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「人新世」が創った地球温暖化と大雨

人類が地球に及ぼす影響があまりにも大きくなった結果、人類は自らが地球の状態を左右してしまう「人新世」という未知の時代に足を踏み入れようとしています。
「人新世」は、人類によってつくられた新しい地質年代です。
人間活動の指数関数的増大によって1950年前後から地球システムへの圧力が高まり、人間が惑星規模での変化の主役になりました。
最終氷期以降の完新世(約1.2万年)は、温暖で安定した気候に恵まれて農耕文明が起こり、人類を支えることができる唯一の地球の状態でした。
その均衡は、生物物理学的プロセスと地球システムによるフィードバック、例えば
・グリーンランドや南極大陸の氷床による太陽光の反射率
・土壌や植生
・海洋の炭素吸収
によって決められます。
人類自体が地質学的な力になり、地球に前例のない圧力をかけている状態です。
ここで、日本近海の過去100年の海面水温の上昇率をみてみます。
2019年までの100年にわたる海面水温の上昇率は+1.14℃/100年で、世界全体の海面水温上昇率(+0.55℃/100年)よりも大きくなっています。
なかでも、東シナ海から日本海にかけての上昇率が顕著です。
さらに季節別の上昇率をみてみると、夏に比べ秋から春、特に冬の値が突出しており、この100年で2℃前後も高くなっていることがわかります。
つまり冬の海水温が上昇し、下がりきらないまま夏を迎えることで、海水温のベースが上がり、より大雨のリスクが高まっていると言えるでしょう。
温暖化というと夏の高温を考えがちですが、実は冬の気温や海水温の高さが、大雨と連動していると考えられるわけです。
また、海水温の変化は気温と比べて目立ちにくいのですが、いったん上昇するとなかなか下がらないのが特徴です。ということはこの先も当面、日本近海の海水温は高い状態が続き、いつもの年よりも大雨リスクが高いと思われます。
付け加えると、気象庁の長期予報で今年の梅雨は全国的に雨量が多いとの予想も、日本近海の海水温が高いことがひとつの根拠となっているそうです。

小学生の時に授業で「大雨が降っても、なぜ海はいっぱいにならないの?」という質問がありました。
水は、蒸発して水蒸気(すいじょうき)になり、空にのぼっていって、雲になります。
そして、その雲の中で雨のつぶができて、やがて地上にも雨がふってくるのです。
海は、とても広いところなので、この広い海からは、たくさんの水が蒸発して水蒸気になっています。
その水蒸気から雲ができて、雨となり、降ってくるのです。
つまり、雨の水、その雨の水が集まって流れている川の水は、もともとは全部海の水だったわけで、このようなくり返しが、地球全体でおきているので、海は、いくら雨がふってもあふれることはないのです。
こういう答えだったと思いますが、現在の海面上昇から推察すると、このような原理にどこか歯車が狂っているような気がします。
それもこれも「人新世」だからだと私は思います。
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バックビルディング現象について

バックビルディング現象について

線状降水帯は「バックビルディング現象」とも言われています。
積乱雲が風上で繰り返し発生して風下に流れてき、常に積乱雲が豪雨を降らせ続ける。
風上の積乱雲が都内のビルのように並んで作られていく様から、バックビルディングという名前になったと言われています。
常に風上から積乱雲が発生して風下に流れ続けていることが、極端に強い雨が続く原因=集中豪雨につながるという事なのだそうです。
そしてこの「バックビルディング現象」を生む最大の原因は、湿った風と一定の風向だそうです。
発生しやすい4条件として
①雲の元となる暖かく湿った空気の流入
②その空気が山や冷たい前線とぶつかるなどして上昇
③積乱雲を生みやすい不安定な大気状況
④積乱雲を流しては生む一定方向の風
と言われています。

一昔前はゲリラ豪雨と言っていて、その名前の通りに小規模だったと思います。
だけど、線状降水帯は熊本県や鹿児島県がものすごい被害になっても、それだけで終わらず、昨日は福岡県や大分県、そして今日は長野県や岐阜県にも飛び火しています。
愛媛県でも、全国ニュースに流れないだけで道路はいっぱい通行止めになり、我々地質会社は一昨日からずっと仕事は中断しています。
今日の夜中には、線状降水帯はまた九州と四国に発生するようです。
平成30年の西日本豪雨も去年の九州での豪雨も7月でした。
この時期は線状降水帯がよく発生します。
天災だけはどうにもならないのかも知れませんが、これが世界で起こっている自然破壊の負の遺産だとしたら人災とも言えると思います。
雲がない日に、飛行機の上から日本を眺めるとゴルフ場のいかに多いかがわかります。
私たちは、ブラジルの森林破壊とか、大規模な破壊に目をやりがちですが、まずはゴルフ場建設での自然破壊とかの小規模な破壊を見直すべきだと思います。

