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アイスランドの火山活動について

アイスランドで火山活動が活発化しています。
レイキャネス半島では2021年、800年ぶりに噴火が始まったのですが、今月に入って地面に亀裂が入るなど、被害が拡大しています。
半島の南端にある町のグリンダヴィークでは1メートル以上陥没した場所もあり、住民全員が避難しました。
現在、アイスランド最大のブルドーザーがこの小さな町に向かい、溶岩が主要な建物を破壊するのを食い止めるため防護壁を築いています。
一方、科学者によれば、この地域は数十年にわたり火山活動が不安定になる可能性があるとのことです。
マグマは、数百年前の亀裂の下を流れていると考えられています。
アイスランドで最も有名な観光名所のひとつであるブルーラグーンも、今月末まで閉鎖される予定です。

11/14(火) のニュースでは、アイスランドが火山が噴火した場合に備える中、南部で13日に約900回もの地震が発生したと発表しました。
同地域ではここ数週間では数万回の揺れが観測されているそうです。
そして、地下のマグマの圧力で道路に亀裂が入り、建物が傾き始めています。
溶岩が地表に向かう中、科学者は懸念を強めています。
アイスランド気象当局のマシュー・ジェームス・ロバーツさんは、「今回の貫入は長さが15キロもある。この貫入には、毎秒数千立方メートルの溶岩マグマが流れ込んでいた。現在、この貫入は地表のすぐ下に位置している。15キロの距離にわたって、溶融したマグマが広がり、実際に海岸沿いの町グリンダビークの中と地下を通っている」と言っています。
グリンダヴィークの町の住民3800人全員が、週末に自宅から避難しました。
ただし、大半は友人や家族の家に身を寄せており、避難所にいるのはわずか50─70人だそうです。
地元住民のハンス・ベラさんは、地震には慣れていそうですが、「安定することはなく、常に揺れていたので、眠ることも何もできなかった。だから『これは普通ではない』と感じた」「救助隊の大きな車があり、20人警察官がいて、ライトが点滅している。とにかく非現実的で、まるで戦場か何かのようだ」と話していました。
当局は、マグマが地表を突き破り、町や地熱発電所に被害が及ぶ可能性を懸念しています。
前出のロバーツさんは「リスクの観点からの大きな懸念は、マグマが地表に出てきて割れ目噴火を起こす可能性があるということだ。ハワイのような溶岩を生成する火山噴火で、これは長い亀裂が生じる可能性がある」と語っていました。
その上で「噴火が起きるのか、起きた場合、どのような被害が出るのか、というとてつもない不確実性を、私たちは今抱えている」と話していました。
レイキャネス半島は火山地帯で地震多発地域です。
7月にも火山活動が観測されていました。
2021年3月には、地上の長い亀裂から溶岩が大きく噴き出した記録もあります。

京都大学防災研究所火山活動研究センター長の教授である井口正人さんによると、アイスランドはプレートの境界に位置していて、日本周辺と比べてマグマの噴出量が多い傾向があるそうです。
今回は街のすぐ近くでマグマが上昇して地殻に入り込む「貫入」が発生しているとのことです。
井口さんは、「溶岩流が噴出して街に到達すれば、街全体が壊滅するかもしれない。人的被害が出る可能性もある」と指摘しています。
その上で、井口さんは今回のマグマの貫入が海域に及んでいる点に注目しています。
マグマと海水が接触することで爆発的な噴火になり、大量の火山灰が出る可能性があるそうです。
空路に大きな影響を与えた2010年4月の噴火同様、「ヨーロッパの空路がまひ状態に陥るかもしれない」と警鐘を鳴らしています。

アイスランドは、日本と同じくプレートがあります。
日本列島周辺には、太平洋プレート、フィリピン海プレート、ユーラシアプレート、北米プレートの4枚のプレートが相接しており、それらの境界が日本海溝、相模トラフ、南海トラフとなっています。
太平洋プレート及びフィリピン海プレートは、毎年数cmの速さで西に動き日本列島の下に潜りこんでいます。
これによりユーラシアプレートなどの大陸プレートの端が引きずり込まれ歪みのエネルギーがだんだん蓄積されていっています。
プレートの動きが地震につながると言われており、それぞれが押し合ったり重なり合ったりして、これが日本で多くの地震を引き起こす原因になっています。

アイスランドはユーラシアプレートと北アメリカプレートの2枚のプレートがあり、島内に広範囲にわたる 火山活動と地熱活動が盛んな地域がありますが、ユーラシアプレートと北アメリカプレート のプレート境界を示す大西洋中央海嶺に関係した リフトがアイスランドを南西から北東にかけて横切っています。
ユーラシアプレートは、東シベリア、インド亜大陸、アラビア半島の3地域を除くユーラシア大陸の地殻及びマントル上方のリソスフェアを形成する大陸プレートです。
北アメリカプレートは、アイスランド西部、グリーンランド、北アメリカ大陸および東シベリアから東日本にかけての地殻及びマントル上方のリソスフェアを形成するプレートです。
アイスランドは大西洋中央海嶺の上に位置しているそうです。
この海嶺は北アメリカプレートとユーラシアプレートが分離する海洋底の裂け目ですが、アイスランドではそれが海面の上で見られる場所です。
毎年2~3cmの速度で離れていき、それぞれのプレートは日本の海底あたりで潜り込んでいるそうです。
そのため、プレートの境目があるところに火山が多いそうです。
ミーヴァトン湖に近いところでも“ギャウ”と言われる裂け目が見られます。
固い岩盤のように見えますが意外と粘土質の柔らかい地質だそうです。
アイスランドの南西部にあるシンクヴェトリル国立公園では、もっと規模の大きな地上の裂け目を歩いたり、湖底の裂け目をダイビングで楽しむことができるそうです。

