桜石について

桜石を紹介します。

桜石(Cerasite)は、菫青石(きんせいせき、cordierite)から成っているのですが、菫青石の六角柱状結晶が分解すると、その形を残したまま白雲母や緑泥石に変化します。
これを仮晶と呼んでいます。
仮晶(かしょう、pseudomorph)または仮像(かぞう)とは、鉱物の結晶形が保たれたまま、中身が別の鉱物によって置き換わることで、本来はありえない外形をとる現象のことです。
鉱物の外形が他の鉱物の仮晶である旨を表記する場合には、元の鉱物名に仮晶とつけるそうです。
桜石は、菫青石が風化し、結晶が分離し、その断面が花びらのように見えることから名づけられました。
京都府亀岡市薭田野町の「薭田野の菫青石仮晶」は、1922年に国の天然記念物に指定されています。
菫青石は、ケイ酸塩鉱物の一種です。
化学組成は Mg2Al3(AlSi5O18)で、結晶系は斜方晶系です。
高温低圧型の広域変成岩や接触変成岩、特に泥岩を起源とするホルンフェルスに見られるほか、花崗岩にも含まれることがあります。
モース硬度は7です。
多色性が非常に強く、観察する角度によって色が群青色から淡い枯草色に変わることからダイクロアイト(dichroite)の別名もあります。

宝石としてはアイオライト(iolite、菫青色)と呼ばれています。
色は名のとおり青みを帯びた菫色で、サファイアに似ていることからウォーターサファイア(water sapphire)とも呼ばれます。
アイオライトは、主にスリランカ、ミャンマー、インド、マダガスカルなどで採掘されています。
インドのものがおそらく一番サイズが大きく、価格も安いと思われますが、これは単に産出量が多いからでしょう。
スリランカのものは薄い青色であったり、無色であったりして、希少石の扱いを受けています。
ただし価格は大して高くはないそうです。
スリランカでは、濃い青色のものが希少だそうです。

桜石
京都府亀岡市産の桜石です。
桜石という名称は正式な鉱物名ではなく、桜の花に似ていることに因んだ俗名だそうです。

桜石
このように、断面だけを並べると、まさに桜の花が石になったようです。
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安山岩の種類と特徴

安山岩について調べてみました。

安山岩( あんざんがん andesite)は、日本の火山岩のなかでは一番量の多い岩石です。
多量の白い斑晶鉱物と少量の黒色の斑晶鉱物,および灰色の石基からできていることが多いのですが、斑晶が少ない安山岩や急に冷やされたため石基が黒色に近い安山岩もあります。
安山岩は含まれる斑晶鉱物の種類によって細分され、いろいろな名前がついています。

①普通輝石安山岩
斑晶鉱物として輝石を含む安山岩で、日本の安山岩中最も普通です。



②ピジョン輝石安山岩



③紫蘇輝石安山岩



④古銅輝石安山岩
斑晶として古銅輝石を含み、少量の斜長石を伴うガラス質,細粒の安山岩です。

古銅輝石安山岩

⑤普通輝石・紫蘇輝石安山岩(両輝石安山岩)
基中に斜長石の斑晶、黒色の普通輝石と紫蘇輝石の2種類の輝石が密集含有している安山岩です。



⑥角閃石安山岩
主な鉄苦土鉱物斑晶として角閃石を持つ安山岩です。
斑晶は累帯構造の著しい斜長石・角閃石・磁鉄鉱などの他、輝石・黒雲母・石英を伴うこともあります。
弥生時代に石器[せっき]に使われたやわらかい石です。
やじりなどには使われず、紡錘車やおもりの材料として使われていたそうです。

