チャートと石英について

チャートと石英は、全くといっていいほど似てはいませんが、どちらもSiO2からできています。
どこがどういうふうに違っているのでしょうか。
調べてみました。

まずは、チャート( chert)ですが、堆積岩の一種です。
主成分は、先に述べたように、二酸化ケイ素(SiO2、石英)で、この成分を持つ放散虫・海綿動物などの動物の殻や骨片(微化石)が海底に堆積してできた岩石(無生物起源のものがあるという説もあります)です。
断面をルーペで見ると放散虫の殻が点状に見えるものもあり、非常に硬い岩石で、層状をなすことが多いのが特徴です。
チャートには赤色、緑色、淡緑灰色、淡青灰色、灰色、黒色など様々な色のものがあります。
暖色系のものは、酸化鉄鉱物に起因し、暗色系のものは硫化鉄や炭素化合物に起因するそうです。
そして、緑色のものは、緑色の粘土鉱物を含むためだそうで、これらは、堆積した環境によって変わると考えられています。
そして、チャート同士を火打石のように打つと小さな火花を生じるそうです。
次に、石英(せきえい、独: Quarz、英: quartz、クォーツ、クオーツ)ですが、二酸化ケイ素 (SiO₂) が結晶してできた鉱物です。
六角柱状のきれいな自形結晶をなすことが多く、中でも特に無色透明なものを水晶(すいしょう、独: Bergkristall、英: rock crystal、ロッククリスタル)と呼び、古くは玻璃(はり)と呼ばれて珍重されたそうです。
石英を成分とする砂は珪砂(けいしゃ・けいさ、独: Quarzsand、英: quartz sand)と呼ばれ、石英を主体とした珪化物からなる鉱石は珪石と呼んでいます。

このような説明をされると、全く違うもののように思えます。
そして、一番大きな違いは、チャートが岩石で、石英が鉱物であることのようです。
チャートは放散虫などのSiO2の殻をもつ微化石が堆積してできる堆積岩ですが、ただ堆積しただけでは堆積物なので、厳密には、堆積物が続成作用を受けることによって堆積岩になります。
チャートを構成しているのはSiO2ですが、続成作用によって、放散虫などのSiO2の殻→非結晶質のシリカ→微細な結晶の石英→それよりも少し大きな結晶の石英へと形が変わっていきます。
(矢印の左から右へ、続成作用の度合いが強くなる場合)
つまり、弱い続成作用を受けたチャートは、放散虫の殻がある程度残っているチャートとなり、逆に強い続成作用を受けたチャートはだいたいが石英に変化していると考えられているようです。
以上のことをまとめると、
①石英……SiO2の鉱物
②チャート……放散虫の殻などが堆積することによってできた、SiO2からなる岩石
となります。
つまりは、石英はチャートを構成する鉱物ということになります。
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岩石の名前の由来(変成岩編)

