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竹原ピストルの「東京一年生」

竹原ピストルという歌手がいます。

ある時に、NHKの番組に出て歌っていました。
だみ声で、汗をいっぱいかいて、そして横にタオルを置いて、拭きながらライブをやっていました。
その必死さと、そしてぎりぎりを生きているような歌詞に感動して聞いていました。
高田渡ファンの私にとっては、高田渡とは全くと言っていいほど似ていないその音楽ですが、泥臭さは一緒でした。
竹原ピストルの代表曲の「東京一年生」を紹介します。

左手で描いた似顔絵のよう あやふやな旅支度
体のこっち側にかいた汗が薄まっていくような気がして
お水がおいしい朝 お水だけがおいしい朝
暮らしづらいのは街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

お尻から生えたスケジュール帳
私の長所は 過去はすべて汚点だと思えるところ
私の短所は 過去はすべて汚点だと思ってしまうところ
いずれにしてもまるで赤の他人の胴体を踏みつけるかのように白々しく
今日も汚して歩くんだ 今日を汚して歩くんだ
暮らしづらいのは街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

ときに高値をつけられ ときに安値をつけられ
手垢をかぶって とっかえひっかえのたらい回し
燃やされて 燃やし尽くされて 跡形も無くなるまで
古本屋に満ちた いたたまれなさ
つまり そんなものだよ
暮らしづらいのは街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

タバコ自体が無いってなら
まぁしょうがないかなって思えるんだ
堪え難いのは タバコはあるのに火が無いときだよ
マッチ一本欲しさに寄り集まるんだよ
うすら寒い愛想笑いを張りつけて 寄り集まるんだよ
暮らしづらいのは街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ

今年何度目だよ? と見上げた頬にまた雪が跳ねる
ピカピカのギターケースをぶら下げてそわそわと あれは東京一年生かな?
例えば人ごみが息苦しかったなら まずは自分が消えることだよ
さもなくば 窒息するまで歌いきるんだ
暮らしづらいのは街のせいじゃない
暮らしづらいのは大丈夫 夢があるからさ
がんばれがんばれ!! 東京一年生!!


東京に出てきて、戸惑っている様子を竹原ピストルなりの前向きの表現で歌にしています。
東北あたりを主にライブをしているようですが、ぜひ四国にも来てほしいものです。
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原発非難の「ラブミーテンダー」

今から24年前の1988年に、RCサクセションの頃の忌野清志郎さんがエルビスプレスリーの「ラブミーテンダー」(Love Me Tender)の替え歌を発表したのをご存知でしょうか?
その頃から忌野清志郎さんは、原発反対の詩を書いて歌っていました。
忌野清志郎さんは、2009年の5月に亡くなっています。
福島原発の事故は2011年の3月です。
あと2年生きていたら、どんなメッセージを残したのでしょうか?

この「ラブミーテンダー」には前章がありました。
1988年、RC サクセションが「カバーズ」という、全曲洋楽ヒット曲をカバーしたアルバムを製作し、8月6日の原爆の日に合わせて発売する予定でした。
でも、彼らの所属する大手レコード会社の東芝EMIから発売を拒まれて発売中止となりました。
それは原発を非難するこの「ラブミーテンダー」が収録されていたためでした。
東芝といえば原子力発電所建設に関わる大手会社のひとつなので当然だったのかも知れません。
その代わりに初期の所属レーベルのキティレコードから、この「ラブミーテンダー」が終戦記念日に発売されました。
忌野清志郎さんが付けた日本語詩は強烈なメッセージでした。
Love Me Tenderを「なに言ってんだー」と言い換えて歌っています。
「あこがれの北朝鮮」も度肝を抜かれましたが、この「ラブミーテンダー」の方が振り返ってみると未来を予想して危惧していたのがよくわかります。

Love Me Tender/(なに言ってんだー)
オリジナル歌詞: E. Presley& V. Matson
替え歌詩: 忌野清志郎

何言ってんだー、ふざけんじゃねー
核などいらねー
何言ってんだー、よせよ
だませやしねぇ
何言ってんだー、やめときな
いくら理屈をこねても
ほんの少し考えりゃ俺にもわかるさ

