側で保護していました。
私の家にもありますが、今は浅く見える井戸底も、子供のときにはものすごく深く見えたものです。
この、永遠に湧き出るように思える井戸も、時としてトラブルも発生します。
井戸のトラブルとしては、
①湧出量の減少
②水位の低下
などがありますが、ほとんどの場合は、自然環境の変化によるものではなく、井戸自身に原因があることがわかってきました。
井戸のトラブルの原因として、
①ポンプ機能の低下・故障
②ストレーナ(取水口)の目詰まり
③鋼管の腐食・電食
などがあります。
水質・使用状況にもよりますが、長期にわたって使用されている井戸では、このようなトラブルが発生する可能性が高くなります。
このうちストレーナ(取水口)の目詰まりですが、地下水に溶け込んでいる成分が析出(スケール)しストレーナに付着したり、地層中の細粒分がストレーナ周囲に濃集したりして、目詰まりを起こします。
目詰まりし開口率が減少しているストレーナでは、流入する地下水の流速が速くなるので、さらに目詰まりが広がり、除々に水量の減少、水位の低下が生じます。

ストレーナ(取水口)の目詰まりについては、当ブログ「井戸のスケール(ぬめり)の原因」で詳しく説明しています。
「井戸のスケール(ぬめり)の原因」のブログ
http://ntooffice.blog21.fc2.com/blog-entry-13.html

井戸水の濁り

井戸を掘る時に、付近の地層を想定します。
掘る場所が、水が出ないところなら、掘る意味がないからです。
水は地下の帯水層を流れています。
流れているといっても、地上の河川のように流れているわけではありません。

(1)地下水のスピード
松山の山奥に降った雨が、重信川に入り海に流れるのは1日もかかりませんが、地下に浸透し、直下の帯水層に到達する時間は、数日から1ヶ月程度かかります。
これが地下水となると、その速さは、1年間に数mから数百mであり、地形や砂や石の粒度によって大きく変わります。
これを透水係数という言葉で表現していますが、一番早い礫でさえ1km/day(1日に1km)が限度です。
砂は1m/day~1km/dayの間でありここまでが地下水がある層(透水層または帯水層)と言われています。
微細砂やシルト・粘土の混合物では0.0001m/day~1m/dayとなり、つまりほとんど地下水が移動出来ない層で、この層を難透水層(あまり水を透さない層)と呼んでいます。
粘土は0.0001m/day以下なのでこれを不透水層(全く水を透さない層)と呼んでいます。
このように、帯水層を流動する速度は遅く、上記のように1m流れるのに、何年もかかることもあります。
つまり、地下水が涵養されてから流出するまでの時間は、地下水流域の地層や岩石の性質により異なりますが、数ヶ月~数百年、さらに地下数百m以深に存在する地下水はもっと長い時間かかります。
井戸から水を汲み上げるのは、このように長い年月をかけて到達した地下水を取水することになります。