いずれにしても、日本との関連が多い地震国です。
未曽有の災害が起きないように祈るばかりです。
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イスラエルとハマスの過去について

イスラエルとパレスチナ人の中の「ハマス」との戦争が始まりました。
唐突に「ハマス」がイスラエルへ攻撃したようにも見えますが、この攻撃はロシアとウクライナとの戦争と違って(ロシアとウクライナとの戦争はロシアが悪いのは明らかです)簡単なものではありません。
この問題を考えるにあたり、何故イスラエルはこの土地で建国されたのかを振り返ることだと思います。
そして、それを振り返るには、2000年前に歴史を遡る必要があります。

パレスチナの地には、ユダヤ教を信じるユダヤ人の王国がありました。
しかし、この国は2000年ほど前にローマ帝国に滅ぼされてしまいます。
この時には、ユダヤ人は、パレスチナを追い出されて世界に散り散りになってしまいます。
これを「ディアスポラ」と言います。
その後パレスチナの土地の支配者は、歴史に応じて変わっていきますが、アラブ人、今で言うパレスチナ人が住み続けることになりました。
散り散りになってしまったユダヤ人はヨーロッパや中東、アフリカで暮らすことになります。
ただ、特にヨーロッパでは差別や迫害に苦しむことになりました。
ユダヤ教の国で新しい教えを広めたのがイエス・キリストです。
彼はユダヤ教の聖職者たちと対立し、十字架にかけられてしまいました。
このため、のちにヨーロッパでキリスト教が広がると、ユダヤ人はキリストを処刑した人たちとみなされ、差別や迫害の対象になってしまいます。
ユダヤ人はそれぞれの土地で、普通の人がなかなか就かないような仕事に就かざるを得ませんでした。
その代表例が金融業です。
やがて金融業の需要が増すにつれ、その土地土地で富を握るようになります。
また、昔から自分たちの宗教を守るのに熱心で、子どもの教育にも力を入れてきました。
識字率が高く、知識階級の中でも影響力を持つようになります。
いろいろなことが重なって、疫病などの災難が起きるとユダヤ人を迫害する、という歴史が繰り返されてきました。
迫害が続く中、19世紀にユダヤ人たちの中で、かつて王国があったパレスチナの地に戻ろう、国をつくろうという運動が起こります。これを「シオニズム運動」と言います。
それが現実化してくるのが第1次世界大戦の時です。
イギリスが「ユダヤ人の国家建設を支持します」と約束したそうです。
ユダヤ系の財閥、ロスチャイルドから資金援助を引き出そうという狙いだったと言われています。
一方イギリスは、当時パレスチナを含むアラブ地域を支配していたオスマン帝国を切り崩すため、アラブ人にも「オスマン帝国と戦えば、独立国家をつくる」と約束しています。
さらに盟友のフランスとは、この地域を山分けする密約も結んでいたそうです。
歴史上、これが悪名高い「三枚舌外交」と呼ばれるものです。

結局、オスマン帝国の領土は、イギリスとフランスが山分けすることになりました。
ユダヤ人は「だまされた」と思いつつ、パレスチナの地に移り住む動きを強めていきます。
そして、最後の決め手となったのが、ナチス・ドイツによるホロコーストです。
ホロコーストとは、第二次世界大戦中の国民社会主義ドイツ労働者党(ナチ党)支配下のドイツ国(ナチス・ドイツ)やその占領地においてユダヤ人などに対して組織的に行った絶滅政策・大量虐殺のことです。
これにより600万人のユダヤ人が殺害されました。
もう二度とユダヤ人が迫害されることはあってはならないと、悲願の国をつくる思いを強めていったのです。
ナチスの犠牲者になったユダヤ人への同情もあり、1947年には「パレスチナの地に国をつくらせよう」という国連決議が採択されました。
そして翌年には、ユダヤ人がイスラエルの建国を宣言します。
パレスチナ側からすると広大な土地を取られてしまうため、「勝手に国をつくられるのはおかしい」と反発しました。
建国の翌日(1948年5月15日)には周辺のアラブ諸国がイスラエルに攻め込みました。
これが第1次中東戦争です。
イスラエルは最初は苦戦しましたが、国連の分割決議で認められた土地は死守しました。
その状態で国を少しずつ造っていきますが、パレスチナは相変わらず国にならない状態でした。
周辺のアラブ諸国は、イスラエルに対する憎しみを募らせながら緊張状態が続きました。
中でも決定的だったのが、1967年の第3次中東戦争です。
イスラエルは、戦争前まで認められていた休戦ラインを越えて、国際法上、認められていないところまで占領したのです。
この時イスラエルは事実上「パレスチナ」と呼ばれていた土地のすべてを、統治下に置くことになったのです。
入植地の建設も、これ以降加速します。
占領地での入植活動は、国際法に違反する行為です。
こうしたことから、それまで国際的には「被害者」とみられていたイスラエルは占領者となり、ある意味「加害者」としてみられるようになります。
結局25年間で4回も戦争が繰り返されるのですが、毎度イスラエルが軍事的に圧倒しました。