放射能はいらねえ、牛乳を飲みてぇ
何言ってんだー、税金(かね)かえせ
目を覚ましな
たくみな言葉で一般庶民を
だまそうとしても
ほんの少しバレてる、その黒い腹

何やってんだー、偉そうに
世界の真ん中で
Oh my darling, I love you
長生きしてえな

Love me tender, love me true
Never let me go
Oh my darling, I love you
だまされちゃいけねぇ

何やってんだー、偉そうに
世界の真ん中で
Oh my darling, I love you
長生きしてえな

高田渡の作曲

高田渡の作曲した歌を集めてみました。
高田渡は、作詞よりも作曲のほうが得意だと思います。
そして数も多いです。

1969年2月 『高田渡/五つの赤い風船』高田渡最初のアルバムリリース
(LP盤) URC/東芝EMI
収録曲:
高田渡
(1)事だよ  詞:高田渡 曲:高田渡
(6)あきらめ節  詞:添田唖蝉坊/高田渡 曲:高田渡
最初のアルバムではこの2曲ですが、すごくテンポのいい曲です。
フォークソングだけど、世相をとらえた詩にうまくマッチし、人生を語る曲になっています。
最初の頃は、添田唖蝉坊の詩をよく使っています。


1969年10月 『汽車が田舎を通るそのとき』  高田渡2枚目のアルバムリリース
(LP盤) URC/キティーレコード
収録曲:
(1)ボロ・ボロ 詞:高田渡 曲:高田渡
(2)春、まっさい中 詞:高田渡 曲:高田渡
(3)日曜日 詞:高田渡 曲:高田渡
(4)酒屋 詞:高田渡 曲:高田渡
(5)汽車が田舎を通るそのとき 詞:高田渡 曲:高田渡
(6)来年の話をしよう 詞:高田渡 曲:高田渡
(7)朝日楼 訳詞:高田渡 曲:高田渡
(9)ゼニがなけりゃ 詞:高田渡 曲:高田渡
(10)出稼ぎの唄 詞:高田渡 曲:高田渡
(11)鉱夫の祈り 詞:高田渡 曲:高田渡
だんだん泥臭い高田渡が出てきます。
「朝日楼」から「ゼニがなけりゃ」「出稼ぎの唄」「鉱夫の祈り」まで、私の好きな歌ばっかりですが、高田渡が歌うのにぴったりのテンポの曲です。 

1971年6月1日 『ごあいさつ』   高田渡3枚目のアルバムリリース
(LP盤) キングレコード・ベルウッド
収録曲:
(1)ごあいさつ  詩:谷川俊太郎 曲:高田渡
(2)失業手当  原詩:ラングストン・ヒューズ 訳詩:木島始 曲:高田渡
(3)年齢・歯車  詩:有馬敲/山之口貘 曲:高田渡
(4)鮪に鰯  詩:山之口貘 曲:高田渡
(5)結婚  詩:山之口貘 曲:高田渡
(6)アイスクリーム  詩:衣巻省三 曲:高田渡
(7)自転車にのって  詞:高田渡 曲:高田渡
(8)ブルース  原詩:エミリー・ディキンソン 訳詩:中島完 曲:高田渡
(9)おなじみの短い手紙  原詩:ラングストン・ヒューズ 訳詩:木島始 曲:高田渡
(10)コーヒーブルース  詞:高田渡 曲:高田渡
(11)値上げ  詩:有馬敲 作曲:高田渡
(12)夕焼け  詩:吉野弘 曲:高田渡
(13)銭がなけりゃ  詩:高田渡 曲:高田渡
(14)日曜日  詩:高田渡 曲:高田渡
(16)生活の柄  詩:山之口貘 曲:高田渡
(17)自転車にのって(ファンキーヴァージョン)
ここで山之口貘の詩に曲をつけている歌が出てきます。
「生活の柄」は私が常に口ずさんでいる歌ですが、とにかく飽きない歌です。
聞けば聞くほどコクがあって、あのひげもじゃの姿と一致します。
「生活の柄」はいろいろなアルバムに入っていますが、特にこの頃のアルバムはテンポがゆっくりなので特に印象深くなっています。
「鮪に鰯」もいいですね。
山之口貘の詩はなかなか曲をつけるのが難しいと思いますが、あのサックスの響きが忘れられません。
有馬敲の詩も出てきました。
「値上げ」なんて、今歌ったらもっとヒットするんじゃないのかな?と思います。
「年齢・歯車」は、有馬敲と山之口貘という全く違った詩に高田渡が曲をつけています。
むりやり関連づけたようなあつかましさは高田渡そのものです。
吉野弘の詩の「夕焼け」もいいですね。
「あの娘さんはどうするのだろう」と思うドキドキ感を高田渡のやや寂しげな曲で感情をあおっています。
初めて聞いたときの何ともいえない不思議な感じは今でも思い出します。