* 黑雲母角閃石安山岩標本照片* 智財權:國立自然科學博物館

⑦黒雲母安山岩
黒雲母を斑晶として含む安山岩です。
黒雲母は暗褐色を示し、石基全体は酸化して赤褐色です。



⑧橄欖石安山岩



⑨玻璃質輝石安山岩



⑩クリストバル石安山岩



⑪玄武岩質安山岩



⑫粗面安山岩



ざっと紹介しましたが、岩石の性質としては玄武岩と石英安山岩(デイサイト)の中間の性質をもっています。
安山岩は、日本列島、アリューシャン列島、ロッキー山脈、アンデス山脈をはじめとして広く環太平洋地域や、他の新旧の造山帯に分布していますが、太平洋地域や大西洋地域には、アルカリ質の粗面安山岩のようなものしか分布しておらず、典型的なカルク・アルカリ岩系の安山岩は海洋性地殻の地域には分布していません。
1912年にニュージーランドのマーシャルP. Marshallが提案した安山岩分布の境界線を安山岩線と呼んでいます。
安山岩マグマの成因としては、
①マントル内での初生的な安山岩質本源マグマの発生
②玄武岩質マグマからの分化
③玄武岩質マグマと地殻物質の混成
④地殻物質の融解
などが考えられており、主成分元素、微量元素、同位体、高温高圧合成実験などの各方面から研究されていますが、まだ完全な解決には至っていないそうです。
いくつかの異なった過程を経て、ほぼ同質の安山岩の形成される可能性も考えられています。
安山岩は、耐火性も強く、発達した節理のため採石しやすく、また美しいものも多いので石材として利用されています。
主な有名な安山岩としては、
・神奈川県真鶴(まなづる)町の新小松石
・長野県下の鉄平石(てっぺいせき)
・鹿児島市伊敷町の黒御影(くろみかげ)
・香川県坂出(さかいで)市のかんかん石
・神奈川県小田原市の根府川石(ねぶかわいし)
・福島県須賀川市の須賀川石
などがあります。

ホルンフェルスについて

ホルンフェルスについて調べてみました。

ホルンフェルス(hornfels)は、古いドイツ語では緻密な角張った外観の岩石を指すそうですが、現在では、接触変成作用によって生成する、組織に著しい方向性のない変成岩の総称です。
元来は泥質堆積岩に由来するものについて用いた用語ですが、今では無方向組織をもつ変成岩を一般にホルンフェルスとい呼んでいます。
接触変成作用で再結晶した岩石は、多くの場合、片理や片麻状組織を持ちません。
またホルンフェルスに含まれている再結晶鉱物は、互いに入り組んでいたり、互いに他の鉱物を包みこんだりしています。
このため、この変成岩は塊状緻密(ちみつ)で非常に硬いのが特徴です。
また、接触変成作用をうけた岩石はしばしば特有な縞模様ができます。
これは熱源である貫入火成岩体から大量の水分などが周囲の岩石に供給され、その水分中に岩石の成分が溶けこんだり、水分から岩石に成分が付け加わったりすること(交代作用という)によって形成されると言われています。
ホルンフェルスの特徴として、次のようなものがあります。
①泥質堆積岩から導かれたホルンフェルスは、黒雲母(くろうんも)、紅柱石、菫青(きんせい)石、正長石などを主成分とし、変成作用の温度が高い場合には、珪線(けいせん)石や斜方輝石、ざくろ石なども生成します。
②塩基性火成岩起源のものには、斜長石、普通角閃石、透輝石などが出現します。
③原岩が石灰質の場合には、石灰ざくろ石、透輝石、珪灰石、ベスブ石、柱石など、カルシウムを含む鉱物で特徴づけられる岩石ができ、このような石灰質ホルンフェルスは、とくにスカルンと呼ばれています。
そして、異なるホルンフェルスは、最も重要な構成鉱物の名称を頭に付けて、菫青石ホルンフェルスとか、紅柱石ホルンフェルスというように記述しています。
ホルンフェルスは、火成岩貫入体の周りの比較的狭い地域に生成しますが、圧力に対して温度が高く、変形作用が弱い場合には、広域変成作用によってもできることがあります。
日本の領家(りょうけ)変成帯は、このようにホルンフェルス状の変成岩が広く分布する広域変成帯の例です。

ホルンフェルスは変成岩の一種で熱による変成(接触変成作用)によって生じる接触変成岩です...
山口県萩市の須佐地方の「須佐のホルンフェルス」です。
「須佐のホルンフェルス」は、変成岩の一種(マグマの熱などによって砂岩や頁岩が深成岩と接触変成したもの)が 海流で侵食されて、美しい大断崖になったもので、 須佐湾奥から北に5km進んだ海岸沿いに見られる海食崖は そのスケールの大きさから知名度が高く2007年には、日本の地質百選に選定されました。

