玉石層の存在と施工能率について

玉石層の存在と施工能率について調べてみました。

いろいろな目的で基礎調査は行いますが、施工前の数ヵ所のボーリング調査の結果だけでは玉石層を確認できないことはよくあります。
つまり、施工前には玉石層は存在しなかったのですが、実際には玉石を含む層が存在し、施工能率が大きく低下してしまった場合などがあります。
でも、例えば延長100m間での道路新設工事だとして、ボーリング調査はせいぜい3~4本程度です。
そして、掘削径が66mm程度なので、すぐ横に玉石層があったとしてもわからないケースもあります。
したがって、地質断面図ではその存在すらなかった場合でも、実際に掘ると出現することになります。
でも、その責任が、ほとんどの場合ボーリング業者にならないのは、掘削する施工範囲に対して、ボーリング調査の範囲があまりにも狭いからです。

これとは別に、ボーリング調査を行うと玉石を混入した層に出くわすことは頻繁にあります。
その場合、かなり密なボーリング調査をしない限り玉石の混入量の把握は困難です。
また、玉石の形状、大きさおよび粒度分布の把握は、人力掘削による確認をしない限り難しいと思われます。
最大礫径の推定については、ボーリング調査では、玉石・転石にあたらない可能性があることや、礫の端部を掘削する可能性があることから、最大礫径についてボーリングで判断することは非常に難しいものです。
ただし、掘削や杭基礎工事においては、礫・玉石の径が問題となることも多いため、設計段階では、下図のように、ボーリングで採取された礫の最大径の2~4倍程度を目安とすることが多いのが実情です。
一方、どの程度玉石が混入すれば、玉石層とするかについては明確な定義はないと思います。
一般的には、ボーリング調査で連続的に玉石が確認され、水平方向の連続性も明確とならない限り、玉石層とはみなさず、例えば、玉石混じり砂礫層などのような土層名とすることが多いと思います。
しかし、そのような層でも部分的にマトリックスが少なく、玉石が密集する箇所がある可能性も十分あり、判断は難しいのが現状です。
ただし、玉石を混入する土層は、扇状地や花崗岩などの固い岩石がつくる崖錐性堆積地形などのように、その成因から玉石を含む必然性のあることが多いと推定されています。
このため、玉石の混入が工事の施工能率に大きく影響する場合には、ボーリング調査結果だけでなく、周辺の地形などを良く調べた上で土層の成層過程などを推定し、総合的に判定することが必要になります。

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迷子石とは

迷子石を知っていますか?

迷子石(まいごいし、glacial erratic、erratic boulder、erratic block)とは、氷河によって削り取られた岩塊が、長い年月のうちに氷河の流れに乗って別の場所に運ばれ、氷河が溶け去った後に取り残された岩のことです。
簡単に説明をすると、1万年前以前は、氷期と呼ばれる、寒冷な気候が地球を覆っている時代がありました。
そして、迷子石という名の石は、ニューヨークなど北アメリカや北ヨーロッパの大都市に、氷が削った地形や、氷が運んだ石が残っています。
つまり、迷子石というのは岩石の種類ではなく、その土地にはまず存在しない岩石が、ぽつんと岩盤の上に取り残されているようなものです。
かつて氷期に分厚い氷が覆っていた時代に、氷は自らの重みで流れ出し、氷河となって海に戻っていました。
その際に、氷河の上流で削り取られた岩石が、氷に乗って海に運ばれていたわけなのですが、氷期の終了で温暖化して、氷河が融けて後退していくと、途中まで運ばれていた岩石が運び手を失い、見知らぬ土地で取り残されてしまう、という事態が起きてしまいます。
これが迷子石で、数千km離れたところで見つかる場合もあります。
迷子石は氷期の終了から約1万年、風雪に耐え、ずっとそのままでそこに存在しています。
写真で見ると、その場所の地質とは異なる岩が不自然な形で留まるため、まるで誰かが意図的に置いたかのように見えます。
そして、迷子石を調べることで、氷河がどのように存在したかが分かるそうです。
グリーンランドでは、現在でも運ばれている迷子石を見ることができます。
下の写真で、点々とあるのは周囲の山から崩れ落ちた岩石です。
氷河は1年間に数メートルというゆっくりした速度で動いています。
岩石はその流れに乗ってはるか先まで運ばれ、氷が解けるとその場に取り残されることになります。

イメージ 5
これが迷子石です。
科学者たちは迷子石など氷河によって形成された堆積物の分布を調べることで、氷河期に氷河がとこまで広がっていたのか追い求めてきたそうです。

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グリーンランドで、今まさに運ばれている迷子石です。

特殊岩石地帯に育つ植物

日本では、土壌の母岩はほとんどが珪酸を含む酸性岩ですが、一部には珪酸を含まない石灰岩や超塩基性岩 (蛇紋岩、カンラン岩など) など、特殊岩石が母岩となっている場所もあります。