1972年4月25日『系図』  高田渡4枚目のアルバムリリース
(LP盤) キングレコード・ベルウッド
収録曲:
(1)夜風のブルース  詞:ラングストン・ヒューズ 曲:高田渡
(2)69  詞:金子光晴 曲:高田渡
(3)出稼ぎのうた  詞:小幡周太郎 曲:高田渡
(4)長屋の路地に  詞:木山捷平 曲:高田渡
(5)酒 詞:細田幸平 曲:高田渡
(6)手紙を書こう  詞:永山則夫 曲:高田渡
(7)系図  詞:三木卓 曲:高田渡
(8)ミミズのうた  詞:永山則夫 曲:高田渡
(9)告別式  詞:山之口貘 曲:高田渡
(10)鎮静剤  原詩:ローラッサン 訳詞:堀口大学 曲:高田渡
(11)鉱夫の祈り  詞:高田渡 作曲:高田渡
ここで死刑囚の永山則夫の詩に曲をつけています。
特に印象の深いのは「ミミズのうた」ですが、ミミズの一生を永山則夫は自分に例えたのでしょう。
それに曲をつけようと思ったのは高田渡くらいのものでしょう。
この発想が実にすばらしいと思います。


1972年8月 『武蔵野タンポポ団の伝説』 アルバムリリース
(LP盤) キングレコード・ベルウッド
収録曲: 
(2)長屋の路地に  詞:木山捷平 曲:高田渡
(4)告別式 詞:山之口貘 曲:高田渡
「長屋の路地に」も「告別式」もいい歌です。
特に「告別式」は死んでからの仏さんの立場を詩にする山之口貘も山之口貘ですが、それに曲をつける高田渡には半分あきれてしまいます。
ヒット曲にしようなんてこれっぽっちも考えてなかったような感じです。


1973年6月25日『石』  高田渡5枚目のアルバムリリース
(LP盤) キングレコード・ベルウッド
収録曲:
(1)ひまわり  詞:バーナード・フォレスト 訳詞:中島完 曲:高田渡
(2)夜の灯  詞:高木護 曲:高田渡
(3)私は私よ 詞:ジャック・プレベール 訳詞:小笠原豊樹 曲:高田渡
(4)ものもらい  詞:山之口貘 曲:高田渡
(6)石  詞:山之口貘 曲:高田渡
(7)いつになったら  詞:金子光晴 曲:高田渡
(10)正午  詞:野見山杉太郎 曲:高田渡
(11)火吹竹  詞:高田豊 作曲:高田渡
このアルバムも個性的ですね。
高田豊は高田渡のお父さんです。
詩人だったみたいですが、曲をつけているのはよりによって「火吹竹」だけです。