熊本県南部の人吉市などの降水量と被害状況

熊本県や鹿児島県で数十年に1度発生するような大雨が発生しています。

図1は、気象庁の観測データをもとに作図した7月4日24時の72時間降水量分布図です。
図中の数値は降水量です。
図1からは、熊本県南部の人吉市など、球磨川の流域を中心に、400~500mm近い72時間降水量が記録されている事が読み取れます。
大きな降水量が見られた範囲は比較的狭く、周辺の熊本県北部、大分県、鹿児島県南部などでは72時間降水量が200mm以下、ところによっては100mm以下のところも見られます。
72時間降水量400~500mmは、決して小さな値ではありませんが、全国の気象庁観測所における72時間降水量の最大値は1650.5mm(2011年9月4日、奈良県上北山)ですので、全国の記録と比べると極端に多い記録が生じたわけでもありません。
次に、雨の降った時間帯を見てみましょう。
72時間降水量が比較的大きかった,熊本県人吉観測所における、7月2日~4日の1時間降水量と72時間降水量を図2に示します。
7月2日は丸一日雨はなく、3日朝から雨が降り始め、やや強い雨となったのは3日20時頃からで、雨のピークは4日未明と4日朝の2回見られますが、4日昼前には雨はほぼ上がったようです。
今回の雨は、3日昼前から4日昼前までのほぼ24時間、特に雨が強かったのは3日夜遅くから4日朝までの12時間程度だったようです。
最も雨が強かったときの1時間降水量は4日2時の68.5mmでした。
これは気象庁の言葉では「非常に激しい雨」に当たりますが、「猛烈な雨」に当たる1時間80mm以上には至っていません。
7月2~4日の間に、各観測所で観測された最も強い1時間降水量(最大1時間降水量)では、熊本県天草地方や、鹿児島県内で1時間80mm以上の記録が見られますが、今回大きな被害が生じた球磨川流域では、おおむね60~70mm台だったようです。
なお、これはあくまでも観測所で観測された値のみであり、「球磨川流域では今回の大雨で1時間80mm以上の猛烈な雨は降らなかった」事を意味しません、熊本県内では,その地域において数年に1回程度発生する程度の激しい1時間降水量が記録された際に発表される「記録的短時間大雨情報」が7月4日中に6回も発表され(多くは球磨川流域の市町村)、レーダーなどでの解析からは各地で110~120mm程度の雨が降ったことが記録されています。
局所的には、80mm以上の猛烈な雨が生じていたと考えられます。

10カ所以上で氾濫し、熊本県人吉市などで多くの民家を浸水させた「暴れ川」の球磨川です。
専門家は、「流域の広範囲で同時に豪雨となり、一気に流量が増え、支流が集中する盆地や川幅が狭くなる地点で被害が拡大した」と原因を分析しています。
球磨川は県南部の山間部を縫うように流れ、日本三大急流の一つに数えられています。
九州大の教授の島谷幸宏(河川工学)さんは、「大雨をもたらす線状降水帯が、球磨川流域全域を覆うように発生した。短時間に膨大な水が川に流れ込んだ」と指摘しています。
堤防が決壊した人吉市は盆地にあり、周辺の山々からの支流も多く集まっています。
川幅は広いのですが、許容量を大幅に超える水が集中し、低い土地の広範囲に浸水が広がったとみられています。
そのすぐ下流にある球磨村は、山に挟まれた「谷底平野」という地形で、川幅も急に狭くなるため、流れが滞り、水位が上がりやすい特徴があります。
大きな被害が出た球磨村の特別養護老人ホーム「千寿園」は球磨川の支流脇にあります。
九州大の名誉教授である小松利光(河川工学)さんは、「本流に比べ、支流は対策が遅れがちだ。整備状況を確認すべきだ」と指摘しています。
本流の水位に押されて支流が流れ込めず、水かさが増す「バックウオーター現象」が起きた可能性もあると推察しています。
その上で「地盤はまだ多く水を含み、堤防も弱っている。厳重な警戒と早めの避難が必要だ」と強調しています。
「(支流の)川辺川ダム建設を中止した後の治水対策も検証する必要がある」とも話しています。

大雨をもたらす線状降水帯は、今週もまだまだ発生すると想定されています。
こうなると「泣きっ面に蜂」状態です。
天災だけはどうにもなりませんが、それにしても何とかならないのでしょうか?
コロナの影響もあり、ボランテアも手伝えません。
平和な日常が早く取り戻せることを祈っています。

図1 7月4日24時の72時間降水量
図1 7月4日24時の72時間降水量

図2 熊本県人吉における7月2日~4日の降水量
図2 熊本県人吉における7月2日~4日の降水量


斜面崩壊の形態

斜面崩壊の形態

斜面崩壊は、
①切土のり面や盛土のり面のような人工斜面で生じるのり面崩壊
②崖くずれとよばれるような自然斜面で生じる斜面崩壊
に分類することができます。
崩壊による災害は、台風や梅雨前線などの豪雨によって発生することが多く、水と密接に関係していることが知られています。
また、地震による影響で崩壊を生じた事例もしばしば認められます。
下の図は、地盤状況に対する斜面の崩壊形態を示したものです。

