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南スーダンの人々の理不尽な思い

みなさんは、今南スーダンで何が起きているかご存じでしょうか?

東アフリカに位置する南スーダン共和国は現在、国の3分の2が洪水に見舞われ、北部ユニティ州の州都ベンティウの街は、海に浮かぶ島のようになっています。
屋根だけを残し、完全に水没した家ばっかりです。
被害を受けた人々が詰め掛ける避難民キャンプも、地面が水面より低く、国連などの協力で築かれた堤防でかろうじて守られている状態だそうです。
4年連続で、記録的な大雨と洪水に見舞われている南スーダンでは、今回の洪水で90万人以上が影響を受け、深刻な食糧危機に瀕しています。
また、井戸やトイレが水没して水源が汚染され、感染症などの発生も心配されています。
国連難民高等弁務官事務所は、「気候変動が加速するにつれ、状況はさらに悪化する恐れがある」として国際的な支援を求めています。

これが、現実に起こっている自然災害ですが、南スーダンはここ10年間にも及ぶ辛い歴史があります。
南スーダンは2011年に長い内戦の末に独立を果たした「世界で一番新しい国」です。
南スーダンは半世紀に及ぶ内戦を経て2011年7月、分離独立を果たしました。
いわゆる「世界で一番新しい国」ですが、しかしその後たった2年で再び内戦に陥り、2019年からは全国的に7つの州にまたがるような洪水被害、そして直近では武装勢力による襲撃と多くの人々が命を失い、逃れてきた人々も生きる希望を奪われるような状態へ追い詰められています。
これは独立当初から脆弱な政府には到底対処できない惨事(もしくは政治的理由で意図的に画策されたもの)であり、国連機関も必死の支援を続けますが、それでも増え続ける避難民を支えきれません。
南スーダン・ユニティ州レール郡(Leer County, Unity State)において、2022年4月上旬に軍の訓練施設で武力衝突が発生しました。
それを契機に、郡内の村々が広範囲にわたり武装グループに襲撃され、4月中旬に事態が鎮静化するまでに、現地のNGOによれば8万人以上が国内避難民となりました。
軍施設での衝突と武装グループによる村落襲撃の背景には、南スーダン政治・軍事における敵対的な二大勢力の緊張関係や駆け引きがあると言われており、聞き取りをした避難民リーダーは「自分たちは政治の道具として殺されている」と私たちに訴えました。
ユニティ州はもともと洪水により甚大な被害を被っていました。
2019年から3年続き、2021年は「60年に一度」といわれるほどで、22万人以上が被災しています。
その中でも州都ベンティウには相当数の国連機関、国際NGOの事務所があり人道支援が行われている一方、南のレール郡は活動する団体が限られることもあり、支援が十分に行き届いていません。
そのような状況のなか、武力衝突によりさらに多くの人々が避難民となり、状況は悪化の一途を辿っています。
この延々と続く非常事態に人々は為す術もなく翻弄されれ、何度も何度も避難を繰返す生活の実態は、私たちの想像を絶する残酷極まりないものです。
理由も分からないまま誰かが殺しに来るので、子どもたちを連れて逃げるだけで精一杯だそうです。
着の身着のままでナイル川に飛び込み、夜があけるまで川の中に身をひそめ、日が昇ってから中洲の小島にやっと上がるそうです。
日中に移動すると見つかって殺されるので、夜な夜な川の中を移動するそうです。
国連平和維持部隊が避難民を保護する地域を目指して逃げたが、そのさなかで大勢の人が沼に溺れ、木の上から襲ってきた猛獣に子どもを食われ、毒蛇に噛まれ、ワニの餌食となり、死んでいったこともあるそうです。
命からがら避難民地区にたどりつき殺される心配がなくなったとしても、凄惨な体験に精神を病んで病気となり父親が亡くなったという人もいます。
また、支援の行き届かない中での生活環境はかなり厳しく、トイレがないために数千人が連日野外排泄をし、味気ない植物の根っこを1日1回食べるのがやっと、汚い水もそのまま飲みながら命をつないでいるそうです。
更に避難民の多くは屋根すらもない地べたで寝て夜を過ごしているために、雨季が本格的になれば、大人も子どもも豪雨に打たれながら寝られない夜を過ごすことになります。
これはもはや人間の最も基本的な尊厳に対する侵害です。
JVCインターン生の阿見さんの話では、避難民地区を訪れた私たちに過酷な体験を話してくれた避難民の人々からは、「このことを日本に伝えてほしい」「今までもいろんな団体が話を聞きに来たが何も起こらなかった」という声もあったそうです。
南スーダン出張で、JVCインターン生の阿見さんは想像を遥かに上まわる惨状に何度も圧倒されたそうです。
南スーダンの洪水は目を疑うほどに広大な面積を水没させる、まさに天変地異と呼ぶに相応しいものだそうです。
また、避難民キャンプの衛生環境の劣悪さに、阿見さんはすぐに病気に罹り病院で治療を受けることになったそうです。
避難民の人たちには南スーダンしか居場所がありません。
同じ地球なのに、同じ人間なのに、なぜこの人たちばかりが何年も何年も理不尽な思いを強いられ続けるのでしょうか。
このJVCの阿見さんの言葉からも、南スーダンで起きている差し迫った状況が伝わってきます。
日本にいると、荷物を持たず、命からがら逃げること、雨風を凌げず夜を明かすこと、毎日野外での排泄を強いられることのどれもが想像絶するものです。
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常任理事国であるロシアや中国の役割