戦争に負け続けたアラブ側、パレスチナ側は、このままでは耐えられないと「インティファーダ」と呼ばれる住民の抵抗運動が広がっていきます。
住民がイスラエル軍に石を投げて抵抗するのです。
一方、パレスチナの外では、アラファト議長率いるPLO=パレスチナ解放機構という組織が各地でイスラエルに対する武装闘争を展開します。
そしてもう1つ、大きな動きがありました。
1991年にイラクで起きた湾岸戦争で、イラクがクウェートに侵攻したことがきっかけで起きた戦争です。
当時のイラクのサダム・フセイン大統領は旗色が悪くなる中で「アラブの正義のためにパレスチナを解放する」と言い出して、はるか遠くのイスラエルにミサイルを数十発も発射しました。
アラブ世界の同情を集めようとしたのです。
これをきっかけに国際社会から「パレスチナ問題を解決しないと何が起きるかわからない」と事態打開を求める声が高まります。
そして、その後の歴史的な合意=オスロ合意へと向かっていくことになります。
1993年、アメリカとノルウェーの仲介で、イスラエル・パレスチナ双方のトップにより交わされたのが、パレスチナ暫定自治合意、いわゆるオスロ合意です。
パレスチナに暫定自治区を設置して、いずれはイスラエル、パレスチナの双方が共存することを目指しましょうという内容です。
和平交渉の期限とされていた2000年までは楽観論が広がっていました。
双方の人たちの多くが、共存できる夢のような時代がくるのではないかと思っていたのです。

ところが、2000年9月、当時右派の政治家でのちに首相になるシャロン氏が、エルサレムのイスラム教の聖地に足を踏み入れてしまいます。
エルサレムの旧市街には「嘆きの壁」というユダヤ教の聖地がありますが、その上側に「岩のドーム」というイスラム教の聖地があります。
同じ構造物の壁と天井が、ユダヤ教の聖地とイスラム教の聖地としてくっついているのです。
シャロン氏は大勢の警察官に守られながら「嘆きの壁」の上側にある階段を上り「岩のドーム」を一回りして、「私は平和の使者だ」と言って帰ってきました。
礼拝中だったイスラム教徒は、それを見て暴徒化しました。
そして今度はイスラエルの警察がそれを力ずくで鎮圧し、死傷者が出たのです。
これをきっかけに、各地で激しい衝突が始まってしまいます。
約7年もの歳月をかけて築き上げてきた和平への希望が、わずか数日で崩れていきました。
これが導火線になって、暴力の応酬が始まりました。
イスラエルの街中では、バスが吹き飛ばされるような爆弾テロが起きるようになりました。
これに対してイスラエルは、パレスチナの過激派の拠点を空爆します。
衝突が長期化していく中、イスラエルの世論が右傾化し、選挙であのシャロン氏が首相になります。
シャロン氏は、ヨルダン川西岸の境界に食い込むように分離壁をつくりました。
テロリストがイスラエル側に入ってこないようにするためのものです。
高さは、最も高いところで8メートル、全長は700キロ以上にもなりました。
この壁ができて、テロが減ったことをきっかけに、危害がないなら交渉はもういいじゃないか、という考え方がイスラエル側で広がっていきます。
持続的な国を作るためには和平しか手段がない、という考え方が次第に失われていったのです。
パレスチナ側では、オスロ合意後、暫定自治政府のトップとしてパレスチナをまとめていたアラファト議長が2004年に亡くなります。
後を継いだのはアラファト議長と同じ、穏健派の政治勢力「ファタハ」に属していたアッバス議長でした。
和平派の指導者として期待されたのですが、過激派を抑えるだけの力がなかったというのが大半の評価です。
それで、イスラム組織の「ハマス」に2006年の議会選挙で負けてしまいます。
「ハマス」とは、イスラム教の教えを厳格に守ろうという人たちで、ガザ地区を中心にパレスチナの解放を訴えています。
「過激派」と呼ぶ人も多いのですが、軍事部門でイスラエルと武装闘争を続ける一方、慈善活動や教育支援で貧しい人の生活を支えたりもしています。
その「ハマス」は選挙に勝ったあと、2007年からガザ地区を独自に支配するようになってしまいます。