岩石の名前の由来について調べてみました。

今回は、変成岩(Metamorphic Rock) について調べてみました。
①接触変成岩(Contact metamorphic rock)
・ホルンフェルス(hornfels)
ホルンフェルスは、細粒ないし中粒の等粒状組織を有し、片理や劈開をもたない無方向性の変成岩の総称です。
ホルンフェルスという名称は、1927年にウェルナーが命名したといわれ、ドイツ語のHornは角、Felsは岩石なので、「角のように硬くて、緻密な岩石」という意味があります。
・大理石(だいりせき Marble マーブル)
大理石とは、石灰石を源岩とする変成岩(結晶質石灰岩)の石材としての一般的な呼称です。
マーブルという名前は、ギリシャ語で「きらめく」という意味の「マルマレイン」からつけられたそうで、「マーブル模様」は大理石の模様や色ムラに由来するそうです。
「大理石」という名称は、かつての大理国(現在の中華人民共和国雲南省大理ペー族自治州大理市を中心とする地域)でこれが産出されたことに由来するそうです。
・ミグマタイト(Migmatite)
ミグマタイト(混成岩)は、変成岩と火成岩が混在してみえる岩石の総称です。
「Migmatite」という名前は、ギリシャ語で「混合物」を意味する言葉「ミグマ」からつけられました。
②広域変成岩(Regional metamorphic rock)
・スレート(Slate)
粘板岩のことを、スレートと言いますが、粘板岩は、堆積岩か変成岩か判断が分かれるところです。
堆積岩がやや変成作用を受けたものとして捉えれば、変成岩かも知れません。
スレートと言う名前は、フランス語で「破片」を意味する言葉に由来しています。
・千枚岩(Phyllite)
千枚岩は、細粒で片状の変成岩であって、再結晶作用の程度は粘板岩よりは進んではいますが、片岩には及びません。
フランス語ではphylladeで、ギリシャ語のphyllonは葉の意味があります。
日本語では、小藤文次郎さんが磷石と訳し、燐の字の火偏を石偏にした漢字(磷)を当てたのですが、後に地質調査所において千枚岩と名前が変更になっています。
千枚岩という名前は、薄い板状に割れやすい性質を持つことからつけられているそうです。
・結晶片岩(けっしょうへんがん Crystalline schist )
・片岩(へんがん schist シスト)
結晶片岩または片岩は、広域変成作用により地下深部で剪断応力を受けて再結晶したため、雲母のような板状の鉱物や角閃石のような柱状の鉱物が方向性をもって配列し、岩石は片理(へんり、schistosity)と呼ばれる、面状構造を持っています。
そして、岩石は片理に沿って板状に割れやすいのが特徴です。
したがって、原岩の化学組織には関係なく、中粒または粗粒で片理のよく発達した変成岩の総称で、片理の「片」が名前の由来になっているようです。
片岩には非常に多くの種類があり、含まれる特定の鉱物の量に応じて鉱物名を接頭語に付けて使われています。
・緑色片岩(りょくしょくへんがん green schist グリーンシスト)
緑色片岩は、苦鉄質岩、すなわち玄武岩やそれに類する組成の岩石を源岩に低変成度で形成された結晶片岩の野外名の総称です。
構成鉱物として角閃石,緑泥石,緑簾石などを多量に含んでいます。
肉眼的に緑色に見えるのでそう呼ばれているようです。
緑泥(石)片岩(chlorite schist)や緑簾(石)片岩(epidote schist)などとも呼んでいます。
・黒色片岩(こくしょくへんがん black schist グリーンシスト)
泥質岩起源の低変成度の結晶片岩で外観が黒色を呈するもの.黒色の物質は一般に炭質物とされているが正確に調べられたものは少ない
泥質岩を起源とする結晶片岩のうちで変成度の低いものです。
グラファイト(石墨)を含み、色が黒いので一般にこのように呼ばれていますが、正規の岩石名ではなく緑色片岩と同じく通称です。
・紅簾石片岩(こうれんせきへんがん piemontite schist ピエモンテテイテシスト)