粘板岩について

粘板岩について調べてみました。

粘板岩(ねんばんがん slate)は、泥岩あるいは頁(けつ)岩が弱い変成作用を受け片理がよく発達したために、片理に沿って薄く板状に割れやすい性質をもつ泥質の岩石のことで、スレートとも呼ばれています。
泥岩や頁岩が圧密作用によりスレート劈開を持ったものです。
スレート劈開(slaty cleavage)とは、泥質岩など細粒の粘土鉱物を多く含む岩石が、低変成度の条件で変形して形成されることで、緑泥石やイライトなど細粒板状鉱物の配列と面状の黒い筋による面構造です。
粘板岩は、厳密に言うと、変成作用を受けているので、変成岩ということになるのですが、再結晶の程度がきわめて弱く細粒であるために、堆積岩としていることのほうが多いようです。
変成作用とは、熱や圧力のため、一度できた岩石が融けないままに鉱物や組織が変化して別の岩石になることです。
そして、変成作用でできた岩石を変成岩と呼んでいます。
でも粘板岩の例でも言えるように、続成作用との境界はあいまいです。
例えば、泥→泥岩→頁岩→粘板岩→千枚岩→結晶片岩→片麻岩→花崗岩と岩石が変化していくときに、どこまでを続成作用といい、どこから変成作用というかの合意はないそうです。
つまり、粘板岩や千枚岩を堆積岩に入れるか変成岩に入れるかの合意はないそうです。
頁岩は、粘板岩と違って変成作用は受けてないのですが、露頭で見かけると判断がつかないときがあります。
どちらも千枚状に砕けるのが特徴なので現地で悩んでしまいます。
粘板岩は一般に暗灰色から黒色で、凝灰質のものでは赤紫色や緑色を呈し、石英・雲母・粘土鉱物・長石・赤鉄鉱・黄鉄鉱などが含まれています。
中・古生層の泥質岩に多く、石質は緻密で硬く湿気を吸収することが少なく、薄板として採石しやすく、また割れた表面に凹凸が少ないために、屋根瓦、石盤、硯(すずり)、敷石、石碑などに利用されています。
粘板岩の石材としては、
・剥離性に富み平らな薄板状になるものに宮城県女川石(おながわいし)
・あまり剥離性が発達せず大材として採石される宮城県石巻市産の井内石(いないいし)
・碁石の黒石として有名な那智黒(黒色粘板岩)

凝灰岩について

凝灰岩について調べてみました。

凝灰岩(ぎょうかいがん tuff)は、火山灰などの火山砕屑物が緻密あるいは硬化し、固結した岩石で、普通径 2mm未満の火山灰を主としています。
凝灰岩や火山礫岩は堆積岩と混合して多少変質したものであり、一般によく層状になっていると考えられていますが、これらの岩片がどのような機構で固化するかは明確ではありません。
凝灰岩は特定の範囲の粒度の岩片で構成されており、粒度によって粗粒および細粒の種類が区別されていますが、径4mm以下、または径2mm以下の岩片を主とする火山砕屑岩とするなど粒径の異なった区分法があります。
堆積学委員会(The Committee on Sed-imentation)では、
・集塊岩または角礫岩・・・・岩片が32mm以上
・火山礫凝灰岩(lapilli tuff)・・・・粒度が4~32mm
・凝灰岩(tuff)・・・・粒度が0.25~4mm
・細粒凝灰岩(fine tuff)・・・・粒度が0.25mm以下
に区分されています。
また、優勢な構成物の種類によって凝灰岩の種類があります。
・石質凝灰岩(せきしつぎょうかいがんlithic tuff)
火山性凝灰岩で、主要構成物質が、噴出されたときすでに固結した溶岩片の岩石を主とする凝灰岩です。
・結晶凝灰岩( けっしょうぎょうかいがんcrystal tuff)
大部分が結晶と結晶の破片からなる火山性凝灰岩です。
・ガラス質凝灰岩(ガラスしつぎょうかいがんvitric tuff)
構成粒子がマグマの急冷産物である火山ガラスの破片を主とする凝灰岩です。
ガラスの破片は三日月形または凹形を示しますが、これは火山爆発の過程でガラス中に気泡が形成されたためです。
なお、軽石凝灰岩,岩滓凝灰岩もこの一種です。

また、化学組成に基づいて凝灰岩の種類があります。
・ケイ長質凝灰岩
無色鉱物(石英,長石など)を多く含み、色指数が20以下と低く、白っぽい色をした凝灰岩のことです。
・苦鉄質凝灰岩
カンラン石、輝石、角閃石などの苦鉄質鉱物(マフィック鉱物)に富み、長石や石英などの珪長質鉱物(フェルシック鉱物)に乏しい凝灰岩のことです。

よく知っている凝灰岩としては、溶結凝灰岩があります。
・溶結凝灰岩(ようけつぎょうかいがんwelded tuff)
火山灰,軽石,岩滓などが、まだ高温の状態で堆積し、自重のために圧縮されて気泡を失い、破片同士が溶結し合った凝灰岩のことです。
火山灰降下時に、高熱のため一部溶けてガラスになり、火山灰が溶結し合ったもので、溶岩と誤認されたことがあります。
日本では阿蘇火山などで典型的なものが発達しています。
加工しやすいので石材としてよく利用されています。
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