常任理事国であるロシアや中国をこのままにしていていいのでしょうか?
常任理事国についていろいろ調べてみました。

常任理事国(じょうにんりじこく permanent members)は、
・アメリカ
・イギリス
・フランス
・中国(1971年中華人民共和国が中華民国にかわり代表権を獲得)
・ロシア(1991年ロシア連邦がソビエト社会主義共和国連邦の地位を継承)
上記5か国(国連憲章23条)であり、国連安全保障理事会の構成国(15か国)は、この常任理事国と、各地域に配分され、選挙により選出される10か国の非常任理事国から構成されています。
常時同理事会に代表されかつ非手続的事項に関する表決において拒否権を有する点で、非常任理事国(10か国)に比べ、二重の特権を有しています。
また、常任理事国のみが軍事参謀委員会の構成国となります(国連憲章47条2項)。
さらに、国連憲章の改正にあたっては、批准段階において常任理事国の批准が必須の要件になっています(国連憲章108、109条2項)。
常任理事国は、国連憲章が改正されない限り恒久的にその地位にあるそうです。
また、日本の常任理事国入りが論議さる場合は、国連憲章の改正が必要で、しかも常任理事国すべてが賛成しなければならないことになっています。
残る10カ国が非常任理事国で、2年の任期で総会で選出します。
当初は6カ国だったのですが、第三世界からの加盟国増に対応するため、1963年の総会で4カ国増が決められました(65年より実施しています)。
10カ国の地理的配分は、アフリカ3、アジア2、東欧1、中南米2、西欧その他2だそうです。

日本も常任理事国入りを目指した時期はありました。
1990年代前半の湾岸戦争後、国連の機構改革や機能強化が問題になったとき、当時の首相であった宮沢さん、細川さんが常任理事国入りの意向を表明し、それ以来外務省の悲願になっています。
2004年9月の国連総会において、当時の首相の小泉さんは安保理改革の必要性を強調し、常任理事国入りの希望を明確に表明し、同時に日本・ドイツ・インド・ブラジル(G4)の常任理事国入りで結束する動きを起こしました。
2005年3月アナン国連事務総長が報告を発表し、安保理改革案を勧告して以来、決議案採択には国連総会で加盟国の3分の2の賛成が必要であるため、支持取り付けの動きが活発化しました。
しかし、常任理6増・非常任理4増のG4案に反対し、非常任理事国のみを拡大する案をイタリア・韓国・パキスタンなどが提起し、コンセンサス連合を形成したそうです。
さらにアフリカ連合(AU)も独自の安保理改革案作りに乗り出し、三つ巴の様相を呈しました。
2005年7月末の国連総会での採択を控え、7月5日アフリカ連合首脳会議は、常任理6増のうち2カ国をアフリカに求める案で合意したそうです。
妥協のため6月上旬に新常任理事国の拒否権行使を15年凍結するという修正案を作成していたG4と、拒否権に固執するAUとの妥協の動きが7月下旬に見られたものの、AU内部で足並みが乱れ、共同決議案は8月4日のAUの緊急首脳会議に委ねられることになりました。
しかし同会議では一本化することができず、G4とAUの連携は頓挫することになりました。
そして、同年9月の国連総会において、G4の決議案は事実上廃案となりました。