マンガンを多く含む緑簾石族の鉱物である紅簾石を含み、桃色を呈する結晶片岩です。
紅簾石を含むのでこのように呼ばれています。
英名は産地イタリアのピエモンテPiemonteにちなんで命名されたそうです。
・石英片岩(せきえいへんがん quartz schist クォーツシスト)
石英片岩は、石英を主要な構成鉱物とする結晶片岩です。
主にチャートを源岩としますが、石英質砂岩が源岩である場合もあります。
石英の他の鉱物は、チャートを源岩とする場合は赤鉄鉱、磁鉄鉱、紅簾石などを含み、砂岩を源岩とする場合は絹雲母(白雲母)、緑泥石、曹長石などを含むことが多いのが特徴です。
見た目は、灰白色、灰色、灰緑色、黄灰色、赤紫色、赤褐色などの色です。
名前の由来は、石英を多く含むことによるものだと推察します。
・藍閃石片岩((らんせんせきへんがん glaucophane schistglaucophane グロコフェンシスト)
藍閃石片岩は、低温高圧下で安定な藍閃石を多く含み青色を呈する結晶片岩です。
名前の由来は、藍閃石を多く含むことから呼ばれていますが、その色から青色片岩(blueschist)とも呼ばれています。
・泥質片岩(でいしつへんがん pelitic schist ペリティックシスト)
泥質片岩は、泥岩やそれに類する堆積岩を源岩とする結晶片岩です。
泥質岩に含まれている有機物が変成してできる石墨(グラファイト)を特徴的に含むため、見た目は光沢のある黒色です。
通称では、黒色片岩とも呼ばれています。
・砂質片岩(さしつへんがん psammitic schist ザミティックシスト)
砂質片岩は、砂岩を源岩とする結晶片岩です。
主に石英、絹雲母、緑泥石、曹長石などからなり、見た目は灰緑色、黄灰色などのくすんだ色で、薄く剥がれやすいのが特徴です。
名前の由来は、砂岩を源岩としていることによるものだと推察します。
・礫岩片岩(れきがんへんがん conglomerate schist コングロマリットシスト)
礫岩片岩は、礫岩を源岩とする結晶片岩です。
礫は片理面に沿って引き伸ばされ、平らになった礫も含まれます。
名前の由来は、礫岩を源岩としていることによるものだと推察します。
・塩基性片岩(えんきせいへんがん basic schist ベーシックシスト)
塩基性片岩は、玄武岩質火成岩が結晶片岩になったものです。
通称では、緑色片岩とも呼ばれています。
・雲母片岩 (うんもへんがん mica schist)
白雲母や黒雲母と石英を主成分とする結晶片岩で、泥岩などが広域変成作用を受けてできます。
そして、成分によって黒雲母片岩( biotite schist)白雲母片岩 (muscovite schist)に名前が変わります。
名前の由来は、雲母が主成分としていることによるものだと推察します。
・片麻岩(へんまがん gneiss)
片麻岩は、片麻状組織を持つ岩石の総称です。
組成による分類ではなく、変成作用を受けた条件によって分類されています。
つまり、同一の原岩に由来する変成岩であっても、あるものは片麻岩となり、別のものは他の変成岩になるように、原料となる岩石はさまざまです。
結晶片岩(片岩)とでき方は同じですが、低温で変成があまり進まなかったものを結晶片岩で、高温で変成が進んだものを片麻岩と呼んでいます。
ただし、あまりにも高温の作用を受けた場合、片岩になることもありますし、また、組成によってはそれほど高温でなくても片麻岩となることもあります。
石英、長石、雲母などを主成分とするものが多いのが特徴です。
名前の由来も、片麻状組織からきているものだと推察します。
・グラニュライト(Granulite)
みかけは片麻岩に似ていますが、それより高温(800~1000℃)で出来、雲 母類や角せん 石類などの含 水鉱物はあまり含まれていません。
石 英,長 石類, ケイ線石,コランダム,ざくろ石(鉄ば んざくろ石~苦ばんざくろ石),輝石 類,サフィリンなどから成り、粗いしま状組織が見 られます。
グラニュライトという名前は、ラテン語で「小さな粒」を意味する言葉「グラヌルム」からつけられたそうです。