一方、ヨルダン川西岸はイスラエルと和平交渉を続けるという立場をとっている「ファタハ」が統治を続けています。
パレスチナが一体ではなくなってしまったのです。このため、パレスチナ内での和平への足並みがそろわなくなってしまいます。
その結果、和平交渉そのものが、ほとんど行われなくなりました。
イスラエル側も、パレスチナ側にやる気がないのなら別に急がない、という態度でした。
「ファタハ」がやる気でも、「ハマス」がテロを繰り返すのであれば、そんな連中とは話ができないというような感じです。
結局、今のまま現状維持でいこうという力のほうが強く働いてきたのです。
その後は今に至るまで、事あるごとに衝突が起きてきました。
「ハマス」がガザ地区からイスラエルに向けてロケット弾を撃ち、イスラエルが報復として空爆することの繰り返しです。

20世紀に入って、アメリカには、ヨーロッパで迫害されていた、たくさんのユダヤ人が逃れ移り住んできました。
アメリカの全人口3億人余りのうちユダヤ系は約500万人ほどですが、政財界・学会、様々なところに影響力を持つ優秀な人物を輩出しています。
さらにアメリカには、政界にイスラエルの利益をなるべく反映させるように働きかける大きなユダヤ系のロビー団体があります。
大統領選挙では民主党も共和党も選挙資金を目当てに、ユダヤ系ロビーに気をつかうところがあります。
このため、民主党・共和党ともに影響を受けるのです。

こうした背景もあって、アメリカは中東戦争以来、イスラエルに巨額の軍事援助を続けています。
イスラエルの立場や治安を守り、国家として存続できるようにする、というのが民主党政権・共和党政権を問わず、共通しているのです。

歴代政権の中でイスラエル寄りの姿勢が突出していたのが、トランプ政権です。
一番極端だったのはアメリカ大使館をエルサレムに移設したことです。
イスラエルはエルサレムが首都だと主張していますが、国際法上、占領は認められていません。
ところが、トランプ政権は大使館をエルサレムに移設しました。
一方でパレスチナへの支援を打ち切るなど、露骨にイスラエル寄りの政策をとりました。
このため、ただでさえ止まっていた和平交渉は、ますます進まなくなってしまいました。

バイデン大統領は、パレスチナ問題に取り組む姿勢を見せ、中東和平に取り組むだろうという多くの人の期待のもとに就任しました。
ただ、現実問題では、アメリカの外交政策はなんといっても対中国が最優先です。
中東では、トランプ政権がご破算にしたイランとの核合意をいま一度結び直すという課題の方が優先順位としては上なので、パレスチナ問題は後回しになっているのが実情です。

一方で、パレスチナを支援してきたアラブ諸国にも変化が生まれます。
エジプトとヨルダン以外のアラブ諸国はみな「パレスチナ問題が解決するまではイスラエルは認められない」という立場でした。
ところが、トランプ政権時代に和平交渉再開が絶望的になった中、UAE=アラブ首長国連邦やバーレーンが立て続けにイスラエルと国交を結んだのです。

今では、アラブの盟主を名乗るサウジアラビアも、イスラエルとの国交正常化を模索していると言われています。
パレスチナ問題が全く動かない中、イスラエルとしてはパレスチナを飛び越えてアラブの一部と和解できれば国際社会の中での活路が開けると考えました。
そこをうまい具合に当時のトランプ大統領が取り持ったのです。
このあと、スーダンやモロッコといった、アフリカのイスラム教の国も続きます。
パレスチナ問題が解決するまではイスラエルを認めないと言っていた「アラブの大義」の鉄則が崩れていったわけです。
こうしたことに対して、パレスチナ人は裏切りだと怒りました。

イスラエルとアラブ諸国の一部が和解した、対立関係に風穴を開けたという点では評価できる面もあります。
一方、パレスチナ問題が解決しないまま置き去りにされてよいのかと思っている人たちもいて、プラスの面とマイナスの面があります。
物事がより複雑になってしまったのです。
国際機関はどう対応してきたのかと言うと、国連の機関が懸命に、人道支援などの努力をしても、実際に物事が決まる安全保障理事会ではアメリカがイスラエルを擁護するわけです。
イスラエルがガザ地区に侵攻するたびに、国連の安全保障理事会ではアラブ諸国が非難決議を採択しようとしますが、アメリカが拒否権を発動して、それをつぶしてきました。
ガザでは、イスラエルが軍事攻撃を続け、大勢の人が亡くなるのを目撃した人もたいさんいます。
現状の国連のシステムでは現地の悲惨な状況を救うことは難しいようです。
パレスチナ問題は、世界が置き去りにしているのが現状ですが、はっきりしているのは、ガザ地区には、今も必要最低限の生活さえできない人たちがいるということです。
希望すらなくなり、イスラエルに占領され抑圧された状態で暮らすのが正常かといえば決してそんなことはありません。
また、ヨルダン川西岸では、入植地がまだら状に広がっていて、40万人のユダヤ人入植者がこの土地に住み続けています。
本来パレスチナ人が望んでいた土地を取り戻す見通しは到底たたない、将来像が描けなくなっているのです。

今回の「ハマス」による大規模な攻撃がイスラエル側に多くの死傷者を出し人質が取られていることは、決して許されるものではありません。
一方で、イスラエルによる占領やガザ地区の封鎖が続いてきたことが、今回のような悲劇を招いたというのも事実です。