2020年08月に、中国メディアは、たとえ強国であっても「日本とドイツとインドは常任理事国になれない」と主張し、その理由について分析する記事を掲載しました。
記事によると日本とドイツが常任理事国入りできない主な理由は「かつてファシズム国家だったから」だと主張しています。
国連の設立目的は「世界平和の維持」なので、かつてのファシズム国家を常任理事国に加えるわけにはいかないとしています。
第2次世界大戦の終戦からすでに70年以上が経過したのですが、いまだに常任理事国に入れないのは、日本の場合、かつての侵略行為のためにアジアからの反発が激しいためだと主張しています。
特に、中国と韓国から強い反対に遭うからだとしています。
まあ、常任理事国である中国が拒否権を行使すれば日本は絶対に入ることができないのですが。
ドイツについても同様だそうで、欧州諸国はドイツに対して敏感になっており、英米等が強く反対すると指摘しています。
また、ドイツの「戦後の謝罪の態度はまずまず良かった」ものの、欧州にはすでに英仏の2カ国が常任理事国入りしており、これ以上欧州の勢力を大きくさせないため米国が常任理事国入りを許さないだろうとしています。
では、インドはどうなのでしょうか。
インドは「アジアで中国に次ぐ強国」ではあるのですが、中国とパキスタンが強く反対するので常任理事国入りは実現しないとしています。
記事は、常任理事国入りを果たしたければ「まずは自らの行いを見直すべき」と主張しています。
他国を感動させる行動ができるような国こそ、常任理事国としてふさわしいとしているのですが、中国が、昔も現在も、そのような立派な国に該当するのかは疑問です。

そんな中でのウクライナでの戦争です。
ロシア軍の即時撤退などを求める安保理決議案が2月25日、ロシアの拒否権によって否決されたことを受け、米国とアルバニアがESSの開催を提案しました。
国連総会は、今年の3月2日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて「緊急特別会期/会合(Emergency Special Session:ESS)」を開催し、ロシアに対して軍事行動の即時停止を求める決議案を141カ国の圧倒的賛成多数で採択しました。
193の国連加盟国のうち、反対票を投じたのはベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、ロシア、シリアの5カ国のみで、棄権は35カ国でした(ちなみに中国は棄権です)。
日本を含めた90カ国以上が共同提案したもので、決議に法的拘束力はないのですが、ロシアに対して「即時に完全かつ無条件で、国際的に認められたウクライナの領土からすべての軍隊を撤退させるよう」強い言葉で要請しています。
国連のアントニオ・グテーレス事務総長は「国連総会のメッセージは強力で明確だ。ウクライナでの戦闘行為を今すぐ止めろ。銃声を今すぐ静めよ。対話と外交への扉を今すぐ開け」とロシアに呼び掛けました。
安保理は27日に採決を行いました。
米欧など計11か国が賛成、ロシアが反対、中国とインド及びアラブ首長国連邦(UAE)が棄権しました。

第二次世界大戦での敗戦国である日本やドイツは、常任理事国には入れなかった訳ですが、香港を侵略した中国や、ウクライナに戦争を仕掛けたロシアは、果たしてこのまま常任理事国に居座ることが出来るのでしょうか?
もしそれが出来るのなら、国連安全保障理事会なんか何も役割を果たさないと思います。
今こそ、すぐに戦争をやめさせる事ができるような絶対的な組織が必要です。
国連安全保障理事会なんかすぐに解体して、正義を基本とする新たな組織を求めます。
プーチンはNATOを警戒しているようなので、私が思うにはNATOをヨーロッパだけでなく、全世界に拡大していくのがわかりやすい安全対策だと思います。

