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北海道での地震と崩壊の原因について

北海道で地震がありました。

9月6日午前3時8分ごろ、北海道胆振(いぶり)地方を震源とする地震が発生し、厚真(あつま)町で震度7、むかわ町と安平(あびら)町で震度6強を観測するなど道内各地が強い揺れに襲われたそうです。
この前日の、4日夜から5日朝にかけて、日本海を北上していった台風21号が北海道に接近し、道内各地に大きな被害を出していた次の日になります。
今回の地震はマグニチュード(M)6.7であり、震源の深さが30km以上とかなり深く、阪神大震災や熊本地震などと比べ、地震の規模自体は一回り小さかったのですが、かなり広範囲にわたって土砂崩れなどの土砂災害や液状化などの被害が出ています。

北海道の内陸部はおもに東西から押され、中央部に日高山脈が形成されています。
気象庁によると、今回の地震も東西から押される力でずれ動く「逆断層型」だったとみているそうです。
今回の震源の近くには、活断層の「石狩低地東縁断層帯」が南北に走っていますが、気象庁は「距離は離れており、関係性はわからない」としています。
この断層が関係した地震について、名古屋大の教授である鈴木康弘さん(変動地形学)は、土砂崩れに断層が関わった可能性を指摘し、「石狩低地東縁断層帯は大規模な断層。今後、より大きな地震を起こしうる構造がある。これで終わりだと思わず、1~2週間は気をつけた方がいい」と話していました。
厚真町の土砂崩れについて、京都大防災研究所の教授である釜井俊孝さん(応用地質学)は、「火山灰に含まれる軽石が引き金になったのでは」と指摘しています。
軽石は水を含みやすく、地震の揺れによって高速で崩れる「流動地すべり」になったとみられています。
火山の地質に詳しい産業技術総合研究所の火山活動研究グループ長である石塚吉浩さんは、「厚真町の周辺には、およそ四万年前に支笏湖(支笏カルデラ)の火山活動で噴き出した軽石が多くたまった地層がある。今回の地震で、その地層が滑って土砂崩れが起きた」と分析しています。
それに、今回土砂崩れが起きた地域は、8月以降に厚真町で計約230mm、安平町で計約300mmの降水が観測され、これに前日までの台風21号による降雨も影響した可能性もあります。

崩壊の素因として、いろいろな専門家の話をまとめてみると、過去2万年間にその斜面を均一に被覆した軽石とその間に挟まれるクロボクとロームが5mと異様に厚かったので、降雨や、その後の震度7の揺れに耐えられずに滑落したのだと思われています。
尾根線が崩れずに残っているのが特徴だそうで、崩壊した斜面上で白っぽく見えるのが軽石の多い地層だそうです。
軽石は支笏火山の4回の噴火によるもので、合計3m積もっているそうです。
すべり面は、9000年前の樽前軽石または1万9000年前の恵庭軽石だったと思われています。

そして、この地域は「石狩低地帯」が札幌市から苫小牧市まで広がっています。
東側には日高山脈があり、谷底低地と言って、構造的に「へこんだ」場所です。
河川沿いの幅の狭い低地で、砂礫や粘性土、泥炭質土からなる地盤であり、明らかに地盤が弱く、札幌などで液状化が発生しているのは、石狩川などの河川に沿った軟弱地盤であることが影響していると思います。

地震による土砂崩れで倒壊した家屋(6日午前、北海道厚真町)=共同
地震による土砂崩れで倒壊した家屋が見えます。
家屋は、もともとこの位置にあったのではなく、崩壊によって押し出されているようです。

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まるで崩壊地の空想絵のようですが、この写真を見ると斜面が切れ目なく崩れています。
このような光景は、東北の大震災でも見たことがありますが、すさまじいの一言です。
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福島県喜多方市の地すべりと、水に関する地名