パレスチナ問題の解決がいかに困難だとしても、それを放置し続ける限り、将来にわたって混乱や対立の火種が残り続けています。
国際社会はいまその現実と改めて向き合わなければならないのだと思います。
私も、いろいろな文献を調べていくうちに、非常に複雑で難しい問題だと感じました。
だけど、たった一つしかない命の取り合いである戦争だけは一刻も早くやめさせなければなりません。

石灰岩とチャートについて

私が中学校の理科では、ほぼ同時期に石灰岩とチャートについて学びました。
どちらも堆積岩で、見た目も似ていることから「石灰岩とチャートってどこが違うんだろう?」と思いました。
地質を学ぶようになって、ボーリングマシンで掘削すると石灰岩は比較的早く掘れるのですが、チャートはなかなか掘れません。
つまり、石灰岩とチャートは全く異なっているようです。

石灰岩は堆積岩の一つで、主に方解石から成り、炭酸カルシウムを 50%以上含む岩石のことです。
炭酸カルシウムからなる生物の遺骸(サンゴ,ウミユリ,貝殻など)が堆積して固まってできたもので、大部分が方解石からなり、主成分である炭酸カルシウムが、貝殻やサンゴの骨格など生物に由来していることから、海生動物の化石が見られることが多いことが知られています。
色調は、白色~灰色のものが多く、ハンマーですぐに傷がつき、塩酸に発泡しながら溶けます。
主として、製鉄やセメントなどの原料として採掘されています。

チャートは、角岩(かくがん)とも言い、堆積岩の一種で主成分は二酸化ケイ素(SiO2)で、この成分を持つ放散虫・海綿動物などの動物の殻や骨片(微化石)が海底に堆積してできた岩石(無生物起源のものがあるという説もある)です。
断面をルーペで見ると放散虫の殻が点状に見えるものもあります。
非常に硬い岩石で、層状をなすことが多いく、釘などで擦ってもほとんど傷がつきません。
非常に硬いことより、火打石として利用されてきました。
チャートには褐色、赤色、緑色、淡緑灰色、淡青灰色、灰色、黒色など様々な色のものがあります。
暖色系のものは、微細な酸化鉄鉱物(赤鉄鉱など)に起因し、暗色系のものは硫化鉄(主に黄鉄鉱)や炭素化合物(石墨や不定形炭素、有機物など)に起因します。
緑色のものは、二価の鉄を含む緑色の粘土鉱物を含むためであると言われており、これらは、堆積した環境によって変わると考えられています。

繰り返しになりますが、石灰岩は最初に説明したとおり、炭酸カルシウムを主成分とする堆積岩ですが、チャートの主成分は二酸化ケイ素です。
二酸化ケイ素とは石英と同じ成分で、両者に薄めた塩酸をかけると、石灰岩は泡を出して溶けますがチャートは何も起きません。
これは石灰岩に含まれる炭酸カルシウムが塩酸と反応して二酸化炭素を出すためなので、石灰岩でだけ反応が起きたのです。
また、石灰岩はナイフで削ると石灰岩に傷ができますが、チャートの場合はナイフの方に傷ができます。
これだけで、チャートは石灰岩よりずっと硬いことがわかります。
地球科学の分野では炭酸カルシウムを主成分とした堆積岩を石灰岩と呼んでいますが、石灰岩を鉱業的な資源として取り扱う場合は鉱石名として「石灰石」と呼びます。
どの視点から見るかによって名前が変わるだけで同じものです。
また、石灰岩が熱変成作用を受けることでできる大理石ですが、石材に使われる石灰石も大理石と呼ばれる場合もあります。




結晶片岩 色による分類,原岩による分類

四国では、基盤岩として広域に分布している結晶片岩について調べてみました。

(2)色による分類
目で見た色による分類です。
おおよそ鉱物による分類と対応するようになっていることから薄片記載など室内分析をする前のフィールド記載などでは重宝しています。
緑色片岩と青色片岩は変成相名にも採用されているため、この2つは頻繁に用いられる岩石名であります。
その他については用語の意味するところに不確定性が大きいため、推奨される記載ではありません。
正式名ではなく、あくまでも俗名です。

①緑色片岩
緑色片岩(りょくしょくへんがん、green schist、グリーンシスト)とは、 変成岩の1種で、玄武岩やそれに類する組成の岩石を原岩に低変成度で形成された結晶片岩です。
緑閃石、緑泥石、緑レン石などの緑色の鉱物を含むことからこの名前が付いています。

②青色片岩
青色片岩(せいしょくへんがん, ブルーシスト, blue schist)とは藍閃石などのナトリウムに富み青色を呈する角閃石を含んだ結晶片岩です。
沈み込み帯のスラブ上面のように低温高圧環境での変成作用が特徴的な変成岩です。
原岩は玄武岩などの苦鉄質岩で、温度200-500℃、圧力0.6-1.2GPa(深さにして20-40 km)の条件で形成されます。
日本では三波川変成帯や黒瀬川帯などから産しています。
青色片岩の主な構成鉱物は、藍閃石やリーベック閃石などのナトリウムを含む角閃石の他、ローソン石、ヒスイ輝石、ソーダ雲母、緑泥石、霰石などを含みます。