岩石の名前の由来(火山岩編)

岩石の名前の由来について調べてみました。

今回は、火成岩 (Igneous Rock)の中で、火山岩 (Volcanic Rock)について調べてみました。
・流紋岩(Rhyolite)
流紋岩は、花崗岩と同じく、ケイ酸分 (SiO2)を多く(70%前後) 含む粘っこいマグマからできるのですが、花崗岩はそれが地下深部でゆっくり冷えて固まってできるのに対し、流紋岩はそれが地表付近で急に冷えて固まるなど、主に火山活動でできます。
流紋岩の名称は、マグマの流動時に形成される斑晶の配列などによる流れ模様(流理構造)がしばしば見られることによるものです。
「Rhyolite」という英名は、「溶岩の流れ」を意味するギリシャ語に由来しています。
「流」は「溶岩流」で、「紋」は「すじ,模様」を意味します。
流紋岩はマグマの粘性が高いため、ちょうど水飴を伸ばした時のように流動方向へのスジができるのが特徴で、この文字どおり、流理と呼ばれる溶岩が流れる際の、スジが岩石についていることが多いためにこの名前がついたそうです。
・黒曜岩(Obsidian)
黒曜岩は、化学組成上は流紋岩(まれにデイサイト)で、石基はほぼガラス質で少量の斑晶を含むことがあります。
「黒耀石」は「黒くかがやく石」という意味です。
「耀」が「かがやく」という意味です。
なお、黒曜石と黒耀石はおなじものです。
「耀」が常用漢字ではないため、黒曜石と表記するのが一般的に多いです。
ただし、文献的には黒曜石のほうが古くから使われているそうで、黒耀石という表記が登場し始めるのは戦後のことなんだそうです。 
・安山岩(Andesite)
安山岩の主要な構成鉱物は、無色鉱物である斜長石と、有色鉱物である輝石や角閃石です。
典型的な安山岩の外見は、灰色の石基に、白色の長石、黒色の輝石のやや細長い形をした斑晶が入ります。
「Andesite」の名は、アンデス山脈で多く見られる事に由来し、最初はアンデス山地の粗面の岩石に対して名付けられたそうです。
・石英安山岩(Dacite)
石英を含む安山岩質の岩石で、深成岩の花崗閃緑岩に対応する火山岩です。
斑晶は石英,斜長石と有色鉱物の角閃石,黒雲母などで、石基はガラス質で、岩石は斑状組織を呈しています。
安山岩よりやや酸性で、造山帯の火山岩として産出します。
ルーマニア北部、ジーベンビュルゲン(Siebenbuerugen)地域のダキア(Dacia)に産出します。
ダキアはカルパチア(Carpathian)山脈とドナウ(Danube)川との間の地域にあった古代の王国で、後にローマの属州(Roman province)となりました。
ジーベンビュルゲンはルーマニア国中部地方のトランシルバニア(Transylvania)のことです。
岩石名はダキア(Dacia)に由来しています。
日本語は1884年に小藤文次郎さんが石英富士岩としたが、その後の1886年に中島謙造さんが石英安山岩と訳しています。  
・粗面岩(Trachyte)
粗面岩(そめんがん トラカイト)は、優白質であるが石英をほとんど含まず、アルカリ長石を主成分とする火山岩で、深成岩の閃長岩に対応しています。
粗面岩より斜長石が多くなると粗面安山岩(ラタイト)になります。
一般的に粗面をもつ岩石に対して与えられましたが、今日では、化学成分及び鉱物成分が深成岩の閃長石にあたるものを呼んでいます。
粗面岩と言う名前は、表面が粗い組織を持っていることからつけられたそうです。
「Trachyte」という英名も、ギリシャ語で「粗い」を意味する言葉「トラクス」に由来しています。
・白榴岩(Leucitite)
白榴岩は、細粒または斑状の噴出岩です。
亜優黒質で、主としてリューサイト(白榴石)と単斜輝石(普通はチタンオージャイト)から成り、橄欖石を欠く岩石です。