1976年3月 『FISHIN' ON SUNDAY』  高田渡6枚目のアルバムリリース
(LP盤) 日本フォノグラム/徳間ジャパン
収録曲:
(1)魚つりブルース  詞:高田渡 曲:高田渡
(2)頭を抱える宇宙人  詩:山之口貘 曲:高田渡
(3)ヘイ・ヘイ・ブルース 詞:梅田智江 曲:高田渡
(4)自由な奴 詞:永山則夫 曲:高田渡
(5)秋の夜の会話  詞:草野心平 曲:高田渡
(7)質屋  詞:高田渡 作曲:高田渡
(10)フィッシング・オン・サンデー  詞:高田渡 曲:高田渡
「頭を抱える宇宙人」も山之口貘の詩に曲をつけていますが、いい歌です。
想えば山之口貘も高田渡も宇宙人的な人だったのかも知れません。
「自由な奴」でまた永山則夫の詩を使っています。
これは永山則夫の憧れを詩にしたものに思えますが、高田渡はこれを地で行っていたような気がします。
想えば自由な人生だったので、これだけ個性的な歌を残せたのだと思います。

1977年6月『ヴァーボン・ストリート・ブルース』  高田渡7枚目のアルバムリリース
(LP盤) フォーライフレコード
収録曲:
(5)G・M・S(グラフィス・マンドリン・ソサエティ) アメリカ民謡 編曲:高田渡
(9)座蒲団 詩:山之口貘 曲:高田渡
(10)すかんぽ(哀れな草) 詞:リンゲルナッツ 曲:高田渡
「座布団」ですか。
これも山之口貘の詩ですが、個性的過ぎて好き嫌いがあると思います。
私は好きな歌の一つです。

1983年10月 『ねこのねごと』  高田渡8枚目のアルバムリリース
(LP盤) 徳間ジャパン
収録曲:
(2)冬の夜の子供の為の子守唄 詞:ジャック・プレヴェール  曲:高田渡
(4)ねこのねごと 詞:木島始 曲:高田渡
(5)酒が飲みたい夜は 詞:石原吉郎 曲:高田渡
(7)いつか 詞:高田渡 曲:高田渡
(8)バイバイ 詞:ヴォルク・ビアーマン 訳詩:野村修 曲:高田渡
(9)なまけもの 詞:木島始 曲:高田渡
ローテンポで語りかけています。
「いつか」なんか高田渡らしくないロマンチックな詩にあったおだやかな曲です。
「酒が飲みたい夜は」もいいですね。
ひとり酔っ払って風呂に入って歌える曲です。


1993年5月 『渡』  高田渡9枚目のアルバムリリース
(CD) 徳間ジャパンコミュニケーションズ
収録曲:
(1)仕事さがし 詞:高田渡 曲:高田渡
(2)スキンシップ・ブルース 詞:高田渡・山本シン 曲:高田渡・山本シン 
(3)病い 詞:秋山末雄 曲:高田渡 編曲:高橋信之
(7)こいつは墓場にならなくちゃ  詞:ニカールバラ・木島始 曲:高田渡
(8)夕暮れ 詞: 黒田一郎・高田渡 曲:高田渡
(9)酒心  詞:高田渡 曲:高田渡
(10)生活の柄 詩:山之口貘 曲:高田渡
(11)さびしいといま  詩:石原吉郎 曲:高田渡
「仕事さがし」はよく歌っていましたね。
コンサートではまずこの歌から始まっていました。
そして「夕暮れ」は実にすばらしい詩と曲です。
・・・・・・そうやってたかだか30分か1時間・・・・と微妙な時間ですが、じっとしているとわりと長い時間を、高田渡はていねいに歌っていました。
「スキンシップ・ブルース」は、最初はなんだこれと思いましたが、高田渡はどんな詩にも曲をつけ、いつの間にか私の中での名曲になってしまいました。

高田渡の作詞

高田渡の作詞した歌を集めてみました。
初期の頃は作詞は多かったのですが、だんだん少なくなっていっています。
高田渡が山之口貘などの詩に曲をつけることが多くなっていったのが原因だとは思いますが、こうして振り返るといい詩がたくさんあるのに改めて気がつきました。