図 斜面の崩壊形態分類1図 斜面の崩壊形態分類2

抑制工と抑止工について

抑制工と抑止工

地すべり対策工事には抑制工と抑止工があります。
(1)抑制工
①横ボーリング工
横ボーリング工は、水平やや上向きに行ったボーリング孔にストレーナ加工した保孔管を挿入し、それによって地下水を排除することにより、すべり面に働く間隙水圧の低減や地すべり土塊の含水比を低下させる工法です。
このため、効果的に地下水位を低下させるよう、設計に際しては地すべり地域のみならず、周辺の地形・地質及び地下水調査等から、帯水層の分布、地下水の流動層を推定して、最も効果的に集水できるようにボーリングの位置、本数、方向及び延長を決定する必要があります。
そして、対策工効果を恒久的に持続するためには定期的なメンテナンスが重要です。
②集水井工
集水井工は、集水用の井戸を掘削する工法で、深いすべり面位置で集中的に地下水を集水しようとする場合や横ボーリングの延長が長くなり過ぎる場合に用いられます。
集水井は内径3.5~4.0mの円形の井筒であり、その井筒内の集水ボーリングからの集水効果に主眼を置きますが、井筒自身の集水効果を得るために、井筒の壁面に集水孔を設ける場合があります。
移動層内には複数の地下水帯が存在しますので井筒からの集水ボーリングは、すべり面に直接関与する地下水帯の地下水を効率よく集水できるよう多段に配置するなどの計画が可能です。
対策工効果を恒久的に持続するためには集水ボーリングの定期的なメンテナンスが重要です。
③排水トンネル工
排水トンネル工は地すべり規模が大きい場合や地すべりの移動層厚が大きい場合などで、集水井工や横ボーリング工のみでは効果が得難い場合に計画されます。
排水トンネル工は、トンネルからの集水ボーリングや集水井工との連結などによってすべり面に影響を及ぼす地下水を効果的に排水できるよう設計します。
トンネルの位置は原則として不動地盤内とし、地すべりに影響を与える地下水脈の分布及びそれに対する地下水排除効果の効率性などを総合的に判断して定めます。
対策工効果を恒久的に持続するためには集水ボーリングの定期的なメンテナンスが重要です。
④排土工
排土工は、原則として地すべり土塊の頭部の荷重を除去することにより地すべりの滑動力を低減させるものです。
排土工を計画する場合には、その上方斜面の潜在的な地すべりを誘発する可能性がないか、事前に十分な調査・検討を行うことが必要です。
上方斜面の地すべりの規模が大きい場合には、この工法は適していません。
⑤押え盛土工 
押え盛土工は、原則として地すべり土塊の末端部に盛土を行うことにより、地すべり滑動力に抵抗する力を増加させます。
盛土部の下方斜面に潜在性の地すべりがある場合には、これを誘発する可能性があるため、押え盛土の設計に当たっては、盛土部基盤の安定性についての検討を行う必要があります。
盛土位置での地下水の透水層が浅部にある場合、または地すべり末端部で地下水が滲出しているような場合には、押え盛土やその荷重によって地下水の出口が塞がれたり、背後部の地下水位が上昇したりして斜面が不安定になる恐れがあるため、地下水の処置には十分注意する必要があります。


(2)抑止工
①杭工
杭工は、杭を不動地盤まで挿入することによって、せん断抵抗力や曲げ抵抗力を付加し、地すべり土塊の滑動力に対し、直接抵抗することを目的として計画されるものです。
地すべり地では、通常、鋼管杭が多く用いられます。
最近では外径1000mmを越える大口径の鋼管杭も利用されるようになり、必要とする地すべり抑止力が大きい場合にも対応できるようになっています。
②シャフト工
シャフト工は、地理的な制約などから杭工の打設機械等が搬入できない場合や大口径ボーリングに伴う地下への送水によって地すべりを助長させる恐れがある場合などに採用されるもので、直径2.5~6.5mの縦坑を不動地盤まで掘り、これに鉄筋コンクリート構造の場所打ち杭を施工する工法です。
大規模な削孔機械を使用しないため、同時に数基の施工が可能であるというメリットもあります。
通常は剛体杭として設計しますが、すべり面深度が深く杭長が長くなる場合はたわみ杭として設計することもあります。
シャフトを中空にして集水井工を兼ねる例もあります。
③アンカー工
アンカー工は、基盤内に定着させた鋼材の引張強さを利用して、地すべり滑動力に対抗しようとするもので、引き止め効果あるいは締め付け効果が効果的に発揮される地点に計画されます。
アンカーは基本的には、アンカー頭部(反力構造物を含む)、引張部及びアンカー定着部(アンカー体及び定着地盤)の3つの構成要素により成り立っており、アンカー頭部に作用した荷重を引張部を介して定着地盤に伝達することにより、反力構造物と地山とを一体化させて安定させる工法です。

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