③黒色片岩
黒色片岩(black schist)は、泥質岩を起源とする結晶片岩のうちで変成度の低いものです。
グラファイト(石墨)を含み色が黒いので一般にこのように呼ばれています。
正規の岩石名ではなく、緑色片岩と同じく通称です。
グラファイト以外には主に絹雲母,緑泥石,斜長石,石英から成ります。
一般に片理が発達し、著しい微褶曲(しゅうきょく)構造が見られます。

④赤色片岩
赤色片岩(せきしょくへんがんRed schist)の代表は、紅簾石片岩(こうれんせきへんがん)です。
紅簾石またはマンガンを含み、赤色を呈する緑レン石や斜灰簾石などを特徴的に含む結晶片岩です。
紅色の部分が紅レン石でギラギラ光っているのが雲母の結晶です。

(3)原岩による分類
原岩の種類によって結晶片岩を分類します。
特に構造地質の記載や研究においては、変成作用による影響よりも元の岩石が何であったか、それら岩石がどのような組み合わせ・構造で 産出しているかが注目されるので、原岩の種類による分類を採用することが多いです。
ただし、観察事実は岩石の組織や色、鉱物の組み合わせであって、原岩の種類はそれらに基づく解釈である点に注意が必要です。
原岩による分類を行った際に、玄武岩や玄武岩質な岩石の総称としては緑色岩greenstoneが使われることが多く見られます。
もしくは、玄武岩質岩石は変成相を決定するために特に重要であるため、 「緑色片岩」「青色片岩」あるいは「角閃岩」などと具体的な岩石名・変成相名と対応させて記載されることも多々あります。

①砂質片岩
砂質片岩(さしつへんがん, ザミティックシスト, psammitic schist)は砂岩を原岩とする結晶片岩です。
構成鉱物は主に石英、絹雲母、緑泥石などです。
見た目は灰色、灰緑色、黄灰色などのくすんだ色で、薄く剥がれやすいのが特徴です。
ルーペで拡大してみると、石英を主とした中、に白色~灰色の絹雲母や、濃緑色の緑泥石の粒が見えることが多いです。

②泥質片岩
泥質片岩(でいしつへんがん, ペリティックシスト, pelitic schist)とは泥岩やそれに類する堆積岩を原岩とする結晶片岩です。
泥質岩に含まれている有機物が変成してできる石墨(グラファイト)を特徴的に含むため、光沢のある黒色を呈します。
低温高圧型広域変成帯に特徴的な変成岩であり、高温低圧型広域変成帯や接触変成帯、大陸衝突型変成帯などの低変成度部分でも広く見られます。
構成鉱物は、石墨の他、石英、曹長石、絹雲母などを含んでいます。
岩石を構成鉱物で分類する際には、石墨片岩と呼ばれることが多いです。
日本では三波川変成帯や三郡変成帯、周防変成帯などの低温高圧型変成帯から産します。
特に三波川変成帯では、埼玉県長瀞町の観光名所である"岩畳(いわだたみ)"を構成する岩石として有名です。

③礫質片岩
礫質片岩(れきしつへんがん, コングロマリットシスト, conglomerate schist)は礫岩を源岩とする結晶片岩です。
通常、礫は片理面に沿って引き伸ばされています。
日本では三波川変成帯などから産しています。

④珪質片岩
珪質片岩(けいしつへんがん, シリシャスシスト, silicious schist)とはチャートや石英質な砂岩などの堆積岩を源岩とする結晶片岩です。
体積の90%近くが石英のみから構成されています。
見た目は純粋なものでは白色や灰色ですが、副成分鉱物によって赤色、褐色、緑色などを呈しています。
低温高圧型広域変成帯に特徴的な変成岩であり、高温低圧型広域変成帯や接触変成帯、大陸衝突型変成帯などの低変成度部分でも広く見られます。
珪岩片岩と同じ鉱物組成であっても片理構造が明瞭でない変成岩は、クォーツァイト(quartzite, 珪岩)と呼ばれています。

⑤石灰質片岩
石灰質片岩(せっかいしつへんがん, カルカリアスシスト, calcareous schist)とは石灰岩を原岩とする結晶片岩です。
大半が方解石のみからなることが多いのですが、それは必ずしも定義ではありません。
見た目は純粋なものでは白色や灰色ですが、副成分鉱物によって赤色、褐色、緑色などを呈しています。
低温高圧型や高温低圧型広域変成帯や接触変成帯、大陸衝突型変成帯などで見られます。
石灰質片岩と同じ鉱物組成であっても片理構造が明瞭でない変成岩は、結晶質石灰岩(大理石, marble, マーブル)と呼ばれています。
また、周囲の岩石や流体などとの反応によって炭酸塩鉱物以外の珪酸塩鉱物などが生じている場合は、スカルンと呼ばれることが多いです。