1969年2月 『高田渡/五つの赤い風船』高田渡最初のアルバムリリース
(LP盤) URC/東芝EMI
収録曲:
高田渡
(1)事だよ  詞:高田渡 曲:高田渡
(3)自衛隊に入ろう  詞:高田渡 原曲:M.レイノルズ"Andorra"
(7)冷やそうよ 詞:高田渡 原曲:H.ウィリアムズ
最初のアルバムでは、3曲です。
「事だよ」も「自衛隊に入ろう」も「冷やそうよ」も、世相をとらえた詩になっています。

1969年10月 『汽車が田舎を通るそのとき』  高田渡2枚目のアルバムリリース
(LP盤) URC/キティーレコード
収録曲:
(1)ボロ・ボロ 詞:高田渡 曲:高田渡
(2)春、まっさい中 詞:高田渡 曲:高田渡
(3)日曜日 詞:高田渡 曲:高田渡
(4)酒屋 詞:高田渡 曲:高田渡
(5)汽車が田舎を通るそのとき 詞:高田渡 曲:高田渡
(6)来年の話をしよう 詞:高田渡 曲:高田渡
(7)朝日楼 訳詞:高田渡 曲:高田渡
(8)新・わからない節 詞:高田渡 原曲:アメリカ民謡
(9)ゼニがなけりゃ 詞:高田渡 曲:高田渡
(10)出稼ぎの唄 詞:高田渡 曲:高田渡
(11)鉱夫の祈り 詞:高田渡 曲:高田渡
(12)この世に住む家とてなく 詞:高田渡 原曲:アメリカ民謡
このアルバムではすべて高田渡の作詞です。
女郎屋に入っている女性のことを歌った「朝日楼」は外国人の詩の訳詩ですが、高田渡なりに泥臭くなっています。
「新・わからない節」「ゼニがなけりゃ」「出稼ぎの唄」「鉱夫の祈り」などは、後々にまで歌い継がれている個性的な歌で、このアルバムでは作曲もほとんどしています。


1971年6月1日 『ごあいさつ』   高田渡3枚目のアルバムリリース
(LP盤) キングレコード・ベルウッド
収録曲:
(7)自転車にのって  詞:高田渡 曲:高田渡
(10)コーヒーブルース  詞:高田渡 曲:高田渡
(13)銭がなけりゃ  詩:高田渡 曲:高田渡
(14)日曜日  詩:高田渡 曲:高田渡
「銭がなけりゃ」は2枚目のアルバムに引き続き入れています。
「自転車にのって」は言わずと知れた高田渡の大ヒット曲です。
「コーヒーブルース」は高田渡には似合わない恋?の歌ですね。
    

1972年4月25日『系図』  高田渡4枚目のアルバムリリース
(LP盤) キングレコード・ベルウッド
収録曲:
(11)鉱夫の祈り  詞:高田渡 作曲:高田渡
「鉱夫の祈り」は2枚目のアルバムに引き続き入れています。
 
1973年6月25日『石』  高田渡5枚目のアルバムリリース
(LP盤) キングレコード・ベルウッド
収録曲:
高田渡作詞の歌はありません。

1973年7月25日『30才』(岩井宏)アルバムリリース
(LP盤) キングレコード・ベルウッド
収録曲:
(1)小さな歯車に油をさそう 詩:高田渡/岩井宏 曲:岩井宏 
この歌は聴いたことがありません。

1976年3月 『FISHIN' ON SUNDAY』  高田渡6枚目のアルバムリリース
(LP盤) 日本フォノグラム/徳間ジャパン
収録曲:
(1)魚つりブルース  詞:高田渡 曲:高田渡
(7)質屋  詞:高田渡 作曲:高田渡
(9)漣  詞:高田渡 曲:中川イサト
(10)フィッシング・オン・サンデー  詞:高田渡 曲:高田渡
だんだん作詞が少なくなっています。
「魚つりブルース」と「フィッシング・オン・サンデー」は同じ歌だと思います。
「質屋」は高田渡そのものの歌ですね。
 