ヨーロッパでは過去500年で最悪の干ばつ

蛇行するエルニーニョ現象によって、日本では線状降水帯が至る所に発生して洪水が頻繁に発生しています。
降水量も常識をはるかに超えているので、堤防が決壊し、家屋の浸水が広範囲で見られています。

日本で、こんな洪水のニュースばかり見ているとにわかには信じがたいのですが、ヨーロッパはこの夏、一説には過去500年で最悪の干ばつを迎えています。
この記録的な水不足は、6月から何度もヨーロッパを襲っている熱波と相まって、各方面に多大な影響を及ぼしています。

①ヨーロッパの64%で干ばつ
欧州委員会の欧州干ばつ観測所(EDO)の8月の報告によれば、ヨーロッパの47%が土壌の水分が明らかに不足する「警告段階」にあり、17%が「要警戒段階」にあるとの事です(ロイター、8/23)。
フランスの場合、100以上の自治体で、水道から飲み水を供給できなくなったそうです(フランス・アンフォ、8/6)。
そのため多くの国・地域が取水制限を出しています。
オランダでは、いくつかの水門を閉じたり、畑の水やりを制限したりするとともに、政府は国民に洗車や庭の水やりを控え、シャワー時間を短くするようにと呼びかけています(ユーロニュース、8/6)。
同じく、イギリスでも地方によっては、庭の水やりや洗車、個人のプール使用などが禁止されました(rfi、8/13)。
農作物への影響はとくに大きく、イタリアのトスカーナ地方では、水不足の影響でオリーブの実が育たず、今年のオリーブオイルの生産量は50~60%も減少すると見られています。
また6月に政府が課した灌漑(かんがい)制限のせいで、スイカなど農作物の品質も著しく落ちています。(フランス・アンフォ、8/17)

②頻発する山火事の深刻化
水不足のせいで、今夏のヨーロッパでは夏真っ盛りの8月に、枯れ葉の舞う不思議な景色がそこここで見られています。
この乾燥は欧州で近年増えている山火事をさらに深刻なものにしています。
欧州森林火災情報システム(EFFIS)のデータによれば、8月18日の時点で、欧州全体ですでに76万1547ヘクタールの森が燃え尽きた計算だそうです。
これはスイスとベルギーを合わせた面積よりも広いそうです。
EFFISによれば、同システムが設立された2006年以来、最悪の記録の一つだそうです。(ユーロニュース、8/21)

③停滞する物流
ドナウ川、ライン川をはじめ、川や湖の水位も軒並み低下しているそうです。
なかでもライン川は、フランス、ドイツ、ベネルクスを結ぶ主要物流ラインでもあるため、その影響は経済的にも大きいそうです。
水位の低下により船の航行が難しくなり、その数は激減したそうです。
たとえば、フランスのメス港からは、毎年ドイツやベネルクスに向けて200万トン以上の穀物がモーゼル川からライン川を経て船で輸送されるのですが、今夏は収穫が終わっても送り出せない穀物が山積みになっているそうです。
稀に船が出る場合でも、川底に船体が触れないように、積めるのは900トンに限られているそうで、これは通常の3分の1以下だそうです。
足りない分を陸路で運ぶにも、船1隻の運搬量はトラック60台分に匹敵し、簡単に変更できるものではないそうです。(フランス・アンフォ、8/14)

④火力・原子力発電の問題にも
ロシアとのガス問題を契機に、火力発電に力を入れざるを得なくなっていたドイツは、石炭もライン川で運んでいます。
その一方で、ライン川の運送費は、前述の状況を受け、急激に値上がりしており、水不足はドイツの電力問題にもつながっているそうです。
発電の70%以上を原子力発電に頼るフランスでも、水不足と猛暑の影響で電力生産量の削減を余儀なくされています。
原子力発電所で冷却に用いる川の水が減少し、その温度も高すぎるためだそうです。(リベラシオン紙、8/5)