結晶片岩 構成鉱物による分類

四国では、基盤岩として広域に分布している結晶片岩について調べてみました。

結晶片岩(けっしょうへんがん、schist、シスト)は変成岩のうち、強い片状構造(片理)の発達したものの総称です。
層構造が明瞭な見た目をしており、薄く割れやすいのが特徴で、原岩や構成鉱物によってさらに細分されています。
この片状構造(片理構造)は変形応力によって鉱物粒子が面的に成長・再結晶することによって生じます。
片状構造の発達するのは、特に雲母や緑泥石などのフィロ珪酸塩鉱物、角閃石などのイノ珪酸塩鉱物、その他石墨、赤鉄鉱などのようなシート状、針状、繊維状の結晶になる鉱物が多く含まれる場合です。
なお、片状構造の片理面は、原岩の地層の層理面などの初生的な構造とは別であることに注意が必要です。
結晶片岩よりも変成度・変形度が弱いと、泥岩・砂岩の場合は千枚岩(phyllite)、玄武岩質岩石の場合は緑色岩(greenstone) チャート(chert)や石英質砂岩の場合は珪岩(quartzite)などと呼ばれる岩石になります。
石英・長石のように平たい形状の結晶になりにくい鉱物を主体とした岩石が原岩である場合は、 変成作用・変形作用を受けても片状構造は発達しにくく、 主に片麻岩のような変成岩になります。
片麻岩と結晶片岩の区別に明確な基準はなく、片状構造の発達具合によっては中間的な岩石も存在します。
そのため、同じ岩石であっても、文献によって片麻岩と記載される場合と結晶片岩と記載される場合が混在することもあります。

(1)構成鉱物による分類
含まれる特徴的な構成鉱物によって名前をつけています。
和名では、鉱物名の「石」「鉱」を取り除いて「片岩」付ける例も多い(緑泥石片岩→緑泥片岩)が、 必ずしも統一的な命名基準ではありません。
構成鉱物による岩石名を紹介します。

①緑泥片岩(緑泥石片岩)
緑泥片岩(りょくでいへんがん, クロライトシスト, chlorite schist)は緑泥石を特徴的に含む結晶片岩です。
まれに緑泥石片岩(りょくでいせきへんがん)とも呼ばれますが、石は省略されることのほうが多いようです。
緑泥片岩という岩石名は慣用的なもので、「緑泥石を大量に含む結晶片岩」という程度の意味です。
厳密な定義の存在する変成相で分類すると、緑色片岩と呼ばれます。
緑泥片岩の色は濃緑色やくすんだやや深い黄緑色などがあります。
結晶片岩の1種なので片理が発達しており、薄く剥がれやすいのが特徴です。
緑泥片岩を構成する鉱物は、緑泥石の他に、緑閃石、緑簾石、斜長石(主に曹長石)、石英、磁鉄鉱、黄鉄鉱などです。
緑泥片岩の原岩は玄武岩および玄武岩質の火砕岩や砕屑岩です。
緑泥片岩は世界各地の様々な地質環境で形成されます。
日本では特に三波川変成帯や三郡変成帯、神居古潭変成帯などから産しています。
特に三波川変成帯で産する緑泥片岩は「三波石」「三波川石」などと称され、日本庭園には欠かせない飾り石として広く用いられています。

②絹雲母片岩
絹雲母片岩(きぬうんもへんがん, セリサイトシスト, sericite schist)は絹雲母と呼ばれる微細な白雲母を特徴的に含む結晶片岩です。
絹雲母片岩という岩石名は慣用的なもので、「絹雲母を多量に含む結晶片岩」という程度の意味だと言われています。
絹雲母片岩の色は、灰白色、黄白色、淡褐色などがあります。
結晶片岩の1種なので片理構造が発達しており、薄く剥がれやすいのが特徴です。
絹雲母片岩を構成する鉱物は、絹雲母(白雲母)の他に、石英、長石類、緑泥石などです。
絹雲母片岩の原岩は、砂岩や泥岩などの砕屑岩や、凝灰岩などの火山砕屑岩です。
絹雲母(白雲母)を多量に含むため、特にカリウムに富んでいます。
絹雲母片岩は世界各地の様々な地質環境で形成されています。
日本では特に三波川変成帯や三郡変成帯、神居古潭変成帯などから産しています。

③黒雲母片岩
黒雲母片岩(くろうんもへんがん, バイオタイトシスト, chlorite schist)は黒雲母を特徴的に含む結晶片岩のことです。
黒雲母片岩は黒雲母に富んだ褐色から黒褐色の層と、石英などの白色の鉱物からなる層との互層から構成されています。
結晶片岩の1種なので片理が発達しており、薄く剥がれやすいのが特徴です。
片理の発達が弱いと、片麻岩に分類されます。
黒雲母片岩の原岩は主に泥岩などの堆積岩であることが多いのですが、特に黒雲母の割合の高いものは、蛇紋岩などの超苦鉄質岩と泥岩などのその他の珪長質な岩石の境界部分に生じていることが多いのが特徴です。
黒雲母片岩を構成する鉱物は、黒雲母の他に斜長石(主に曹長石)、石英、緑閃石などの角閃石、白雲母が挙げられます。