1977年6月『ヴァーボン・ストリート・ブルース』  高田渡7枚目のアルバムリリース
(LP盤) フォーライフレコード
収録曲:
(1)ヴァーボン・ストリート・ブルース 詞:高田渡 曲:Assunto
フォーク調の曲に合わせるように作詞しています。
高田渡らしくない歌です。

1983年10月 『ねこのねごと』  高田渡8枚目のアルバムリリース
(LP盤) 徳間ジャパン
収録曲:
(7)いつか 詞:高田渡 曲:高田渡
この歌はいい歌です。
でも、高田渡にしてはシックな歌です。

1993年5月 『渡』  高田渡9枚目のアルバムリリース
(CD) 徳間ジャパンコミュニケーションズ
収録曲:
(1)仕事さがし 詞:高田渡 曲:高田渡
(2)スキンシップ・ブルース 詞:高田渡・山本シン 曲:高田渡・山本シン 
(9)酒心  詞:高田渡 曲:高田渡
「仕事さがし」や「スキンシップ・ブルース」はカラオケに入っているくらいメジャーな歌です。
晩年は好んでこの2曲は歌っていました。

世界の由紀さおりさん

音楽は万国共通とは言いますが、日本語の歌が世界で注目されたことはほとんどなかったと思います。
今から50年近く前に坂本九さんが歌った「SUKIYAKI」(日本では「上を向いて歩こう」という題名です)は、1963年に米ビルボード誌の週間ランキング1位を獲得していますが、アメリカだけです。
由紀さおりさんは、アメリカの人気ジャズ・オーケストラ「ピンク・マルティーニ」と組んで、11月2日付ジャズ・チャートで1位になっています。
それだけではなく、カナダのiTunesワールドミュージック・チャートでも1位に入り、さらに、ギリシャのIFPI総合アルバム・チャートでは4位に、シンガポールのHMVインターナショナル・チャートでは18位になったことが分かっています。
このアルバムは、今では世界22か国で順次売り出され、人気を集めています。
由紀さおりさんがデビュー当時の日本の歌謡曲を日本語で歌っているのに、アメリカやカナダのチャートでも1位になったのです。
この、ピンク・マルティーニ『1969』の曲名は、
①.ブルー・ライト・ヨコハマ(いしだあゆみ)
②.真夜中のボサ・ノバ(ヒデとロザンナ)
③.さらば夏の日 [Du soleil plein les yeux](フランシス・レイ)
④.パフ [Puff, The Magin Dragon](ピーター・ポール&マリー)
⑤.いいじゃないの幸せならば(佐良直美)
⑥.夕月(黛ジュン)
⑦.夜明けのスキャット(由紀さおり)
⑧.マシュケナダ [Mas Que Nada](日本語版:アストラッド・ジルベルト)
⑨.イズ・ザット・オール・ゼア・イズ? [Is That All There Is?](ペギー・リー)
⑩.私もあなたと泣いていい? (兼田みえ子)
⑪.わすれたいのに / 原曲[I Love How You Love Me](モコ・ビーバー・オリーブ)
⑫.季節の足音 [bonus track]
この12曲です。
このうち、フランス語で歌った「さらば夏の日」以外は、すべて日本語です。
夜明けのスキャットだけでなく、ブルー・ライト・ヨコハマ、いいじゃないの幸せならば、夕月など、私が中学生の頃に聞いた歌が入っているのにはすごく懐かしさを感じます。
歌のよさは言葉じゃないのですね。
そして、これだけ世界中の人たちを感動させた由紀さおりさんは、今更ながらすばらしい歌手だと思います。
美空ひばりさんもそうだったけど、由紀さおりさんも昔の歌は昔のまんま歌っています。
古い歌手で、昔ヒットした歌を歌うとき、くずしたりテンポを遅らせたりして歌う人がいます。
私だけでなく、ほとんどの人は、昔ヒットした歌は昔の歌い方のまんまで歌ってほしいと思っています。
なにか、全然違った歌になっているときには残念な気持ちになります。
なにはともあれ、このアルバムはまだまだ世界中に浸透するかもしれません。
その要素がたっぷり入っていると思います。
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