⑤魚の大量死の原因にも
水不足のもたらす川や湖の生態への影響も目に見え始めています。
先ごろポーランドとドイツの間を流れるオーデル川で、100トン以上の魚の死骸が見つかり話題になりました。
この大量死の原因はまだはっきりとわかっていないそうですが、有毒な藻類(ハプト藻)の可能性が指摘されています。
この海藻は本来ならば汽水域に繁殖するものなので、淡水のオーデル川に繁殖したということは、オーデル川の塩分が通常より高くなっていたということになります。
塩分上昇の理由はまだ解明されていないのですが、水不足と高い気温が関わっている可能性を指摘する声が上がっているそうです。(20minutes紙、8/22)
また、ロワール漁業連盟の23日の発表によれば、フランスのマブリーにある池では、11トンの魚が窒息死しているのが見つかりました。
その原因は「水不足と藻類の発生があいまった」ことだと考えられています。
つまり、繁殖した藻が夜間に大量の酸素を消費するため、水中の酸素が不足し、魚が窒息したのだそうです。(ル・パリジアン紙、8/23)

⑥牛乳不足は目前か
農作物の不作、値上がりに続き、フランスでは今後数ヶ月牛乳不足となる恐れが指摘されています。
フランスの全国農業組合連合会(FNSEA)経済委員会のフィアリップ会長の解説によれば、第一にこの時期にあるべき牧草地の草がまったく生えていないこと、第二に、乳牛に必要な飼料であるアルファルファやトウモロコシが、今年はほとんど成長していないことが原因だそうです。(ファム・アクチュエル誌、8/7)
そうでなくても、高温というストレスを受けると牛の牛乳生産量は落ちることが知られています。
加えて水不足、餌不足となると牛乳の量も質も落ちるのは当然だと思います。

飲み水となる地下水が潤沢になるには、雷雨や集中豪雨のような雨ではなく、長期間にわたる梅雨のような降雨が必要だと考えられています。
果たして今年の秋はヨーロッパに雨をもたらしてくれるのでしょうか。
私の住んでいる松山は、もともと頻繁に渇水になることでは日本でも指折りの町で、毎年のように水不足です。
上水道の半分は石手川ダムからで、あとの半分は何か所も掘っている井戸からです。
でも、松山では家庭に井戸を掘ることは可能なので、水の出る所でお金がある人は渇水対策として井戸を掘っています。
地下水の深度は、地下水があるところでも5~6mくらいです。
渇水期になると水位は1m以上下がります。
つまり、家庭用のポンプで汲み上げられるか汲み上げられないかという所まで下がってしまいます。
ここらあたりが問題なのですが、渇水対策といって井戸を掘って家庭用のポンプを設置しても、本当に渇水になった時には水が出ないということもめずらしくありません。
危機対策には余分な費用がかかることを知っていなくてはならないと思います。
ヨーロッパの危機的な状況を見聞するといろいろと考えてしまいます。
まあ、ロシアがウクライナに攻め込むとも思わなかったし、過去500年で最悪の干ばつを迎えるとも思わなかったとは思いますが。

愛媛県の鉱物の輝安鉱

輝安鉱を知っていますか?

輝安鉱(きあんこう、stibnite、スティブナイト)は、アンチモナイト(antimonite)とも呼ばれる鉱物(硫化鉱物)です。
由来はギリシャ語のStimiで、アイシャドーのことだそうです。
古くは、紀元前4000年エジプトの壺にも装飾として使われています。
組成式 Sb2S3 で表されます。
斜方晶系に属し、モース硬度は2です。
希少な金属であるアンチモンの最も重要な鉱石鉱物で、日本刀のような美しい結晶が希に産出します。
アンチモン(元素記号Sb)はドイツ名で、英名ではアンチモニー(Antimony)といいます。
金属としては最も古くから利用されているそうです。
日本で一番有名なのは、愛媛県の市之川鉱山(今は閉山済みです)で、大型の美麗な輝安鉱結晶が産出したことで知られ、明治時代には多くの標本が海外に流出したそうです。
但し、現在でも愛媛県をはじめ国内外の博物館などに展示されています。
そのほか、山口県の鹿野鉱山、愛知県の津具鉱山(津具金山)などが産地として有名で、鹿児島湾に存在する海底火山の若尊の海底熱水噴気孔でも、採取されているそうです。
輝安鉱は、重要なアンチモンの鉱石鉱物であることは前述しましたが、輝蒼鉛鉱(きそうえんこう)とは同一構造となります。
中間相に対し、かつて幌別鉱(ほろべつこう)という名称が提唱されたのですが、現在は用いられていません。
メタ輝安鉱metastibniteと称する赤色粉末状の非晶質物質と同質異像関係にあるという説もあったのですが、メタ輝安鉱は少量の水分を含んでいるという説もあります。
比較的低温生成の熱水鉱床中に産し、黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、ベルチェ鉱などと共存し、柱状から針状の結晶をなしています。
愛媛県西条市市ノ川鉱山のものは、結晶の大きさ、結晶面の複雑さで世界的に有名であったそうですが、現在は中国からかなりの良晶が発見されているそうです。
現在、世界の三大産出国は中華人民共和国、ロシア、南アフリカ共和国です。