福島県喜多方市の西部に位置する高郷(たかさと)町では、4月下旬以降、県道に沿って地割れが拡大しており、地すべりも発生していることは、先日のブログでもお伝えしました。

喜多方市によると4月下旬、高郷町の県道新・荻野停車場線で、道路脇の排水溝(側溝)が浮き上がり、地割れが見つかりました。
亀裂は日を追うごとに広範囲で確認されたことから、5月4日、およそ1キロに渡る区間の県道を通行止めにしています。
5月17日には民家の敷地でも新たな亀裂が見つかり、農地にも広範囲で亀裂が広がっていることから、福島県では柔らかい粘土質の地盤に地下水が浸透したことが原因と見られる「農地地すべり」の可能性が高いと判断しています。
現在では、地盤伸縮計を設置し、24時間体制で地すべりを監視している状態だそうです。
地すべりの現場は、福島県から新潟県に向かう阿賀川(下流では阿賀野川)沿いの「揚津(あがつ)地区赤岩」と呼ばれる県道沿いになります。
この「あか」は、古い言葉で「水」を意味し、水気が多く、地盤が軟弱な湿地帯につけられることから、水害の危険が及びやすい場所につけられる地名だそうです。
さらに「揚津地区」の「あが」は、文字どおり「上がり・揚がり」の意味で、もともとは低かった土地を高くした場所につけられるケースが多く、瀬戸内海に面した広島県呉市の「阿賀」や、兵庫県姫路市の「英賀」など、いずれも「水」と関係する場所と言われています。

古代の集落は、湧き水や川の近くに発生したことより、水は人々の生活には欠かせないものです。
したがって、この水に関する地名は、私の住んでいる松山市にもたくさんあります。
「泉町」「和泉」「和泉北」は、湧き水がいろいろなところから出たところです。
地名は、もともとは「出水」(いずみ)であったと言われています。
「溝辺町」(みぞのべまち)は、石手川近くの地域は「水の辺」(みずのへ)と呼んでいたそうで、それから転訛したそうです。
「樽味」(たるみ)は、土地が低いので「水の勢いのたるみたるところ」と呼ばれ、「垂水」(たるみ)から今の「樽味」になったそうです。
「柳井町」は、井出神社の東に「柳井の泉」があったのが語源だそうです。
「清住」(きよずみ)は、昔は「亀代住」と呼ばれていたそうです。
「住」は「澄」であり、きれいな水を意味します。
「平井町」(ひらいまち)は、この地域は伏流水が豊富で、泉があったことによると書かれていますが、何故「平井町」にしたのかはいまいち説明不足です。
「船ヶ谷町」は、船の形をした谷を意味しますが、「ふね」は湧き水を意味することから、水が湧き出る谷とも考えられます。
「井門町」(いどちょう)は、井戸や湧き水の門や樋があったことを示しています。
松山市だけでも、水に関する地名は、まだまだいっぱいあります。
地名を調べるだけで、水だけでなく、地形や地質などの概要もつかめるのが何か不思議な気さえしてきます。

地割れ

地割れが起きた県道新郷・荻野停車場線(喜多方市が5月20日に撮影)