白榴岩という名前も、「Leucitite」(リューシタイト)という英名も、白榴石(リュ-サイト)を必ず含んでいることから付けられています。
・玄武岩(Basalt)
玄武岩は、暗灰色 (色指数 40~70) の苦鉄質火山岩です。
溶岩や浅所貫入岩として産し、地球上で最も量の多い火山岩で、ほとんどすべての海洋底は玄武岩によってできています。
名前の由来は、兵庫県豊岡市の「玄武洞」という洞窟がこの岩石だったことから、明治時代に命名されました。
玄武とは、古代中国の四神の一つの亀の姿をした神様だそうです。
「玄武洞」がその名前になったのは、ここの岩石が六角板状を積み重ねたような柱状節理になっていることや、岩石が黒いことなどによるものだと思います。
「玄」には、玄人,玄米などのように「黒い」という意味があります。
・テフライト(Tephrite)
「Tephrite」という名前は、濃い灰色のものが多いため、ギリシャ語で「灰」を意味する言葉に由来しています。
また、日本ではかつて、灰色玄武岩と呼ばれていましたが、現在は使われていません。
・キンバーライト(Kimberlite)
キンバーライトは、カンラン石と雲母を主要構成鉱物とする超塩基性の火成岩で、雲母橄欖岩(うんもかんらんがん mica peridotite)とも呼ばれています。
一部からダイヤモンド原石が産出されることで知られています。
名の由来は、19世紀後半に、南アフリカ北ケープ州の州都キンバリー地方から、ダイヤモンドの鉱石として、キンバーライトがはじめて発見された場所として付けられています。
・松脂岩(しょうしがん pitchstone ピッチストーン)
松脂岩は流紋岩質のガラス質火山岩で、緑褐色で樹脂状の光沢を示します。
黒曜岩に似ていますが、国際地質科学連合の分類では、黒曜岩の水分が1%以下なのに対して、水を1~10%含むため別の物と扱われています。
誰が名づけたかは不明ですが、松と脂なので、したたるような水分を含んだ岩石と想像できます。
・真珠岩(perlite パーライト)
真珠岩は、加熱により膨張する性質を持つガラス質火山岩の総称です。
1791年にフィッチェルが、ガラス質流紋岩で、無数の同心円状の割れ目があり丸い中心核が真珠に似ているので命名しました。
そして真珠岩という岩石名を使用したのは1822年が最初だそうです。
・響岩(きょうがん phonolite、フォノライト)
響岩は、石英を含まず、準長石(霞石など)を含む火山岩です。
響岩は、ドイツではKlingsteinと呼ばれ、1787年にウェルナーが、ハンマーで叩くと音が出る岩石であることより記載したそうです。
ギリシャ語のphoneは音の意味で、1801年に、phonoliteと命名されています。
・讃岐岩(sanukite、サヌカイト)
四国の讃岐地方に分布する古銅輝石安山岩です。
屋島などの溶岩台地をつくり、黒色緻密で玄武岩のように見えたり、また堆積岩である頁岩にもよく似ています。
木槌でたたくと澄んだカンカンという音がするので、俗にカンカン石とも呼ばれています。
小笠原諸島にも同じ特徴をもつ岩石(無人岩)が知られていて、まとめて高マグネシア安山岩と呼ばれています。
・無人岩(boninite、ボニナイト)
無人岩は、小笠原諸島の父島などに産し、讃岐岩と同じ特徴をもつ岩石です。
1891年Petersenによって命名されたそうですが、1889年に菊池安さんが、無人岩に関して記載を行ったそうなので、実質的な発見者は菊池安さんと思われます。
無人岩の名前の由来は不明ですが、地元では、海岸の崖に露出する断面を見ると、亀の甲羅に似ているので当地では「亀甲石」と呼ばれているようです。