<特徴>
①銀白色の強い光沢をもつ金属で、表面に美しい花紋状の結晶があります。
②硬さの度合いを示す硬度は2で、石こう程度の比較的柔らかいため、打ち砕いて粉末にできます。
③ヒ素と同じく毒性があり、殺菌力もあります。
④溶けた状態から凝固(固まる)するとき、体積が増します。
⑤銅、錫、鉛等と合金にすると硬さが増します。
⑥重さの度合いを示す比重は4.6です。
⑦溶ける温度を示す融点は546~551℃で、小さいものはローソクの火でも溶けます。
⑧鉱物や硬面はキラキラ銀白色に輝いていますが、長い間空気や光に当てていると酸化して、黒色となり光沢を失います。
⑨結晶は斜方晶系で、柱状、針状、塊状など、種類に富み、これは鉱物中無比のものです。その種類は113種にもなります。

<用途>
①鉛や銅と合金にして活字、鉛管板、電線用鉛被覆、減摩合金(軸受)として使用
②硬鉛鋳物の原料となり、機械器具として使用
③蓄電池の極版
④合成繊維に加工し、難燃材として使用
⑤高純度アンチモンは電子工業における冷却用半導体金属として利用

愛媛県の市之川鉱山の鉱脈は石墨片岩(せきぼくへんがん)が角礫化した部分で富鉱体をつくり、石英と輝安鉱からなる空洞(晶洞)が発達していました。
そのため巨大な輝安鉱の美しい結晶ができたといわれています。
鉱脈は母岩の中を通り、普通は幅が30~40センチメートルくらいですが、時には1メートル前後に達することもあります。
この鉱脈の中に空洞(晶洞)が生じることがあります。
マテ(柱状結晶)は、このガマ(晶洞)の中にできます。
非常に長い年月をかけて少しずつ成長し、大きなものは長さが90センチメートルに達するものもあったそうです。
ガマの中では、マテは手で曲げることができるほど柔らかい状態ですが、空気に触れると固くなります。

海外の輝安鉱は、現在判明されているだけで10カ国、18博物館に見事な結晶標本約40点が展示されています。
国名、博物館名及び所在地は次のとおりです。
①カ  ナ  ダ  ロイヤルオンタリオ博物館(トロント)
②   〃     国立自然博物館(オタワ)
③アメリカ合衆国  フィールド自然史博物館(シカゴ)
④   〃     エール大学付属博物館(ニューヘブン)
⑤   〃     スミソニアン博物館(ワシントン)
⑥   〃     ニューヨーク自然史博物館(ニューヨーク)
⑦   〃     ゴールデンゲイト博物館(サンフランシスコ)
⑧イ ギ リ ス  大英博物館(自然史)(ロンドン)
⑨   〃     地質博物館(ロンドン)
⑩フ ラ ン ス  国立自然史博物館(パリ)
⑪オ ラ ン ダ  国立地質学・鉱物学博物館(ライデン)
⑫   〃     テイラー博物館(ハーレム)
⑬チェコスロバキヤ  プラハ国立博物館
⑭ド  イ  ツ  鉱物、地質学博物館(ドレスデン)
⑮ス  イ  ス  ベルン自然史博物館(ベルン)
⑯ニュージーランド  テムズ鉱物学博物館(テムズ)
⑰オーストラリア  オーストラリア博物館(シドニー)
⑱   〃     ヴィクトリア州立博物館(メルボルン)