(2)井戸水の濁り
①大雨の後の井戸水
よく、大雨が降った後に井戸水が濁るという話を聞いた事がありますが、これは浅井戸で、河川の濁り水をそのまま取水しているような井戸や、井戸の周りに雨水が入るような隙間が開いているような場合に限られます。
地下水は先ほど述べたように雨が降ってから井戸に到達するまでに日数がかかるので、すぐに濁ることはありません。
②福島原発の放射能汚染と井戸との関連
福島原発の放射能汚染の水に対しても同じ事が言えます。
つまり、ボーリング井戸で、深さが15~20m以下の浅井戸についても、表面をコンクリートで固めて表面水の流入を防いでいれば深度が深い分汚染されるのには時間がかかると思います。
掘削の途中で、粘土やシルトとかの難透水層や不透水層があり、その下の地下水を汲んでいる場合は、もっと汚染されにくい状態です。
深さが20m~40mあるいはそれ以上の深井戸(水中ポンプを使用)で、表面を密閉した井戸であれば、まず安全であると思われます。
それは、深井戸の場合は、徐々に深部へと入っていく中で、微細砂などで自然ろ過されてきれいな水になる可能性が高いのが安全な要因です。
 (原発からの放射能の影響については、当ブログの放射能と井戸水に詳しく書いています)
③汚染物質の近くに住んでいる時
他にも井戸の濁りの原因はいろいろあります。
近くにガソリンスタンドや化学工場などがあると、汚染物質が灰ってくることもあります。
汚染物質には様々なものがあります。
トリクロロエチレンなどの揮発性有機溶媒、ガソリンなどの油、砒素などの物質も汚染物質の一つです。
また近年ではダイオキシン類、PCBなどによる汚染も懸念されています。
④井戸をしばらく使用しない時
井戸をしばらく使用しないと、水垢などが発生しやすくなります。
それが原因で、水道法の水質基準にある「一般細菌」及び「大腸菌」の2項目の検査結果が陽性を示す可能性が高くなります。
また、細菌以外のサビ等による濁り、着色等で飲用に適さない水質になる可能性もあります。
従って、しばらく使用しなかった井戸水を使用(飲用)する際は、井戸の深さ・形状にも寄りますが、日を置いて多量の井戸水の揚水を繰り返した後で、新たに水質検査を受けてから使用する必要があります。
なお上述2項目が検出されても、直ちに水系疾患の原因菌が含まれていることではないのですが、その可能性はあると思います。
⑤土木工事による水みちの変化
土木工事により、水みち(帯水層)の遮断による水位の低下や濁り、そして場合によっては井戸枯れが起こることがあります。
逆に、水位の上昇がみられることもあり、このように水みちを遮断したり、また広げたりし、水みちが変化することによって地下水の量と共に水質に影響が及ぶ場合があります。
井戸の深度(スクリーンの位置)によりますが、浅い井戸ほど影響が受けやすく、時には濁りや、鉄が溶解した赤水が発生することもあるかも知れません。

井戸水を出す

もう30年以上前になるでしょうか?
松山市で渇水対策のために重信川の近くに大きな井戸を掘って、そのためにその付近の井戸水が枯れてしまいました。
松山市はその井戸の補償対策として、井戸の掘りましなどを行いました。
当時、新入社員で地質会社に入っていた私はさっそくその仕事に借り出されました。
大きな井戸が完成する前は、地下水位は地面から4mくらいだったと思います。
それが、井戸が出来て揚水を開始すると近くの水位が2mは下がって地下水位は6mになってしまいました。
当時の家庭用の井戸の構造は打ち込み(打ち抜き)井戸がほとんどで、建設資材を売っている店で先端が尖って30cmほど穴が開いている5.5mの鉄管(SGP管)を買って、それを打ち込んで井戸にしていました。
長さが5.5mだから水位が6mだと当然水は出ません。
だけど水を出さないといけません。
その方法としては
①今の井戸を掘り下げる
②近くに新たに井戸を掘る

まず①の場合、ポンプと井戸を切り離して井戸のねじ山に鉄ソケットをつけてパイプを継ぎ足しその上からパイプロハンマーで打ち込むやり方ですが、
a)ねじ山がさび付いてぼろぼろになっていたりしてソケットを付けられない
b)ソケットは付けられても井戸と周辺の土砂とが締まっていて打ち込んでも下がらない
c)ある程度は下がったが、玉石にぶつかってそれ以上には下がらない
d)7mまで下げたがソケットの間にエアが入り水が汲めない
e)7mまで下げ水を出そうとしたが不透水層に当たっているため水がでない

こんなことの繰り返しで、新たに井戸を掘る方が手っ取り早いようでした。
でも、打ち抜き井戸の欠点は、
①途中で玉石に当たるとそれより進まなくなり、またパイプを抜いて掘り替えをしないといけない
②水の入るところは先端の30cmだけなので、そこに水位がないと水は出ない
③継手をするとそこでエアが入る可能性があり、エアが入ると水は出ない
④掘削深度はせいぜい8mくらいまでである

それでもなんとか掘削し、掘削後手押しポンプで水をくみ上げました。
まず呼び水を送り、ポンプ内を水で満水にして手押しポンプを押します。
最初はすごく重いんだけど、出るときには軽くなっていて泥と一緒に水が出ます。
20分くらい繰り返すと徐々に濁りがとれてきます。
きれいになると砂取りをつけて、ポンプまで配管して完成です。
3ヶ月以上かかって、87箇所の井戸の補償を行いました。
今の井戸は先に述べたように打ち抜き井戸に欠陥が多いためボーリング機械で掘ることが多くなっていますが、当時の87箇所の井戸掘りの経験が今の井戸掘りに役立っていると思っています。

株式会社NTO
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