岩石の名前の由来(半深成岩編)

岩石の名前の由来について調べてみました。

今回は、火成岩 (Igneous Rock)の中で、半深成岩 (Hypabyssal Rock)について調べてみました。
・花崗斑岩(Granite-porphyry)
花崗斑岩は、花崗岩と同じ組成をもつが、石英・正長石などが斑晶(はんしょう)をなす岩石です。
斑岩は、ポーフィリーと言い、ギリシャ語で「紫」を意味するそうです。
この斑岩とは、火山のマグマが冷えて固まってできた石で、鉱物の他にも細かな結晶が集まった塊(石基)を含んでいます。
情熱的な色合いと、結晶の粒が織り成す模様が紫色なのでしょうか。   
・石英斑岩(Quartz-porphyry)
石英斑岩は、花崗斑岩のなかで特に斑晶の少ないもので、石英斑晶が肉眼的に目立つために石英斑岩と呼ばれますが、実際には長石類の斑晶も多いのが特徴です。
あとは、花崗斑岩と同様の由来でしょうか。  
・ひん岩(Porphyrite)
ひん岩は、安山岩の半深成相に相当する岩石で、化学組成は安山岩とほぼ等しいのですが、斑状組織が顕著です。
斑晶は斜長石と有色鉱物で、石基は完晶質で粒度は安山岩よりも大きいのが特徴です。
porphyriteという英名は、ローマ帝国初期に活躍したプリニウスが記載したporphyritesに由来しているそうです。
プリニウスのporphyritesはエジプトで得られた赤い岩石でした。
その後、アグリコラはporphyritesという名称をまだら色の岩石に使用し(1546年頃)、後にプリニウスのporphyritesとアグリコラのporphyritesに分けて解釈されるようになったそうです。
この二つの岩石名は19世紀中頃までは同義で、元来は18世紀頃から大きな結晶が細粒の石基に埋まっている岩石に使われていましたが、後に深成岩と火山岩の中間的な岩石で斑晶があってもなくてもよいと拡張して使用されたそうです。 
・輝緑岩(きりょくがん diabase ダイアベイス)
・粗粒玄武岩(そりゅうげんぶがん dolerite ドレライト)
この二つの岩石は、名前は違いますが同じものです。
玄武岩とほぼ同じ化学組成で、主に斜長石と輝石とからなりますが、橄欖石を含むこともあります。
一般に、やや変質して緑色がかっています。
日本名の輝緑岩は、緑色で、輝いているように見えることから名づけたのだろうと推察します。
粗粒玄武岩は、そのままの意味です。
アメリカでは輝緑岩(diabase)と呼んで、イギリスでは粗粒玄武岩(dolerite)と呼んでいるようです。
英名の「dia~」は、「~し通す」とか「完全な(に)」などの意味で、「base」は「塩基」という意味です。
また、「dole」は、「分配物」とか、「わずかなもの」という意味です。
・アプライト(半花崗岩 Aplite)
アプライトは、 流紋岩質で、ほとんど有色鉱物を含まない細粒の火成岩です。
花崗岩と鉱物組成が似ているために、半花崗岩(はんかこうがん)とも呼ばれています。
「Aplite」という名称は、ギリシャ語の単純化という意味から導かれたもので、長い間、単純な成分の岩石に対して与えられてきたものだそうです。
・ペグマタイト(巨晶花崗岩 Pegmatite)  
ペグマタイトは、大きな結晶からなる火成岩です。
花崗岩質のものが多いため巨晶花崗岩(きょしょうかこうがん)あるいは鬼御影(おにみかげ)と呼ばれることもありますが、閃緑岩質や斑糲岩質のものもあり、岩脈などの小岩体として産出します。 
そして、きわめて粗粒のものをペグマタイトと呼び、細粒のものをアプライトと呼んでいます。

岩石の名前の由来(深成岩編)