④スティルプノメレン片岩
スティルプノメレン片岩(スティルプノメレーン片岩、スチルプノメレン片岩、stilpnomelane schist、スティルプノメレンシスト)はスティルプノメレンという鉱物を特徴的に含む結晶片岩の1種です。
スティルプノメレン以外の主な構成鉱物として、石英、、長石、緑泥石、方解石などの鉱物があります。
スティルプノメレン片岩は、主に遠洋性の堆積岩や凝灰岩などの鉄とカリウムに富んだ岩石が低温高圧型の変成を受けることによってできます。
埼玉県長瀞のスティルプノメレン片岩はその見た目から虎岩と呼ばれ、奇岩地形として有名です。

⑤滑石片岩
滑石片岩(かっせきへんがん、talc schist、タルクシスト)は滑石という鉱物を特徴的に含む結晶片岩の1種です。
主に蛇紋岩とその他の岩石の境界部分に生じる変成岩のことです。

⑥緑閃石片岩
緑閃石片岩(りょくせんせきへんがん、actinolite schist、アクチノライトシスト)は緑閃石という角閃石の1種の鉱物を特徴的に含む結晶片岩の1種です。
緑閃石片岩は主に蛇紋岩とその他の岩石の境界部分に生じる変成岩です。
滑石片岩や黒雲母片岩などと密接に関わり合って産出することが多く、また滑石や黒雲母を含むこともあります。
また片理構造が発達していない緑閃石を主体とする岩石を緑閃石岩(actinolite rock, アクチノライトロック)と呼んでいます。

⑦藍閃石片岩
藍閃石片岩(らんせんせきへんがん、glaucophane schist、グロコフェンシスト)は藍閃石という鉱物を特徴的に含む結晶片岩の1種です。
プレート沈み込み帯のスラブ上面などに生じる低温高圧型変成帯に典型的な変成岩です。
大抵の場合は、青色片岩に含まれます。

⑧透閃石片岩
透閃石片岩(とうせんせきへんがん、tremolite schist、トレモライトシスト)は透閃石という鉱物を特徴的に含む結晶片岩の1種です。
主に蛇紋岩とその他の岩石の境界部分に生じる変成岩です。

⑨紅簾石片岩
紅簾石片岩(こうれんせきへんがん、piemontite schist、ピーモンタイトシスト)とは、紅簾石またはマンガンを含み赤色を呈する緑レン石や斜灰簾石などを特徴的に含む結晶片岩の呼称です。
主にチャートが変成して形成され、主要な構成鉱物は石英で、この他赤鉄鉱、磁鉄鉱などを伴います。

⑩石墨片岩
石墨片岩(せきぼくへんがん, グラファイトシスト, graphite schist)は石墨を特徴的に含むとする結晶片岩です。
主に泥岩のような有機物に富んだ堆積岩が原岩です。
結晶片岩の1種なので片理が発達しており、薄く剥がれやすいのが特徴です。
石墨片岩の見た目は半金属光沢のある黒色の層と、石英などからなる白色ガラス光沢の層の互層となっている事が多く見られます。
石墨を含む層で割れると黒色に見えますが、石墨の含有量はそれほど多くはありません。
石墨片岩の石墨以外の主な構成鉱物は、石英、長石、ローソン石、緑泥石、絹雲母(白雲母)、赤鉄鉱、磁鉄鉱などです。
変成度が低く再結晶があまり進んでいない場合は、千枚岩に分類されます。
ただし、結晶片岩と千枚岩の分類上の境界は曖昧であり、厳密な定義はありません。
石墨片岩は世界各地の様々な地質環境の広域変成帯などで形成されます。
日本では三波川変成帯や三郡変成帯などから特に産しています。

⑪赤鉄片岩
赤鉄片岩(せきてつへんがん、hematite schist、ヘマタイトシスト)は赤鉄鉱/a>という鉱物を特徴的に含む結晶片岩の1種です。
主にチャートや縞状鉄鉱層などの鉄に富んだ堆積物の変成によって生じる変成岩です。

⑫石英片岩
石英片岩(せきえいへんがん, クォーツシスト, quartz schist)は石英を主要な構成鉱物とする結晶片岩です。
主にチャートを原岩としますが、石英質砂岩が原岩である場合もあります。
結晶片岩の1種なので片理が発達しており、薄く剥がれやすいのが特徴です。
石英の他の鉱物は、チャートを原岩とする場合は赤鉄鉱、磁鉄鉱、紅簾石などを含み、砂岩を原岩とする場合は絹雲母(白雲母)、緑泥石、曹長石などを含むことが多く見られます。
見た目は灰白色、灰色、灰緑色、黄灰色、赤紫色、赤褐色などの色です。
変成度が低く再結晶があまり進んでいない場合は、千枚岩に分類されます。
変成度が高いものの等方的で片理があまり発達していない場合、クォーツァイトquartziteに分類されます。
ただし、これらの分類上の境界は曖昧であり、厳密な定義はありません。
石英片岩は世界各地の様々な地質環境で形成されます。
日本では三波川変成帯や三郡変成帯などから産しています。
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