福島県喜多方市の地すべり

福島県喜多方市で、地すべりが発生したというニュースがありました。

場所は、福島県喜多方市高郷町揚津(あがつ)地区の県道新郷荻野停車場線周辺の農地です。
福島県や現地対策本部などによると、県道をパトロールする業者が4月20日、県道の側溝付近に亀裂などの異変を確認したそうです。
その後、亀裂が広範囲に広がっていたことを確認したため、県は農地の地すべりが発生したと判断し、5月4日から現場付近の約1.7キロの区間を通行止めにしていたそうです。
さらに通行止め区間に近い民家の敷地で17日、新たな亀裂が確認されたため、福島県は19日から機器による地すべりの常時観測を開始しました。
また近くを流れる阿賀川の護岸で20日、崩落が確認されました。
福島県によると、地すべりの発生箇所は農林水産省が定める「農地地すべり防止区域」の区域内と区域外にあるそうです。
地すべりの原因としては、大きく二つの条件があります。
一つがその場所の土の状況(地質条件)であり、もう一つが水の存在です。
「農地地すべり防止区域」の区域内にも入っているということなので、通常なら軟質な土質がすべり面になっていると思います。
そして、もう一つの水の存在ですが、4月20日に確認されるまで、集中豪雨はありませんでした。
4月7~8日で28mmが最高で、4月1~20日の間は57mm3月は61mmしか降っていませんでした。
4月20日より後も地すべりは徐々に広がっているそうです。
喜多方市高郷町揚津の赤岩地区では、基礎のコンクリートに複数のひびが入っている住宅もありました。
この家の住民の親戚の男性の話では、「1週間ほど前に家のコンクリートにヒビが入っているのを初めて確認しました。ヒビは毎日数ミリずつ大きくなっているように感じます」とのことでした。
つまり、今現在でもどんどん動いているという話でした。
4月20日以降の降水量は、4/24~25日32mm、5月に入ってまとまった雨は、9日21.5mm、17~19日49mmです。
地すべりは、亀裂が入ってしまうと動きやすくなるのはもちろんですが、でもこれくらいの雨で動くのは怖いです。
福島県の調査では、周辺の地面が1時間あたり数ミリずつ動き続けていることがわかったと言っています。
これでは、亀裂箇所をブルーシートで覆い、雨水などが入らない処置を施していても、地すべりの助長は防ぎようもないと思います。
まだ、地すべりの原因は不明ということでしたが、今年は例年よりも積雪が多かったみたいで、雪解け水が地下に染み込んでいた可能性もあるということが指摘されています。
今後は、現場周辺でボーリングを行い、詳しい原因を調査するとは思います。
今のところ、どれくらいの規模かは私にはわかりませんが、地面が1時間あたり数ミリずつ動き続けていることがわかったとなると、あまり大規模ではないと思います。
この付近は、高郷町揚津の赤岩地区と、隣接する中村地区の、23世帯およそ60人が暮らしています。
今は、避難勧告などは出していないそうですが、地すべりの範囲とその周辺の人は避難したほうがいいと思います。

地滑り対策本部設置 高郷の県道新郷荻野停車場線 喜多方市
30cm以上の段差があるところもあります。

ギリシャ・レフダカ島の地すべり

ギリシャの北端にレフダカ島があります。

このレフダカ島のビーチは、「ギリシャの美しいビーチトップ10」というサイトによれば、ヨーロッパで最も美しい海岸ということで首位になったことがあるビーチだそうです。
この島のビーチですが、2015年11月17日に、レフダカ島沖で発生したマグニチュード 6.8の地震による地すべりで「消滅」してしまったそうです。
なお、レフダカ島は、日本研究家として有名で、『怪談』などの作者でもある小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の出生地としても知られています。

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上からの写真ですが、きれいな砂浜が続いています。

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きれいな海ですが、岩盤は脆く、急勾配のような印象を受けます。

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対岸から見たビーチがまさに地すべりにのまれている様子を写した写真だと思います。
すごい迫力で、崩壊土砂がビーチを埋め尽くしていくさまが見てとれます。
まだまだ明るい時間での撮影のようです。
このビーチが「消滅」とのことですが、本当に誰もいなかったのでしょうか?