このような特殊岩石地帯にはそれぞれ特異的な植物が生育しています。
これには、
・物理的要因
・化学的要因
・生物的要因
など様々な要因が絡まってこのような分布が成り立っています。
酸性岩以外の岩石に育つ植物を調べてみました。
①石灰岩植物 (limestone plant)
石灰岩を母岩とする場所に多く生育する植物で、チチブイワザクラ (サクラソウ科)、キバナコウリンカ (キク科) などがあります。
②絶対的石灰岩植物 (exclusive limestone plant)
石灰岩地帯にのみ生育する植物で、分布域が極めて限られるものや隔離分布するものが多いのが特徴です。
チチブミネバリ (カバノキ科)、イワツクバネウツギ (スイカズラ科) などがあります。
広域分布するものとしてはイチョウシダ (ウラボシ綱) が知られています。
③条件的石灰岩植物 (selective limestone plant)
おもに石灰岩地帯に生育しますが、他にも見られるもので、しばしば超塩基性岩地域にも生育しています。
イワウサギシダ、クモノスシダ (ウラボシ綱)、ミヤマビャクシン (ヒノキ科)、イワシデ (カバノキ科)、イワシモツケ (バラ科) などがあります。
④超塩基性岩植物 (ultrabasicolous plant)
蛇紋岩やかんらん岩など超塩基性岩を母岩とする場所に多く生育する植物で、広義には蛇紋岩植物 (serpentine plant) とも呼ばれています。
ヒダカソウ (キンポウゲ科)、トサミズキ (マンサク科)、ハヤチネウスユキソウ (キク科) などがあります。
⑤絶対的超塩基性岩植物 (exclusive ultrabasicolous plant)
超塩基性岩地帯にのみ生育する植物で、分布域が極めて限られるものや隔離分布するものが多いのが特徴です。
カトウハコベ (ナデシコ科)、ナンブイヌナズナ (アブラナ科) などがあります。
⑥条件的超塩基性岩植物 (selective ultrabasicolous plant)
おもに超塩基性岩地帯に生育しますが、他にも見られるもので、しばしば石灰岩地域にも生育しています。
イワウサギシダ、イワシデ、イワシモツケとともにヒロハドウダンツツジ (ツツジ科) などがあります。

日本の山の地質と植物の違い

日本の山は、美しいとよく言われています。
それにはいろいろな要素が考えられますが、地質について調べてみました。

日本の山の風景を多彩なものにしている一つの要因として、地質の複雑さがあります。
日本列島は地質の博物館と呼ばれるほど、細々とした地質からなっています。
これは日本列島の地質が、基本的にプレートの動きによってもたらされた「付加帯」からなるということに原因がありますが、高山では地質が異なると風化の仕方が異なるため、できる地形や斜面堆積物に大きな違いが生じているようです。
その結果、同じような気候条件であっても、地質によってはっきりと植物が違ってきているようです。
ある文献によると、北アルプスの白馬岳には流紋岩という火成岩が広く分布していますが、この岩は細かく割れるため、不安定な砂礫地ができ、そこにはもっぱらコマクサやタカネスミレが生育しているそうです。
一方、古生層の砂岩・泥岩地域では、大小の岩屑がうまく混じりあうため、表土が安定し、そこには風衝草原ができています。
また北アルプスや中央アルプスに広く分布する花崗岩の場合は、氷河時代の強力な凍結破砕作用によって大きく破砕され、岩塊斜面をつくることが多く、ここでは岩塊の上をハイマツが覆っているようです。
なお地質によっては、蛇紋岩やかんらん岩、石灰岩などのように、その化学成分が違う、植物の分布に影響するそうです。
このような自然の変化が、山の美しさを引き立てているものだと感じます。

私たち地質屋は、岩石や地形勾配など、地質の形成に関するものに対しては細かくチェックするのですが、植物や花に関してはカットしがちです。
愛媛県でいえば三波川帯の緑色片岩や黒色片岩と、和泉層群の砂岩や泥岩とでは明らかに岩石は違っているのですが、そこにどんな花が咲いているのか、どんな草木があるのかは把握していません。
今後、時間があれば調べてみたいと思います。

「火打石」に使用する岩石

現在では、火をつけるのは簡単ですが、昔は、火をおこすのに「火打石」を使っていた時代があります。

「火打石(ひうちいし)」とは、鋼鉄片の火打金に硬い石を打ちあわせて出る火花を火口に点火する「火花式発火法」に用いる硬質の石、またその発火具のことで、古くは燧石とも表記されています。
「火打石」が使われる以前では、人々は木の棒を板に摺り合わせる「火切り」という摩擦方式で火をおこしていたのを見たことがあります。
「火打石」は、石だけでは火はつきません。
火打ち金(焼き入れをしたはがね)という機具を使い、この縁を、「火打石」で打ち擦る様にカチンと鋭く叩いて火花を出すのだそうです。
厄除け悪霊払いの「切り火」に使うときは火花を出すだけですが、発火道具として使う場合はその他に火口(ほくち)と付け木が必要で、これらが一式揃って火打道具です。
一見不便そうですが、昔の人々はカチカチッと火花を打ち出して、付け木から炎になるまで30秒ほどだそうです。
私たちの時代は、マッチが発明されてから、火をおこす努力はしなくてすんでいますが、それだけに昔の人の努力や苦労は大変だったと思います。

「火打石」は玉随や瑪瑙石(めのう)が適しているそうです。
チャート、石英、ジャスパー、サヌカイト、黒曜石、ホルンフェルス、珪石なども硬質で、使用する場合もありますが、火の出はよくないそうです。
「火打石」と言うといかにも石から火が出るように思いますが、石が火打鎌の金属面を擦り叩いた瞬間に鉄が削れその摩擦熱で削れた鉄粉が火花となるそうです。
火花は1000度以上にも達するそうで、手に落ちると熱く感じますが瞬間的なので火傷にはならないそうです。
そして、金属を削るのですから石角は刃状になっていなければいけないそうです。
江戸時代の処世句に「角とれて打つ人もなし火打石」とあります。
つまり、角のない石はだめだと言うことのようです。
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