岩石の名前の由来について調べてみました。

今回は、火成岩 (Igneous Rock)の中で、深成岩類 (Plutonic Rock)について調べてみました。
・花崗岩(Granite)
花崗岩の「花崗」は、中国の地名に由来するそうです。
また、中国では、きれいな石のことを「花石」と言うことがあり、「花で剛なる石」という意味ではないかとも言われています。
これとは別に、graniteという英名は、granular(粒状の)という言葉からきているそうです。
そして~liteは、「石」に対するギリシャ語のlithosからきているそうです。
日本では、花崗岩のことを「御影石」とも言いますが、この名前の由来は、御影石の有名な産地である、神戸市東灘区(旧武庫郡御影町)」の御影からつけられています。
・閃緑岩(Diorite)
「閃(せん)」は「きらめく」という意味があります。
閃緑岩は、角閃石を含むことが多く、全体に深緑色をしています。
また、角閃石は、結晶面で光が反射し、ビカッと光るので、閃光の閃を用いたと思われます。
Dioriteという英名は、様々な岩石に似ていることからつけられ、またギリシャ語で「区別する」を意味する言葉だそうです。
・花崗閃緑岩(Granodiorite)
上記の説明の花崗岩と閃緑岩を一緒にした意味だと理解しています。   
・閃長岩(Syenite)
閃長岩は、優白質ですが石英をほとんど含まず、アルカリ長石を主成分としています。
サイアナイトという英名は、有史以前に、エジプトのシエネ(現アスワン周辺)で閃長岩がとられていたことから、ラテン語で「シエネの石」を意味する言葉「シエニテス・ラピス」からつけられたと言われています。
これとは別に、イタリア中西部にもシエナ地方があって、閃長岩は角閃石花崗岩の名称で呼ばれていました。
この岩石はpyrrhopoecilon(赤い点紋があるという意味)とも呼ばれていました。
・トーナル岩(Tonalite)
花崗岩と閃緑岩の中間のような性質を持った岩石で、花崗閃緑岩よりもさらに斜長石に富み、カリ長石が少ないのが特徴です。
トーナル岩と言う名前は、代表的な産地であるイタリアのトナーレ山にちなんでつけられたと言われています。
・斜長岩(Anorthosite)
斜長岩は、灰長石成分に富む斜長石を主とする岩石です。
アノーソサイトという英名は、主な構成鉱物である斜長石(アノーサイト)に由来しています。
・斑糲岩(はんれいがん Gabbro)
もともとは、イタリアのトスカナ地方(Tuscana)の工芸家が呼んでいた石材名のgabbroに由来するそうで、異剥石長石岩,異剥石蛇紋岩など、種々の岩石に付けられていたそうです。
斑糲岩という訳語を作ったのは、小藤文次郎さん(1884年〈明治17年〉)で、「斑(はん)」は「まだら」で、「糲(れい)」は「くろごめ,玄米」の意味があります。
斑糲岩は、有色鉱物の角閃石や輝石を多く含み、岩石全体が黒っぽいのが特徴なので、粒状で、黒い斑点のある石という意味は当たっていると思います。
・橄欖岩(かんらんがん Peridotite)
橄欖岩は、主に橄欖石と斜方輝石、単斜輝石から成り、スピネル、角閃石、ざくろ石などを伴うことのある完晶質深成岩で、ペリドタイトとも呼ばれています。
橄欖石(olivine)の英名オリビンは、質の良いものは透明で、オリーブの実のような緑色をしていることから名づけられています。
橄欖石の仲間のPeridotが、橄欖岩という英名の語源となったそうです。
Peridotは、アラビア語に由来しています。
日本名は、色がカンラン化の植物の黄緑色に似ていることから付けられたとされています。
・ダナイト(Dunite)
橄欖石が90%以上で、輝石の少ないものをダナイトと呼んでいます。
Duniteと言う名前は、質の良いダナイトがとれる、ニュージーランドのダン山にちなんでつけられたそうです。
・モンゾニ岩( monzonite)
ほぼ等量のカリ長石 (主として正長石) と、斜長石 (曹灰長石) を含み、黒雲母,輝石,角閃石などを伴う粗粒の完晶質深成岩です。
名称の由来はイタリアのチロル地方のモンゾニ山を構成する岩体がこの種の岩石であることによるものだそうです。
・トロニエム岩 (Trondhjemite)
トロニエム岩は、優白質の黒雲母石英閃緑岩またはトナル岩で、石英に富むものを呼んでいます。
ノルウェーのトロンヘイム地方の旧称トロニエム(Trondhjem)の地名にちなんでつけられたそうです。
・アダメロ岩 (adamellite)
優白質な粗粒の深成岩で,全長石の35~65%がアルカリ長石で、石英が5~20%の酸性岩をアダメロ岩、または石英モンゾニ岩(quartz monzonite)と呼んでいます。
岩石名はイタリアの、南チロル地方ののアダメロ山(Monte Adamello)の地名に由来するそうです。
・蛇紋岩(Serpentinite)
蛇紋岩は、橄欖岩が地下深部で水分の作用を受けて変質してできる岩石で、直接マグマが冷えて固まってできた岩石ではありませんが、便宜上、火成岩の仲間とされています。
serpentの英訳は蛇で、snakeの英訳は、より大きく有毒のもので、伝説の大蛇や海蛇とも訳せます。
表面の模様が蛇皮に似ていることよりこのような名前になったのでしょう。

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