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砂浜がすっかりなくなってしまいました。

水管式地盤傾斜計について

地すべり地帯などでよく用いられている水管式地盤傾斜計について調べてみました。

水管式地盤傾斜計については、地盤工学会基準「水管式地盤傾斜計を用いた地表面の傾斜変動量測定方法」で詳しく説明していますが、地表面の傾斜の経時的変動量を求めることを目的としており、用途としては、
・地すべり調査
・コンクリート構造物の現地計測
・鉄道路盤に対する近隣施工の影響などの管理
によく用いられています。
気泡管で把握される傾斜変動量を合成して、地表面の傾斜変動量を測定するだけなので、取り扱いが簡単です。
経済的にも優れています。

(1)測定用具
水管式地盤傾斜計(以下、傾斜計という)三脚(主脚および左右両支脚)によって支えられた気泡管台の上に、主気泡管と副気泡管が取り付けられ、三脚の上下によって気泡管台の傾斜が調整できる構造のものが必要となります。
①主脚回転分度板が固定され、主脚を回転させることによって、主気泡管方向の傾斜角が回転分度板の読みによって換算できる構造のもの
②支脚気泡管台を主気泡管の直角方向に、水平に調整するためのもの
③主気泡管気泡管と直角になるように取り付けられ、2mm以上の感覚で目盛が刻まれて1目盛の傾斜角が12秒以下のもの
④回転分度板測定範囲が±1度以上で、1週360目盛が刻まれ、1目盛、1目盛の傾斜角が2秒以下のもの
であり、傾斜計は、使用前には必ず校正を行い、校正係数(分度板1目盛の傾斜角度)を求めておく必要があります。
また、気泡管内には、外気温が-10℃の状態でも凍結せず、また温度変化による粘性の変化が小さい液体を用いる必要があります。

(2)測定方法
1)測定用具の設置
①設置場所・測定値に対して外的な影響の少ない地点を選定します。
②設置台・表土を掘削し、木杭または等辺山形鋼などを5本以上打ち込み、頭部にコンクリートを打設し、表面を水平に仕上げて設置台とします。
③傾斜計を設置します。
傾斜計は、設置台の上に2基を互いに直角に設置し、主気泡管方向は原則としてそれぞれN-SおよびE-W方向とし、主脚をNおよびS側とします。
尚、傾斜計は、設置台のコンクリート打ち込みから原則として1週間以上経過後に設置し、設置台表面に張ったガラス板、または主脚および支脚の位置に取り付けた台座に設置します。
また、傾斜計を保護するため、設置台の上に保護箱を設けます。
2)測定方法
①設置時の測定
支脚を回転させ、副気泡管の気泡が目盛の中止になるように調整し、その後主脚を回転させて主気泡管の気泡が目盛の中心になるように調整し、調整したときの回転分度板の目盛を読み取り、初期値とします。
②測定
傾斜方向の確認のため、主気泡管の気泡の位置を記録した後主脚を回転し、気泡が中心になるように調整し、調整したときの主脚の回転方向と回転分度板の目盛を読み取ります。
その時の測定時間間隔は一定間隔を原則とします。

(3)注意事項
①明らかに不動点と思われる箇所にも設置して比較観測することが望ましいようです。
②設置台については、設置台の例を下図に示しましたが、基礎杭として木杭を使用する場合には、長さ1.0mおよび末口9cm以上のものを杭の頭部が地表面約20cmになるように打ち込みます。
ただし、所定の長さを打ち込む前に基礎杭が基岩に達し、打ち込みが不可能な場合には、杭の頭部が地表面下約20cmになるように切断します。
また、地表面が岩盤で、基礎杭を打ち込むのが不可能な場合には、基礎杭を使用せずに設定台を作製します。。
この時の設置台は、長さ30cm以上、一片が50cm以上の正方形の場所打ちコンクリートとし、その3分の2程度を地中に埋め込みます。
③護箱は内部の通風と排水に対処できる構造とします。
④測定時には、脚軸のずれ、気泡管のひび割れの有無および副気泡管の気泡の位置の点検を行います。
また、前回の分度板の読み値と測定時の分度板の目盛が一致しているか確認し、相違があればその原因を調べます。
⑤測定時間間隔は、地盤の変動状況や現場周辺状況に応じて判断します。

設置台の例
水管式地盤傾斜計の設置台の一般図
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