愛媛県西条市市ノ川鉱山の輝安鉱です。

北海道長万部町の水柱

北海道長万部町で水柱が40mの高さで噴出し、話題となっています。

水柱が現れたのは、北海道南部・長万部町の飯生神社の敷地内の西側の林です。
8月8日の午後6時頃、地元住民が見つけました。
今のところ浸水やケガ人などの被害は出ていませんが、大きな音が夜も続き、住民の生活にも影響が出始めています。
そして、11日目を迎えた昨日(18日)も、その勢いが衰えることはありません。
周辺には噴き出した水が、まるで雨のように降り注いでいます。
飯生神社・小野雄二宮司さんの話では、「最初は弱かったが2時間ぐらいでこういう状態に。それからは全く変わらない。高さも音も変化なし。」との事です。
お盆休みと重なったこともあり、この珍しい水柱を一目見ようと、多い日にはおよそ1500人が訪れていたそうです。
付近では、大きな音なので、住民の生活にも影響が出始めています。
音の大きさを測ると、55デシベルほどだそうです。
これは車の中にいるのと同じくらいの騒音で、住民たちは夜も続く轟音に悩まされています。
さらに噴き出した水が、風向きによって住宅地に流れてくることもあるそうです。
もうひとつ、住民を悩ませているのが見物人たちだそうです。
車でやって来て、住宅街に駐車したりして、渋滞が発生しているそうです。
長万部町では町役場の駐車場を利用するよう呼び掛けているそうですが、混乱は解消していないそうです。
このように突如噴き出した謎の水柱ですが、一体その正体は何なのでしょうか。
道総研エネルギー・環境・地質研究所・高橋徹哉さんによると、「可燃性の天然ガス。その天然ガスに地下水や地層水が一緒になって噴き上がっている。」との事です。
高橋さんは、水柱の正体はメタンガスの可能性が高いとみています。
長万部町では1958年から1960年にかけて、天然ガスや石油のボーリング調査が行われ、少なくとも11カ所の井戸が掘られたといいます。
その後、すべての井戸が埋められましたが、今回、このうちの1つからガスや水が噴き出したとみられています。
高橋徹哉さんの話では、「石油・天然ガスがある地質はそこに石油やガスが溜まるような、地質の構造になっている。地下から常に井戸に対して圧力がかかっているわけですから、そこに何らかの弱いところができてしまって、徐々に徐々に圧力に耐えられなくなって、限界点に達して一気に噴いちゃったのかなと推測されます。」との事です。
町の歴史を調べてみると、この井戸では過去にも同じような出来事が起きていたことがわかりました。
長万部町史によると、「昭和36年3月23日になって突然ガスと油が噴出した。噴出は翌日止まり、その後は止まったままである」とあります。
およそ60年の時を経て、再び噴き出したものは一体何なのでしょうか。
水質の調査結果は来週にも出る見通しです。
高橋徹哉さんの話では、:「現状を考えるとまだ先が見えないなというのが正直なところです。」との事です。
実は、のん気に見物などしているようなことではないらしい状態になっているかも知れません。
髙橋徹哉さんの見解では、「メタンガスと一緒に地層水、地下水が噴き上がっているのだと思います。火が付いちゃったりすると大変なことになります」と警告しています。
町は噴出が止まるのを待って埋めるしかないとの事です。

それにしても40mもの高さまで噴出するなんてすごい被圧ですね。
調査ボーリングは1000mくらいの深さまで掘っているという話なので、すごく深いところの被圧水が吹きあがっていると思います。
四国ではこんな現象は考えられないと思います。
40mもの高さとなると、やはりメタンガスのパワーも乗せていると思います。
さすがに自然豊かな北海道の地質構造ですね。

 
地中から約40メートルの高さまで、轟音とともに水が吹き出す衝撃的な光景です。
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